JASRAC許諾第9009285055Y45038号 JASRAC許諾第9009285050Y45038号 JASRAC許諾第9009285049Y43128号 許諾番号 ID000002929 ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。
7月19日に公開された藤本タツキの漫画「ルックバック」は傑作だった。CSM以来の藤本ファンとしては、この作家の底知れない引き出しの多さに驚愕したし、予告されているCSM第二部への期待感がいやがうえにも高まった。とはいえ、私は自分がこの作品のほんとうの素晴らしさを理解できているとは思わない。本作は「漫画家についての漫画」であると同時に、これまでになく藤本の個人史を投影したとおぼしい作品だ。それゆえ、実際に漫画制作に関わった経験のある人ほど、その素晴らしさを深く理解できるであろう。 私は特に物語後半の「じゃあ藤野ちゃんはなんで描いてるの?」という問いかけに続く無音のシークエンスがことのほか好きで、そこだけ何度も読み返している。藤野のネームを読んだ京本のうれしそうな笑顔、涙ぐむ京本にティッシュを渡す藤野、ただ京本を喜ばせたかった、という想いが画面全体から溢れ出してくる。藤本作品は良く映画的、と言
荻上です。ラジオのOPで、2、3分ほどのフリートークの時間があります。僕はそこで、『ルックバック』現象について簡単に触れました。 https://shonenjumpplus.com/episode/3269754496401369355 内容は、「『ルックバック』というすごく良い漫画が話題になっていた。漫画家クラスターなどを含めてさまざまな反響があった。「過去を振り返る」「前を向く」ことについて読み手に考えさせる作品であるが、打ちのめされたようなツイートをしている人も。詳細は、社会的な出来事に関わる漫画でもあり、触れるとネタバレになりそうなため、ひとまず読んでいない方は是非」というものです。 受け止め難い理不尽な出来事を前に自分を責め、「あり得たかもしれない別の世界」あるいは「イマジナリーな救済」に一時避難するが、それでもなお「自分の席」に座り直すというストーリー。主人公たちが過ごした時
X(Twitter)上のハッシュタグ『#2024年映画ベスト10』を集計しました!有効投票4078名が選んだ2024年最高の映画は『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』でした! 2024年映画ベスト100 順位 タイトル 得点 1 位 ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ 6653.5 2 位 シビル・ウォー アメリカ最後の日 6094.0 3 位 夜明けのすべて 5928.0 4 位 ルックバック 5786.0 5 位 ロボット・ドリームズ 5485.5 6 位 オッペンハイマー 5344.5 7 位 侍タイムスリッパー 4966.0 8 位 哀れなるものたち 4874.0 9 位 ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ 4438.5 10 位 デッドプール&ウルヴァリン 4426.0 11 位 マッドマックス:フュリオサ 4192.5 12 位 ラストマイル 3628.5 1
林士平(りんしへい) @SHIHEILIN 漫画編集者/SPY×FAMILY/チェンソーマン/ダンダダン/幼稚園WARS/ケントゥリア/おぼろとまち/クニゲイ/ヤッターラ/良太は弟を殺した/ぐびちび/セイレーンは君に歌わない/こころの一番暗い部屋/野球・文明・エイリアン立上→青の祓魔師/この音とまれ!/ルックバック/BLACK TORCH他VUY/イナフラも 林士平(りんしへい) @SHIHEILIN 『チェンソーマン』藤本タツキ最新作。 時代を抉る 新時代青春読切143P。 『ルックバック』 本日ジャンプ+で配信開始……! 多くの人に届いて欲しいです。 RT&コメント&いいジャンを是非にお願いします。 以下のリンクから期間限定無料で全ページお読み頂けます。 ↓ shonenjumpplus.com/red/content/SH… pic.twitter.com/ex2W2bodKW 20
shonenjumpplus.com 遺伝子は運命ではない 藤本タツキ先生の「ルックバック」は、喪失と再生の物語だ。漫画という技法を最大限に活かした構造が素晴らしい。私個人も藤本タツキ先生と同じく美術大学を卒業したので、親近感もあってか氏の漫画が好きだ。特に「ファイアパンチ」などは、手塚治氏以来の「火の鳥」のようなすごい作品だと思う。 仮定の話ではあるが、この「ルックバック」は、京アニへの放火犯とその事件を題材にしているのかもしれない。私が「ルックバック」において気になったのは、“名もなき放火犯“、あるいは斧を持った男への描写だ。彼はひどい被害妄想に囚われており、事件を起こす。特徴的なのは、視点人物の友人がいる部屋に、斧を持った男が侵入する場面だ。 彼は遭遇した視点人物の友人に、意味不明なことを捲し立てる。 ここで私は「ああ、彼は“統合失調症”と揶揄された青葉容疑者へのオマージュなんだな」
17日午前、大阪 北区の繁華街のビルで起きた火災で28人が病院に搬送され、このうち24人の死亡が確認されました。 警察はビルの中にあるクリニックを訪れた50代から60代くらいの男が火をつけたとみて殺人と放火の疑いで捜査本部を設置しました。 捜査関係者によりますと、男は病院に搬送されて治療を受けていて、容体はかなり危険な状態だということです。 17日午前10時20分ごろ、大阪 北区の曽根崎新地で「ビルの4階が燃えている」と複数の人から消防に通報がありました。 警察と消防によりますと、火元は8階建てのビルの4階部分にある心療内科と精神科などが専門のクリニック「働く人の西梅田こころとからだのクリニック」とみられています。 消防車80台が出て消火活動にあたり、およそ30分後に火はほぼ消し止められ、ビルの4階、25平方メートルが焼けたということです。 警察によりますと、この火災でこれまでに28人が病
アニメーターやアニメーション監督って作品への向き合い方は漫画家と似ていて、 漫画を読んだ時にしみじみと物語に感情移入できたのはもちろん、 「ルックバック」を描くに至った藤本先生にも共鳴するところがありました。 だから素直に自分事としても向き合える映画にできるなと思えました。 原作を快く貸してくれたバケモノ漫画家である藤本先生に感謝しつつ、 アニメーション表現の世界に身をおいてきた絵描きの一人だからこそ描けることがあると思いながら、漫画とは一味違う映画作品を目指しています。 自分の中にある消化できなかったものを、無理やり消化する為にできた作品です。 描いて消化できたかというと、できたのかできなかったのかはわからないですがこの作品を映像化するにあたり、たくさんの人が関わってくれたことには感謝しかありません。 押山監督はアニメオタクなら知らない人がいないバケモノアニメーターなので、一人のオタクと
※以下加筆部分 この記事は、2021年8月2日に行われた作品の「修正」および同年9月発売の単行本『ルックバック』よりも前に書かれたものであり、一番最初に公開されたバージョンに即しています。最初のバージョンは今ではアクセスが難しくなってしまいましたが、公開当時の反応の一例を残しておくことにも一定の意味があろうと思いますので、そのまま残してあります。 ※加筆ここまで 2021年7月19日に『ジャンプ+』で公開された藤本タツキの中編「ルックバック」は、公開直後から大変な反響を引き起こしている。良し悪しという意味での評価は別にして、この作品は読者に何か語らせずにはおかないというか、裏読みのようなものへの欲望を喚起せずにはいない構造がある。"Don't Look Back in Anger"をはじめとした、作品の至るところに散りばめられた「元ネタ」の数々、「バック」=過去=背中=……といったモチーフ
2021年7月19日の0時に「少年ジャンプ+」にて公開されるやいなや大反響を呼び、次々と熱のこもった批評、感想がネット上に次々アップされ、すでにひとつの「現象」と化しつつある、『チェンソーマン』の作者、藤本タツキ待望の最新作『ルックバック』。 (画像はルックバック – 藤本タツキ | 少年ジャンプ+より) 連日のように力のこもった充実した新作が公開され、ネット上でバズることがもはや当たり前の出来事のようになりつつある、「ジャンプ+」の中でも『ルックバック』の反響は群を抜いている。本稿執筆時点で閲覧数は500万を突破しており、はてなブックマーク数は3000を超えるほどだ。 週刊少年ジャンプ誌上において始まりから第一部の完結まで絶えず異彩を放ち続けた『チェンソーマン』の作者の最新作ということでも公開前から期待を集めていた『ルックバック』は、なぜこんなにも多くの読者の心を揺さぶるのだろうか? 公
子どもたちと接する機会があり、一緒に絵を描いていたらその親?に言われた。 子どもたち「絵、うま!どうして?」 「君たちくらいのころから描き続けていたからだよ」 親「え~w最初から上手だったんだw」 「最初はこの子たちより下手でしたよ~」 親「ないないw最初から上手いから描き続けるんだよwいいな~ずるいよねw」 子どもの前で何をいってんだこいつ…と思いながらその場は適当にあしらった。 こいつに初めて描いた絵を見せたいもんだ。 ただのぐちゃぐちゃの線だぞ。 最近はオタク文化が根付いたのか絵描く子多いから今の子の方が上手いだろ。(おそらく) というか「ずるいよねw」ってなんだ…。ずる…? ふと絵描き人生でも振り返るかと思い、吐き出しがてらここに投げることにした。 * 初めて絵を描いたのは覚えていない。物心ついたときから暇だったら絵を描いていた気がする。 幼稚園で一番好きなのは絵を描くとき。 想像
togetter.com 傑作と評されながらも、統合失調症に対する偏見に基づいているとも言われて話題を呼んだ漫画「ルックバック」。単行本化されるに当たって、修正の後、再修正されたらしい。 私は、統合失調症については全く詳しくない。この件に言及していた多くの人と同じく、ただのド素人である。 ただ、この件については、以前見た産婦人科を舞台にしたドラマ「コウノドリ」の、聴覚障害者を扱った回を思い出した。 物語は、若い聴覚障害者の夫婦が出産を迎えるという話なのだが、まず、手話を半年習っただけの私が見て、すぐに「あ、聞こえる人が演じているな」とわかってしまった。 手話は、手の動きの他に、口の形や頷きや表情にも文脈がある。なので、ネイティブの手話者は独特の表情の豊かさがある。しかし、このドラマの夫婦は、そういった表情をほとんど作れていないように感じた。 また、出産を迎える女性のほうは、親から「聴覚障害
統合失調症当事者として考える。 公開されるや否やソーシャルメディアで大評判となり、あっというまに数百万回のアクセスを記録し、そして瞬く間にその表現を問題視されたマンガ『ルックバック』が、やはり記録的な速さで内容を修正されたようである。 ルックバック - 藤本タツキ | 少年ジャンプ+学生新聞で4コマ漫画を連載している小学4年生の藤野。クラスメートからは絶賛を受けていたが、ある日、不登校の同級生・京本の4コマを載せたいと先生から告げられるが…!?shonenjumpplus.com 『ルックバック』作品内に不適切な表現があるとの指摘を読者の方からいただきました。⁰熟慮の結果、作中の描写が偏見や差別の助長につながることは避けたいと考え、一部修正しました。 少年ジャンプ+編集部https://t.co/Vag51clfJc — 少年ジャンプ+ (@shonenjump_plus) Augu
藤本タツキが放つ青春物語が劇場アニメ化! 劇場アニメ「ルックバック」全国劇場にて公開中 公式X:https://twitter.com/lookback_anime 公式サイト:https://lookback-anime.com ■あらすじ 学年新聞で4コマ漫画を連載している小学4年生の藤野。クラスメートからは絶賛を受けていたが、ある日、不登校の同級生・京本の4コマを載せたいと先生から告げられる…。二人の少女をつないだのは、漫画へのひたむきな思い。しかしある日、すべてを打ち砕く出来事が…。胸を突き刺す、圧巻の青春物語が始まる。 ■STAFF 原作:藤本タツキ(集英社ジャンプコミックス刊) 監督・脚本・キャラクターデザイン:押山清高 美術監督:さめしまきよし 美術監督補佐:針﨑義士・大森崇 色彩設計:楠本麻耶 撮影監督:出水田和人 編集:廣瀬清志 音響監督:木村絵理子 音楽:ha
京都アニメーションの新作が発表された。 メイドラゴンの劇場版とあらいけいいちのCITYだった。 落胆した、そして悲しくなった。 一方は既存のシリーズの劇場版、もう一方は新規とは言えかつて京アニで制作した同作者の「日常」の流れを汲んでるので、似たようなテイストになるのは明白だ。 京アニは完全新規の企画を立ち上げる体力はまだ戻ってきていないことをまざまざと証明させられた。 あの放火殺人事件によって、京アニの精神的支柱・大黒柱とも言える木上益治氏を失い、武本康弘、西屋太志、池田晶子も居なくなった。 実は事件後、犠牲を免れた人達の中からも大勢が京都アニメーションを去っている、監督・キャラデザ・作画監督クラスの人間がごっそり京アニを辞めたのだ。 きみの色公開中の山田尚子はもとより、ヴァイオレット・エヴァーガーデンのキャラデザの高瀬亜貴子ももう京都アニメーションには在籍していない。堀口悠紀子は事件の数
漫画家漫画を読むと喰らうなぜなら主人公が真っ向から漫画を描き続ける話だから。 漫画家漫画は漫画を描くという目標の元、一生懸命漫画を描き続ける。 なぜなら漫画家の漫画だから。 なのでバクマン。や、アオイホノオなどが読めない。 読んで「漫画のキャラはこんなに努力をしてひたむきなのに、俺は何もやってないおじさんだ!」となってしまうので。 申し遅れました。私、漫画家をやっております、福岡太朗と申します。 過去に2作ほど連載をしており、現在は連載を目指してやっている最中です。 そう。 連載を持っていない名ばかりの漫画家である自分にとっては、漫画家漫画は劇薬なのだ。(ちなみに、吼えろペンや燃えよペンは読めるし大好き。ギャグ色とファンタジー色が強いし、まだダメージを喰らうようになる前に読んだので読める。大好き。それを言うならアオイホノオは読めるかもしれない) でもルックバックは読んだでもルックバックは読
藤本タツキの読み切り「ルックバック」が公開されたのは19日。まだ3日しか経っていないのにものすごい反響である。 ルックバック - 藤本タツキ | 少年ジャンプ+(https://shonenjumpplus.com/episode/3269754496401369355) 「ネタバレあり」なのでこのあと作品の内容に触れていきますよ。見出しだけでは全体像が見えないことがあります。まずリンク先を読んでみませんか? というかすごい作品なので読んでください。 読みましたか? 読みましたね。 では続きです。 「ルックバック」が傑作であることは間違いない。これは京都アニメーションの放火殺人事件をモチーフにしているという。藤本タツキは「長門は俺」というペンネームを使っていた時代もあるそうで、ここでいう「長門」は長門有希、「涼宮ハルヒの憂鬱」の登場人物である。そしてそのアニメを制作したのは京都アニメーショ
京アニ事件想起か、表現を修正 話題漫画「ルックバック」―集英社 2021年08月02日18時29分 藤本タツキさんの読み切り漫画「ルックバック」について、内容を一部修正したと発表した少年ジャンプ+編集部の投稿(ツイッターより) 集英社の漫画アプリ「少年ジャンプ+(プラス)」で無料公開され、インターネット交流サイト(SNS)などで大きな話題となっていた読み切り作品「ルックバック」について、少年ジャンプ+編集部は2日、内容を一部修正したと発表した。SNS上では作品公開後、精神障害者への差別を助長するとの指摘や、京都アニメーション放火殺人事件を想起させると懸念する声が上がっていた。 公判日程、いまだ見えず 証拠膨大、長引く手続き―京アニ事件から2年・京都 この作品は人気漫画家、藤本タツキさんによる長編読み切りで、漫画家を目指す主人公の成長と挫折が全143ページにわたって描かれている。7月19日の
6月最終週の動員ランキングは、『それいけ!アンパンマン』シリーズの劇場版最新作『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』が、オープニング3日間で動員13万7000人、興収1億7200万円をあげて初登場1位に。劇場版1作目が製作されてから35年目、35作目にしてシリーズ歴代オープニング興収更新というのは十分にニュースではあるのだが、今回は同日に公開されて、『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』を大きく上回るオープニング興収を記録した『ルックバック』を取り上げるべきだろう。 『チェンソーマン』を世に送り出した人気漫画家、藤本タツキの読み切り作品をスタジオドリアンの押山清高が監督を務めアニメーション作品化した『ルックバック』のオープニング3日間の動員は13万5000人、興収は2億2700万円。注目すべきはそのスクリーン数だ。『それいけ!アンパンマン ばいきんまんと
POPなポイントを3行で 藤本タツキが『ルックバック』で描いたもの 精神疾患を巡る批判と修正は妥当だったか? 「銃の悪魔」にも共通する現実的スティグマ ああ、わたしが昔の月日に戻れたらよいのだが、 神がわたしを守ってくださったあの日々に。 そのときには、彼の灯火がわが頭上に輝き、 彼の光によってわたしは暗闇を歩んだ。 『ヨブ記』第二九章 『ファイアパンチ』『チェンソーマン』で知られる漫画家・藤本タツキ氏が、集英社『少年ジャンプ+』で公開した読み切り『ルックバック』。 公開直後から大きな反響を呼んだ143ページに及ぶ傑作は、しかし、一部の反応を受けて本編の内容に修正が加えられた。 藤本タツキ著『ルックバック』については、発表後、8月2日に内容を一部修正いたしましたが、9月3日発売のコミックスにおいて、著者の意向を受けて協議のうえ、セリフ表現を変更している部分がございます。 ご理解いただきます
映画ライターのヒナタカさんの紹介文を引用します。 本作は「アイドルの経験者でないと書けない話」だと思える内容に仕上がっています。何しろ、キラキラしているだけじゃない、むしろ「邪道」とさえ言える、だけど「リアル」でもある、アイドルを目指す少女の「生き様」が描かれた映画だったのですから。 『トラペジウム』がキラキラしているだけじゃない、新感覚のアイドル映画になった7つの理由
少年ジャンプ+に掲載された藤本タツキの「ルックバック」という漫画が話題だ。 shonenjumpplus.com 私も読んだけれど、とても素晴らしい作品だと感動してTwitterでシェアした。 しかし、読んだ時、一瞬「ウッ!」となる表現があったのだが「漫画の大筋の方は良いから」という理由でその箇所をスルーした。 しかし、今思うとそれは良くないと感じて、ブログに書くことにした。 それは作品中に描かれている通り魔殺人の犯人のことである。漫画の中でははっきりと「統合失調症」と書いていないが、「絵画から自分を罵倒する声が聞こえた」という新聞の見出しが描かれていて、聞こえない声が聞こえるのは「幻聴」であり「統合失調症」の症状である。 精神疾患の患者が映画や小説、漫画などに登場する時がどんな時かというと「常人には理解できない殺人犯。異常者」という役回りがほとんどである。弱いものを助けたり、ヒーローにな
下記記事中にどうしても看過できない一文があったので、本記事はその一文に対して異を唱えることを目的としている。本記事はあくまで個人の体験を基にした反論なのと、記事の主訴に対する反論ではないことを留意して読んでいただければ。 1.前置き まず初めにこの記事は特定の精神疾患、依存症への偏見を強めるためのものではなくそういった意図は含んでいない。細心の注意を心がけるしもしそういった表現があれば極力誤解の無い書き方に訂正する。 2.意思疎通できない殺人鬼は架空の存在? 斎藤環氏は本文中で この通り魔の人物造形だけは、これまでさまざまなフィクションの中で繰り返されてきた、かなり凡庸な狂気のイメージだ。強いて言えば「統合失調症」が一番近いだろう。断っておくが、これは「診断」ではない。診断のいかんにかかわらず、私はこのような言動をする患者に会ったことはないし、ここに臨床的なリアリティは一切ないからだ。私の
『海が走るエンドロール』は、65歳を過ぎ夫と死別し、数十年ぶりに映画館を訪れたうみ子が、映画作りの道を志す物語。 ■このマンガがすごい!2022 【オトコ編】 第1位『ルックバック』藤本タツキ(集英社) 第2位『チ。-地球の運動について-』魚豊(小学館) 第3位『怪獣8号』 松本直也(集英社) 第4位『ダンダダン』龍幸伸(集英社) 第5位『東京ヒゴロ』松本大洋(小学館) 第6位『葬送のフリーレン』山田鐘人(作)アベツカサ(画)(小学館) 第7位『【推しの子】』赤坂アカ×横槍メンゴ(集英社) 第8位『トリリオンゲーム』稲垣理一郎(作)池上遼一(画)(小学館) 第9位『ペリリュー 楽園のゲルニカ』武田一義(著)平塚柾緒(太平洋戦争研究会)(協)(白泉社) 第10位『ダーウィン事変』うめざわしゅん(講談社) 【オンナ編】 第1位『海が走るエンドロール』たらちねジョン(秋田書店) 第2位『作りたい
2021年7月19日に集英社のデジタルマンガ雑誌サービス『少年ジャンプ+』で配信された読み切り漫画『ルックバック』。 作者は、大人気漫画『チェンソーマン』で知られる藤本タツキさんです。143ページのこの読み切り漫画が、『チェンソーマン』第一部完結後、初の作品公開でした。 深夜の公開にも関わらず、Twitterのトレンド1位を獲得し、さまざまな感想や考察を生んでいる本作について、はてなブロガーたちもブログで語っています。 「『なぜ描くのか』という自問自答」 「現実をフィクションが塗り込める、その再帰的な希望を信じ続けて」 「描かれるべき物語だっただろう」 「『back』には『背中』という意味もあります」 今回紹介した記事の一覧 終わりに 追記 「『なぜ描くのか』という自問自答」 enonoki.hatenablog.com 「『ルックバック』で描こうとしていたことは『なぜ描くのか』という自問
<後日追記:以下は同作品の初版(Web)に関する考察です。現在の版とは異なります> 私は毎年の世界統合失調症デーの呼びかけなど、統合失調症に関する小さな活動を行っている個人です。 その立場から、今話題の「ルックバック」と精神疾患について、考えをまとめてみました。 作品としてのルックバックのすばらしさを否定するつもりは全くありません。 むしろ逆で、名作だと思うから伝えたくなりました。 結論から言うと、作品の中で殺人事件を幻聴・妄想と結び付けている部分は、精神疾患をもつ人への差別偏見を助長すると考えます。 具体的には下記の2点です。 「大学内に飾られている絵画から自分を罵倒する声が聞こえた」(新聞記事) 「男はこの時も被害妄想により自分を罵倒する声が聞こえていたと供述」(犯行場面) 症状として幻聴・妄想をもつ精神疾患患者は、それ以外の人と同じく、ほとんど全ての場合に犯罪とは無縁です。治療をうけ
ジャンププラスで公開された藤本タツキ『ルックバック』。藤野と京本、学級新聞に4コマ漫画をのせる少女ふたりをとおして、さまざまな表現と表現者へのオマージュを感じさせる。 shonenjumpplus.com 技巧的でいて読みやすい。流し読みでも主人公の心情を追っていけるし、じっくり組みこまれた小ネタを読み解く楽しみもある。 全体としては、いきがる子供を力強く肯定していくところが良い意味で珍しい、と思った。 ただし、中盤でさしこまれる悲劇の「怪物」だけは、あまり作りこまれてないし、その雑さが魅力に転化しているとも言いがたい。古臭く平凡なB級映画のキャラクターイメージを安易に引用しただけに見えた。 そうしたB級映画で登場する「怪物」にしても、まったく進歩がないわけではないのに。たとえば韓国映画では、十年以上前からさまざまな挑戦が見られている*1。偏見を逆用するものもあるし、いったん限界までよりそ
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