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人質司法 なぜ労組は狙われたのか 大寄麻代裁判長、黙秘権を無視 関西生コン国賠判決、請求を全面棄却【大寄麻代裁判長を問う①】 2025年10月31日 20時45分 渡辺周、中川七海、千金良航太郎 2025年10月31日は、裁判所が黙秘権すら認めないという歴史的な日となった。 労働組合「関西生コン支部」(関生支部)の組合員が延べ89人逮捕された刑事弾圧をめぐり、関生支部が国を提訴した国家賠償請求訴訟の判決で、東京地裁民事第1部は関生支部の訴えを全面的に退けた。裁判長は大寄麻代(おおより・あさよ)氏。 関生支部は、最長644日に及んだ身柄拘束による「人質司法」や、黙秘している組合員に検事が関生支部からの脱退を迫ったことは違法だと訴えていた。刑事事件では、すでに4件12人の無罪が確定している。 ところが判決は、黙秘していた組合員に検事が「反省を促した」と判断。憲法38条が保障する黙秘権すら認めな
地球は丸い。世界に真ん中はない。 だが高市早苗首相はきのうの所信表明演説で言った。 「世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す。絶対にあきらめない決意をもって、国家国民のため、果敢に働いてまいります」 高市首相の根底にあるのは、「強い日本」への憧憬だ。 「必ずや、日本列島を強く豊かに、日本を再び世界の高みに押し上げてまいります」 日本を強国にし、世界の高みに押し上げたい高市首相。過去の戦争で日本に負い目があることは耐えられないようだ。2005年、自身のサイトで「政府歴史見解は、早急に見直されるべきだと思う」と題したコラムを書いている。 漠然とした「戦争責任」を安易に認め、何に対する謝罪かも明らかにせず、自ら現代の外交交渉の足枷とし、謝罪外交・土下座外交に甘んじることは主権国家として実に無責任な姿勢だと言わざるを得ません。アジア諸国に対しても、むしろ無礼な振る舞いでしょうし、「民族責任論」を
公害「PFOA」 ダイキン、従業員のPFOA曝露を初めて認める 通常の「500倍~5万倍」検出、住民向け説明では「健康被害ない」と詭弁 2025年09月11日 22時18分 中川七海 ダイキン工業淀川製作所 ついにダイキン工業が、大阪府摂津市の淀川製作所で、従業員が高濃度のPFOAを曝露していたと認めた。国が公表した血中濃度の平均値の、500倍から5万倍に当たる。 Tansaは、2025年9月8日にダイキンが実施した説明会の記録を入手。工場近隣の一部住民を対象にした説明会だ。ダイキン化学事業部の小松聡部長が、従業員の高濃度曝露を伝えていた。 これまでダイキンは、従業員の高濃度曝露を明らかにしてこなかった。 なぜ、ここに来て従業員の高濃度曝露を認めたのか。 小松部長は住民説明会で言った。 「4桁、5桁の従業員でも、当時、健康影響が出ているというのは確認できませんでしたので、一安心をしたという
誰が私を拡散したのか Apple、児童ポルノ取引アプリ対策に本腰入れず 取材には「オフレコ」提案 日本の警察は10年前に措置要請(42) 2025年08月22日17時38分 辻麻梨子、渡辺周 米カリフォルニア州・クパチーノにあるApple本社=NHKスペシャル「調査報道・新世紀」取材班撮影 ※実態をより正確に伝えるため、性暴力に関する加害や被害の内容が含まれます。フラッシュバックなどの症状がある方は閲覧に十分にご注意ください。 Appleのデジタル性暴力への対応が、鈍い。 2023年12月、Appleは児童ポルノなど、違法画像の取引に使われていた「アルバムコレクション」というアプリをApp Storeから取り下げた。Tansaが本シリーズ「誰が私を拡散したのか」で追及した結果だ。 ところが、Appleが提供する同様のアプリは、まだあった。 「動画シェア」だ。 2019年頃から、Appleの
それでも参政党を選びますか 「特攻隊員は英雄」「次に戦うのは私たち」超国家主義に向かう日本社会へ/特攻隊員が書き遺した「恐ろしき哉、浅ましき哉」 2025年08月15日18時00分 Tansa編集部 特攻隊員の遺影が並ぶ、知覧特攻平和会館の展示=2025年8月13日、鹿児島県南九州市で千金良航太郎撮影 80年前の8月15日、昭和天皇がラジオで戦争をやめると国民に告げた。 8月6日に広島、9日には長崎に米軍が原爆を投下した後のことだった。 日本政府と軍部は、降伏して戦争を終わらせることを決断できずにいた。中立条約を結んでいたソ連による仲介に期待し、より有利な形で戦争を終わらせようとしていたからだ。しかし頼みのソ連は8日、仲介どころか日本に宣戦布告。満州に攻め入ってきた。 日本の為政者たちの甘い判断が、国内外に甚大な犠牲をもたらした。国を破滅にまで追い込んだ。 戦況が悪化すると、若者を特攻隊員
ニュース 「食べ物か冷房かの二択」 安倍政権以来の生活保護費カット、最高裁が「違法」認定しても是正しない政府 2025年08月01日23時37分 中川七海、湯川友愛、佐々木紘子、千金良航太郎 東京・霞ヶ関にある厚生労働省の前で抗議する「いのちのとりで裁判」の原告団=2025年8月1日、千金良航太郎撮影 ちょうど12年前の2013年8月1日、生活保護費の大幅削減が始まった。給付額の最大10%減という、過去に類を見ない下げ幅だ。 第2次安倍政権の肝入り政策だった。「生活保護はずるい」という世論に乗って、民主党から政権交代してすぐに実行した。 生活保護の根拠となるのは憲法25条だ。健康で文化的な最低限度の生活を保障している。全国の弁護士たちがすぐに生活保護受給者と共に立ち上がり、「いのちのとりで裁判」を展開した。 裁判は最高裁まで争われ、2025年6月27日、原告が勝訴した。 ところがだ。 政府
それでも参政党を選びますか 参政党躍進 日本社会の「ナチス化」を止めるため、立場・職種を超えた連帯を 2025年07月25日21時02分 Tansa編集部 東京・芝公園で開かれた参政党の参院選・最終演説に集まった支持者たち=2025年7月19日、千金良航太郎撮影 2025年の参院選で、参政党が14議席を獲得し躍進しました。 比例代表の得票数は742万5053票。これは、自民党、国民民主党に続く3番目。立憲民主党を上回っています。 Tansaは選挙期間中の7月17日、報道機関として、参政党に反対すると宣言しました。 報道機関であるならば、中立であるべきだという批判があります。 しかし、ジャーナリズムの役割は、誰しもの命と暮らしを守るために、暴走する権力に歯止めをかけることです。批判を恐れ、「中立」を理由に、基本的人権を否定する権力を見過ごす行為は、報道機関としての職務放棄を意味すると、私たち
それでも参政党を選びますか Tansaは、ジャーナリズムを実践する組織として、古今東西の幾多の犠牲を経て基本的人権を基盤とした民主主義を享受している社会の一員として、参政党の台頭に反対する。代表・神谷宗幣氏の過去19年間の発言や、党の発信内容を検証すると、その本質が見えてきた。有権者に問う。「それでも参政党を選びますか」
それでも参政党を選びますか 東京選挙区で優勢、さや氏の本音は? 「兵役は教育的な役割」働く母の顔に「子どもは接したくない」 2025年07月19日17時55分 Tansa編集部 参院選の東京選挙区には、7議席をめぐり32人が立候補している。 テレビや新聞の情勢調査で優勢が伝えられているのが、参政党のさや氏だ。ジャズ歌手のかたわら、保守系メディアのYouTube番組などに出演してきた背景を持つ。選挙演説では経済の立て直しや消費税廃止を中心に訴えている。 だが、さや氏は本当に生活者の味方なのか。 Tansaが出演番組やSNSでの発言を調べると、核兵器の推進や歴史修正、働く女性への事実に基づかない偏見などが見つかった。 Tansaはなぜ参政党に反対するのか。私たちの宣言はこちらです。 「Tansaは報道機関として参政党に反対します 基本的人権と民主主義を守るため宣言します」 四ツ谷駅前で街頭演説
2025年7月19日、参院選は選挙運動の最終日を迎えた。 躍進している参政党は、東京タワーを臨む芝公園で神谷宗幣代表らが最後の演説をした。集まった支持者は、老若男女の2万人。ベビーカーで子どもを連れてくる家族もいた。 神谷代表は「スパイ防止法を作りたいと思いませんか!」、東京選挙区のさや氏は「みなさんのお母さんにしてください!」と絶叫。支持者たちは陶酔の眼差しと共に、声援を送った。親子で参加した支持者は、帰りの道すがら、「来てよかったね」と子どもに語りかけていた。 参政党に反対する人たちも集まった。「差別をやめろ」「ナチスと同じ」と声をあげたが、参政党の支持者たちに「もっと勉強してこい」「性格が悪いな」などと言い返されたり、笑われたりしていた。 参政党が台頭すれば、日本社会は壊れる。多くの犠牲者を出す危険性をはらんでいる。支持者たちがどんなに陶酔しようとも、Tansaは報道機関としてそのこ
⚫︎日本人は「大御宝」、天皇陛下の大切な子供という関係です。親(天皇陛下)が子供たち(日本人)を見守り、子供たちは親に報いるために努力する。これが、日本人が大切にし続けた「君民一体」の日本の統治の姿なのです。(『参政党ドリル』2024年、青林堂) ⚫︎祖先から子孫へと受け継がれていく日本人としての血統を大事にするべきであるという観点から、世界に冠たる日本の戸籍制度は必ず維持すべきです。(『参政党ドリル』2024年、青林堂) ⚫︎明治維新以降、およそ80年間頑張って戦ってきた日本は罠にはめられて大東亜戦争に突入したのです。はめられた日本は壊滅的な被害を受けました。日本を傘下に置くというのは、欧米側からすればコロンブスやザビエルの時代以来の悲願であったわけです。(『国民の眠りを覚ます「参政党」』2022年、青林堂ビジュアル) ⚫︎国際的に見て人道的だった日本軍は世界各地で殺戮を繰り返した悪虐な
それでも参政党を選びますか Tansaは報道機関として参政党に反対します 基本的人権と民主主義を守るため宣言します 2025年07月17日22時41分 Tansa編集部 歴史上の惨禍を後世から振り返った時、「あそこが踏ん張りどころだった」という分岐点があります。そこを過ぎたら坂道を転がるように、多くの犠牲者を生む社会へと突き進む。そういう分岐点です。 参院選の投票日に向け、参政党が躍進しています。今がその「踏ん張りどころ」。私たちは参政党の台頭を食い止めたいと考えています。 『わが闘争』との共通点 参政党は「日本人ファースト」を掲げています。神谷宗幣代表が編著の『参政党ドリル』(青林堂)には、こんな記述があります。 「祖先から子孫へと受け継がれていく日本人としての血統を大事にするべきである」 血統を重んじる政治家は、過去にもいました。アドルフ・ヒトラーです。ヒトラーはゲルマン民族の血統が守
人質司法 なぜ労組は狙われたのか 「答えないと釈放が延びますよ」夫の逮捕で検事から脅しの電話 それでも息子と確信した「父ちゃんは悪くない」/連帯労組 関西ゼネラル支部 組合員・西島友子さん<関西生コン事件・証言#18> 2025年06月25日19時56分 渡辺周、中川七海 保育士の西島友子さんは、息子2人と夫の4人家族。夫は、証言集第17回に登場した、関西生コン支部の組合員・西島大輔さんだ。 もともと、友子さんは労組活動についてよく知らなかった。「警察に目を付けられているかもしれへん」なんて夫が言えば、「ドラマを観て影響を受けてるんやろな」と軽く流していた。 ところがある朝、自宅のインターホンが鳴る。警察が夫を逮捕しにやって来たのだ。 動揺する子どもたちを守らなければいけない。友子さんは、小学生の息子2人とある約束を交わす。 母と息子の約束、大きな声で「行ってきます! 」 朝早くに、ピンポ
人質司法 なぜ労組は狙われたのか 「会社を困らせよう」と入った労組、なぜ「人権」に行き着いたのか 国連調査のきっかけ作った「人権部長」/関生支部執行委員・西島大輔さん<関西生コン事件・証言#17> 2025年06月18日17時12分 渡辺周、中川七海 勤めていた会社から突然、他の仕事を探すように言われた。会社を困らせてやろうという軽い気持ちで、関生支部に入った。 だが活動をしているうちに、つらいのは自分だけではないことを知る。明日どうやって食べていくかという瀬戸際にいる人たちがいるし、社会的マイノリティであるがゆえに差別されている人たちもいる。 関生のモットーは「他人の痛みは我が痛み」。会社を困らせることが目的ではない。弱い立場にある人のために役立つことが大切なんだという心持ちに変わっていく。 その心持ちを突き詰めていった時、ふと気づいた。 「労組の役割って、人権を守ることとちゃうか」 証
記録のない国 話し合ってないのに「法制局が了解」? 国葬文書隠蔽、憲法違反の「弔意の強制」めぐる国の嘘 2025年06月11日17時07分 Tansa編集部 安倍晋三・元首相の国葬の是非は、世論が割れた。メディア各社の世論調査では、軒並み反対が賛成を上回った。 反対理由の一つは、憲法に関わることだった。 「国葬は弔意の強制であり、内心の自由を保障する憲法19条に違反する」 この点について、内閣官房と内閣府は2022年7月14日付の「安倍元総理大臣の葬儀の形式について」という文書で、次のように説明している。 「国葬令のような国民一般に喪を服することを強制するような取扱いをしない場合には、法的根拠を与えるための立法行為は必要ない」 戦前は国葬令があり、国民に喪に服すことを強いていた。しかし戦後に新憲法ができると、弔意の強制はできなくなり国葬令は廃止された。ただ、弔意を強制しなければ国葬に関する
人質司法 なぜ労組は狙われたのか 大阪高裁・坪井祐子裁判長、憲法28条と「国連・関生報告書」を無視 工事現場の危険を指摘した組合員が有罪 2025年06月09日21時22分 渡辺周、中川七海 大阪高等裁判所 有罪率99.9%と言われる日本の刑事裁判で、関生支部への弾圧事件では、すでに4件12人の無罪が確定している。 2023年3月6日には、大阪高裁で和田真裁判長が憲法28条を引用し、関生支部の労働組合としての活動を正当なものと認定した。 「産業別労働組合である関生支部は、憲法28 条の団結権等の保障を受け、これを守るための正当な行為は、違法性が阻却される」 ところが2025年6月9日、同じ大阪高裁で、憲法28条を無視する判決が出た。関生支部の組合員と元組合員を、建設会社に対する恐喝未遂や威力業務妨害で有罪と断じたのだ。それぞれ、懲役2年6カ月(執行猶予3年)と懲役1年6カ月(執行猶予3年)
公害「PFOA」 ダイキン「PFOA曝露が問題となるであろう」 社外秘文書で25年前に予測 いま、続出する間質性肺疾患 2025年05月29日18時25分 中川七海 ダイキン工業淀川製作所の社外秘文書 ダイキン工業でPFOA製造に従事していた労働者の、健康被害が明らかになった。京都大学研究者や医師からなる研究チームが突き止め、論文で発表した。 複数の労働者が、呼吸機能が低下する間質性肺疾患を患っていた。いずれの労働者も、粉塵対策が杜撰な労働環境にいた。 この労働災害に、ダイキンはどう対処するのか。Tansaは質問状で尋ねたが、「自社が作成した論文ではない」という理由で回答を拒否した。 前回の記事「ダイキンPFOA作業員に間質性肺疾患 『粉がいっぱい服についた』 医師『被害者は5人、10人では済まない』」で報じた通りだ。 なぜ回答を拒むのか。その理由を窺わせるダイキンにとって「不都合な事実」
人質司法 なぜ労組は狙われたのか ショベルカーに追われても闘った45年間 「ヤクザが見逃され、関生が逮捕される」理由とは/関生支部副委員長・武洋一さん<関西生コン事件・証言#13> 2025年05月14日14時37分 渡辺周、中川七海 日経連(現・経団連)の大槻文平会長は1980年代、関生支部の活動を牽制した。 「資本主義の根幹にかかわる」、「箱根の山を越えさせない」。 大槻氏が日経連の会長に就いたのは1979年。同じ年に関生支部で活動を始めたのが、現副委員長の武洋一さんだ。武さんは証言する。 「弾圧は、関生の労働運動が盛り上がると10年周期でやって来た」 権力の「虎の尾」を踏むと登場するのが、弾圧トリオ。「生コン経営者」、「暴力団関係者」、そして「警察」だ。 圧倒的に不利な状況の中でも、武さんは闘い続けてきた。45年間の原動力は何なのか。 財界が恐れる「関生の東京進出」 1980年代、関
人質司法 なぜ労組は狙われたのか 「辺野古になんで行ったんや」 大阪府警警備部が気にしていた「政府に不都合」なこと/関生支部執行委員・西山直洋さん<関西生コン事件・証言#11> 2025年04月30日15時10分 渡辺周、中川七海 関生支部が取り組むのは、労働者の賃金や待遇を改善することだけではない。戦争への反対や差別をなくすことなど様々な社会運動を展開している。そこには、弱い立場の人を犠牲にしてはならないという明確な意思がある。 関生支部執行委員・西山直洋さんは、米軍基地への反対運動や、韓国の労働組合との連携に取り組んできた。 初めて警察に逮捕されたのは、2004年。2018年からの大規模な刑事弾圧でも逮捕・勾留された。 この間、西山さんをマークしてきたのは大阪府警警備部。取り調べで聞き出そうとしたのは、米軍基地への反対運動など、政府に不都合な活動の動向だった。 機動隊に8人がかりで 初
人質司法 なぜ労組は狙われたのか 警察庁刑事局長「真摯に受け止める必要がある」 関西生コン事件の冤罪について国会答弁 2025年04月21日17時57分 渡辺周、中川七海 生コン産業の労働組合「関生支部」への無罪判決が相次ぐ中、警察庁の谷滋行刑事局長が4月21日、冤罪を引き起こしたことについて「真摯に受け止める必要がある」と表明した。 参議院決算委員会で、大椿ゆうこ議員(立憲民主・社民・無所属)の質問に対して答弁した。 滋賀、京都、大阪、和歌山の警察が、延べ80人超の組合員を逮捕・勾留した一連の事件では、すでに3事件11人の無罪が確定。継続中の裁判でも、検察が懲役10年を湯川裕司委員長らに求刑した事件で、京都地裁が無罪判決を出した。 袴田巌さんや大川原化工機の経営者ら「人質司法」の犠牲者が絶えない。警察は次第に追い込まれている。 「警察は被害者の声を聞け」 関生支部の組合員が逮捕された事件
人質司法 なぜ労組は狙われたのか 保育所に出す就労証明書を会社に求めただけ、なぜ「完全無罪」にならないのか 最高裁に忖度の大阪高裁 2025年04月17日19時29分 渡辺周、中川七海 あるミキサー運転手が、生コン会社で日雇いの仕事に就いてから5年が過ぎていた。その間、娘が生まれた。妻と共働きだったが、暮らしは苦しい。正社員になりたいと思った。 労働組合の関西生コン支部に加入した。組合員たちと共に、正社員になる交渉を会社とするためだ。 会社側は信じられない行動に出た。子どもを保育所に預けるために必要な、就労証明書に押印しないのだ。 それまでは毎年、証明書に押印していた。会社は労組嫌い。関生支部に入ったことへの嫌がらせだった。当然、関生支部の組合員たちは抗議した。 ところが組合員たちは逮捕・勾留され、裁判で「強要未遂」に問われてしまったーー。 2025年4月17日、その結果が大阪高等裁判所で
人質司法 なぜ労組は狙われたのか リーダーの先輩たちが次々に逮捕、次世代を担う時に見えた関生の強さ/関生支部執行委員・平田郁生さん<関西生コン事件・証言#4> 2025年03月12日12時12分 渡辺周、中川七海 逮捕・勾留された関生支部の組合員は、その多くが幹部だ。警察・検察の狙いが、組織の壊滅にあったからだ。 次々と組合員が抜けていく。残された組合員は、リーダーたちが不在の日々を耐え忍ぶ。平田郁生さんはその一人。弾圧の渦中、役員に就く決断をする。 平田さんは京都大学を卒業後、闘う労働組合に惹かれて関生支部に加入した。次世代にわたり貫きたいのは、「労働者の生活を守る」という原点だ。 働く人の生活基盤を守る運動の強さ バリバリの理系でした。小学生の時からアインシュタインの「相対性理論」に興味を示していましたね。 京都大学では理学部の地質学鉱物学教室で学びました。抽象的な理論よりも具体的なも
人質司法 なぜ労組は狙われたのか 関西生コン事件で無罪判決! /懲役10年求刑された関生支部委員長に/京都地裁「関生支部は産別労組」、恐喝とは「到底評価できない」 2025年02月26日20時00分 渡辺周、中川七海 関生支部の組合員たちは結束し弾圧を乗り越えてきた=2025年2月8日、沖縄県でのシンポジウム会期中に(中川七海撮影) 警察と検察が作り上げた事件に対し、裁判所が待ったをかけた。 2025年2月26日、生コン産業の労働組合「関生(かんなま)支部」の湯川裕司・委員長と武建一・前委員長への判決公判が京都地裁で開かれた。 恐喝や強要未遂などの罪で、懲役10年を検察に求刑されていた2人に対し、京都地裁は無罪判決を出した。 検察のストーリーは、「生コン会社の経営者で作る『京都生コンクリート協同組合』(京都協組)に対して、ストライキにより畏怖させ、解決金を脅しとるスキームを関生支部が持って
人質司法 なぜ労組は狙われたのか 勾留644日、それでも折れないリーダーの覚悟/「産業民主主義を日本に根付かせる」/関生支部委員長・湯川裕司さん<関西生コン事件・証言#2> 2025年02月19日19時00分 渡辺周、中川七海 生コン産業の労働組合、「関生(かんなま)支部」組合員たちの証言。2回目は委員長の湯川裕司さんだ。 湯川さんは近畿一円の関生支部の労組活動に関し、逮捕を繰り返されて644日間勾留された。組合員の中で最長の勾留期間だ。警察と検察が組合トップの勾留で組織を壊滅させようとしたことがうかがえる。 だが、捜査権力の狙い通りに関生支部が潰されることはなかった。その強さの根源は何か。リーダーの証言が明らかにしている。 年収300万円が当たり前の社会で 今回の大規模な弾圧は、産業別労働組合である関生支部に、権力側が仕掛けてきたという認識を持っています。 政財界の権力者たちは、企業別労
ダイキン工業・大阪府・摂津市の「第10回神崎川水域PFOA対策連絡会議」での配布資料。「(案)大阪府HP公表見直し案」には「ダイキン工業作成」の記載。 大阪府の報道発表の文案を、ダイキン工業が作成していたことが判明した。府への情報公開請求でTansaが入手した文書の中に、「ダイキン工業作成」と明記された文案があった。 この報道発表は、2012年に府がリリースした。大阪府摂津市のダイキン淀川製作所が引き起こすPFOA汚染に関するものだ。同社の取り組みだけではなく、府の指導方針を示している。 府は淀川製作所を「汚染の主たる原因」と断定している。本来なら厳正な調査を行い、ダイキンを監督する府としての方針を独立して示す必要がある。ダイキンが府の報道発表の文案を作成していた事実は、公害原因企業と行政の癒着の構図を象徴するものだ。 両者の癒着を示す事例は、これ以外にも様々にある。 汚染発覚から20年。
自民支えた企業の半世紀 総額36兆円! 大手軍需企業が冷戦終結以降に受注/自民党への献金と政策要望の末に【政治と軍需企業-1】 2024年10月24日22時12分 Tansa編集部 日本経済が斜陽の中、なぜ自公政権は防衛費を増やすのか。背景には、政府からの兵器受注で莫大な利益を得る軍需企業と、そこから献金を受ける自民党との蜜月関係があった。冷戦終結後から現代に至るまでの、財界と自民の足取りをたどる。 なぜ自公政権は、防衛費を激増させるのか。 2023年度から2027年度の5年間で総額43兆円。以前の計画の1.6倍にもっていく。 岸田文雄・前首相のもとで、2022年に閣議決定した。閣議決定とは、内閣の大臣たちだけで決めることだ。国会での審議は必要ない。 中国や北朝鮮が、日本を攻撃した時に備える。あるいは攻撃してこないための抑止力を持つ。そのために防衛費を増やすというのが、自公政権の理屈だ。
Tansaが国葬文書の開示を求めて提訴したことは、スローニュースと日刊ゲンダイが報じた。 【スローニュース】 「国葬文書」隠蔽を非営利メディアTansaが提訴!情報公開の形骸化は民主主義の危機だ 【日刊ゲンダイ】 「安倍国葬文書」隠蔽で国を提訴 非営利報道機関「Tansa」が“閣議決定政治”に一石 スローニュースと日刊ゲンダイの記事からは、ジャーナリズムの実践を職業とする者同士、共に闘うぞという意思が感じられる。 これは、報道機関として当たり前の姿勢だ。 政府は、国葬に関する重要な文書を「記録を取っていない」「捨てた」と主張している。コントのような話だ。先日、イギリスのジャーナリストと話をする機会があり、国葬文書の件を話したら、彼女は爆笑していた。別件の議題があってミーティングをしていたのに、笑いが収まらずその議題にスッと戻れなかった。 ここまで為政者にバカにされて、「ああ、そうですか」と
Tansaは2024年9月30日、国葬文書の「不存在」決定取り消しを求めて、国を提訴します。 なぜ、安倍晋三・元首相の国葬実施を国会に諮らず、閣議決定で決めたのか。2022年7月、官邸側と内閣法制局の協議記録を、情報公開法に則りTansaが開示請求したところ、不開示決定が出ました。「記録を取っていない」「すでに捨てた」という理由です。 その後、不服を訴える審査請求もしましたが、2024年6月に出た結果は変わりませんでした。 情報公開法は第一条で、法の目的を次のように定めています。 この法律は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする。 国葬の実施に関し
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