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最近、中国の大学で「日本語学科が次々と縮小している」という話題が広がっています。2026年の大学院募集では、翻訳、日本文学を扱う学科の停止や縮小が相次ぎ、北京大学・青島大学など名門校も例外ではありません。 様々な大学の募集停止通知このような中国の大学で日本語教師の枠が消えていくという悲観的な声を、もしかするとSNSで見かけた方もいらっしゃるかもしれません。 では、この現象は単なる人気低下でしょうか。実は、ここには中国の外国語教育の歴史的変化と社会の変化が深く関わっています。 中国成立から70年以上、中国の外国語教育は、その時々の国際情勢に応じて大きく姿を変えてきました。政治や経済の動きが教育の現場に直接影響してきたのです。 今回の記事では、中国の外国語教育の歴史と、現在の社会の変化に触れながら、いま何が起きているのかをお伝えします。 中国の第三言語の教育と国策中国では歴史的に英語が長く第二
いまの中国で、最も勢いあるビジネスの一つは葬祭ビジネスです。高齢化の波に乗って急成長しましたが、その波にも陰りが見え始めました。今回の記事では中国の葬祭ビジネスの発展と失速をお伝えします。 葬祭ビジネスの発展就職率ほぼ100%の葬祭学科不景気で就職難と言われる中国。その中で最も就職率の高い学科の一つをご存じでしょうか。答えは「葬祭」です。葬祭ビジネスは、いま就職市場で最も人気のある分野の一つになっています。 2024年の記録によると、葬祭管理の学部生の合格点は地元の一般学部の基準より平均60点も高く、就職率は2年連続で95%を超えているのです。 さらに2024年には驚くべきニュースがありました。浙江省の大学を首席合格した学生の選んだ専攻が葬祭学科だったのです。 当時のトピックス2024年度、その大学は葬祭専攻で150人を募集しましたが、合格ラインは他の学科より20〜30点も高かったといいま
近年、中国の若者のあいだで「着ぐるみコスプレ」が広がりつつあります。 筆者はこの分野が、今後さらに発展していくと考えています。その理由は、現在の着ぐるみコスプレ文化が、かつての二次元文化とほぼ同じ進化の軌跡を辿っているからです。 本稿では、まず最新の着ぐるみ業界の記事を紹介し、その後、二次元文化が「趣味」から「ファッション」へと変化していった過程を整理します。 筆者が着目するのは次の3つの要素です。 参入業者の増加による品質向上と価格の低下 愛好コミュニティによる文化の熟成 オタク趣味からファッションへの意識変化 「痛系」若者の嗜好品となったドールヘッド卖价过万的「大头娃娃」,成了「痛系」年轻人的新型奢侈品 自分自身をフィギュア化する人間の頭囲は通常55〜60cmほどだが、不思議なことに、70〜80cmもの巨大なヘッドを被っても、ほとんど違和感がありません。 最近、こうした二次元風のヘッド
「スシロー=広東料理」 中国に進出したスシローは、広東省から展開を始めたことから、在中日本人のあいだで半ば冗談として「広東料理(粤菜)」と呼ばれてきました。 ところが最近、この呼び名が中国人の口からも聞こえてくるようになっています。なぜ日本の回転寿司が広東料理になってしまったのか。 その背景を、中国側の記事やデータから読み解いていきます。 広東人はスシローを広東料理にしてしまう勢い广东人快把寿司郎吃成粤菜了 飲食ブランドが生き残りをかけて苦戦する中、1皿10元(約200円)以下の寿司を提供するスシローの店先には、若者たちの長蛇の列ができている。ここ数ヶ月、SNSでは「スシローの行列があまりにも異常」という投稿が相次いでいる。 たとえば広州では、麗影広場、花城匯、美林天地といった複数の店舗で、待ち組数が150〜600卓に達し、食事のピーク時間には全店舗でオンラインの順番待ち受付が停止したほど
今回は中国のドキュメンタリーを紹介します。 一泊8元(約160円)の旅館に宿泊する人たちの物語です。 参考情報:底辺層の社会環境本稿を読まれる前に以下の記事を読んでいただくと、より登場人物やストーリーへの理解が深まると思います。 8元旅館、流浪する人生8元旅店,流离人生 重慶の城中村(都市にある村、いわゆるドヤ街)の細い路地に一枚の看板が掛かっている。 「宿泊:大部屋8元、個室15元」 腐りかけた看板のある古びた旅館は、無数の漂流者たちの一時的な寝床となっており、彼らの多くは日雇いの仕事をしている。建設現場で働く者、荷運びをする者。彼らは夜明け前に出かけ、深夜に戻ってくる。 数日、宿泊して仕事を見つけ去っていく者もいれば、半年以上も居つく者もいる。少し金が貯まっても、もったいなくて高い宿には移れない。15元の個室は空いていて、8元の大部屋はいつも人でいっぱい。 毎朝5時、建設労働者たちは外
政治的に日本を拒むが、日本の文化に惹かれる。今の中国の若者は矛盾した感情を抱えています。 中国の「愛国教育」を受けた世代でも、日本のアニメや音楽、ゲームに癒やされ、希望を見出しているのです。 本稿では、ある愛国青年が語る日本文化論を通して、反日感情を超え心を動かす日本文化の力をお伝えします。 参考情報:中国の二次元文化と規制本稿をお読みいただく前に以下の記事をご覧いただくと、内容への理解がさらに深まります。 これまでの連載で中国の若者文化をテーマに、コスプレやアニメ規制を通じた中国の若者社会を描いてきました。 今回は中国の若者世代の記事を通じ「リアルな日本への感覚」を読み取る試みです。 この文章の著者は1990年代生まれのミレニアル世代。愛国主義的な教育の影響が強いためか、原文では日本の蔑称である「小日子」という言葉が頻出しますが、文中では修正済みです。 認めよう、私たちは日本を完全に嫌い
今回の記事は、中国のアニメ規制を扱う最終章(下編)として、現在の規制の実態と、そこから生まれているアニメ文化を紹介します。 現在のアニメ規制中国におけるアニメの表現規制は、筆者がこれまで述べてきた「中国ではいまだにアニメが子ども向けコンテンツとみなされている」という前提に沿って運用されています。 つまり、子どもには不適切とされる 過度な暴力表現 性的表現 その他、未成年に悪影響を与える描写 が削除・修正の対象となっています。 以下では、これらを分類ごとに整理し、具体的な事例を紹介していきます。 過度な暴力表現:血しぶき、身体欠損等残酷なシーンは丸ごとカットされる例が多いですが、中国でも人気が高い『鬼滅の刃』は修正されて放送に至るパターンが多いです。 (左)中国版 (右)オリジナル(左)中国版 (右)オリジナル(左)中国版 (右)オリジナル上)オリジナル 下)中国版性的表現かなり広範囲に渡っ
今回の記事は中国のアニメ規制の中編として、2010年以降のアニメ作品の広がりと「アニメのブラックリスト(黑名单)」に代表されるアニメ規制の背景を解説します。 これは中国の大型アニメフェス「ChinaJoy」で掲示された「アニメのブラックリスト」で、こうした掲示は中国の多くのイベント会場で共通して見られる光景です。 このブラックリストは2015年に制定されたもので、2018年に多少の変動はあったものの、それ以降は変化していません。 なぜ2015年に制定されたのか、なぜ以降は変化していないのか、その社会的背景を解説していきます。 日本アニメのブラックリストとはこのブラックリストに挙げられている作品は全て日本の作品で、大別すると以下の3つに分類できます。 ① 残虐・暴力表現が過激な作品 ② 性的・恋愛表現が過激な作品 ③ 反社会的、道徳・思想的に不向きとされる作品 これらの規制の背景
今回から中国におけるアニメ規制について解説します。少し前、中国のアニメフェス「ChinaJoy」で掲示された「アニメのブラックリスト」が、日本でも話題になりました。 さらに、今年の10月31日から中国で公開される『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の題名が「天鷹戦士」となっていることも、現在の中国で注目を集めています。 中国のアニメ規制は、中国国内でもその仕組みや基準が明確に解説されることが少なく、日本人にとっては背景や理由が分かりづらいテーマです。そのため、「反日運動」や「日本文化への警戒」といった文脈で語られることが多くなっています。 本稿からは「中国ではいまだにアニメが子供向けコンテンツとみなされている」という筆者の見立てを軸に、その歴史的背景と現在の規制のあり方をたどっていきます。 アニメの制限指定が無い中国中国ではいまだにアニメが子供向けコンテンツとみなされている、このことは中国にア
本稿は現代中国の二次元文化をめぐる「空気感」を読み解くことを目的としています。 以前の記事「コスプレ事件の裏にある中国社会の多層構造」で触れたように、中国の二次元文化は日本では「共産党政権による若者文化の弾圧」として報じられがちです。 しかし、筆者はそれを単なる政治的抑圧ではなく「旧世代の価値観」と「現代の価値観」との衝突として捉えています。 こうした「旧世代の価値観」vs「現代の価値観」が現状どのようになっているかを、先週に中国で放映された『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』のレビューを巡る騒動から紹介します。 劇場版プロジェクトセカイの概要この作品はゲーム「プロジェクトセカイ(以下、プロセカ)」の世界と登場人物を題材に、全体としては楽曲を間に挟むミュージカル形式の構成になっています。 ストーリーは「歌えない初音ミク」の孤独と希望、成長が軸になっており、筆者はプロジェ
本稿は、中国で急速に拡大する着ぐるみコスプレ文化の第四回目です。第二回目のケモノ着ぐるみ文化の記事は2025年9月に書かれたものですが、今回の記事は2021年に書かれたもので、前日談にあたります。 どういった経緯でケモノ着ぐるみ文化が広がり、どういった層が支えたのかを紹介します。 内巻からの逃避とコミュ障への癒し: 「モフモフ」に魅せられた獣世界の子ども逃离内卷、治愈社恐:迷恋“毛毛”的兽世界小孩 (※内巻:無意味で苛烈な競争) 過酷な競争の時代に生きる1995年~2000年代生まれの子どもたちは、社会や親からの重圧をあまりに多く背負っています。 彼らの多くは「中産階級の不安」や「詰め込み型教育」の被害者です。 現実世界で「見えない存在」として扱われているこれらの子どもたちの一部がインターネットで、現実と異なる「獣の世界」を創り出しています。 彼らは「獣」としてのアイデンティティを用いて交
この記事は2000人フォロワー記念です。これだけ多くの方にフォローしていただけるとは思いませんでしたし、最近の記事では初めて1000スキを突破して感無量です。 着ぐるみコスプレ界隈のレポートは残り2回で終わる予定ですが、最近よく、この手の話題になるので閑話休題的に取り上げます。 中国のイメージ日本から見た中国のイメージはこんなところだと思います。 「独裁国家」、「検閲される」、「スパイ容疑で逮捕」、「少数民族への弾圧」、「宗教への弾圧」、「愛国者の反日的行為による嫌がらせや犯罪」、「犯罪者が多い」、「マナーが悪い」、「環境汚染」、「食中毒の危険がある」、「事故が多い」、「自然災害が多い」 今回は、この中でも語りにくいテーマ「政治的リスク」について、これまでの経験に基づいて実際どうなのかを語ります。 政治的リスク①:反体制ネタを話す人なぜか中国で暮らしていると、政治的な話を好んでする日本人が
今回と次回は中国で盛り上がりを見せつつある「着ぐるみコスプレ文化」について視点を変え、着ぐるみ愛好家が語る「着ぐるみをする理由」から流行を読み解きます。 上編は「美少女着ぐるみ」をする方の物語です。 【コンテンツ注意】 本稿は当事者視点で現代サブカルチャーの変遷を見る試みです。ここで紹介する方は「着ぐるみ文化」を担う人の一例であり、愛好家の方々をレッテルづけたり、差別する意図は一切ありません。 着ぐるみの中の少女娃娃套里的女孩 「中の人」になりたい于新子(ユー・シンツ:仮名)は、かつて重度の性的無関心、より正確に言えば性的不安を患っていた。 もっとも、これは彼女自身による自己診断にすぎない。彼女は以前から、自身の甘ったるい声が大嫌いだった。 2021年にショート動画で「わざとらしい可愛い声(夹子音)」を皮肉って模倣するブームが起きたことが、彼女の自己嫌悪をさらに深めた。 彼女はしばしば茫然
本稿は、中国で急速に拡大する着ぐるみ文化の第二回目の分析です。 「顔を出さないことで本当の自分をさらけ出す」 そんな文化が中国の若者の間で広がっています 前回取り上げた「美少女着ぐるみ」に続き、今回は「ケモノ着ぐるみ」を手がかりに、北京で行われたイベントのレポートを通じて「顔を隠し交流する」中国若者世代の新しいコミュニケーションを紹介します。 本稿では原文の印象を損なわないよう、専門用語をできるだけそのまま使います。 毛毛:マオマオ、ケモノ着ぐるみの愛称 獣装:ケモノ着ぐるみ 獣圈:ケモノ着ぐるみ愛好者のコミュニティ、福瑞圈=フーリー圈(英語 furry の音訳)とも言う 獣展、獣聚:ケモノ系イベント ケモノ着ぐるみの若者たちは顔を出さないコミュニケーションを享受する披上「兽装」的年轻人,享受不露脸的社交 顔を出さないパーティーこれは「できるだけ顔を出さない集まり」だ。参加者の多くは、ふわ
この記事を起点に、中国で盛り上がりを見せつつある「着ぐるみコスプレ文化」と新ビジネスを紹介します。 筆者はよく中国の二次元系スポットを訪れるのですが、そのたびに感じるのが「着ぐるみ姿の人が増えた」ということです。 着ぐるみコスプレには大きく分けて、「美少女着ぐるみ」、「ケモノ着ぐるみ」、「特撮系」の3種類があります。 なかでも、ここ数年で目に見えて増えてきたのが「美少女着ぐるみ」と「ケモノ着ぐるみ」です。 この記事では中国で行われた世界最大級の着ぐるみコスプレイベントの紹介記事を取り上げます。そして次回以降の記事で「なぜ着ぐるみを着るのか」、「着ぐるみビジネスの広がり」を紹介していきます。 私の「外殻」を通じて、私を知ってください请以我的外壳来认识我 こんな可愛い人になりたい先月初め、広東省仏山市で開催された Doll Weekend 10 に参加しました。これはKigurumi(着ぐるみ
今回の記事は中国の漫画『魔法少女大危机』を通して、現代中国のリアルな社会を読み解く試みです。本編のあと内容の社会的背景について解説します。 魔法少女の危機魔法少女大危机 手前に見えるのは解雇通知 (労働契約の解除協議書)魔法少女の皮を被った社会批判この作品は表面上は魔法少女モノですが、本質的には「中国の労働市場・ジェンダー不平等・合理化社会」といった現代的テーマを描いた社会風刺作品です。 職のため恋愛も結婚も出産も放棄せざるを得ない若者女性 それにもかかわらずロボットに代替される 経営者が悪とされロボットに倒される 最終的に人間に残されるのは低賃金の対人労働 この構造が見えると単なるパロディ以上に「中国の若者が置かれた現実」の深刻さが分かります。 現実社会での女性差別以前から中国では雇用における男女差別は問題視されており、2022年での法改正で、採用活動における女性差別を明確に禁止するよう
寝そべり族をめぐっては最近、自身のライフスタイルを記録することで知られる複数のブロガーから、動画の削除やアカウントの禁止が報告されていた 記事より引用「寝そべり族(躺平)」とは2021年に生まれた流行語で、日本でいう「働いたら負け思想」の中国版です。この言葉は断続的に規制されてきた経緯がありますが、今では中国の誰もが知る当たり前の言葉です。 本稿では、なぜ今になって大規模な制限がされているのか、現状とその理由について考察します。 消された「寝そべり族」今年の8月から9月にかけて、多くの寝そべり族系のアカウントが凍結されました。本稿では、その代表の一例として「小A在上网」を取り上げます。 この70.5万のフォロワーがいるインフルエンサーが投稿した動画は簡単に紹介できます。 「若者が働かずに街のネットカフェでゲームをし、次の日は別の街のネットカフェでゲームをする」 小A在上网の日々このインフル
この文章は「全世界は清朝末期 2.0 に入った(全球正陷入晚清时代2.0版本)」という文章の翻訳です。 作者のペンネームは邓曦泽、本名は邓勇。四川大学の教授です。 アインシュタインの「人類への皮肉」から始めようアインシュタインがこう皮肉ったと言われる この世で無限なものは二つある。それは宇宙と人間の愚かさだ。ただ、宇宙については確信がないんだ この言葉の出典は未確認だが、ここでは便宜的に借用する 「愚かさ」とは何か? 人間関係における利害関係を軸にすれば、感情的にではなく理性的に理解できる 最も愚かな行為とは次の二つである 他人を害し、自分も害する 他人にも自分にも利益をもたらすことを拒む かなり愚かな行為は次の二つである 他人を害しても、自分に利益がない 他人を助けても自分に損はないのに、それを拒む それに比べれば「他人を害して自分だけが得をする」ことは、愚かではなく単に利己的・貪欲にす
今回の記事は中国の地雷系女子の解説です。この文化から中国の社会が見えてくる二つの文章を紹介します。 【コンテンツ注意】 本記事には、摂食障害/過量服薬/自傷・自殺/性搾取に関する記述が含まれます。該当のテーマが精神的負担となり得る方は、今ここで離脱するか、留意しながらお読みください。 本稿は社会的現象の解説を目的としており、行為を助長・美化せず、具体的品名・用量などは記載しません。 「モンスター茶漬け」:日本の拒食カルチャーが中国の少女に届いた“魔爪泡饭”:日本厌食文化找上中国少女 無限に広がるインターネットには、私たちがまだ開けていない暗室が無数に存在している。もしその暗室に入ろうとするなら、心の準備を万全にしてほしい。今日、私たちが開いたその部屋には、拒食症、精神疾患、そして薬物乱用に向き合う若者たちがいる。 モンスター茶漬けすべては一杯の「モンスター茶漬け」から始まった。 とある二次
最近は中国人のXでの投稿も盛んになっています。 今回は、X上での優れた三つのエッセイ、もしくは日中比較コラムを取り上げました。いずれも私の中では共通した社会問題につながっています。 日本は終わりなのか?ここ数週間、いくつかのことに専念していました。今日ようやく外に出て、Xで皆さんと雑談します。 「日本は終わり」というタイトルは少し煽りっぽく、日本を貶めているように見えるかもしれませんが、実際はそうではありません。 参考までに言えば、章家敦(ゴードン・チャン)は20年以上も「中国崩壊論」を唱え続けて、結果的にアメリカを惑わせ、中国共産党に20年の貴重な発展時間を与えることになりました。 私が「日本は終わり」と言うのは、事実に基づいた懸念からです。日本に暮らす多くの人は肌で感じているはずです。特にここ2〜3年、日本は下り坂を猛スピードで転げ落ちており、その速さには驚かされます。「これは本当にか
この記事で紹介する「性抑圧学説」は、中国の現代若者の一面を解き明かしていると中国で話題となっています。 若者社会の「繁殖不安」と「性の格差」を軸に、ネット上の恋愛・結婚感を解き明かそうとする現代の学説と言っても良いでしょう。 また、この論説は前回に紹介した「土方オールイン法則(力工梭哈定律)」とセットという面があります。 そして「土方オールイン法則」、「性抑圧学説」と次回の記事で解説する予定の「アンドロイド・アップル相対論(安卓苹果相对论)」は現代の中国男性を読み解く三大法則と言われています。 これに「理工脉冲论(理系衝動論)」を 加えて四大理論とする案もある今回は虎嗅というメディアに投稿され、大きな反響を及ぼしている「峰哥亡命天涯:人々が性抑圧される時代のフロイト(峰哥亡命天涯:人均性压抑时代的弗洛伊德)」を翻訳してお届けします。 峰哥はBilibiliで活動するインフルエンサーで、峰哥
今回のエッセイは日本での犯罪や観光地におけるマナーがテーマです。 同僚がこんなことをやらかすなんて日本711便利店同事居然干出这事?? まず結論から。一緒に夜勤していた日本人の同僚が、店の金庫から50万円を盗んで、そのまま制服姿で逃走しました。 経緯を説明すると、私はセブンイレブンの夜勤スタッフで、一緒に勤務していたのは派遣のアルバイト(いわゆるタイミー、日払いで働いたらすぐ帰る人)でした。 うちの店の休憩制度は、夜勤の2人が交代で休憩を取る仕組みです。派遣の彼が2時~3時まで休憩、その後、私が3時から休憩に入りました。 3時に彼が休憩から戻ってきたので、私は事務所に入って休憩していたのですが……しばらくして、その同僚が忽然と姿を消したのです。 外にお客さんが来てレジを打とうとしたら店員が誰もおらず、慌てて休憩室から出て私が対応しました。店内を探しても派遣の同僚は見つからず…。 その後、防
今回の記事では、最近の中国で大きな議論を巻き起こしている「土方オールイン法則(力工梭哈定律)」について解説します。 これまで、このnoteでは中国における非婚化の原因や、その背景にあるジェンダー対立について取り上げてきました。 これらの解説は、どちらかといえば第三者的・客観的な立場から行ってきましたが、今回取り上げるこの法則は、男性の行動様式に焦点を当てて非婚化の原因を読み解くものと言えるでしょう。 本稿では土方オールイン法則とは何か。なぜ中国の男性は結婚したくないのかを読み解きます。 30万元スピード婚と「冬萍の微笑み」法則の解説へ移る前に、最近の中国ニュースを2つ紹介します。 30万元でスピード婚、花嫁は1か月で逃げた江西省の男性が、わずか3日間のお見合いで結婚に踏み切った後、信じられないような事態に巻き込まれました。支払った総額はおよそ30万8000元(約650万円)。しかし結婚から
*記事の後半で重大なネタバレを含みます 今回の記事では映画《731》に対する中国での評判を紹介します。 各種の情報を踏まえると、本作は典型的な『抗日神劇』であると考えられます。 中国で製作される日中戦争(中国側の呼称は抗日戦争)などをテーマにしたテレビドラマのなかで、荒唐無稽なストーリーの作品を表す wikipediaより前提として、筆者は旧日本軍が中国やアジア各地で行った戦争犯罪を歴史的事実として重く受け止めています。その一方で、中国において旧日本軍の歴史を現在の日本と直接結びつけるキャンペーンには批判的な立場を取っています。 中国は9月3日に行われた「中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年記念式典」に向け愛国・反日的な機運が高まっていました。 本作品も本来なら7月31日に公開される予定でしたが、柳条湖事件のあった9月18日に公開は延期されていました。 本稿では、このような緊
最近の中国で「レトルト食品」をきっかけとした大きな炎上騒ぎが起きました。批判の矢面に立ったのは大手外食チェーンの西貝。そして、この騒動のなかで常に比較対象とされたのはサイゼリヤでした。 レトルト疑惑で叩かれるチェーン店がある一方、なぜ誰も「レトルトの王」サイゼリヤを叩かないのか。 今回の記事では、中国で外食産業が直面するテーマを取り上げます。 注)本稿では中国語の「预制菜」という言葉を「レトルト食品」と翻訳します。本来「预制菜」は事前に加工・調理された食品全般を指し、日本でのパック惣菜や半加工食品、冷凍野菜なども含むことのある概念です 「レトルト食品」論争一つの投稿が呼んだ大炎上2025年9月10日、ある一つの投稿が中国の外食業界を揺るがしました。 発信者は起業家であり、インフルエンサーでもある羅永浩です。彼が微博(中国SNS)に書き込んだのは、人気レストランチェーン「西貝」での食事体験に
ポップマートの株価は15日の香港市場で一時約9%急落し、4月以来の大幅な下げを記録した。JPモルガン・チェースは材料不足と魅力的ではないバリュエーションを理由に同社の株式投資判断を引き下げた。それでも、ポップマートの株価は年初来で180%超値上がりしており、依然としてハンセン指数のトップ銘柄だ。 ニュースより抜粋このポップマートという企業は、「ラブブ」というIPによって急速に業績を伸ばしてきた会社です。では、なぜこの企業はここまで勢いを得ることができたのでしょう。そして今、なぜその勢いを失ってしまったのでしょうか。 本稿では、このニュースの背景にある、中国発のキャラクター「ラブブ」をめぐるバブル崩壊とも言える現象について解説します。ラブブはなぜ流行し、どのようにバブルを形成し、そしてなぜ弾けてしまったのか。その原因を探ります。 最初に、中国でのポップマートと「ラブブ」の熱狂を理解するため、
今回の記事は「日本人=NPC論を読み解く:中国人視点で考える日本社会」の派生です。ありがたいことに、この記事は多くの方に関心を持っていただき、幅広く読まれました。 そして個人的に注目したのは、記事が様々なプラットフォームで拡散される中で見えてきた「読まれ方の違い」です。 今回の拡散を通じて、同じ内容であっても、読者の受け止め方や議論の方向性はプラットフォームごとに大きく異なるという特徴が浮かび上がってきました。 これは単なる反応の差ではなく、各プラットフォームに集まるユーザーの属性が反映されたとも言えます。 そこで本稿では「はてなブックマーク」と「オレ的ゲーム速報」という二つのプラットフォームに寄せられたコメントを比較しながら、それぞれの読者モデルがどのように議論や解釈のスタイルを形作っているのかを解析します。さらに、その差異がどのような原因に基づいているのかを考察します。 今回は中立性を
最初に本稿では中国でのアフリカ系住民への差別意識から、外国人排斥運動、そして中国人ファーストという意識が、どのように生まれているのか解説します。 目的は人種差別的な言論が、いかに展開されるのかを考察することです。筆者自身は人種差別的な意識を持っておらず、否定的な立場をとっています。 差別的な発言や言説を検証することは問題を再生産せず、むしろ社会の構造を解明し、より健全な議論を築くために不可欠であると考えたため、この記事を作成しました。 言うまでもなく、ここで取り上げるのは中国社会の一側面にすぎません。「中国人はみな差別主義者だ」という、極端で誤った一般化は、それ自体が差別的だと認識するべきです。 差別用語に見る中国社会の人種観前提として、中国は、日本と比較して国際化が遅れており、海外への一方的な差別意識は未だに残っています。また競争社会であるため「上か下か」で人間関係を図る社会的意識が強い
前回の記事では、なぜ日本では人々がNPCのように見えるのかについて解説しました。日本社会における行動様式が、まるでゲームの中のキャラクターのように見える理由です。 前回の記事では非常に理性的に分析された投稿を紹介しましたが、今回は反対に感性が強く発揮された投稿を紹介します。 中国では「感性による発見」と「理性による解釈」の往復が行われ、それによって事象の概念化・言語化が進むというのが筆者の仮説です。 今回の記事では、感性豊かな方が日本を訪れた際にどのような発見をするのかをテーマにします。 観光地の描写がない旅行記この記事では「日本旅行に関する抽象的な見聞(日本旅行的抽象见闻)」という一連の旅行記を紹介します。 この投稿を書かれた方は中国の若い方ですが、この投稿には非常に面白い特徴があります。旅行記にも関わらず、観光地の描写がほとんどないのです。訪問地の社会的な観察を行うスタイルは珍しく、作
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