
食べる前には缶をよく見て! しっかり確認するべきポイントも

「安全性」と「おいしさ」の観点から賞味期限について解説


常温で長期保存できる缶詰。災害時の非常食などとして備蓄している人も多い一方で、賞味期限が過ぎてしまったことに気がついた経験はありませんか? 日本缶詰びん詰レトルト食品協会が「賞味期限が切れた缶詰」について公式サイトで解説しています。【夏季特別再掲】
長期間保存ができる上、開けてすぐに食べられる、種類が豊富、といったメリットから備蓄食・非常食としても有効な缶詰。防災グッズは時折点検することが推奨されていますが、いつの間にか缶詰の賞味期限が切れてしまっていた……という方もいるのではないでしょうか。
缶詰、びん詰、レトルト食品の安全や美味しい食べ方などの情報を提供している「日本缶詰びん詰レトルト食品協会」の公式サイトでは、「Q&A」の中で「賞味期限が切れた缶詰やびん詰、レトルト食品」について解説。
今回は公式サイトに掲載されている情報をもとに、缶詰などの賞味期限の特徴についてご紹介します。
公式サイトでは、缶詰、びん詰、レトルト食品を保管する際には、直射日光の当たる場所や湿気がこもる場所を避け、温度変化の少ない場所を選ぶことが勧められています。
高温多湿な場所での長期保存など、缶詰、びん詰、レトルト食品を不適切な環境で保存していた場合、食品としての安全性が損なわれることもあるとのこと。未開封のまま賞味期限を過ぎたものについての確認事項は以下のように記載されています。
(1)缶詰の場合は缶がさび付いていないか(缶自体が腐食して穴(ピンホール)があき、そこから空気や水分とともに微生物が侵入している場合が考えられます)
(2)ふたや容器が膨らんでいないか((1)などの理由により微生物の汚染を受けるとガスの発生により容器が膨脹することがあります。また、缶詰では缶内面の腐食により水素の発生を伴って膨脹する場合もあります)
(3)ふたを指で押すとペコペコとへこまないか(上記(2)と同様の理由)
「万が一、保存していた缶詰、びん詰、レトルト食品に以上のような状態が見られた場合は十分ご注意の上廃棄してください。また、微生物によって汚染を受けた缶詰は開けると腐敗臭がします」
正常な缶詰やびん詰は真空に近い状態を保持しているため、ふたがややくぼみ気味で、指で押しても硬い、といった特徴があるのだそう。異常を見分けるためには「さび」や「ふたの膨張」などの外観の変化に注意が必要だと説明しています。
公式サイトではQ&Aの中で「膨脹した缶詰の廃棄方法」について注意点や具体的な方法も記載しており、一度確認しておくと安心ですね。
日本缶詰びん詰レトルト食品協会は公式サイトで、「賞味期限が切れた缶詰やびん詰、レトルト食品は食べられますか?」という疑問に対し以下のように回答しています。
「缶詰の大きな特徴の一つとして、製造してから常温でおよそ3年間の長期にわたり保存できることがあげられます」
「缶のふたには賞味期限を示す日付が表示され、その日付までは『おいしく食べられる』ことをメーカーが保証しています」
缶詰以外については、びん詰は半年から1年程度、レトルト食品は1年から3年程度とそれぞれ設定されているのだそう。
「しかし、缶詰、びん詰、レトルト食品は賞味期限の日付が経過したからといってすぐに食べられなくなってしまうことはありません」
「缶詰、びん詰、レトルト食品は密封の後、その主要な製造工程である加熱殺菌により食品の腐敗の原因となる微生物を殺滅しています」
製造工程で加熱殺菌されることにより、保管中に新たな微生物が容器内に侵入しないかぎり、開封しなければ中身が腐るようなことはないのだそう。その上で、味の質が落ちてしまう可能性があることを踏まえつつ食品としての安全性について説明しています。
「ただし、『おいしさ』という観点からは、これを保証する賞味期限からの経過期間が長くなるほど期待は薄くなりますが、上記の理由により賞味期限を過ぎた後も食品としての安全性や衛生面については問題ありません」
賞味期限を過ぎた後も、食品としての安全性は保たれているとは、目からウロコですね。
※BuzzFeed Japanで根強く人気がある記事を再編集して掲載しました。
初出:2025年3月15日