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ブラックフライデー
cocolog-nifty.hatenablog.com
今年はずっと本に使う予定の文章を書いていて、だいたい五十万文字くらいになった。 戦前の苦学と無銭旅行の関係を紐解くために大量の資料を読み、瑣末なことを重ねながら説明するといった構成で、誰が読むのかと今から心配している。最終的に本で扱った資料の数は396、メモは3000近い数になった。多分なんだけど一人の人間が扱える量じゃないんだけど Emacs の拡張がすごくなったり、デジタルアーカイブや AI が進化したので書けてしまったというのが感想で、意図せず「アール・ブリュット」みたいになってしまった気がしている。 本になる予定だけど、長すぎるのと内容が異常なので、どうなるのかは不明。一応原稿はできたので、これから編集の人が苦悩するんだと思う。 今回の作業はとにかく難しく、ずっとこれについて考え続けていたので、いきなり脳に広大な隙間ができて困惑している。あとものすごい脱力感があり、滅茶苦茶頭がボヤ
AI で歴史修正主義について学んでいたら AI が歴史を捏造して悪魔の証明をするはめになった 悪魔の証明 ――なかったことを「なかった」と説明できるか (ちくま新書) 作者:谷岡 一郎筑摩書房Amazon 予想外の反応が多かったので補足 前提 私は普段から普通にAIを使ってる 質問、あるいは実行することが、学習データに含まれているかどうかを意識して利用している 生成された文章は2割くらいしか読んでない(無駄なので) AI は駄目だ! とかはどうでもいいと考えている(そんなものは将来的に変わる) 50万文字程度の文字データを一括処理させようとしているが、過去のマイナーなデータを大量に含むデータなのでAIで処理するのは難しそうだと考えている AI にそれができるかどうかを知りたいので、趣味と実益をかねて長い会話をすることもある 現状では Emacs 上の AI アシスタントによる校正、AIが生
最近はAIを、外部記憶、あるいは脳を拡張するための道具として利用している。 私は今「苦学」と「無銭旅行」にまつわる本を書いているんだけど、当然ながら徳富蘇峰や杉浦重剛、日本の鉄道制度などが登場する。例えば徳富蘇峰については、名前くらいは知っている。一般的に評価されている仕事については、ほとんど知らない。しかし彼が清貧をどう捉えていたか……これは逆に一般的には知られていない知識なのだが……については、そこそこ知っている。つまり、知識がかなり偏っている状態だ。 知らないことは不安なので、調べないといけない。しかし活動が広範にわたっている人物や、巨大な組織もあって、すべてを把握するのは難しい。これまでは、こういう時には、できる範囲内で実資料を読み込んできた。しかし徳富蘇峰なんかはものすごい量の文章を書いている。たかだか数百文字を書くために全部読むというのは、ちょっと無理がある。仮に全部読んだとし
記憶が曖昧すぎて自分が正しいかどうか不明 明治以前の庶民の旅行は、信仰と深く結びついたものだった。先に紹介済みの通り、伊勢参りなどが分かりやすい事例で、基本的に旅行のための建前があった。お参りではない近代的な観光旅行は、志賀重昂の『日本風景論(明治二七(一八九四年)年)』から強い影響を受けている。『日本風景論』で志賀は日本三景や近江八景ではなく、気候や地形などを観察し美しさの理由を考察している。これによりそのままの風景を観たいといった要求が生れた。 今書いている書籍に出てくるこの一文が、正しいかどうか分からなくなってしまった。伊勢参りに関しては正しいんだけど、志賀重昂の『日本風景論』については忘れてしまった。このためだけに『日本風景論』をもう一度読むのは面倒くさいので、AI に判断してもらうことにした。 まず Deep Search 的なもので調査をしてもらう。私が本格的に調査している分野
Emacs で校正できるようになった [改訂新版]Emacs実践入門──思考を直感的にコード化し、開発を加速する WEB+DB PRESS plus 作者:大竹智也技術評論社Amazon 昔からなんどか Emacs で校正できるようにしようと考えてたんだけど、なかなか良い方法がなかった。キーを叩くと書いてる文書を Word 形式に変換し、 Word が開いて校正を自動で実行みたいなことをできるようにした記憶があるんだけど、面倒くさくてあまり使わなかった。 それでずっと放置していたら AI がすごく使えるものになっていたので AI を使い校正できるようにした。私が使っているのは Emacs だけど、拡張性のあるエディタならなんでできるし、今さら新たに Emacs を使い始めるのは正気じゃない。だから別のエディタを使ったほうが良いと思う。私は Emacs を使っているけど org-mode を
臼井農畜産(生産量日本一!) わら縄 3.0分 5巻セット ノーブランド品Amazon 私は AI を面白がるためだけに使っていた。 cocolog-nifty.hatenablog.com 私が Gemini 2.0 Pro Experimental(以下Gemini)に質問をし、答えてもらうことを繰り返してくうちに、それは徐々に物語のようになってきた。AI にまとめてもらった物語の概要は次の通りだ。 【登場人物】 私: 相談者。暴力反対の立場。 店長: 「無法地帯」という飲み屋の店長。元「先輩」。異常な怪力(握力200kg?)、異常な睡眠時間(1日16時間)、奇妙な言動(荒縄を服代わりにしようとする、「湿った黒い荒縄」を売ろうとする、「荒岩荒男」に改名しようとするなど)が特徴。精神的に、不安定な状態。 キックの友人: 38歳。店長の、牛乳と焼酎の、買い出し係。店長を、倒すために、「イナ
153784文字あるので注意 質問: ものすごいキックをしてくる人がいるんですがチョップを徹底的に鍛えてやっつけようと思います。できますか? 回答: それはまるで漫画のようなお話ですね!すごいキックをする人を、徹底的に鍛えたチョップでやっつけることができるかどうか、一緒に考えてみましょう。 現実的に考えると、難しい点が多いです。 キックとチョップのリーチの差: キックは手足を使うため、チョップよりもはるかにリーチが長いです。相手が間合いを取って蹴ってくれば、チョップを当てる前に蹴られてしまう可能性が高いでしょう。 キックの威力: 「ものすごいキック」ということなので、その威力は相当なものと想像できます。もし直撃してしまえば、チョップを出すどころか、大きなダメージを受けてしまうでしょう。 チョップの有効性: チョップは、適切に当てれば強力な攻撃になりますが、実践で使いこなすには高度な技術と鍛
有料のプランに入りたくなる気持が分かった 生成されるものがギリギリ不完全みたいになることが多く、課金したら完璧になるかもという期待を持ってしまう。しかしまだ課金はしてない。月に300円くらいなら払うかも。 自分のデータを扱える人格みたいなのができそう 自分の書いたものや収集したデータを全部飲み込ませて、自分よりすごいやつみたいなのを頑張れば作れるのかなっていう雰囲気はある。頑張らないとできない要因はいくつかある。 私が中途半端に知っている知識はおそらく AI も持っている。しかし私は人間なので、物事を曲解する。それを活用しものを考えているところがある。ここの再現は難しそう AI は多くのことを知っているが、知っていると考えられないことがある AI は嘘のデータを活用したり、事実を微妙に変更して嘘にしたりするため、そのようなことを一切しないといった調整も必要になる そのような調整をした場合
ChatGPTやGeminiを軽く触ってみたところ、普通に使えそうなので、Emacsから使えるようにしてみた。 https://github.com/xenodium/chatgpt-shell 古い文献を調べている人間の感想としては、このままAIが賢くなり続けるという前提は必要だが、国立国会図書館デジタルコレクションの全データを正しく読み込ませれば、私が考える必要はなくなると思う。今、無銭旅行と苦学には、強い繋がりがあって、これはかなり重く扱うべきだという結論を持っている。私以外の人はそんなこと言っていないのだが、私のような態度で、同じ資料を読んだら、誰もがこの結論に到達する。つまりAIでもできるということになる。ただし、これが少し難しいところがある。 目に見えて効果が出る分野、例えば「歯が生えてくる薬ができました」とか、「エンジンの効率が上がりすぎたのでモーター止めます」とかは、簡単に
この文章に情報はほぼなく、他人が読んで面白いものでもないのだが、糸柳という知り合いがいた。彼は精神的な問題を抱えていた。高校を中退しラーメン屋(とんこつ?)で働きながらプログラマになった。 糸柳が清潔な布団に包まれて、静かな部屋で寝ているところを私は見たことがない。糸柳は爪切りを駆使して爪を切ることができるくらいには、まともな人間だ。しかし彼の周囲の人間の中には、爪切りを知らないんじゃないかと人に思わせるような、程度の低い人間もいた。程度の低い人間というものはうるさい。だから糸柳は常時うるさい場所にいて、ジャリまみれの床で仮眠を取るといった生活を送っていた……というのが私の糸柳像である。 2021年の夏の夜に自宅で酒を飲んでると、糸柳から今から会わないかと連絡があった。 ここ数年、私は他人と会話するコンテンツを持っていない。生活する以外の時間のほとんど全部を、国立国会図書館デジタルコレクシ
正しくはないんだけど、なかなか伝わらないし面倒くさいのでこう説明しておこうというようなことはわりと多い。 例えば科学的な判断というのは、雑に説明すると、 その時点で得られるデータから その構造や性質などを調べ 実証的、論理的、体系的に考え 出した結論で、その時点ではまあ妥当くらいのものでしかない。データの量や状況が変われば結果も変わるのが当たり前で、変わらないとしたらそれは科学的ではない。だから今の時点では科学的にこれが妥当なことも、もうちょい後にはまた違う判断になるかもしれない。 しかしながら今のところは妥当なのでこうしますみたいなより正しい説明をすると、現状だと理解できない人のほうが多いというのが一般的な認識になっている。なので科学的に正しいですといった説明になる。 文化の面でもこういうことはあって、例えば自虐史観がどうのこうのっていう話は、基本的には馬鹿なこと言ってないで寝ろくらいで
戦争の話が多いんだけど、悪いことをしたとされている存在を擁護するために、良いこともしたみたいな話が出てくる時がある。これは別に難しいことではなくて、そりゃ良いこともしたでしょとしかならない。 例えとして扱うだけなのでなんでもいいんだけど、この文章は日本語で書いているので日本軍にしておくとして、例えば日本軍が全体的にみると悪いことをしていたとして、良いことをしたケースもある。最も多くなされた善行はというと、早起きだと思われる。 早起きが善行なのかといえば、これは社会によって異なってくるが、戦前の日本では善行会が早起を推賞をしていたことは一般常識である。周知のとおり一日一善運動の際には、早起きが一善として扱われるケースが多くあった。これが早起推賞運動につながっていき、善行会が早起を推進することとなった。つまり戦前の日本の社会では、早起きが良いことであるというのが真実であったのだから、日本軍で大
5年で4回フライパンを購入した。それまではずっと鉄フライパンを使っていた。テフロンフライパンを購入した経緯は以下の通り。 cocolog-nifty.hatenablog.com ようするにテフロンフライパンを前提としたレシピが増えてきたので、テフロンフライパンを使い出した。テフロンフライパンを使うのであれば、ツルツルしてなくては意味がないというわけで、劣化したら新しいものを購入するといった方針で、使い初めた当初は3年ごとに買い替えみたいなイメージであった。 2018年10月12日に、ティファールのフライパンを購入した。履歴は残っていないが、劣化してしまい、2020年3月4日にエバークックのフライパンを購入した。 https://amzn.to/3DHMLxo この製品は SNS でものすごく話題になっていた記憶がある。少し高価だがもう少し長く使いたいということと、良いテフロンフライパンを
大人になると読み方がかわる 『こころ』の K はどのような人間なのか K のような苦学生はたまにいた 夜学校の先生になったのは合理的な判断ではあった 苦労すれば強い人になれる 苦学の世界は二つあった 先生と K の旅行 大人になると読み方がかわる 夏目漱石による小説『こころ』は、名作とされている。 初版本復刻版 こゝろ (岩波文芸書初版本復刻シリーズ) 作者:夏目 漱石岩波書店Amazon 有名な作品なだけに、色々な人が様々なことを書いているが、誰もが否定できないのはとにかく面白く読めてしまうことだろう。『こころ』は新聞連載小説であるため、一日の掲載分の終盤には、次回への期待を煽られるようなことが書かれている。ついつい続きを読みたくなってしまうような構造で、このあたりは職業作家夏目漱石の面目躍如といったところであろう。 ただし漱石の初期作品とは異なり、『こころ』には書きながら考えているよう
「はてなブログ×codoc連携サービスのプロモーションのため、はてなからの依頼を受けて投稿しています」が普段通りの記事で、有料部分には愚痴のようなものが書かれている。 国立国会図書館デジタルコレクションは素晴らしい 使い方は使えば分かる 生存している人類で一番詳しくなれないこともない時代 時代とジャンルで区切ると簡単に詳しくなれる 素養、学識、予備知識 デジタルデータとアナログデータ 詳しくなっても意味はない 他人の意見はあまり参考にならない 他の分野から学ぶ 多くの予想は当たらないし他人の思い込みは嫌になるし生きてる人の本が読みにくくなり、やはり他人の意見はあまり参考にならない 国立国会図書館デジタルコレクションは素晴らしい 国立国会図書館デジタルコレクションは素晴らしい。 dl.ndl.go.jp 『国立国会図書館で収集・保存しているデジタル資料を検索・閲覧できるサービス』で、四〇万点
放置され続けた苦学問題 世の中には様々な問題が存在している。問題を解消すると問題は消滅するわけだが、別に死ぬわけでもないだとか、面倒クセーだとか俺は困ってない、テレビでスーツ着た奴がなんかしゃべってたしこの政党で良いのでは? などといった理由で、問題が放置されることは多い。こういうことは昔からあることで、私は諸事情があり戦前の苦学について調べていたのだが、苦学が抱える問題も50年程放置されている。戦前の苦学が抱えていた問題の中には、今もまだ解消されていないものがなくもないため、100年以上としてもいいかもしれない。 戦前の苦学は、完全に破綻している。当時理想とされたスタイルで苦学すると、死ぬか犯罪者になるかの二択である。天才だろうと超能力者だろうと大詐欺師だろうと、苦学には失敗する。 cocolog-nifty.hatenablog.com 早々に逃げればなんとかなるが、馬鹿正直に苦学を続
私は豆ご飯が嫌いだった。 数年前に本当に嫌いなのか確認したくなり、野菜の無人販売所でウスイエンドウを購入し豆ご飯を作ってみたところ異常に美味かった。それで私は豆ご飯が嫌いではなかったということが判明した。 私の同年代には豆ご飯を嫌う人がわりといて、当時は冷凍のグリンピースを使った豆ご飯が主流だった。そういうレシピが局地的に流行していたか、学校給食で使われていたのかもしれない。今は冷凍の技術も発達していてまた違う状況なのだろうが、昔は冷凍グリンピース自体が美味しいものではなかった。そりゃ美味しくはないよねといった感想で、とにかく昔の冷凍グリンピースで作るのと、サヤに入った新鮮な豆で作る豆ご飯は全く別物だという感想であった。 それ以来、毎年豆ご飯を食べたくなりウスイエンドウを無人販売所に買いに行くんだけど、豆は人気があるため基本的に争奪戦である。あったら躊躇せずにすぐ買うというスタイルでなくて
駅を歩いていたら前にいた小柄な女性がいきなり後ろ向きにジャンプしてきたので、なんだこいつ頭おかしいのか?って思ったんだけど、よくよく観察してみるとオッさんが女性に突進し、軽く飛ばされてしまったといった状況だった。 無駄に女性にぶつかっていく、ぶつかり男、あるいはぶつかりおじさんの存在は知っていたので、おそらくこれがぶつかりおじさんなのだろうと認識することはできた。そこで正義感の強い私は周囲の人達と協力してオッさんをとっ捕まえ、拷問をして二度と電車に乗れない身体にしてやったというようなスカッとストーリーみたいなのがインターネットだと好まれるが、現実はそれほどドラマチックではない。オッさんは意味の分からないことをブツブツ言いながらそのままどこかに行ってしまい、女性も何事もなかったかのように歩き続けていた。 私が歩きながら考えていたのは、あれが本当にぶつかり男なのだろうかということであった。 も
戦前の苦学は不可能 諸事情があり、戦前の苦学を調べ続けていた。 田舎の貧しい家庭に生れた若者が家出をして、無一文で東京にまでたどり着き、新聞牛乳配達などで学費を稼ぎ出す。なんとか学校を卒業し見事に出世する……といった物語が明治期に好まれた。本格的に苦学を調べる以前の私が持っていたイメージも、そういったものであった。 しかしながらそんなことを実現させた者など、ほぼいない。なぜなら難易度が高すぎるからだ。そうはいっても俺なら苦学を成功させられそうだけどな、なんてことを思う人もいるかもしれないが、絶対になにがあっても完璧に1000000000%の確率でお前に苦学を成功させることはできない。事実、当時も同じようなことを考え苦学の世界に突入した多くの若者が、みるみるうちに脱落していった。 確かに戦前に苦学はあり、苦学をする者もいた。しかし苦学ですら選ばれた者でなくては基本的には実現できないものであり
新たまは腐りやすいため緊張感が出るが美味い。新たまを食べるぞというわけで、今年は新たまで親子丼を作って何度か食べた。親子丼は白葱だけ使って作るのが好きで、タマネギ反対派であったのだが、新たまの親子丼は良かった。 鶏肉は細かく切る。 切る 次に新たまを大量に入れる。大量というのは次の写真くらい。 このくらい入れる 醤油とみりんと水とダシみたいな構成の液体(面倒くさかったら麺つゆに砂糖と料理酒入れて良い感じの味になるまで水入れて沸騰させる)を鶏肉がヒタヒタになる程度入れて煮てたら玉ネギが丁度良いくらいの量になるので、あとは卵を上手いこと入れて飯にかけたら親子丼になって美味い。鶏肉は煮すぎないほうが良いんだけど、面倒くさいので煮てる。新たまで上手に誤魔化せると思う。鍋は保温性の良いものを使ったほうが良いと思われる。 HALムスイ KING無水鍋(R)24 両手鍋 24cm 無水調理 1鍋8役 日
かわりのものを用意できないのであれば、止めないほうがいいというのが最近考えていることで、少し前に大学生が週刊漫画雑誌(マガジンだったと思う)を、電車の中で読むことが問題視された時代があった。なぜ問題なのかというと、基本的に学んでいる若者(15歳くらいより上の子供)は、難しい本を読むべきだと考えられていたからである。こういった考え方は教養主義と呼ばれていた。 教養主義の没落 変わりゆくエリート学生文化 (中公新書) 作者:竹内洋中央公論新社Amazon 太平洋戦争が終って、市民が本屋に殺到し様々な本を購入した(発禁処分を受けていた共産主義関連の本を……っていうバージョンもあった記憶がある)みたいなエピソードがあるんだけど、これも教養主義があったから起きた(あるいは作られた)現象であろう。 教養主義なんてものは、今となっては知らない人もいるのだろう。私自身は教養主義にわりと影響を受けていて、岩
ものすごい昔にどうしても当日すき焼きを作らなくてはならなくなって、ホームセンターでどうでもいいすき焼き鍋を買ってすき焼きを食べた。テフロン加工されたこういう製品である。 パール金属 すき焼き鍋 26cm ガラス鍋蓋付 IH対応 フッ素加工 贅の極み HB-183 パール金属(PEARL METAL)Amazon これをすき焼きを食べるたびに使っていて、そのたびに鉄のちゃんとしたすき焼き鍋を買えば良かったよなーって思ってたんだけど、最近になってどうでもいい鍋を作るようになったことでその便利さが俄然輝きだした。 なにを作ったのかすら分からない鍋 どうでもいい鍋とは疲れた時に作るどうでもいい鍋で、最近は常に疲れているので、どうでもいい鍋をよく食べるようになった。 白葱と豚バラを蒸して春菊かなにか置いたのもの? 昨年度はキャベツと豚ばらを炒めて水をヒタヒタになるまで入れてからウェイパーとショッツル
貧乏人の子供に憧れるお金持ちの子供たち 明治時代には、お金持ちの子供が貧乏人の子供に憧れることがあった。貧乏人の子供の格好を真似してみたり、貧乏生活に挑戦してみる子供すらいた。なんでそんなことをするのかといえば、単純に馬鹿だからである。しかしながら馬鹿が馬鹿みたいな行為をするにしろ、そこには理由や理屈がある。そんなわけで、なぜ明治時代にお金持ちの子供が貧乏人の子供に憧れ、苦学生のコスプレをしたのか解説してみよう。 富豪の息子たち そもそも貧乏人の子供に憧れるお金持ちの子供がいたこと自体が、信じ難い人がいるかもしれない。まずは実例を紹介しておこう。 市川好廉は慶応大学を経て、実業家となった男である。彼の父市川好三は山梨県出身の米穀商で、一八七六年に設立された第三国立銀行の出資者の一人だ。第三国立銀行の初代頭取は安田善次郎で、ようするに今でいうところの富豪の息子なのだが、この人は苦学をしたと自
諸事情があり、戦前の苦学を調べ続けていた。色々なことが解ったのだが、その中で最大の驚きは、学問をしたい苦学生は(ほぼ)いないという点であった。ちなみにここでいう苦学生とは、小学校を卒業したものの家が貧乏で進学できず、働きながら学問をしようと決心した…といったような人物である。 戦前の若者たちが苦学をするのは、基本的には立身出世が目的で、良い大学を出て良い会社に就職し、良い生活をしようという単純明快なものであった。時代によって「良い会社」が「政治家」であったり「官吏」であったりの違いはあるが、学問による出世が可能な社会に属する若者であれば、一度は思うようなことであろう。 そのような目的とは異なり、純粋に好きなことを学びたい、追求したいといった欲望を満たすために苦学をする若者もいるのだろうと、私は勝手に考えていたのである。 戦前の野心のある若者たちは、基本的には世俗的な成功をしたいと考えていた
『異世界転生』がブームらしい。人間は生と死とを繰り返し、死後もなんらかの形で存続するという輪廻の概念がある社会で、異世界転生的な物語が作られるのは当然といえば当然だ。そして時代によっては、そういった物語が流行し多くの作品が生産されていく。今回紹介したいのは大正二年に書かれた『異世界転生』物と、そういうものが流行するような時代の気分についてである。 当たり前だが気分以外にも『異世界転生』がブームとなる要因は多くある。そして『異世界転生』物に類似する物語も、昔から時代の気分に応じて多く作られた。その辺りについても、軽く触れている。 異世界転生の原形 異世界転生と似た仕組み 「大海亀に跨って王冠を南洋の島に探る」 不可能なことをやれと言われる気分 感覚は長く続く 「大海亀に跨って王冠を南洋の島に探る」の気分 異世界転生の原形 『異世界転生』物語とはなにか、『小説家になろう』の『「異世界転生」「異
最近 MSX という単語を見ることが多い。 camp-fire.jp 私が計算機に触り出したのは遅く MSX と X68000Z の区別も曖昧なくらいだ。しかし『西和彦』という名前を何度も見るうち、そういえばこの人が書いた文章に、私はかなり影響を受けだんだよなと思い出した。 その文章が掲載されていたのは岩波書店の無料雑誌(波?みたいなタイトル)で、書き手はものすごく優秀な学生が集る学校に通っていて受験勉強なんてものはできて当たり前、むしろ難しい本を読み友達と雑談し自慢することで知的な基盤を作ることができたといったニュアンスの内容だったと記憶している。著者は西なんとかとさん、略歴にアスキーという見慣れない名前の会社が書かれていたことは覚えていたので、あれは『西和彦』さんの文章だったのかと改めて思ったというわけである。 当時の私がいくつだったのかは曖昧だが、あやふやな記憶だと高校一年生くらい、
国立国会図書館デジタルコレクションで過去の文化を効率的に調べる方法はありますかと質問されたので書いてみました。 この記事ではバンカラを題材にして調べる方法を紹介します。 難しいことは書いてなくて、 まとめられている本があればそれを読む 検索する単語を選ぶ ヒット件数を増やしたり減らしたりする 調べながら新たに検索できる単語を見付ける くらいのことしか書いてありません。 既存の本を読む 検索してみる (近代の文化に限っては)時代はあまり関係ない 同じジャンルを百冊読むのは難しくない 全文検索する 周辺知識は必要だけど 既存の本を読む 当たり前の話で申し訳ないんだけど、すでに調べた人の本を読むのが効率が良い。バンカラなら、横田順彌さんのものが有名だと思う。 快絶壮遊〔天狗倶楽部〕: 明治バンカラ交遊録 (ハヤカワ文庫JA) 作者:横田 順彌早川書房Amazon 本の選び方については、「ちゃんと
東京大学百年史が公開されている。 www.u-tokyo.ac.jp 一巻あたり千ページくらいで十巻あり情報量が多い。古書で購入すると結構な値段がするので、無料で読めるのはお得だと思う。 東京大学百年史 〜 の在庫検索結果 / 日本の古本屋 私は東京大学百年史に全く興味がないので、流石に全部は読んでいなくて「通史一」を流し読みし「部局史四」を見ただけである。なんで興味がないのに読んだのかというと、二点知りたいことがあったからだ。 ひとつは、『 明治30-40年あたりに高等小学校にも通えないような田舎の貧乏な子供が「金なくても帝大に入れて卒業したら官員になれるらしいぞ」などといったみたいなあやふやな情報を根拠に暴れるみたいな状況があったのだが「金なくても帝大に入れて卒業したら官員になれるらしいぞ」などといった情報の元になった状況』で、こちらは「通史一」にそれらしきものがいくつかあった。 もう
2016年の4月にコーヒーメーカー(EB-RMCM4)を買った。 cocolog-nifty.hatenablog.com 4年でぶっ壊れて2020年の8月にツインバードのコーヒーメーカー(CM-D457B)を購入した。 cocolog-nifty.hatenablog.com 良い機械であったが2022年の8月にぶっ壊れたので、今度は(ANG-HD-A8)を購入した。(CM-D457B)とは多少の仕様が違うが、基本的に同じ製品である。 ただし見た目はツインバードのもののほうが良い。 実は2022年の03月の時点で、ツインバードのコーヒーメーカーはかなり怪しい挙動になっていた。 cocolog-nifty.hatenablog.com その後に理由は分からないが正常に動くようになり満足していたんだけど、最終的にミルの部分が割れて壊れてしまった。 どの程度の耐久性があるのかなと思い、ひいたコ
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