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agriscientist.hatenablog.jp
仕事納めの日が持病の通院日になり、年末年始休暇が一日早まったおかげで10連休となってしまったがんちゃんです。仕事始めの日が怖い…(;゚ロ゚) 今年の10月にアップしたエントリー、「化学合成肥料(化成肥料)で土が死ぬ、とは? いえ、それだけでは死にません」 は自分にしてはたくさんのブックマークをいただき、コメントもそれなりにいただきました。で、ブックマークのコメントではすべてに返信することは難しいので、新たな試みとして、新規記事を起こし、ひとつずつ返信していきたいと思います。コメントをくださった方々に届くかは難しいかも、ですが…このやり方を続けるかも今後検討します。 agriscientist.hatenablog.jp それでは、それぞれのコメントを引用して、それに対する返信をつける、という形でやっていきます。コメントは太字にしてあります。 the_sun_also_risesさん 肥料と
猫が膝に乗ってきてくれるようになって、気温の低下を実感しているがんちゃんです。 Twitter(X)で農家が自分で種を取る権利について主張されている方がおられました。ちらっと読んだだけなので、おぼろげな記憶では農家が自由に種を取れないのでは困るので、いいモノを作るためにも、制限をかけるべきではないという感じだったのではと思います。あとから読み返そうと検索しても見つけられないので、それに対する反論ではなく、改めての自分の意見として書いておこうと思います。 まず、農家さんが自分で種を採ったり栄養繁殖(株分けや挿し木など)で育苗を行う場合、それに対して制限をかけるというと「種苗法」という法律が関わってきます。種子法がそうだという誤解をされている方もいらっしゃるかもしれませんが、種子法はすでに廃止されていますし、存続していたとしてもそのような趣旨の法律ではありません。 種苗法については以前、いくつ
フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com) 長時間パソコンを使っていると、白内障の影響なのか特に右目が霞んでしんどいがんちゃんです。 ネットで色々調べ物をしていて、有機農家を名乗る方が化成肥料は危険なのでやめました、という趣旨のブログを書いているものを見つけました。面倒ごとが苦手なのでリンクは貼りませんが、一応それに対するカウンターを書いておこうと思います。 以前、「化学肥料、何が問題なのか」というエントリーを書いたことがあります。10年以上前に書いたもので、それからたくさんの経験をしてきたので、それらを踏まえてアップデートもかねて、という気持ちもあります。 agriscientist.hatenablog.jp まず、そちらでは化成肥料を使うと土が死ぬ、と主張されています。その方の経験から、ふかふかの土が化成肥料だとざらざらになるというのです。しかしこれは、最大限良い方向に解
現役生活も残り2ヶ月ちょっとのがんちゃんです。 フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)(写真の男性は大工原博士ではありません) 土壌肥料の専門家として仕事をしているはずなのに、ごく最近までその用語を知らず、偶然見かけた文章からその存在を知ることができて、恥をかかずに済んだのがダイクハラ酸度というものでした。自分が見かけた文献では、漢字で「大工原酸度」と書いてあったため、その字面から工業的な尺度による酸度のことか?と思って調べてみたところ、行きついたのが大工原銀太郎博士でした。 https://www.jataff.or.jp/senjin4/5.html ダイクハラ酸度とは、他の言い方では置換酸度とも言い、私はそちらの用語しか知らなかったんですね。土壌酸性化の文献を読んでいて、何の前提もなくいきなり大工原酸度という言葉が出てきたので、手持ちの土壌肥料用語事典を手繰ってみたも
フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com) 台風の低気圧が少々辛いがんちゃんです。 秋田県は、あきたこまちをベースとしてカドミウムの吸収を抑制した水稲品種「あきたこまちR」を開発しました。これは、国が開発したカドミウム低吸収性品種のコシヒカリ環1号にあきたこまちを7回戻し交雑することでコシヒカリ環1号のカドミウム吸収抑制に関する遺伝子を残しながら、他の性質はほぼあきたこまちとしたものです。 www.pref.akita.lg.jp 戻し交配とは、あきたこまちとコシヒカリ環1号を掛け合わせた雑種第1代にさらにあきたこまちを交配するという方法で、そうしてできた子供(雑種第2代)は計算上4分の3があきたこまちの遺伝子ということになります。さらにその第2代にあきたこまちを掛け合わせ…とできた雑種にあきたこまちをさらに交配する、という作業を7代に渡って行うわけですね。 第7代目になると片
フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com) 1年以上放置していて、ようやく更新したがんちゃんです。 最近、SNSで現役のお医者さんが日本の農作物は農薬が多量に残留していて危険である、ホタテパウダーを水に溶いて洗浄すれば農薬が落とせて安全になる旨を発信しているようです。それについて検証し、効果があるとは思えないとした記事が日本農業新聞に取り上げられ、専門家の監修も受けた内容になっており、一定の信頼性があると思われました。しかし、ホタテパウダーの化学的性質などについては、新聞記事という性格上あまり掘り下げられておらず、そのあたりについてもう少し知りたいと調べてみましたのでブログにまとめてみました。 news.yahoo.co.jp これについては、以前にも似たような事例があり、その時にもホタテ粉末で農薬を落とすという商品について取り上げました。しかし、その記事では他の例を挙げて効果
いささか旧聞に属するが、TwitterでShinshinoharaさんという方がnoteで「なぜ日本は化学農薬を手放せないのか」という記事の公開を告知されていたので、読ませていただいた。Shinshinoharaさんは、農業関係の研究機関に属されているようで、おそらく専門家であり、そういった立場からの発信であることは十分理解できる。ただ、内容については概ね同意であるものの、若干説明不足な点が気になったので、少々補足させていただきたい。 note.com それでは、行ってみましょう。 フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com) ―引用開始 欧米や中国は大陸性の気候。ざっくり言うと、湿度が低く気温も低め。すると、虫がそもそも少ない。農作物をダメにする病原菌も少ない。湿度が低く気温が低い条件は、有機農業が容易。だって、虫や病気の発生が少ないから。 ―引用終了 ほとんどその通りで、Tw
さて、4回目となる今回は農水省のpdf改正種苗法について~法改正の概要と留意点~11ページの項目から、「3 登録品種の増殖は許諾に基づき行う」についてのお話です。 以前のエントリー「農家さん、ご心配なく。種苗法の一部を改正する法律案についての解説」で自家増殖一律禁止などの誤解についてはすでに解説しました。今回はその他の細かい注意点などについてお話ししたいと思います。 ちょっと横道にそれますが、自家増殖の禁止(許諾制への移行)を反対されている方が懸念されている状況への説明は、農水省のpdfにもありますので、そちらも紹介しておきます。ここは、上記のエントリーで自分も同様の説明をしたかと思います。 ※改正種苗法について~法改正の概要と留意点~6、7ページより ※改正種苗法について~法改正の概要と留意点~17ページより では、話を戻して上のスライドから順を追って説明しましょう。 「登録品種について
最近、ニュースやSNSなどで種苗法の改正が取りざたされています。生産農家の権利が著しく制限され、大きな不利益を被るのではないかという論調がちょくちょく見られます。 フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com) 結論から言うと、今までとほとんど変わることはありません。その理由は順を追って説明していきましょう。 まずはそもそも、種苗法とはどのような目的で作られ、どのように運用されている法律なのでしょうか。ごく簡単に言うと、新品種を育成した人や団体がその育成者権を占有できる権利を認め、保護することが目的です。多額の費用や労力をかけて作り上げた新品種については、育成者がその利益を十分に受けることは当たり前のことですね。この辺りは、特許や実用新案などの考え方とよく似ています。 しかし、時代の変遷とともに従来の種苗法では育成者権の保護が難しくなる事例が出始めました。登録品種の権利侵害について
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