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ブラックフライデー
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財務省の総務課長が現場に直接「改ざん」を指示したメールを次々と発見! 新たな開示で公文書は5万4000枚に。そこに真実を解明するカギが【森友文書分析・前編】 財務省で国有財産を管轄する理財局。その総務課は局内各課の筆頭に位置付けられる。財務省からこれまでに開示された膨大な文書を分析したところ、その総務課長が現場の近畿財務局に直接「改ざん」を指示するメールが存在していた。しかも、その指示を受けて改ざんされた文書と、改ざん前の文書まで出てきたのだ。依然としてベールに包まれたこの事件の背景を解くカギが、少しずつ見え始めている。 相澤冬樹 財務省近畿財務局が森友学園に国有地を8億円以上も値引きして売り払った「森友事件」。8年前の発覚後、取り引きを巡る公文書の改ざんが行われ、それを苦に近畿財務局の赤木俊夫さんが命を絶った。妻の雅子さんは、事件の捜査で検察に任意提出された文書の開示を財務省に求め、今年
NHK稲葉会長への公開質問状「過去のネット配信では正しい情報を出していなかった」のならば即座に国民に謝罪し、不正確な内容を示して修正すべきではないのか…現場から怒りの声が 11月27日の衆議院総務委員会で、NHKの稲葉延雄会長は過去のインターネット配信に対して驚くべき発言をしました。なんと「試行的にやっていたもので、正しい発信ではなかった」というのです。 もしそうだとすれば、多くの国民が不確かな情報を何年にもわたって与えられていたことになり、報道機関としてあるまじき行為があったということになります。どの情報が正しくなかったのか、即座に国民に示して修正するとともに、謝罪するのが報道機関の責務ではないでしょうか。それができないのであれば、公的な報道機関の信用をトップ自らが傷つけた、前代未聞の事態ということになります。 NHKの報道現場からは、苦労して発信してきたコンテンツを公の場でトップ自らが
データの分析やビジュアル化についての世界の最新事情が分かる唯一無二の連載、「荻原和樹のビジュアルデータウォッチ」。今回はXが右翼的な投稿の表示を優先していることを示すデータや、自転車や徒歩の利用が多い国のデータ、そして草の根データジャーナリズムについてです。 Sigma Awardsが応募受付開始まずはお知らせからです。データ報道の世界でおそらく最も有名な賞であるSigma Awardsが作品受付を開始しました。対象は2025年(1月1日から12月31日まで)に公開された作品で、〆切は2026年1月11日です。 「Sigma Awards 2026 for Data Journalism Are Open for Entries」より前回(2024年の作品が対象)は世界数十ヶ国から498件の応募がありました。エントリー自体は英語で行われますが、日本語の作品でもエントリー可能です。 イーロン
財務省の膨大な内部文書を誰でも分析できるデータベース! 新たに公開された2万5000枚の文書を実装。“改ざん”はどのように行われたのか、原本を検索できます 財務省に残されていた森友学園事件の関係文書が順次、公開されています。財務省がいかにして情報を隠ぺいし、文書を不正に改ざん・破棄していたのか、その工作の過程が見えてくる貴重な文書ですが、最終的には17万枚になり、人力で読み解くのは困難です。 そこでスローニュースでは、赤木雅子さんにご提供いただいた貴重な財務省の資料を、横断的にキーワード検索できるデータベースにしてどなたでも使えるようにしています。 今回、10月に新たに公開された、2万5000枚に及ぶ文書のpdfを実装しました。中には、予想もされていなかった幹部同士のメールのやりとりも。これまで公開された累計は、5万4000枚になりました。 関心のある市民の皆さんも、ジャーナリストのみなさ
2024年の兵庫県知事選。新聞やテレビは、これまでと全く違う局面に曝された。「オールドメディアが、既得権益を守ろうとしている勢力と一緒になって知事を潰そうとした」などという言説が広がったからだ。 メディアは、これまでは取材対象や起きている事象から一定の距離を保ち、客観性を担保することで、読者や視聴者の信頼を得てきた。しかし、今回の知事選では、報道機関も事態の登場人物、プレイヤーの1人と位置付けられてしまった。ある新聞社の幹部は「完全に当事者の1人にされてしまった。何を書いても『反斎藤知事なんでしょ』と受け止められて伝わらなかった人たちがいた」と嘆いた。 その原因は、選挙期間中ではなく、それ以前の、告発文書が明らかになってから知事失職に至るまでの報道にある。新聞とテレビは、実は異なる報道をしていたが、全体として過熱していく中で、冷静さを失ってしまった。 長期連載「兵庫“メディアの敗北”の真相
またしても、ため息が出るような報道に接しました。毎日新聞が11月3日の朝刊一面トップで報じた「福岡県が内部告発者探し 用地買収巡り 識者『公益通報の趣旨逸脱』」という記事です。 行政による「内部告発潰し」は、兵庫県などであれだけ問題になっても続いてしまうのかと、暗澹たる気持ちになりました。 福岡県による「当初算定額の5倍で用地を高値買い」スクープがきっかけこの問題、そもそもの始まりは、毎日新聞が8月13日に報じたスクープでした。「福岡県が道路事業に必要な土地を地権者の男性から買収した際、男性が価格に難色を示して、当初の算定額の約5倍、2165万円で取得していた」というものです。 男性は部落解放同盟福岡県連の副委員長で、取材に対し「自分の立場はおくびにも出していない」と答えていますが、報道では「不可解ともいえる大幅な増額」で福岡県側が「そんたくか」としています。
この10月からNHKはデジタルが必須業務化され、「NHK ONE」がローンチされました。このサイトへのユーザー登録をめぐってはトラブルが相次いでいて、そのことが様々なメディアで伝えられています。私も、最初にエラーが出たので、結局それ以来、登録しないまま使っています。(いずれちゃんと登録します) 一方、「NHK ONE」への移行にあたって、優良な数多くのコンテンツが削除されました。東京新聞は、「ミャンマーで何が起きているのか」や、「性暴力を考える」といったコンテンツが削除されたことを報じています。いずれも移行前から関係者がSNSで懸念を表明していましたが、それでも削除は行われました。 これらのサイトはいずれも重要なものですが、ただ私としては、それぞれの運営担当者がもっと局内で必要性や価値を訴えていれば残せていたかもしれないし、復活できる余地もあると考えていることから、この点については静観して
1年以上にわたって兵庫県に混乱と分断をもたらしている“文書問題”。「メディアの敗北」とまで言われる事態はなぜ起きたのか。当時、NHK神戸放送局で報道の責任者を務めてきた小林和樹氏が、「表の報道」からだけではうかがうことができない、メディアの内幕や兵庫県の動きの全てを記録に残します。 長期連載「兵庫“メディアの敗北”の真相」、今回は元県民局長の「私的情報」を知っていたメディアが、なぜ報道しなかったのかを検証します。 「私的情報」は報道に値しないと判断。その理由は兵庫県知事選挙の際に、「国民の知る権利に応えろ」と言われながらも、新聞やテレビが報じなかったのが元県民局長の「私的情報」の内容だ。 候補者だった立花孝志氏が、県職員から入手したというファイルなどを示し「新聞・テレビは事実を隠している。斎藤知事は悪くない」という主張を、候補者という立場を利用して政見放送や街頭宣伝、そしてSNSで広げた。
1年以上にわたって兵庫県に混乱と分断をもたらしている“文書問題”。「メディアの敗北」とまで言われる事態はなぜ起きたのか。当時、NHK神戸放送局で報道の責任者を務めてきた小林和樹氏が、「表の報道」からだけではうかがうことができない、メディアの内幕や兵庫県の動きの全てを記録に残します。 長期連載「兵庫“メディアの敗北”の真相」、今回は元県民局長が亡くなったあと、「百条委員会」を阻止するためにマスコミに意図的に流された情報と、それがどう扱われたかについて検証します。 〝百条委の負担〟の報道について亡くなった元県民局長が残したメッセージは、「一死をもって抗議する」、そして「百条委員会は最後までやりとおしてほしい」ということだけであり、報道各社もその言葉は伝えている。 一方、前回までの記事で検証した通り、根拠が薄弱な「斎藤知事のパワハラが原因」や「私的情報が百条委員会で公にされるのを避けるため」とい
江東区が区長会見動画から「連れ去り質疑」を全削除──98歳女性行方不明から半年、区役所がばらまく「虚偽情報」に苦しむ家族の二次被害 東京都江東区に住む武田和子さんが、3月13日に警視庁城東警察署(江東区)と江東区役所の職員によって連れ去られてから半年が経過した。武田さんは9月14日で98歳の誕生日を迎えたが、家族や知人と連絡を取ることも許されず、今も行方不明のままだ。 武田さんの家族は、玄関のカギを破壊して侵入した城東警察署や連れ去りを主導したと思われる江東区役所に説明を求めているものの、いずれも「個人情報の保護」を理由に説明を拒否している。 そうしたなか、江東区は思わぬ対応を見せた。9月10日に開かれた大久保朋果・江東区長の記者会見ではフロントラインプレスの記者がこの問題に関する質問を続けたが、区が公開した会見録画では「連れ去り」に関する質疑だけが全て削除されていたのだ。 また、江東区は
財務省の隠ぺい工作がここまで見えた!森友文書を使えば、官僚組織が不正に至る意思決定を浮かび上がらせられます【データベースを利用しよう】 財務省がいかにして情報を隠ぺいし、文書を不正に改ざん・破棄していたのか。その工作の過程が見える文書がいま次々と開示されています。 8年前の森友事件を覚えているでしょうか。財務省近畿財務局が、大阪の森友学園に小学校の建設用地として国有地を8億円以上値引きして売り払ったことが発覚。財務省は取引文書の改ざんに手を染め、不正を強いられた近畿財務局の赤木俊夫さんが命を絶ちました。大阪地検特捜部が捜査しましたが、関係者は全員不起訴。値引きと改ざんの真相はいまも謎のまま、解明されていません。 赤木さんの妻の雅子さんは、財務省が検察の捜査で任意提出したすべての文書の開示を求め、裁判の末に17万枚以上の文書が数回に分けて開示されることになりました。開示された文書には、通常な
江東区の97歳女性を警察官や区職員が「連れ去り」…どういうことなのか、何が起きているのか、疑問に答えます 東京都江東区に住む97歳の女性がことし3月、警察官や江東区役所の職員らによって連れ去られた。この衝撃的な事件の経緯や、江東区役所や江東区社会福祉協議会、警視庁城東警察署の対応については、フロントラインプレスが8月18日と19日に調査報道専門サイトのスローニュースで詳報した。記事は大きな反響を呼んだが、一方で事実に基づかない家族への批判や勝手な憶測もネット上にあふれている。 こうしたことから、被害者の家族は連れ去られた女性の実名と顔写真の公開を決意した。連れ去られた女性の本名は武田和子さんという(これまでの関連記事では「中村文子」の仮名を使用)。武田和子さんは1927(昭和2)年9月生まれで、今月で98歳になる。 武田和子さん娘の真由美さん(仮名)は「母はどこかの施設か病院にいるはず。ど
97歳の母親への虐待は「不存在」なのに江東区は娘との面会を禁止。裁判所に提出の文書にも事実と異なる内容が 警察官が、裁判所が発行した令状なしに一般市民の自宅にカギを破壊して侵入し、高齢者を連れ去った──。フロントラインプレスがこれまで報じてきた自治体による高齢者連れ去り問題で今年3月、警察が関与する事件が発生した。 舞台は東京都江東区。何の犯罪にも関与していない97歳の女性は令状なしで自宅に侵入してきた警察官に連れ出され、今でも家族や友人と連絡を取ることが許されず、行方不明のままだ。 いったい、何が起きているのか。事件の背景を追うと、連れ去り実行までの過程で、重要な役割を果たしたもう一つの組織が浮かび上がってきた。 フロントラインプレス 警察官の「住居侵入」で母が行方不明に東京都江東区に住む97歳の中村文子さん(仮名)が警視庁城東警察署(東京都江東区)によって連れ去られてから、すでに5カ月
緊急イベント「自治体による高齢者連れ去り」問題を考える~いま何が起きているのか【8月30日(土)14時より開催】 自治体による「高齢者の連れ去り」問題。スローニュースで報じた港区や江東区のケースだけでなく、いま全国で起きています。いったい、何が起きているのでしょうか。この問題を考え、疑問に答える緊急イベントを8月30日に開催します。記事に登場した、家族を連れ去られた人も登壇します。 全国で被害の訴えは少なくとも20件、刑事告発されたケースも「母親を介護してきたのに、証拠もないのに『虐待している』と言われ、親と会えなくなった」 「役所の職員に何を言っても居場所を教えてくれない」 いま、
令状も示さず警察官が個人宅のカギを破壊して97歳の高齢者を「連れ去り」!警察権力の暴走で女性は行方不明に 警察官の職務は、地域住民を危険から守り、社会の安全を維持することにある。もちろん、職務の執行に際しては、法律で定められた手順を踏まなければならない。法律の定めた範囲を超えて活動することもできない。ごく、当たり前のことである。 例えば、個人の住宅に立ち入って捜査する場合は、原則、裁判所が発付する「捜索差押許可状」が必要だ。憲法35条が定める「令状主義」と呼ばれるもので、捜査機関による強制処分については、あらかじめ裁判官のチェックを受けさせ、捜査の行き過ぎに歯止めをかけるための仕組みだ。 ところが今年3月、こうした枠組みを警察自らが崩壊させる事件が東京都江東区で起きた。警察官が、裁判所の許可なく住宅のカギを破壊して侵入し、家にいた97歳の女性を連れ去ったのだ。連れ去られた女性は何かの犯罪に
参政党のマニフェストを読み解くと、躍進の理由が見えてくる…その「三段論法」の戦術とは【伊藤昌亮教授解説・前編】 8月7日、「参院選後の社会 右派ポピュリズムの新たな展開 参政党のマニフェストの分析から」と題された、成蹊大学の伊藤昌亮教授の講演を聞きました。参政党の分析としてこれまでにない示唆に富む内容でしたので、今回はそのポイントをお伝えしようと思います。 スローニュース 熊田安伸 ライト層からコア層にまで届く、よくできた「三段論法」の政策構造伊藤教授はまず、参政党のマニフェストに注目します。 「右側の日本人ファーストばかりが目立っていますが、左側の3つの政策に注目したい。参政党は何を言ってきたのか、批判しやすいところが批判されていますが、彼らの政策をまともに分析した議論はありません。何が支持されてきたのかを見ると、従来の左派的な動きとも関係があることがわかります」 そこにはそれぞれ、ライ
世界が震撼したのではないでしょうか。6月25日に日本経済新聞が報じた、『米国へのフェンタニル密輸、日本経由か 中国組織が名古屋に拠点』という大スクープです。 FIRSKY株式会社という法人が名古屋市に設立され、「少なくとも2024年7月まで日本から危険薬物の集配送や資金管理を指示していた姿が浮かび上がった」といいます。 「人をゾンビ化させる」とまで言われ、アメリカで大きな社会問題になっている合成麻薬「フェンタニル」。もちろん、海外のメディアもその問題は報じしてきました。しかし、密輸経路などに関する詳しい記事はどれほどあったでしょうか。 2024年に世界のメディアから発信されたデータジャーナリズムの中で優れた10作品を選出したGIJN(世界調査報道ネットワーク)のランキングの中には、ロイターがフェンタニルがアメリカに持ち込まれる手口をビジュアル化した報道がありましたが、「中国から小包のような
1年以上にわたって兵庫県に混乱と分断をもたらしている“文書問題”。「メディアの敗北」とまで言われる事態はなぜ起きたのか。当時、NHK神戸放送局で報道の責任者を務めてきた小林和樹氏が、「表の報道」からだけではうかがうことができない、メディアの内幕や兵庫県の動きの全てを記録に残します。 長期連載「兵庫“メディアの敗北”の真相」、今週は3回にわたって独自のアンケートを実施して誹謗中傷を受けることになった、兵庫県議会の丸尾議員をめぐる問題を検証します。 アンケートを実施した県議に誹謗中傷が集まった背景を検証する2024年の5月は、元西播磨県民局長の懲戒処分が決まった後、その処分に向けた県の調査の客観性や公正さに疑問が呈され、それに対して知事や県が十分な対応ができていないという状況だった。 その中で、以後の報道に大きな影響を与えたのが、1人の兵庫県議会議員が県職員に対して行ったアンケートだ。元県民局
年老いた親が、ある日突然消えた。悪いことをしたわけではない。あるいは犯罪に巻き込まれたわけでもない。連れ去ったのは、自治体の職員だった――。 フロントラインプレスは、地方自治体の職員による高齢者連れ去り事件が全国で少なくとも20件以上発生していることをスローニュース上で伝えてきた。その多くが「虐待防止」を理由にしているが、ずさんな虐待認定による強制的な連行が相次いでいるのが実態だ。なかには家族との面会が何年も許されず、亡くなる瞬間にすら立ち会えなかった人もいる。 そうしたなか、2022年9月に東京都港区の職員によって連れ去られた80代の女性が、東京都青梅市内の精神科病院に医療保護入院させられていたことがわかった。連れ去られた親の居場所が判明するのは珍しいケースだ。「母が港区に殺されてしまう」と感じた娘は、母を病院から救出することを決意した。連れ去りから2年8カ月、警察もかけつける騒ぎとなっ
NHKが4月5日に放送したETV特集、「フェイクとリアル 川口 クルド人 真相」は、再放送が延期されて、1カ月近くたった5月1日の午前0時から放送されました。(5月8日午前0:59 までNHKプラスで観られます) NHKプラスより放送への圧力で再放送が阻止されたのではないか。そんな懸念の声も聞こえてきましたが、NHKが再放送は「延期」としているのを見て、それはないだろうと思っていました。 以前、NHKスペシャル「追跡 復興予算19兆円」を放送した際、当時の民主党政権から猛烈な圧力を受けました。放送後の閣議で当時の復興大臣が「NHKは政権をつぶす気か!」と番組に激怒したという情報が政治部からもたらされ、指示を受けた各省庁の事務次官会見では番組への批判の声が上がりました。ある官庁は被災地の自治体に「Nスぺを批判しろ」という趣旨のとんでもないメールさえ送っていました(これは現物を確認しました)。
いま、国会などで取り上げられている「PFAS論文さしかえ疑惑」。実はこれ、私たちが日々口にする「飲み水」にも大きな影響があるのです。ジャーナリストの諸永裕司さんによるスクープから発覚したこの問題、専門知識がなくてもわかるよう、ポイントを詳しくお伝えします。 そもそも「PFAS」とはPFAS(ピーファス)とは、有機フッ素化合物の総称です。水をはじき油もはじく、熱に強い性質から、世界中の工場で製品の加工や製造に使われてきました。しかし分解されないためヒトの体内に残り続け、発がん性や子どもの発達への影響などが国際的な研究機関から指摘されています。 PFOSとPFOA(いずれもPFASの一種)はすでに製造や使用が禁止され、10年以上前から使われなくなっていますが、環境中に残り続け、日本各地で高濃度の汚染が確認されています。 環境省が水質基準を決めようとしているPFASは飲み水にも含まれていることか
1年以上にわたって兵庫県に混乱と分断をもたらしている“文書問題”。「メディアの敗北」とまで言われる事態はなぜ起きたのか。当時、NHK神戸放送局で報道の責任者を務めてきた小林和樹氏が、「表の報道」からだけではうかがうことができない、メディアの内幕や兵庫県の動きの全てを記録に残します。 長期連載「兵庫“メディアの敗北”の真相」、今週は、混乱の口火となった去年3月の知事の会見、およびその直後の報道について、3回にわたって検証しています。2回目は会見のどこに「失敗」があったのかを詳しく見ていきます。 第1のミス、調査が進んでいないのに「懲戒処分」に言及してしまった前回、混乱のきっかけとなった2024年3月27日の会見について改めて詳しく振り返った。その内容を情報発信にからむリスク管理の視点から見ると、いくつもの問題点がある。整理すると、以下の3点に集約されよう。 懲戒処分や法的手続きなど、まだ決ま
【新連載】兵庫“メディアの敗北”の真相① 2024年、兵庫県はなぜ混乱と分断に陥ったのか…NHK神戸の責任者だった人物が全てを語る 1年以上にわたって兵庫県に混乱と分断をもたらしている“文書問題”。「メディアの敗北」とまで言われる事態はなぜ起きたのか。SNS発信との関係の検証記事などは出始めていますが、メディア自身が発信の在り方を十分に検証した記事はまだ存在していません。 当時、NHK神戸放送局で放送の責任者を務め、自局だけでなく他社の報道や兵庫県の動きもつぶさに見てきたのが小林和樹氏です。 「表の報道」からだけではうかがうことができない、メディアや兵庫県の知られざる内幕の全てを、いまはフリーになった小林氏が新連載「兵庫“メディアの敗北”の真相」で描きます。後世に正しく記録を残すためにも。 序・連載にあたって3月19日、兵庫県の第三者調査委員会は、文書の記述の真偽やマスコミなどへの文書の配
政府や専門家の解釈を無視し「異端の説」を振りかざす斎藤知事。兵庫県の「違法状態」を国は放置していいのか 選挙で多数の支持を得たからといって、それは法令違反を続けてよい理由にはならない。県庁内で万能の権力を持つ者であっても、「法の支配」には服さなければならない。 なのに、兵庫県の斎藤元彦知事はそれに応じない態度を採り続けている。そして、公益通報者保護制度への信頼を深く傷つけている。公益通報者の探索、懲戒処分、個人攻撃など斎藤知事側の人たちの振る舞いがまかり通れば、同様の仕打ちを恐れ、職場で不正を見ても口をつぐまざるを得ない人が増え、その結果、社会の側、多くの一般の人たちがそれら不正で被害を受ける可能性が従来より高まるだろう。 自浄能力を発揮できない兵庫県を前に、ここは国の出番なのではないだろうか。 奥山俊宏 知事が公益通報者に個人攻撃斎藤知事らによる違法な公益通報者探索から1年が経過した。
【スクープ】飲み水の基準の根拠を決める会合で評価のための論文が密かに外されていた!/シリーズ・PFAS論文差し替え疑惑① 私たちが毎日飲む水。しかしその水が「安全」だといえる基準の根拠を決める過程で、検討対象としていた論文が秘密裏に差し替えられていたとしたら、あなたはどう思うでしょうか。その水を安心して飲めるでしょうか。 国の食品安全委員会のもとで公開で行われた専門家の会議。ところが、基準を決めるための参考としていた論文の大半、190もの論文が密かに差し替えられていたのです。差し替えられた中には、海外では飲み水の基準を決めるにあたって採用されたり、発がん性に警鐘を鳴らしたりする重要な論文もありました。 諸永裕司さんによる調査報道スクープ「PFAS論文差し替え疑惑」を今日から集中連載します。 「評価の正当性が損なわれた」という指摘も問題が発覚したのは、食品安全委員会のPFASワーキンググルー
「PFAS汚染は解決できる」。そう語る人がいる。「PFAS技術対策コンソーシアム」の会長をつとめる山下信義さん。国立研究開発法人・産業技術総合研究所の上級主任研究員(エネルギー・環境領域)でもある。PFAS汚染を解決する出口はどこにあるのか、をたずねた。 山下さんは、PFOSやPFOAなどは、有害化学物質というだけでなく、グローバルな海洋物質輸送を知らせるトレーサーとして有用だとする研究を明らかにしている(環境省のサイトより) 解決策はないと思い込んでいた「失われた15年」――日本のPFAS対策について「失われた15年」と表現されています。どういう意味でしょうか。 PFOSは2009年に、(残留性の高い有害物質の規制について検討する国連の)ストックホルム条約会議で規制対象に追加され、生産・使用を禁止されました。その後、(国や企業は)きちんと対処していくのだろうと思っていました。 ――たしか
報道の役割はどうあるべきか、それを再認識させてくれるTBS報道特集の兵庫県知事選と立花氏発言の検証報道 デマ、誹謗中傷の拡散に歯止めをかけられない酷い状況が続いています。その一方で、従来、情報発信を担ってきたメディアやジャーナリズムは力を失っているという言説も見られ、実際、関係者の中には自信を失ったり、報じることそのものにリスクを感じて後ろ向きになっている様子も見られます。 そんな中で、TBSの報道特集が、1月25日と2月8日の2度にわたって、兵庫県知事選挙で拡散されたデマや誹謗中傷を真正面から取り上げ、検証する特集を発信しています。 1月25日の放送では、亡くなった竹内英明・元兵庫県議会議員が「でっちあげをしていた」とする立花孝志氏の発言などを検証。このうち、元県民局長の妻のメールは竹内元県議が偽造して送ったものだとする発言については、事実に基づかないものだと指摘しています。 報道の中で
年老いた親や親戚が、ある日突然消える。何か悪いことをしたわけではなく、犯罪に巻き込まれたわけでもない。連れ去ったのは、自治体の職員だった──。そんな“自治体による高齢者の連れ去り事件”が東京都港区で多発している。 フロントラインプレスはこれまでスローニュース上で、港区の連れ去り案件をいくつも報じてきたが、その1つについて当事者らが2月10日までに、港区の職員らを有印私文書変造・同行使の疑いで警視庁と東京地検に刑事告発した。担当の弁護士は「(高齢者を)社会から事実上抹殺しようと図ったことに起因する、誠に深刻かつ悪質な事案」と指摘し、許させない事件だと強調している。 フロントラインプレス/西岡千史 突然、父親が連れ去られ、入院先も不明に刑事告発されたのは、2024年12月23日にフロントラインプレスが『【スクープ】何者かが診断書を改ざんか?裁判所も「後見は必要ない」と認めた父の入院先を港区はひ
兵庫県の竹内前県議が亡くなったことについては、多くの人がショックを受け、心を痛めていると思います。 本人の心をのぞかなければ分からないことは多いのですが、生前に「ネットでの誹謗中傷や根拠のない臆測による批判などに悩んでいた」ことは周囲の証言から明らかです。どれだけのストレスを感じていたことでしょうか。 百条委員会で告発文書問題を追及していた竹内前県議へのデマが拡散し、それにともなって自宅への嫌がらせの電話や、「ピンポンダッシュ」が行われていました。実はその背景には、竹内前県議の知人が彼の個人情報をSNSに投稿していたことがあると、神戸新聞が明らかにしています。 問題は、投稿に気づいた別の知人らがプラットフォームに通報したのに、プラットフォーム側からは「対応できない」旨を伝える返答しかなく、一切、対処が講じられなかったことです。結局、知人らが投稿者を説得して削除されましたが、その間、個人情報
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