米ニューヨークで9月7日に行われたテニスの全米オープン決勝は、ドナルド・トランプ大統領の登場によって、混乱に見舞われた。

この日は、イタリアのヤニック・シナー選手対スペインのカルロス・アルカロス選手による男子シングルス決勝戦。

元女子プロテニス選手のマルチナ・ナブラチロワ氏は、会場外に人があふれる様子をSNSに投稿した。
警備を先に通ったとみられるトランプ氏が、半分ほどしか客席が埋まっていないスタジアムにいきなり登場。
気づいた観客たちが立ち上がり、トランプ氏を自身のスマートフォンに収める様子が映っている。
会場には歓声とブーイングが入り混じる様子が撮影された。
だが、別の映像によれば、最初に会場入りしたときから、ブーイングは上がっていたようだ。
同紙の報道によると、試合は当初の予定から大幅に遅れ、最終的に開始されたのは午後2時48分だった。
米ABCニュースのオリヴィア・ルービン記者は「試合は始まったが、警備強化のため、まだ多くのファンが立ち往生している」「あるファンはチケットに5000ドル(約75万円)支払ったのに入れないと話している」と現地リポートをSNSに投稿した。
米紙ジ・アスレチックが報じたメモによれば、全米オープンを主催する全米テニス協会は「すべての放送局に対し、大統領の試合観戦に対するいかなる混乱や反応も紹介しないように」と各社メディアに要請していたとみられている。
SNSでは、「ひどい有り様だ」「歓声とブーイングが入り混じっているのが、まさに分断の象徴」「こんなに混乱するなら、アメリカでのサッカーW杯(注:2026年開催予定)も中止にしたら?」など、さまざまな声が上がっている。