『JR東日本』正式に発表

JR東日本は来年3月、長年割安に設定されていた「電車特定区間」と「山手線内」の特例制度を廃止し、幹線の運賃に一本化する方針を正式に発表した。これに伴い、最大で31%、平均では7.1%の値上げとなる。
この大改定は、1987年の民営化以降では最も本格的なもので、消費税対応やバリアフリー化以外での見直しとしては初めて。特に都心部の日常的な移動で料金が跳ね上がるのが特徴だ。例えば、上野~成田や品川?久里浜などは約3割の値上げとなり、新宿~高尾といった中央線方面でも2割以上の上昇がある。山手線内の区間も距離帯に応じて20%以上の上昇となるため、通勤・通学で都心を利用する人にとって負担増は避けられない。
改定の背景には、コロナ禍による乗客数の変動、エネルギーや人件費の高騰、老朽設備の更新やホームドア設置といった安全対策費の増大がある。また、複雑な料金体系を簡素化し、今後のインフラ投資を支える目的も大きい。ただ、京成や京急、京王といった私鉄各線との運賃差が一段と広がり、JR離れが加速する可能性も指摘されている。
とはいえ、改定後も対策次第で負担を軽減する余地はある。紙の切符は端数が切り上がるため、基本的にはICカード利用のほうが割安に済むケースが多い。また、出勤時間をずらして利用するオフピーク定期券は割引率が高く、一定の節約効果が期待できる。ただし、現在実施中の「オフピークポイントサービス」は2026年3月末で終了するため注意が必要だ。
加えて、区間によっては私鉄への乗り換えを検討する価値もある。上野~成田なら京成、品川~久里浜なら京急、新宿~高尾なら京王にルートを切り替えることで、運賃だけでなく所要時間でもメリットが出る可能性もある。企業によっては通勤手当の支給ルールに制限があるため、実際に利用可能かどうかは各自で確認しておきたい。
運賃改定はもはや避けられない現実だが、だからこそ今のうちに自分の通勤・通学ルートや利用時間帯を見直すことが、今後の家計防衛には不可欠となる。負担を少しでも軽減するために、早めの対策を講じたいとアサ芸プラスは報じている。
編集者:いまトピ編集部