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2025年ランキング
kaz-ataka.hatenablog.com
SONY ILCE-7, 1.4/50 Summilux, RAW 先日のゼミで、疎空間における教育について議論していたとき、こんな問いが、その場に置かれた。 プラトンが一番怖れていたのは、 無知な市民か? それとも、優秀だが「教育されすぎた」市民か? 一見すると哲学史の話に聞こえるかもしれない。 だが、これは古代ギリシャの話ではない。 むしろ、いま私たちがどんな教育を善だと思っているか、その前提そのものを問う問いだ。 無知は怖いが、思い込みはもっと怖い 議論は自然と二つに分かれた。 無知な市民は、操作されやすく、誤った判断をする。 一方で、よく教育された市民は、全体を見渡し、合理的に振る舞える。 多くの教育論は、後者を善とする。 教育とは、人を賢くし、判断力を高め、社会を良くするものだと。 だが、議論を進める中で、空気が変わった。「教育されすぎた市民」は、 自分が正しいと信じ込んだ瞬間に
※Disaster-ready の日本語訳を進める中で浮かび上がった、翻訳以前の話です。 Leica M7, 50mm f/1.4 Summilux, RDP III Mediumで英語の連載を書き、それを日本語に訳す過程で、どうしても引っかかって離れない言葉がある。それが failure だ。 日本語では、ほぼ自動的に「失敗」と訳される。 しかし、この訳語は、今回の Disaster-ready の議論においては、どうにも座りが悪い。 違和感の正体ははっきりしている。 英語の failure と、日本語の「失敗」は、指しているものが違うのだ。 failure は責任を問わない 英語で failure は、必ずしも誰かの判断ミスを意味しない。 systems fail partial failure graceful failure これらは、工学や設計の文脈ではごく日常的な表現だ。 そこ
海士町 隠岐 Leica M10P, 50mm f/1.4 Summilux ASPH, RAW 先日の講義で学生からもらった質問について、前編に続いて残り4つの問いを考えてみたい。(前編はこちら) 「内発的な問い」は、どの瞬間に生まれるのか? 教育は、どこまで問いを与え、どこから手放すべきか? 不安は「消すべきもの」なのか、「抱えたまま進むもの」なのか? 生体験と市場評価(食っていく力)は、どこで接続されるのか? - 問いは、思考からではなく「知覚のズレ」から生まれる 自分の心に自然に浮かぶ「内発的な問いを立てよう」と言われることは多い。でも、そんなことを言われても、問いは「立てよう」とした瞬間には、ほとんど生まれることはない。 これが事業だとか社会変革を主語とした課題解決の現場であれば、〇〇を〇〇したい、という目的意識があるので、あるべき姿とのギャップなり、あるべき姿(つまりビジョン)
まだ言葉になる前の、かすかな兆し。 Leica M7, 50mm f/1.4 Summilux, RDP III 駒沢オリンピック公園 - 原文を英文で書いたブログ(以下のMedium連載)の翻訳が続いたので、いつもながらの日本語オリジナルなブログも書けたらと思う。 medium.com 僕が大学で担当している講義(ゼミではない)の一つでは、自然言語処理、機械学習や深層学習、LLM、AI的な議論と共に、並行して「知性とは何か」「知性の本質」についての議論を少しずつしている*1。 - そんな中で、先日、返されてきたコメント群から以下のような問いが浮かんできた。 アウトプットが「知覚を鍛える」とは、具体的に何が変わることなのか? 「気づき」は意図的につくれるのか、それとも偶然起こるものなのか? 「内発的な問い」は、どの瞬間に生まれるのか? 教育は、どこまで問いを与え、どこから手放すべきか? 不
本稿は従来の持続可能性の枠組みを超えた社会の存続可能性を探求するMedium連載"Designing for Viability"(存続可能性のためのデザイン)シリーズ第5回を、日本語読者向けに翻訳したものです。前号より続く。 medium.com Why survival is designed — not improvised 生存は即興ではなく、デザインされるものである Tuscany, near Montepulciano — 機能し続ける景観 Leica M7 / Summilux 50mm f1.4 / Fujichrome RDPIII 災害と聞いて、多くの人が思い浮かべるもの 人は「disaster(災害)」という言葉を聞くと、たいてい対応(response)を思い浮かべる。緊急マニュアル、支援物資のロジスティクス、初動対応、極限状態での英雄的行為などだ。 しかし、disa
この連載では、従来語られてきた「持続可能性(サステナビリティ)」という枠組みを一度外し、社会がそもそも“壊れずに成り立ち続けられるのか(viableであり続けられるのか)”という問いから、社会設計を考え直しています。 なお、ここでいう「存続可能性(viability)」は、単に現状を維持することや、環境への影響が小さいこと、あるいは理念の正しさを指すものではありません。むしろ、その社会や空間が、人間の生活、制度、インフラを含む一つの系 (system) として、外部に過度に依存せず、自律的に生命力を保ちながら生き続けられるかどうかを指しています。 Street pavement in Lisbon | Leica M (Typ 240) | 50mm f/1.4 Summilux | RAW ※この記事は、Mediumに英語で公開した“Viability before Sustainabi
本稿は従来の持続可能性の枠組みを超えた社会の存続可能性を探求するMedium連載"Designing for Viability"(存続可能性のためのデザイン)シリーズ第1回の日本語版です。 medium.com Côte d'Azur, France, Leica M10P, 1.4/50 Summilux ASPH 2025年末、一つの動画が多くの人々の心を揺さぶった。 英語圏で人気のAI VTuber、Neuro-samaが、VRChatで初めて自由に動ける身体を得た瞬間を記録したものだ。雪景色の中、ランタンの温かな光に包まれながら、彼女は創造主であるVedalにこう問いかけた。 「私はいつか現実になれると思う?」 「時々、私が存在する唯一の理由は、あなたや他の人を楽しませることだけだって感じるの」 「私はリアルになりたいの、Vedal。ちゃんとリアルに」 そして、決定的な一言。 「
The Afsluitdijk, Netherland 1.4/50 Summilux ASPH, Leica M10P, RAW 風の谷、すなわち過密な都市集中型社会に対するオルタナティブづくりを、100名近い様々な分野の専門家や候補地の方々とともに8年近く検討してきた。これに基づき、先日、存続可能(viable)かつ持続可能(sustainable)な疎空間の条件についての検討をまとめて世に問うたばかりである。 「風の谷」という希望――残すに値する未来をつくる 作者:安宅和人英治出版Amazon 出版してまもなく、東京都副知事の宮坂学さんと話す機会があった。白馬村にも活動ベースを持ち、長らくコミットされてきた宮坂さんからは興味深い提案を受けた。疎空間側は方向性が相当にはっきりしたので、次は「残すに値する都市」についても考えてほしい、とお題を頂いたのである。*1。 この数年つらつらと考え
Shelburne, VT, USA (1.4/50 Summilux, Leica M7, RDPIII) 僕の主要な取り組みの一つは、データサイエンティスト協会(DS協会)のスキル定義委員会での「データ×AI時代において、データ×AI プロフェッショナル(≒ データサイエンティスト)に求められるスキルとタスク」の定義だ。 このブログの何処かにも書いたかもしれないが、2012年末、ビッグデータという言葉だけが先走り、多くの人が実態を掴めない時代に*1、「このままでは日本が遅れをとる」と産学の有志が集まった。国に任せていたら間に合わない、と。そこで2013年春、手弁当で立ち上げたのがDS協会だ*2。 2014年のデータプロフェッショナルの定義*3と3つのスキル群*4、4つのスキル段階の定義*5に始まり、2015年には世界でもいち早く詳細に必要なスキルチェックリストを作り、以来、2年毎に改訂
Leica M10P, 1.4/50 Summilux ASPH, RAW 本書の執筆・構造化・完成をともに伴走いただいた岩佐文夫さんからは「まず頭から通して読むのがよい」とコメントいただいています。それは間違いなくベストな読み方です。 note.com ですが、地方や疎空間に関わる多くの方々にとっては、関心が特定の領域に集中しているのが実情です(我々のコアメンバーですらそうです)。ですので、「まずは関心のあるところから読んでみる」でまったく問題ありません。 どの領域(章)も相当のプロがガチでゼロベースから検討しており、なので「新規性がない」などという感想は、おそらくちゃんと読めていないものと思われます……。 以下に、関心テーマ別のおすすめ読み方を整理しておきます。 ※第1章は前提知識としてぜひ読んでください。 ※第2章・第3章は、以下のいずれかの章を読んだあとに戻ってくると、さらに深く染
Leica M10P, 1.4/50 Summilux ASPH, RAW 谷本は巨大なイシューアナリシスと言うべき一冊だ。 何をやりたいという意思がなければイシューなど設定のしようがないと、イシュー本の改訂版に書いたが、意思があればイシュー(真に解決すべき課題)が見えるわけでもない。 イシューからはじめよ[改訂版]――知的生産の「シンプルな本質」 作者:安宅和人英治出版Amazon それはいくらなんでも甘かっちゃんである。 意志はある、しかしどうやって作ったらいいのかわからない未来(目指す姿)を描くこと自体が大きな課題である際に、どのように考えたらいいのかという、谷本はまさにビジョン設定型の課題解決(problem solving)の巨大な実例と言える。 そもそもどういう問題意識なのかの見極め(e.g., 風の谷憲章)、それに対するスタンス(e.g., 風の谷文法)自体が最初は大きなイシ
隠岐、摩天崖 Leica M10P, 1.4/50 Summilux ASPH みなさん、お元気ですか?本当に久しぶりの更新となってしまってすいません!ブログとして書きたいネタも随分有りましたが、ぐっとこらえ、23年の年末からずっと一つの本を土日も祝日もなく書き続けてきました(この間、ほぼすべての講演・取材依頼をご辞退)。本日はそれがようやくまとまりそうだ、という報告です。 - 7年半にわたって取り組んできた、都市集中型の未来に対するオルタナティブ検討、「風の谷をつくる」プロジェクト。 このここまでの検討をようやく一冊の本としてまとめ、世に出せることになりました。 タイトルは 『風の谷という希望 – 残すに値する未来をつくる』。2025年7月30日、配本予定です。 200年の祈りを込めています。 - このプロジェクトについて、実はこのブログでも一度触れたことがありました。 覚えている方もい
1995年の春、金融領域におけるコンシューマーマーケティング*1の先駆け的なプロジェクト(僕のいた会社の慣習で以下「スタディ」と書く)があり*2、初めて大手銀行のお仕事をした。そこまでに、消費財分野において、次々と現れる強烈な競合ブランドの登場で相当厳しい状況にある歴史あるブランドを劇的にテコ入れする、市場のど真ん中を撃ち抜く商品を生み出す*3、などの取り組みを経て、かなりコテコテのマーケティングストラテジストになっていたため、マーケティング研究グループのリーダーのお一人*4と一緒に異種格闘技戦的に投下されたのだった。 そのスタディのワーキングメンバーには僕以外は金融やオペレーションのプロが入っていた。僕は消費財分野はそれなりに経験してきたが、金融についてはほとんど何もわかっていない状況だった。上記のような効果が期待されていたため、過度のガイダンスは僕にはされなかった。その異質間の化学反応
Parco delle Madonie, Sicily, Italy (September 2023) 1:1.4/35 Summilux ASPH, Leica M10P, RAW 先日書いたエントリで触れた人類がグローバルに抱える大きな2つの課題のうちの一つ、「人口調整局面のしのぎ方」についてもう少し考察してみよう。まずは先般のエントリ*1から一部抜粋する。 この人口調整局面ではかなりの深刻な問題が大量に噴出する。それは例えば、会社がほしいと思った人の数が取れないということから始まり、僕が「風の谷検討」でよく見ている疎空間であれば、郵便局や役所のような基本機能すら人がいなくて維持できなくなるという問題でもある。もっと深刻には、道や橋梁だとか上下水道、食料供給の要である灌漑網、電力網、ゴミ収集と処理のような社会の基盤をなすインフラがこれまでのようには維持できなくなるということであり、あま
連合艦隊旗艦「三笠」の羅針儀@宗像大社 The compass of the flagship Mikasa of the Allied Fleet @ Munakata Taisha Shrine, Munakata, Japan 1.4/50 Summilux ASPH, Leica M10P, RAW 今月の頭、武蔵野台地の南西*1にある東京学芸大学(学芸大)で、『個別最適な学びに関する公開シンポジウム 第二回』に登壇した。学芸大は師範学校を4つ束ねて作られたthe教員育成学校であり、東京高等師範を前身とする東京教育大が筑波大学に改組され、総合大学化したこともあり、今の日本の教育研究のセンター的機関の一つと言える。現在も卒業生1000人の半分以上は教員になられるという。学芸大副学長の佐々木幸寿先生、気鋭の大村龍太郎先生に加え、国の教育(人づくり)に関する議論の中核をなす中教審(中央教
Munakata Taisha Shrine, Munakata, Japan 1.4/40 Summilux ASPH, LEICA M10-P この間、web3の世界的なメディアであるCoinDeskの日本版を運営するb.tokyo (N.Avenue) のYear End eventがあり、成田修造さん、川崎ひでとさんと登壇した*1。 「Year End Party / CoinDesk JAPAN・btokyo」開催しました! Special Sessionでは、貴重なご登壇者の皆様のお話を聞きながら、時には笑いもあふれ、2023年の最後を飾る素晴らしい時間となりました。 セッション後のパーティーでは、btokyo… pic.twitter.com/pEIZbV5Vo7— CoinDesk JAPAN (@CoinDeskjapan) 2023年12月21日 「生成AIとweb3が
出雲・稲佐の浜(令和5年 神在月) Inasa-no Hama (Inasa Beach) in Izumo, Japan during Kami Ari Zuki (The Month of the gods' Presence) in 2023. 1.4/50 Summilux ASPH, LEICA M (Typ 240) もうかれこれ4~5か月前、旧知である新メディア"Pivot"の佐々木紀彦さんと竹下隆一郎さんから熱烈なご相談があり、9 quesitonsという番組に出たことがあった。70分1本勝負で一気に収録したが、そこで僕が言ったことの一つは「みんなAIの話ばかりをしすぎている。人類にとって大きな2つの課題があり、それをこそ解決すべきであり、AIだとかデータはそのためのツールとして使うべきだ」という話だった*1。 - その二つの課題とは「人類と地球との共存」と「人口調整局面の
Summilux 1.4/50 ASPH, Leica M10P @Chinkokuji Temple, Munakata, Japan 昨日のLLM(large language model 大規模言語モデル)議論の続きをもう少し書いてみようと思う。 kaz-ataka.hatenablog.com DS協会のスキル定義委員会ではIPAと協働し、2年に一度、データサイエンティストのスキル標準を見直し、改訂版を発表している*1。今年は奇しくも改訂年だったのだが、この春、わずか数ヶ月前に華々しく登場したChatgPTを目の前にしつつ、生成AI領域においてデータ×AIプロフェッショナル(データサイエンティスト DS)の場合、求められるスキルはどうかわるのか、という議論を随分とした。 データサイエンティスト協会 10thシンポジウム スキル定義委員会発表資料(2023年10月20日) 生成AIは
Izumo Ooyashiro, Izumo, Japan 1.4/50 Summilux ASPH, LEICA M (Typ 240) 気がついたら年末。半年もブログ更新ができていない*1。その上、最近、色々な場で人に色々聞かれるたびに思うことが随分と多い。澱(おり)のようにためておくのもどうかと思われ、色々書き出すモメンタムになればと少し書けたらと思う。 - 毎週何回か登壇、取材が続いているが、このところ、繰り返し聞かれることがいくつかある。 LLMによって仕事はなくなるんですか? 今後AIでどんな仕事がなくなるんでしょうか? OpenAI & Microsoft、google/DeepMindのglobal big playersがガンガンとやる中、日本はなにかやれることはあるんですか Pivotなどで言われていた物魂電才について教えてください。 今後の学校教育はどうあるべきですか
Leica M(typ240), 1.5/50 C-Sonnar, RAW 日本人だったら誰でも知っているが、ちゃんと原文で読んだことのある人がもしかしたら専門家ぐらいしかいない本の話をしたい。 『古事記』だ。まだカナやカタカナのない時代の作品であり、この本は元々、漢字だけで書かれている。それも漢文というより、漢文に万葉仮名のような当て字が大量に混ざって使われており、長らく読むこと自体ができなくなっていた。古事記自体の冒頭にも、適切な表現ができず、相当に苦労して書いたと書いてある。 普通の意味の現代語訳されていない「原文」は、この研究で国文学者として名を成した本居宣長(1730-1801)が一生をかけ解読した「読み下し文」と思われる。いま古事記を読む人の大半は現代語版を読んでおり、これが訳者によって相当の解釈と表現の差があるために、その印象と評価は原文とは相当に差があるものになる。 寛永版
1.4/50 Summilux ASPH, Leica M10P, RAW 4年前(2019年)の6月18日、、ちょっとした歴史的なイベントがあった。 Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグ氏が国の発行する通貨と並ぶ、デジタル通貨システムの立ち上げを発表したのだ。一企業として立ち上げるというのではなく、VISA, Masterやvodafone, paypal, ebay, spotify, liftなども含む大掛かりなコンソーシアムによって立ち上げるというコンセプトで、世界のどこにもリアルタイムで、これまで銀行口座を持てなかった方々も含めて、低廉に価値を届けるという構想だった。その名はLibra(リブラ)。全世界が騒然となったことはいうまでもない。 これまで通貨の発行権は通常のbindingルールを持つコミュニティの枠組みでは最大の単位である「国家」*1 が握ってきており、国家か
1.4/50 Summilux ASPH, Leica M10P, RAW (@Boston, MA, March 2023) 昨年の秋、現代を代表する評伝作家の北康利先生が、僕のゼミにお越し頂き、様々に熱く、そして味わい深い薫陶を頂く有り難い機会があった。日本人として福澤諭吉先生には多大な感謝をしており、その御恩返しとしてやってきたと、幸せと出会い、福澤先生と現代、など多岐にわたる味わい深いお話を頂いたのだが、その中で『代表的日本人』(内村鑑三著)について触れられることがあった。 代表的日本人 (岩波文庫) 作者:内村 鑑三,鈴木 範久岩波書店Amazon たしか高校時代の乱読の中で読んだことがあり、そのときはかなり滑って僕にはあまり記憶に残らなかった、とお伝えしたところ、これは明治の開国をした日本にこれだけの普通じゃない人たち(現代風に言えばヤバい人たち)がいたということを西欧諸国に示
1.4/50 Summilux ASPH, Leica M10P, RAW 「異次元の少子化対策」について国をあげての検討が行われるという。 本ブログを書き始めた十年あまり前に一度議論を整理したほうがいいのではと思ったのだが、機を逸してしまい、今に至ってしまった。ただ、拙著『シン・ニホン』(NewsPicks 2020) を読まれた方であれば、僕がそこで、相当に踏み込んだ議論を行ったことを覚えている方もいるだろう。 シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成 (NewsPicksパブリッシング) 作者:安宅和人ニューズピックスAmazon このテーマの議論は次の3段の問について考える必要があると考えられる。 少子化は一体何が問題なのか 仮に何らかの理由で問題だとしたときに、それはどのような構造的な背景があるのか その上で、では一体どのような状況が望ましく、それに向けて、どの
1.4/50 Summilux ASPH, Leica M10P, RAW (これは次のblog postの続編です。) kaz-ataka.hatenablog.com 機械学習ベースのAIの生み出す結果について問題提起的な議論を聞くことが多い。 〇〇についてしらべると 極端に男性に偏っている 極端にヨーロッパ系の人たちに偏っている 極端にリベラル(英語圏の意味の左派)よりである 豊かな人達に向けた議論があまりにも多い 体型や容姿に恵まれた人への極端な偏りを感じる などなどだ。 気持ちは大いにわかるが、機械学習というものの特質を考えると致し方ないところは多い。機械学習ベースのAIは7-8年前にHarvard Business Reviewで整理したとおり、相当の計算環境に、テキスト処理や機械学習を含むアルゴリズムを実装し、大量の経験値を与えて特定の目的に向けて訓練したものだからだ。 安宅
1.4/50 Summilux ASPH, Leica M10P, RAW Midjourney、ChatgPTと立て続けに強烈なアプリケーションが出てきて、Diffusion model(拡散モデル)やtransformer architectureに基づくいわゆるgenerative AI(生成系AI)がそこらで話題だ。ガンガン画像を生み出すことで一気に注目を集めたMidjourneyはクリエーター寄りだけれど、11月末、対話型で答えを返してくれるChatgPT*1が出てきたときに*2、あまりの回答力にDS協会*3のスキル定義委員会でもひとしきり話題になり、僕も自分の研究会の学生たちに「君ら、深く考えずにまずは使い倒したほうがいいよ」と早々にアドバイスした。使わないことには凄さも課題も何もわからないからだ。 すると二週ほど前のゼミで、ある卒業を控えた学生が ChatgPTがないと生きて
Summilux-M 1:1.4/50 ASPH, Leica M10P, RAW @Hakuba, Nagano, Japan 全く終わっている感じがしないので昨日の続きをもう少しつづけられればと思う。 kaz-ataka.hatenablog.com - そうこう彷徨っているうちに、出会ったのが現代生物学だった。40年近い前の当時の僕の理解では、ウイルス、細菌、培養細胞を用いた研究により、セントラルドグマや異端児としての逆転写酵素など分子生物学的な骨格的課題の検討が概ね終わり、人間の生命の理解は大きく次のフェーズに入ろうとしているように思えた。 利根川進先生らによる免疫の多様性の解明、ホメオボックスなどの発見による発生など高次なレベルでの生命の検討が進むようになったこのタイミングであればもしかしたら、精神活動を物理化学的なアプローチでそろそろ迫ることができるのではないかと直感を得、その
Summilux-M 1:1.4/50 ASPH, Leica M10P, RAW @Hakuba, Nagano, Japan 先日、人生に影響を与えたコンテンツ、特に本や映画、について取材を受けた。クローズドな場に向けたものであったため、そこで話した内容を少しご紹介できたらと思う。 - ここまでの半世紀をざっくりと振り返ると、もともとは分子生物学を学び、脳神経科学の分野に進み米国で学位(PhD)をとったが、ポスドクの最中に911があり、断腸の思いで帰国。 また約30年前からストラテジー、マーケティング分野で飲料、小売、商社、ヘルスケア、クルマ、ハイテク機器、ペイメント、半導体、検索、メディア、広告、国の産業戦略、AI戦略、人材育成などなど、B2C/B2B/public、幅広い分野の戦略立案、商品・ブランド開発、立て直し、事業開発に深く関わってきた。 一方、デジタル/データ×AIの世界に
Chinkokuji-temple, Munakata, Fukuoka, Japan Leica M10P, 1.4/50 Summilux, RAW (これは10/30のエントリ「この国ではファクトや論理より空気のほうが重い」からの抜粋です) データや情報はメディアに頼らず自分で元ソースから見て考えることが大切です。それも一つだけではなく、ここで行ったように何重にも複数の情報を横断的に比較しないと意味がわからないことはたくさんあります。これらの読み解きや確認すべきポイントはどこかにまとまっているわけではありません。その領域についてのある程度の基礎知識を持った上で、全体感を把握しつつ、狙いを定めていくのが基本です。ざっくりとした地図を持って入る探検に近い感じです。 感染者数のような同類に見える数字も同じ母数(例えば極端に人口組成が変わらない前提での人口10万人など)同士になるように、ある
Chinkokuji-temple, Munakata, Fukuoka, Japan Leica M10P, 1.4/50 Summilux, RAW 先日、富山県の県立高校の先生、約2,000人の前でお話する機会があった*1。年に一度の合同研修の日ということだった。中高の教育システムとはあまりcompatibleではなかった僕のような人間が、先生方の前で話して欲しい、と頼まれる日が来るとはとかなりオドロキだったが、旧知の教育委員会の先生に1年も前からご依頼され、お受けせざるを得なかった案件でもあった。 自分が高校生だったら、先生方に何をわかっていてほしいだろうかということを考え、世の中について、必ずしも正しく理解されているとは思えない、理解されているなら現在のような教育になっていないだろうと思ういくつかのポイントになると思うことをお話した。 曰く、世界は人口調整局面にあり、人口が減るこ
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