ついに『日産自動車』の...8月をもって生産終了

「やっちゃえ日産」のスローガンが象徴するように、果敢な挑戦で車好きの心を掴んできた日産自動車が、ついに大きな転機を迎える。長年スポーツカーの頂点に立ち続けてきたGT-Rが、8月をもって生産終了となるのだ。国内外で無敵の伝説を築き、クルマ好きなら誰もが憧れた1台が、その長い歴史に幕を下ろすニュースは、業界全体を揺るがせている。
GT-Rの歴史は1969年に始まる。経営危機でその系譜が途絶えそうになったが、カルロス・ゴーン氏が復活にゴーサインを出し、2007年の東京モーターショーでR35型が登場。日産ブランドの象徴「ハローカー」として再び輝きを放った。
R35の魅力は、徹底した専用設計だ。3.8?V6ツインターボ「VR38DETT」を搭載し、デュアルクラッチ式トランスアクスルを後部に配置するプレミアム・ミッドシップ思想を採用。重量配分や駆動効率を極限まで高め、その走りは一目でGT-Rとわかるものだった。
開発は公道、雪道、酷暑、そしてニュルブルクリンクなど世界中で行われ、「誰でも、いつでも、どこでも楽しめる」マルチパフォーマンスを追求。2008年にはニュルブルリンクで7分29秒というタイムを叩き出し、その理念を数字で証明した。
しかし、規制の壁は高い。欧州では騒音規制、豪州では側面衝突基準変更が立ちはだかり、販売終了が相次いだ。北米でも24年10月に生産を終了し、現在販売を続けるのは日本のみ。世界的な規制強化と市場縮小の中、R35がここまで生き残れたのは、圧倒的な性能と熱心なファンの支えがあったからこそだ。
だが未来はまだ終わっていない。日産は23年、ジャパンモビリティショーでEVコンセプトカー「ニッサン ハイパーフォース」を発表し、次世代モデルの方向性を示唆。さらに2025年春には、次期GT-Rは完全EVではなくハイブリッドで、3~5年以内に登場予定であることも一部で報じられた。
果たして実際に次期型はハイブリッドになるのか。日産北米の商品企画責任者ポンズ・パンディクティラ氏は「現状のEV技術ではGT-Rの名にふさわしい性能は出せない」と語る。排ガス規制と電動化の波に立ち向かい、高性能と実用性の両立を目指す姿勢は、まさに“やっちゃえ日産”の精神。GT-Rの伝説は、形を変えて未来へと走り出そうとしているとアサ芸プラスは報じている。
編集者:いまトピ編集部