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衆議院選挙2026
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最近ちょっと思うことがあって。 坂本慎太郎「なぜわざわざ」、KIRINJI「歌とギター」、奥田民生「あまりもの」という今年1月に出た3曲がすごく染みるのですよ。それぞれ歌っていることは別々だし、示し合わせたわけもないのだけれど、通して聴いていると、なんだか「中年男性がどのように生きていくべきか」というテーマが浮かび上がってくるような感じがある。 ■《好きでやってるだけさ 特に意味なく》(坂本慎太郎「なぜわざわざ) まずは坂本慎太郎「なぜわざわざ」。アルバム『ヤッホー』の中の一曲。 坂本慎太郎のキャリアの築き方はほんとに独特だと思う。いわゆるライブの熱狂とか高揚みたいな感覚とは一貫して距離を起きつつ、ここ最近は海外で若い世代のリスナーもライブの動員も増えてる。数年前に取材した頃からボビー・オローサとかアーロン・フレイザーとか、リオン・マイケルズが主宰するビッグ・クラウン・レーベル周辺のレトロ
今年もよろしくお願いします。 年末のトークイベント「宇野維正×柴那典ポップカルチャー事件簿 『2025年徹底総括&2026年大展望』編」、おかげさまでかなりの反響をいただいてます。 / 📣ちょっとだけ本編公開!!📣 アーカイブ販売期限は1月11日(日)迄 \ 12/28(日)迄 宇野維正×柴那典ポップカルチャー事件簿 「2025年徹底総括&2026年大展望」編 🔽詳細🔽https://t.co/K7P1pRsO3k 今回もポップカルチャーだけでなく、政治の話まで盛り沢山!是非お見逃しなく! pic.twitter.com/fHeOvbXP1A — LOFTch / ロフトチャンネル (@LOFTch) January 5, 2026 かなり踏み込んだ話をしてますので、まだ観てない方は是非アーカイブを。 今日はそのトークイベントの最後に話した「2026年にラテン歌謡のヒットソングが生
佐々木 敦さんの新刊『メイド・イン・ジャパン 日本文化を世界で売る方法』を読みました。 普段はあまり批判的なこと、攻撃的な内容にとられかねないことを発信しないよう心がけているのですが、さすがにこれは書こうと思います。 この内容、このレベルの言説が「日本文化を世界で売る方法」というタイトルで書店に並び、なんとなく受け入れられていく状況を放置するわけにはいかない。それは健全なカルチャー批評の「場」を醸成していくために有用ではない。そう思います。 ■何がこの本の問題かまず『メイド・イン・ジャパン 日本文化を世界で売る方法』はどういう本か。出版社による紹介にはこうあります。 戦後、日本の文化は海外での成功を夢見てきた。音楽や映画、文学、演劇の世界で、世界的な知名度を得ている作家や作品はあるものの、日本カルチャー全体が「輸出商品」として盛り上がっているとは言い難い。 日本文化が全世界的に流行する日は
このあたりは僕も興味がある問題。 なので本が出た5月には読了していたのだけど、なかなか感想も書けなかった。というのも率直に言って、読み終えたときに「キツいなこれ……」と思ってしまったから。「キツいな」と思ったのは本の内容自体ではなくて、そこで取り沙汰されているマインドについて。 この本は、ざっくり言うと「生き残る」と「潰しがきく」ということについて書かれた一冊。そして僕はどっちもすごく嫌いな言葉なのですよ。 ■「生き残れない」ということ 本のタイトルは『東大生はなぜコンサルを目指すのか』なのだけれど、その問いの答えは「はじめに」でさらっと書かれている。 結論を端的に述べると、「コンサルファームに行けば成長できる」という言説が昨今のコンサル人気を支える要素の一つになっている。 『東大生はなぜコンサルを目指すのか』そして、そこから「なんで、みんなそんなに”成長”にとらわれてるの?」という問いか
これ、かなりヒットするんじゃないだろうかと思います。終わった後に「あれはどういうことだったのか?」と語りたくなる。何度も観たくなるタイプの作品だし、体験価値として映画館で観ることに意味がある。 反響は日本だけでなく世界中に広がっていくはず。すでにカンヌでは大絶賛を浴びたようだし、他にもトロント映画祭など各国の映画祭に出品されることも決まっている。NEONによる北米での配給も決定した。現象としては相当大きなものになりそう。 どこが素晴らしかったのか。 ■デザインセンスの秀逸さと佐藤雅彦イズムまずネタバレしない領域で言うと、図抜けているのはデザインセンスです。かなり研ぎ澄まされているし、洗練されている。それが冒頭のタイトルバックからわかる。なんなら作品を観ずとも、印象的な黄色のトーンとロゴを活かしたポスターだけでもわかる。 『8番出口』ポスタービジュアルそんなの作品に関係ないじゃん?と思う人も
今日はちょっと大きな見立ての話。今年の春くらいから「2025年は日本の転換点になる」と言い続けてきたんだけど、それがいよいよ形になりつつあるという話です。 どういうことか。 最初に結論を書いてしまうと「2025年、いよいよコンテンツ産業は日本の”基幹産業”のひとつになった」ということ。興行収入100億円を突破した『国宝』、そしておそらく300億を突破するだろう『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』のふたつのメガヒットはおそらくその象徴として記憶されるようになるだろう、ということです。 加えて言うならば、『国宝』と『鬼滅の刃』は「アニプレックス/ソニー・ミュージックが覇権を握った2025年」の象徴でもある、ということです。 ■『国宝』とフジテレビ問題の2025年 まずは『国宝』について。 公開73日間で観客動員数747万人、興行収入105億円を突破。邦画の実写映画では22年ぶり。
渋谷陽一さんが亡くなった。 間違いなく僕の人生を大きく変えてくれた恩人の一人でした。 1998年、なんでもない大学生だった自分は、ある日母親から「渋谷さんという人から電話だよ」と受話器を受け取って、そこで株式会社ロッキング・オンに入社が決まったことを社長から直接伝えられた。 そこから5年間、当時渋谷の桜丘町にあったロッキング・オンのオフィスで働いた。あの頃は怒られたりどやされたりしていた記憶ばっかりだ。今の自分が振り返っても、社会人として全然なっていなかった。よく僕みたいなのが拾ってもらえたなと思う。1000人とか2000人とか応募して2〜3人採用されるような倍率だった。宝くじにあたったようなものだったと思う。 2000年、ロック・イン・ジャパン・フェスの立ち上げに現場で携わらせてもらったのは得難い経験だった。初年度は台風で中止を余儀なくされた。そのこともあったけれど、本当の意味でロッキン
ちょっと間が空いてしまったな。今日は「パクリ」について書こうと思う。なかなか厄介な話題ではある。でもこのタイミングでちゃんと自分なりの考えを文字にしておこうと思う。 「オマージュはいいけどパクリはダメ」だとか「リスペクトがあればOK」みたいな話はよく言われる。相手とその作品に対して敬意があればいい。それが感じられないものは模倣や盗用だ、と。でも、その「リスペクト」って何?という話。それってどう判断するの? どこにその境界線があるの?という話。 ■「パクリ」とは何か 最近その手のことを考えるトピックがあった。 ラッパーのNENEが「OWARI」という曲で、「パクリ パクリ あいつもパクリ」「どいつもこいつもうちらのパクリ」というリリックで、ちゃんみな、SKY-HI、BMSGに名指しでビーフを仕掛けた。 この曲のリリックには「腐った音楽業界」「汚ねぇ音楽業界」というフレーズもある。「お前らはP
その時に今のボカロシーンやネットカルチャーを巡る状況をいろいろとお話したり、番組でも大きくフィーチャーされているきくおさんの話をしたりしたのですが、そこから時間が経ち、仕上がりがどうなったかは全く知らずに放送を観て。おお、こういう切り取り方になったんだと正直驚きました。 とてもよかったのは、単にボカロが海外で人気なんです、AdoやYOASOBIもボカロシーン出身なんですというところだけじゃなく、その文化的な意味合いに深く踏み込んでいたところ。番組の紹介文にはこんな風に書かれてる。 いま、初音ミクを起点とする日本発のボーカロイド文化が世界中で熱狂的なファンを獲得。歌声合成技術ボーカロイドはAdoやYOASOBIなど新たなアーティストも生み出すカルチャーになった。観客が日本語で大合唱する海外のライブや世界の若者たちが新たな音楽を生む現場に密着。 『新ジャポニズム 第2集 J-POP“ボカロ”が
これ、2025年の最大のヒット曲になるかもしれない。 Spotifyの配信初日の再生回数は歴代最多記録を更新。Apple Musicでも初週から2位になっている。もちろん現状ではMrs.GREEN APPLEの「ライラック」がトップなのだけれど、ストリーミングの再生回数のランキングが時間をかけて入れ替わっていくことを考えると、初動としては相当な数字だと思う。 YouTubeでは音源だけの動画が1週間で300万回再生を突破して急上昇ランキング1位を記録。この先にオリジナルのミュージックビデオの公開も予定されてる。 ここにきてバンドの正面玄関にあるべき最高傑作の曲が届いたと思ってたんだけど、それがかなりの数字を叩き出している。正直、興奮してる。 もちろん、アニメ『チ。 ―地球の運動について―』の主題歌であることが大きな要因なのは間違いない。期間限定公開の『チ。』とのコラボMVも1週間で250万
母が亡くなった。突然のことだった。いつも通りの朝食を食べているところに実家で暮らす兄から一報が届いた。風呂の中で発見されたという。 一瞬、何のことかわからなかった。すぐに向かうと告げると、コップを置いて、立ち上がって、しばらく意味もなく部屋をうろうろと歩いた。キッチンのあたりで腰が砕けたようにふらついて、ああ、こういう時には足にくるんだ、と思ったりした。洗濯機に手を置いて「そうか」とつぶやく。 ちょっと前に母の誕生日を祝うべく食事をしたばかりだった。母と妻と3人で行った新橋の焼肉屋は存外に美味い店で「また来よう」と話しながら店を出た。誕生日プレゼントは白いジャージの上下。悪くしていた足が治ってきて杖なしでも歩けるようになったからウォーキングをしたいと言われて買ったものだった。浅草橋で鞄を買った。帰りの車内でルンバが動かないから様子を見てくれと言われて、帰り際に部屋に上がって見てみたらただ単
宇多田ヒカルの「Electricity」がすごい。 4月10日にリリースされたベスト盤『SCIENCE FICTION』に収録された新曲。何度聴いても興奮する。 リズムとフロウの快楽性がここ最近の宇多田ヒカルの曲の特徴なんだけど、この曲は飛び抜けてる感じがする。そして歌詞もすごい。超越的な何かを感じる。 いったいどういうことなんだ、というのを書いておこうかなと思う。 まず一聴して驚いたのがサビ。四つ打ちの跳ねるダンスビートに乗せて「♪エ・エ・エ・エ・レ・エ・エ・エ」と歌う。「え? 歌詞なんて言ってるの?」と調べると Electricityかなにか Between Us 「Electricity」とある。デビュー曲「Automatic」の歌いだし「七回目のベル」を「♪な・なかいめの〜」と区切った日本語の譜割りが当時のシーンに衝撃的だったという話はよくするんだけど、ついに英語をこんな風に区切っ
僕もいろんなところでテイラー・スウィフトについて書いてきたけど、特に日本のマスメディアでは「経済効果!」みたいな取り上げ方ばかりだよなあと思っていた。音楽そのもの、曲そのものがフックになるよりも、現象ばかりが取り沙汰されているというか。 https://newspicks.com/news/9519009/ それはそれで非常に興味深いことなんだけど、それ以上に語るべきは、アメリカで共有されているテイラー・スウィフトの「物語」のことだと思う。 やっぱり2024年のスーパーボウルでは「テイラー・スウィフトがトラヴィス・ケルシーに祝福のキス」という場面が多くの人たちの記憶に刻まれたわけで。大統領選に関してもそうだけど、現代アメリカの歴史の主役になっている感がある。(もちろんビヨンセもその一人だと思う)。 https://www.vogue.co.jp/article/taylor-swift-t
新刊『平成のヒット曲』が、11月17日に発売されました。その「はじめに」と「目次」を、横書きで読みやすいよう少し修正を加えて公開します。 平成とは、どんな時代だったのか――。 本書は、それを30のヒット曲から探る一冊だ。 1989年の美空ひばり「川の流れのように」から、2018年の米津玄師「Lemon」まで。ヒットソングがどのような思いをもとに作られ、それがどんな現象を生み出し、結果として社会に何をもたらしたのか。そのことを読み解くことで、時代の実像を浮かび上がらせる試みだ。 悲惨な戦争から高度経済成長に至る〝激動の昭和〟に対して、平成という時代の全体像は、どこか茫漠としているように見える。焦土から豊かな生活を目指してがむしゃらに進んでいった戦後史の大きな物語に比べると、どんな価値観が時代を駆動する力学になっていたのか、一言では言い切れないように感じられる。 しかし、30年という時間は、日
曲が配信されたのは先月だからタイミング的には遅いけどそういうのは気にしない。『MUSICA』にも書いたけどこっちにも書いておこう。くるりの「益荒男さん」と「大阪万博」がマジですごいよねという話。 コミカルじゃなくてインタレスティングという意味での“笑い”を風刺と共にポップソングに込めるのは知性と教養と勇気が必要なことで、そういう意味で“益荒男さん”は本当にすごい。他の誰にも真似できない。川上音二郎が明治時代にやってたことを2020年にアップデートしてるとも言えるけど、節回しにも曲展開にも民俗と多文化を織りなす仕掛けが詰め込まれている。 「米價騰貴の今日に細民困窮省らす」 「慈悲なき慾心」 「おめかけぜうさんごんさゐに」 「権利幸福きらいな人に(自由湯をば飲ませたい)」 「外部の飾はよいけれど政治の思想が欠乏」 「心に自由の種を蒔け」 歌詞には、川上音二郎が「オッペケペー節」で歌ったこのあた
先日、SUPER DOMMUNEで「Talking About With / After CORONA『ライヴエンターテインメントの行方』」と題したトークセッションが開催されていました。 ものすごく有意義な内容で、僕としても、いろいろと目から鱗が落ちる内容だった。普段はアーカイブの残らないプラットフォームなんですが、これは広く沢山の人に伝えるべきだということでYouTube上にアーカイブが公開されています。 第一部、第二部、第三部、そしてDJセットの第四部という合計5時間の内容。全編、とても興味深い内容だったのだけれど、特に印象的だったのが「新型コロナウイルスと共生するライブミュージック」と題した第三部だった。 パネラーは 宮沢孝幸(京都大学ウイルス再生医科研究所准教授) 藤井聡(京都大学大学院工学研究科教授) 清水直樹(クリエイティブマン・プロダクション代表) 加藤梅造(LOFT PRO
『MUSICA』の今月号のディスクレビューでも書いたんだけど、脚光を浴びた2017年のデビューアルバム『Mura Masa』からサウンドは一転してる。一言でいうとパンク・ロック・アルバム。音に本気の切迫感が宿っている。 全編にフィーチャーされているのはギターサウンド。歪んだギターと縦ノリの直情的なビートが駆け抜ける。特にラッパーのslowthaiを迎えた「Deal Wiv It」がアルバムのトーンの象徴になっている。 slowthaiは昨年にデビューアルバム『Noghing Great About Britain』をリリースしたUKのラッパーで、Mura Masaはその収録曲「Doorman」でもコラボレーションしていた。そこでも、ヒリヒリした衝動に満ちたサウンドとラップが繰り広げられていた。 で、『Noghing Great About Britain』というタイトルから容易に思い浮かぶ
ヨルシカのことは前から知ってたけど、正直、最初に「おおっ!」と鳥肌が立ったのは「木箱」を手にとった時のことだった。 「木箱」というのは、今年4月にリリースされたヨルシカの1stフルアルバム『だから僕は音楽を辞めた』の初回盤のこと。パッケージの封を開けると、そこには何も書かれていない箱がある。フタを開けると、一番上には「エルマに」と書かれた紙が入っている。 で、その先には何枚もの手紙と写真が入っている。そのうちの1枚には、かすれかけた青いインクで、こう書かれている。 エルマ、この箱に入れた詩と曲は全て君のものだから、自由にしてくれて良い。きっと僕にはもう必要ない。その中には「藍二乗」や「八月、某、月明かり」など収録曲の歌詞が、やはり手紙と同じ青いインクと手書きの筆跡で書かれたものもある。 で、木箱の一番下にCDが入っている。 アルバムの初回盤は【「エルマへ向けた手紙」再現BOX仕様】と説明さ
すごいの来た。小沢健二の新曲「彗星」。これを待ってた、という感じ。11月13日にリリースされる13年ぶりのニューアルバム『So kakkoii 宇宙』の収録曲とのこと。きっとアルバム全体を聴いたらまた捉え方も変わってしまうというので、今の時点でのファーストインプレッションを書きとめておこう。 曲はオルガンから始まる。いきなり歌が始まる。 そして時は2020 全力疾走してきたよねその言葉に応えるかのように、優しいストリングスがふわっと響く。 「♪ツー、タッタタ」というドラムのフィルを合図に、ベースラインがグルーヴのスイッチを入れる。ギターのカッティングとクラビネットがファンキーに跳ねる。そしてフレーズはこう続く。 1995年 冬は長くって寒くて 心凍えそうだったよねその言葉に「♪パッパラッパ〜」とホーンセクションが合いの手のようなオブリガードを入れる。ここまで約30秒。完璧。このオープニング
いろいろ調べたけど、東方Projectの同人CD → Deadman死人(海外の10代のトラックメーカー)がサンプリングしてType Beat販売 → Lil Boomがラップを乗せ「Already Dead」発表 → TikTokでダンスチャレンジ流行 → Spotifyでバイラル1位という流れっぽい。完全に新時代。https://t.co/UDmX7dqJLs https://t.co/RmyaKbILUF — 柴 那典 (@shiba710) August 27, 2019
5月2日は、hideの21回目の命日。 毎年開催されてきたhideを偲ぶ会のことは、ニュースにもなっていた。 僕自身は、リアルタイムでリスナーではあったものの、熱心に追いかけてきたファンだったというわけではない。 それでも、ここのところ、平成の日本の音楽のヒストリー、特に00年代以前には強くあった「洋楽と邦楽の壁」という問題について考えているときに、hideの存在がとても重要だったんだということを改めて考える機会があった。 そして、hideが残した「ピンク スパイダー」という一曲が、いろんな意味で時代の先を行っていたんだ、と考えるきっかけがあった。 というのも、最近、『オルタナティブロックの社会学』を著した南田勝也さんが編著に携わった『私たちは洋楽とどう向き合ってきたのか――日本ポピュラー音楽の洋楽受容史』という本を読んだから。 とても興味深く、おもしろい一冊だった。 で、この本の序章には
■これは「彼ら」の話ではなくて、「私たち」の話 望月優大さんの新刊『ふたつの日本 「移民国家」の建前と現実』を読んだ。 いろんなことを考えさせられる、とても興味深い本だった。 本の内容は、タイトルのとおり、「いわゆる移民政策はとらない」というスタンスを取り続ける政府の“建前”と、労働力を求める企業の“現実”によって引き裂かれ、在留外国人たちが複雑な立場に置かれ続けている日本という国の構造を精緻にルポルタージュしたもの。本文にはこんな風に書かれている。 日本で暮らす外国人は増えている。人工の2%といえば先んじる欧米などの移民国家に比べてまだまだ少ないが、確実にその数も、割合も増え続けている。そして、政府が急いで「特定技能」の在留資格新設へと走ったことからもわかるように、今後もしばらくその趨勢は変わらないだろう。「日本人」は減っていく。そして「外国人」は増えていくのだ。自然にそうなったのではな
https://www.youtube.com/watch?v=MFnpnDI3oQQ 何度か聴くうちにすっかりハマってしまった。 「<NHK>2020応援ソング」というNHKのプロジェクトに書き下ろした新曲で、作詞作曲編曲とプロデュースを米津玄師が担当、歌ってるのはFoorin(フーリン)という5人という小学生ユニット。 https://www.nhk.or.jp/tokyo2020/song/ キャッチコピーは「2020年とその先の未来に向かって頑張っているすべての人に贈る応援ソング」。その一報を聞いた第一印象は「米津玄師が応援ソング?」というものだった。彼の音楽を追ってる人なら、なんとなくこの感覚、わかるんじゃないかと思う。 でも、聴いてみたら、歌詞にも曲調にも、「頑張れ」とか「強くなれ」とか「さあ行こう」みたいに、わかりやすく誰かを応援する、誰かの背中を押すような表現は一つもなかっ
正直、柳樂光隆さんの言ってることに100%頷けるか、と言えばそうじゃない。けれど、以下のポイントはすごく同意。 音楽って意識的に聴かないと分からない面白さが埋まっていることも多いんだけど、意識的になるためには、一度スイッチが入らないといけない。で、そこから思い出したのが、「銀河」のエピソードだった。 この曲はCメロから最後のサビにかけて「え?」となる転調が仕込まれている。3分46秒と52秒で、半音ずつ上がっている。 これ、当時もリアルタイムで「ええ?」となった記憶がある。蔦谷好位置さんみたいに車を路肩に止めた覚えがある。 で、何度かインタビューする機会があって、「あそこがすごい」という事も伝えた覚えはあるんだけれど、結局、何がルーツになってああいう発想が出てきたのか、わからなかった。 結局、それを知ったのはプロデューサーをつとめた片寄明人さんのブログ(現在はFacebookに移行)を読んで
https://www.youtube.com/watch?v=FcO8uV2n3Ys UKはノースシールズ出身の24歳のシンガーソングライター。ほんとは今日1月16日に初の来日公演がある予定だったんだけど、キャンセルになっちゃった。残念。「BBC Sound of 2018」にノミネートされたり、先月に発表された「Brit Awards 2019」の批評家賞に輝いたり、つまりはUKの次の時代を担うと目されているシンガーソングライター。なので日本でもサム・スミスとかエド・シーランくらいちゃんと売れてほしいと願ってる。 憂いを含んだ声、ポストパンクっぽい切迫感を匂わせるビート、切ないリリシズムを湛えたメロディセンスと、いろんな系譜を感じさせるシンガーソングライターなんだけれど、とりあえず、そのことは置いておいてい。 彼が昨年11月にリリースした「Dead Boys」という曲の歌詞が、とても興
小室哲哉さんの会見について。 すぐには考えがまとまらなかったのだけれど、会見をみて、ナタリーの書き起こしとモデルプレスの会見全文を読んで、なんというか、心がぎゅっと締め付けられるような感じがあったので、あくまで僕の思うことを。 小室哲哉、涙の引退会見「悔いなし、なんて言葉は出てこない」(写真12枚) - 音楽ナタリー https://natalie.mu/music/news/265902 <小室哲哉 会見全文>50分間の激白…不倫疑惑報道、頭にあった“引退”、KEIKOの容態など - モデルプレス https://mdpr.jp/news/detail/1741496 <小室哲哉 会見/一問一答すべて>引退を決めた理由、今後、A子さんとの現在 - モデルプレス https://mdpr.jp/news/detail/1741472 ニュースの情報をかじっているだけだとわからないこと、誠実
Gotchのソロ・アルバムからのリード曲。すごくいい。跳ねたビートに乗せたチアフルな感じのメロディで、ヌケのいいポップ・ソング。前のアルバムはロック・バンドであることを引き受けざるを得ないアジカンに対してパーソナルな趣味性の高い音楽を追求するプロジェクトという感じだったけれど、ソロでの「やるべきこと」を照準を定めて射抜いてる感じがする。 歌詞がいい。 ポケットにはジャック・ケルアック 新しい世紀のイメージを言葉にして僕らは歩むんだよ 財布は空っぽ 打ちのめされた世代よ 何もないなら 何でもありだぜ 実家だけがシェルター 現代のホーボーたちよ 目指せ ほら バックパッカー 駆けずれよ この世界を 世界地図はインターネット 僕らの魂を街頭に飛び出して書きつけてまわるんだぜhttp://6109.jp/akg_gotch/?blog=388529 ジャック・ケルアックの名前を歌い出しに用いている
アノーニのアルバム『ホープレスネス』を聴いた。久しぶりに、身震いするような感覚を得る一枚。素晴らしい。 https://itun.es/jp/P7F6ab まずはサウンド。ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーとハドソン・モホークがプロデュースしている。つまりは今のエレクトロニック・ミュージックの最先鋭を支える才能がタッグを組んだわけで、そりゃすごくないわけがない。ヒリヒリするような緊迫感と不思議なカタルシスが同居するような音が鳴っている。 そして歌声。すごく深くて、どこかスピリチュアルな崇高さを持った声の響きに心を揺らされる。ジェイムス・ブレイクとか、ボン・イヴェールとか、そのあたりの人たちに近い感触。 「アノーニ」というのはアントニー・アンド・ザ・ジョンソンズとして活動してきたアントニー・ヘガティの新しい名前で、その中性的な響きはトランスジェンダーであることを公言している彼女のアイデン
2月7日、スーパーボウルのハーフタイムショー出演の前日にビヨンセからサプライズリリースされた新曲「Formation」。ビデオを観ればとても社会的なテーマを持った楽曲であることは一目で伝わってくる。 冒頭のリリックはこんな感じ。 What happened after New Orleans? Bitch, I'm back by popular demand 「ニュー・オーリンズを襲ったハリケーン・カトリーナの後に何が起こった?」という歌い出し。ハリケーンの被害は2005年。その後には大規模な略奪行為が横行した。しかも、こちらのページによると、略奪を働く犯罪者のほぼ100パーセントが黒人だった(http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/i/06/index.html )。しかし、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなどの大手マスコミはそのことを報じ
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