朝日放送テレビが運営するWEBサイト『ABCマガジン』では、俳優・タレント・アナウンサーなどへのさまざまなインタビューを実施しています。
今回は朝日放送テレビの元アナウンサー・喜多ゆかりさんが、お笑いコンビ「ニッポンの社長」辻皓平さんのインタビューを行いました。
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こんにちは、日本一陽気なオフィスレディ喜多ゆかりです。
今回は、大人気野球ゲーム“「パワフルプロ野球」シリーズ”の世界をドラマ化した『パワプロドラマ 2025 ー平凡な新社会人の俺がサクセスした話ー』で初脚本に挑むニッポンの社長・辻皓平さんにインタビュー!

前編の今回は、『ダブルインパクト 漫才&コント二刀流No.1決定戦2025』(日本テレビ系)で優勝する約10年前に、実はある大会で“初優勝”していたお話、そして東京へ進出した理由などをお聞きしました。
――お久しぶりです!
ABCラジオでの『オールナイトニッポンの社長』以来ですよね(笑)。
――矢野・兵動の兵動さんの『ほわ~っとエエ感じ。』(ABCラジオ 毎週金曜お昼12時)のお笑いコンテスト『ひょどー1』優勝特番で、2016年にご一緒させていただきました。
『ひょどー1』は僕たちにとっても“初優勝”で、ラジオで一緒に2本特番をやらせてもらいましたよね。コントでは、喜多さんにヒーローインタビューのアナウンサー役もしてもらいました。覚えてますか?
――もちろんです!『オールナイトニッポンの社長』と『ラジオで単独LIVE~これぞ!ニッポンの社長~』! あのときは、まだ関西の若手という感じでしたが、『ダブルインパクト』で優勝されて、だいぶ生活も変わったのではないですか?
そうですね。あのときは、全然芸人としての仕事もなくてネットカフェでアルバイトをしていました。

――でも、『ダブルインパクト』優勝よりもだいぶ前に東京進出されましたよね?
21年に決めて22年に東京進出しました。でも、ポジティブな東京進出というわけではなく、それこそ『ひょどー1』なども若手が出るじゃないですか。あるとき、「これ以上、大阪にいたら若手の邪魔やな」って思ったんです。自分より下の人たちの勢いもすごかったので、ロケット鉛筆的に後ろから押されて「しゃあないから、行こ!」みたいな(笑)。
――東京に進出してからは、順調でしたか? 寂しいなとかはありましたか?
周りに順調な人はたくさんいましたけど、「俺らはこんなもんだ」ってわかっていたので、地道にやっていましたね。
最初は、なんか転校生みたいな感じでした。今の渋谷よしもと漫才劇場というところに入ったのですが、周りの芸人は元々知ってはいるけど、誰とも思い出はないんですよね。
仲良く喋っているふうでも、やはりまだ絆がないというか。その疎外感、寂しさは常にありました。今は、大阪で一緒だった滝音やバッテリィズなども来たので、みんなで移住した感じになっています(笑)。この前も劇場でライブしていてぱっと見たら、10人中9人ぐらい元大阪メンバーになっていて。

――今回、脚本家としてオファーを受けたときはどんなお気持ちでしたか?
春くらいに、マネージャーから「パワプロドラマ」の脚本の依頼がありますと言われて、最初「どういうこと?」って思いました(笑)。でも、ドラマの脚本はいつかやってみたかったので二つ返事でOKしました。なので、最初は「そんなドラマある?」って感じでした。
――この日常とゲームがリンクするような設定は辻さんが考えられたのですか?
打ち合わせで、どんな感じがいいですかねと何個か提案して、すんなり1日目でドラマの方向性は決まりました。スタッフがみんなパワプロ好きな方ばかりだったので、パワプロについてみんなで喋って、パワプロあるあるを出し合って固まっていきましたね。
――脚本作りは、スムーズにいきましたか?
パワプロのサクセスモード(シナリオ形式で選手を育成するモード)を参考に話を作ったのですが、このサクセスモードって、ドラマで言うといわゆるベタな流れが多いんです。そのベタなことを書くという作業だったので、第一稿はすんなり書けました。少しずつ移動中に書いて、合計3、4時間で書けました。

――また改めてパワプロをプレイしたりしましたか?思い出して、面白いと感じたりとか?
いろんなシーンを見ることはしました。実は、がっつりやり直そうかとも思ったんですけど、逆に今ぐらいの、昔やっていた記憶を思い出して書いてみようかと。
カレンさんという女性が出てくるんですけど、カレンさんは主人公に思いを寄せていて、影からじっと見ていたり、「付き合って欲しい」と言いよってきたりするんです。でも、現実だったらちょっと怖いことだったんだと思いました(笑)。子供のときにプレイしていたので、そのときは何も考えずにやっていましたけど、今考えると「この人結構やりすぎてるな」って(笑)。ダイジョーブ博士も結構なことしてますよ、連れ去っちゃうわけですから。
――普段、コントを作られるときは、脚本をあまり書かないんですよね?
音響さん、照明さんがわかりやすいように書くだけなので、内容全部を書くというのはあまりないですね。だから今回、ちょっと最初は戸惑いましたが、楽しかったです。今度からコントも全部書こうかな(笑)。
――ラジオ番組でご一緒させていただいたときも、コントの設定の細かいセリフは一切なくて、相方のケツさんに口頭で説明されてましたよね。
いや、でも今回ドラマの脚本を書いてみてわかったのですが、書いていたら次のセリフが思い浮かぶんですよ。勝手にスラスラ書けたんです。書いた方が早いかもしれない。これを今まで口頭で時間かけてやっていたんかと思って、ちょっとコント台本も次から書いてみようかな(笑)。

ニッポンの社長・辻皓平さん初脚本『パワプロドラマ 2025 ー平凡な新社会人の俺がサクセスした話ー』はTVer・ABEMAで見逃し配信中。
▼筆者プロフィール 喜多ゆかり 元ABCテレビアナウンサー。現在は“日本一陽気なオフィスレディ”として取材・インタビューなども執筆。
※本記事は朝日放送テレビ株式会社が運営する『ABCマガジン』の記事を再構成して配信しています。