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ブラックフライデー
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「秋田に残るべきだという空気感に囲われて苦しかった」 来年の春、就職で秋田を離れることになった大学生、Aさんの言葉です。 Aさんは県外出身で、大学進学のため秋田県に移り住みました。ここで4年を過ごし、卒業後は県外で教員になります。 かけがえのない出会いがあり、はじめのうちは秋田で就職したいと考えていました。「でも、やめることにしました」 Aさんに、選択の理由を聞きました。 「どうして秋田に残ってくれないの」 インタビューの数日前、Aさんからメモが届きました。そこには、Aさんが秋田を離れようと決めたいくつかの理由がつづられていました。その言葉をたどりながら、インタビューを進めていきました。 2年ほど前、Aさんが就職に関する県内のイベントに参加したときのことです。 イベントには大学生や秋田市の方、秋田の企業の方がいました。秋田市の方が「皆さん就職はどこに行くの?」と聞いた際、ある参加者が「東京
秋田県議会議事録より 人口減少対策として「女性に子どもを産んでもらうことが大切だ」と考えている人――特に首長や議員の皆さんに、尋ねたいことがあります。 1、あなたは、あなたの身近な人――例えば妻や娘、きょうだい、友人知人に「人口減少対策のために子どもを産んでほしい」と言うでしょうか? (言わない、という答えになると信じます) 2、ではなぜ、不特定多数の「若年女性」に対しては「人口減少対策として、子ども産んでほしい」と言えるのでしょうか? 身近な人には決して言わないようなことも「政策」として、不特定多数の相手にならば言ってもよい、ということでしょうか? この問いを投げかけようと思ったきっかけは、秋田県議会でずっと続いている「議論」への違和感。秋田県の人口減少対策のいくつかは、女性たちに「地域のために産んでくれ」と言っているに等しいものだからです。 「本人の自己決定を常に念頭に」 10月1日の
私が暮らす秋田県は、国内有数の米どころです。稲作は身近な存在で、たとえば母の実家は専業の米農家。以前勤めていた会社の上司は農作業をしてから出勤する兼業の米農家でした。 よく耳にしてきた言葉があります。それは「米が安くて労力に見合わない」「農機具の借金のために米を作っている」「米作りをやめたい」といった言葉です。 もちろん、そうではない農家もいます。しかし私にとって「令和の米騒動」と呼ばれる米不足の問題は、中小規模農家の厳しい現実にようやく光が当たるかもしれない、と思える出来事でもありました。 お米が高いと思う一方、お米が高いと言いたくない自分がいます。秋田で米を作る農家に声を聞きました。 「何を信じて米を作ればいいのか」 「小泉(進次郎農林水産大臣)になってからニュースは毎日、米、米、米でしょう? 古米だ、古古米だ、備蓄米だ、値段は毎日変わっていく…じゃあ今までやってきた農政は、いったい何
少子化を考える高等学校家庭科副読本「考えよう ライフプランと地域の未来」(2020年3月発行) 高校生に「結婚と出産の大切さ」を強調し、ふるさと秋田のために「家族をつくること」を強く意識させる――。秋田県が「少子化対策」として公費で作成している副読本「考えよう ふるさと秋田とわたしの未来」について、前回紹介しました。前回の記事はこちらです。 「まるで、結婚が義務みたい」 秋田県、高校生向けに「結婚の気運醸成」副読本① 副読本「考えよう ふるさと秋田とわたしの未来」の中にあるライフプラン作成シート 上の画像をご覧ください。 これは、秋田県が2021年度から公費で作成している高校1年生の副読本「考えよう ふるさと秋田とわたしの未来」についているワークシートで...www.media-akita.jp2025.06.24 副読本は2021年度から作成されてきましたが、実は10年前に「原型」となる
副読本「考えよう ふるさと秋田とわたしの未来」の中にあるライフプラン作成シート 上の画像をご覧ください。 これは、秋田県が2021年度から公費で作成している高校1年生の副読本「考えよう ふるさと秋田とわたしの未来」についているワークシートです。県内の高校の家庭科の授業などで広く活用されています。 シートは、生徒本人のライフプランのほかに「将来の家族のプラン」――配偶者と第3子までのライフプランを書き込む形式になっています。 副読本「考えよう ふるさと秋田とわたしの未来」の中にあるライフプラン作成シート。「私の人生」よりも「未来の配偶者と子ども」のプランを書くスペースが広くなっています(赤線は筆者による) ライフプラン作成シートには、下のような「記入例」ものっています。 副読本「考えよう ふるさと秋田とわたしの未来」の中にあるライフプラン作成シートの記入例(赤線は筆者による) 記入例にある「
政治・行政の「若い女性」へのまなざし なぜ「若い女性」に熱いまなざしが注がれているのか。秋田県の知事や担当部署、そして県議の発言を読んでいくと、ある「共通の認識」が見えてきます。それは「人口のために、若い女性には秋田に定着してもらわなければならない」という認識です。 例えば、以下のような発言からそのことが読み取れます。 ■あきた未来創造部長 この新しい奨学金助成制度の背景について御説明しますと、御承知のように、本県の最重要課題であります人口減少、中でも特に少子化という問題を克服するために、今現在、若年女性の定着、回帰を重点的に実施させていただいております。(2024年2月議会・予算特別委員会)
地方紙の記者だった数年前、原稿に書くのをためらった言葉がありました。「シスジェンダー」と「ヘテロセクシュアル」です。広く知られた言葉ではないから――という理由でした。 「性的マイノリティ」「LGBT」という言葉を書く機会は年々増えていったのに、結局「シス」「ヘテロ」という言葉を私は当時、ほとんど原稿に書きませんでした。 なぜ、それで済ませることができたのか。その理由をあらためて考える機会がありました。 6月9日、大館市で県北部男女共同参画センターが主催するLGBTQ理解促進セミナーがあり、前川直哉さん(福島大学准教授、専門は教育学・ジェンダー/セクシュアリティの社会学)が講演。前川さんと真木柾鷹さん(性と人権ネットワークESTO代表)、今将人さん(損保ジャパンカルチャー変革推進部)によるトークもありました。詳報します。 以下は前川さんの講演です。 性のあり方が「大多数」とは異なる人々 性的
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