サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
Claude Code
saebou.hatenablog.com
國學院大學博物館「性別越境の歴史学-男/女でもあり、女/男でもなく-」展を見てきた。國學院が神道で有名な大学なので、日本古来の信仰や習慣における性別越境、両性具有、異性装などをきちんととりあげており、わりとアートとかファッションよりになりがちなこの種の展示の中ではひとあじ違う感じで大変面白かった。別にそういうことを明示的に展示しているわけではないのだが、明治以降の御用神道みたいな連中がいかに神道の伝統を無視しているかをありありと感じてしまう展示だった。 常設展もかなり立派で、神道関係のものなどがけっこう整備されて展示されている。ショップや座って映像を見られる広場みたいなところもあり、おしゃれな博物館だった。 はにわとうさぎがお出迎え。 マスコットのこくぴょんだそうな。因幡の白ウサギベースのデザインで勾玉をつけている。 図録は残念ながら売り切れで、思わずマスコットぬいぐるみを買ってしまった。
『スペルマゲドン 精なる大冒険』を試写で見た。ノルウェーのアニメ映画である。 www.youtube.com イェンスはかねてから恋していたリサとサマーキャンプで初めてセックスをする。一方、イェンスの体の中ではシメンとカミラをはじめとする精子たちが射精の瞬間を待ちわびていた。ところが企業家精子が作り出した秘密兵器精子が強引に他の精子の邪魔をし… 最初から最後までとんでもない下ネタばかりで、しかもリサがちゃんと避妊をしているのに悪役の秘密兵器精子が暴れ回るせいで結局リサが妊娠してしまい、これは「ダメ、絶対!」みたいに若者にセックスしないように言うしょうもないオチの映画なのか…と思いきや、さすが北欧の映画だけあって最後は全然違う方向になる。産婦人科で女性医師がふたりに経口中絶薬ののみ方を教えながら、命を作るのは素晴らしいが若者にはちゃんとした家族計画が必要だ…みたいな極めてまっとうな性教育ソン
アレックス・ガーランド、レイ・メンドーザ監督『ウォーフェア 戦地最前線』を試写で見た。 www.youtube.com 2006年にイラクのラマディで米軍特殊部隊と地元の勢力が衝突した時の様子を、実際にこの時従軍していたメンドーザが監督をつとめて映画化した作品である。メンドーザをはじめとして、この時従軍していた実際の米軍兵士が全面協力し、その記憶に頼って脚本を作っているそうだ。1時間半くらいでほぼリアルタイムの展開で、最初は静かに見張りをしていたのに、何も気付かないうちにものすごく状況が悪化し、爆発のせいで負傷者が出て…という展開を淡々とリアルに描く。 とにかくストレスフルな作品で、米軍が全然かっこよくなく、描写が現実的である。まず米軍が何の罪もない一般庶民の家庭を急襲して民家を強制的に接収し、家の住人を閉じ込めて即席の見張り詰め所みたいなものを作るという非人道的なことをするところから始ま
今年見た映画ベスト10を発表します(昨日の『アフター6ジャンクション2』とその放課後ポッドキャストで簡単に説明したのと、映画評を書いている日経にも今年の日本劇場公開作縛りで少し今年の映画のふりかえりを書いています)。 『罪人たち』- 久しぶりに「こういうものを見るために映画館に来てる」と思える映画でした。 『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』- 楽しくて爽やかで一方で社会的な視点もある友情ロマコメ。 『テルマがゆく! 93歳のやさしいリベンジ』- おばあちゃんとADHDと思われる孫が特殊詐欺と闘う一大アクション。シャフトことリチャード・ラウンドトゥリー遺作。 『ヘッダ』- イプセン『ヘッダ・ガーブレル』のとても野心的な翻案。アカデミア描写が妙にリアル。 『立ち退き回避のススメ』- 住宅問題を扱った女性バディコメディ。 『FEMME フェム』- 90年代のクィア映画みたいな雰囲気のスリラー。 『
『ズートピア2』を見た。 www.youtube.com 前作の直後、ウサギのジュディ(ジニファー・グッドウィン)とキツネのニック(ジェイソン・ベイトマン)は警察官としてパートナーシップを組むことになったが、潜入捜査に失敗した様子が報道され、ズートピアの笑いものになってしまう。ジュディは気象をコントロールするウェザーウォールの100年祭ガラにヘビが不法侵入し、ウェザーウォールを作ったエブニーザー・リンクスリーの日誌を盗もうとしているのではと推測する。ジュディとニックはガラに忍び込み、ヘビのゲイリー(キー・ホイ・クァン)が日誌を盗もうとしているところを見つけるが… 『ズートピア』に比べるとちょっとコメディ色が薄くなっているようにも思えるし、あいかわらずノワールっぽいすっ飛ばしは健在で、なんでジュディがいきなりガラで日誌が盗まれるとわかったのかとか、雪まみれだったはずのレプタイル渓谷のお天気は
ギレルモ・デル・トロ監督『フランケンシュタイン』を配信で見た。 www.youtube.com 19世紀の半ばが舞台で、全体が北極で展開されるヴィクター・フランケンシュタイン(オスカー・アイザック)とクリーチャー(ジェイコブ・エロルディ)の回想という枠に入っている。著名な医師である父親(チャールズ・ダンス)に虐待されて育ったヴィクターは死者から生命を生み出そうとし、富裕な武器商人ハーランダー(クリストフ・ヴァルツ)をパトロンにして生命創造の研究をする。ところが研究の結果として生まれたクリーチャーはヴィクターの思うように育たず、ヴィクターはクリーチャーを捨ててしまう。クリーチャーは森に隠れて身を守ろうとするうちに、人里離れたところに住む一家の暮らしに興味を惹かれるようになるが… かなりデル・トロ風味に原作小説が変更されている。まず、大きな違いは1818年に刊行され、おそらく18世紀末くらいに
ザック・クレッガー監督『WEAPONS ウェポンズ』を見た。 www.youtube.com ペンシルヴェニア州の田舎町メイブルックで、真夜中の2:17にある小学校クラスの子どもたちが1人を除いて全員家から走り出して忽然と消えるという怪事件が発生する。クラス担任だったジャスティン(ジュリア・ガーナー)は町の人たちから責められ、唯一クラスで残っていたアレックス(キャリー・クリストファー)と話そうとするが学校に阻まれる。一方、息子がいなくなって苦しんでいる町の建設業者アーチャー(ジョシュ・ブローリン)は独自に調査を始めるが… 非常によくできたホラーで、発想も面白いし、群像劇的に視点人物を固定したエピソードを組み合わせてだんだん少しずつ謎が明らかになっていくという構成もうまい。最初はわりと展開がゆっくりなのだが、この盛り上げ方も絶妙で、たるいとか遅いというような感じが全然ない。また、笑えるところ
池袋演劇祭の審査でゴブレイプロジェクト『赤いきつねとみどりのハムレット』を見てきた。なんかアイドル舞台とかいうものだそうで、普段はアイドルとかをやっている若い女性がオールフィメールでハムレットの翻案をやるというもの。観客はほとんど男で女性は三人くらいしかいなかったのだが私は最前列で非常にきつかった。しかもしょっぱなからアイドル歌謡を踊りつきで披露するのがあってびっくり。 一応話は『ハムレット』の日本版翻案で、江戸時代くらいを舞台に主人公はむえもんの復讐を描くというもの。上演時間二時間などでかなり切り詰めてあり、開演35分で「生きるべきか死ぬべきか」独白まで行くという早さで、さらに独白のあとにハムレットが「復讐する」と決意するとか、原作の哲学的逡巡を完全に無視した展開になっている。しかしたぶん上演時間が短いのはローティーンが出てるからというのもありそうで、ローティーンのアイドルは9時以降は出
細田守監督『果てしなきスカーレット』を見てきた。 www.youtube.com 『ハムレット』がベースで、近世あたりのデンマークを舞台にした時代劇アニメである(中世警察:あれは中世ではないだろ…)。デンマーク王女スカーレット(芦田愛菜、ハムレットに相当)は父王アムレット(市村正親)を叔父クローディアス(役所広司)に殺され、復讐を誓うが失敗し、どうも死者の国っぽいところをさまようことになる。そこでもやはり復讐を求めるスカーレットは、ずっと後の時代の日本の看護師だという聖(岡田将生)に出会うが… まず、話の前提として、私は1年に平均して5本『ハムレット』あるいはその翻案を見ているシェイクスピア研究者である(ウソだろそんなに『ハムレット』やってるわけない…と思う人はこのブログの「ハムレット」タグをクリックしてください。友であり同胞である市民諸君、世の中は諸君が思っている以上に『ハムレット』で溢
ポール・トーマス・アンダーソン監督『ワン・バトル・アフター・アナザー』を見た。 www.youtube.com トマス・ピンチョン『ヴァインランド』のゆるい翻案…ということになっているが、あまり直線的でない『ヴァインランド』とはだいぶ違う話になっている。基本的にはフレンチ75という組織で活動していた革命家パット(レオナルド・ディカプリオ)と一人娘のシャーリーン(チェイス・インフィニティ)の話である。パットは幼いシャーリーンとともにボブとウィラという名前を使って田舎に潜伏し、ひとりで娘を育てるものの、シャーリーン/ウィラの実母である行方不明のパーフィディア(テヤナ・テイラー、なお英語のperfidiousは「二心ある」という意味で、名前でキャラばれしている)に執着している軍人ロックジョー(ショーン・ペン)に追われて逃走することになってしまう。逃走中に二手に分かれることになり、はぐれてしまった
石川慶監督『遠い山なみの光』を試写で見てきた。言わずと知れたカズオ・イシグロの小説の映画化である。 www.youtube.com 1980年代のイギリスで、イギリス人の父と日本人の母を持つニキ(カミラ・アイコ)は長崎出身の母悦子(吉田羊)に昔の話を聞こうとする。悦子は若かりし頃の自分(広瀬すず)が戦後の長崎で佐知子(二階堂ふみ)という子持ちの女性と仲良くなった話をする。しかしながらどうもその話にはいろいろ不可思議なところがあり… 私が今まで見たイシグロ作品の映像化の中では、イシグロ独特の小説の雰囲気をかなり忠実に再現しようとしている作品ではないかという気がする。長崎が負った戦争と原爆の傷跡がテーマで、被爆による差別やトラウマなどが日常生活に織り込まれた形で描かれる。一方で80年代だとイギリスにはまだ戦争のせいで日本を憎んでいる人がけっこういて…みたいな、現代の日本人はあまり意識していない
『サタンがおまえを待っている』を見た。 www.youtube.com 1980年代に北米で起こった、悪魔教信徒が子どもを組織的に虐待しているというデマから起こったパニックを扱ったドキュメンタリーである。ミシェル・スミスという女性が催眠によって思い出した虐待の記憶をローレンス・パズダーという精神科医が聞き取って本にした『ミシェルは覚えている』という本がきっかけでそういう話が広まった。この話は大々的にメディアで取り上げられ、各地で同じような虐待を訴える人が出て、保育園などで逮捕者が出たり裁判が起こったりしてえらいことになったらしいのだが、後にほとんどが虚偽の記憶であるとわかったらしい。 この映画はその過程を追っているのだが、流産で精神が不安定になった女性、変わった症例で有名になりたい医師、目新しい治療で手っ取り早く儲けたいが能力も医療倫理もあまりないセラピストたち、スキャンダラスなことが好き
『F1/エフワン』を見た。 www.youtube.com 大ケガでF1を引退したソニー(ブラッド・ピット)は耐久レースなどに出場していたが、昔なじみで現在はイギリスのAPXのチームでオーナーをつとめているルーベン(ハビエル・バルデム)に復帰を打診される。ソニーの荒っぽいやり方のせいで、若手の有望株であるジョシュア(ダムソン・イドリス)や女性初のテクニカルディレクターであるケイト(ケリー・コンドン)とは摩擦がたえないが… 全体がブラピのアイドル映画みたいな感じで、設定からしてかなり現実離れしているのに全体がどうにかブラピの魅力と、脇を固める俳優陣の演技で保っている…みたいな作品である。『トップガン マーヴェリック』のジョセフ・コシンスキーが監督なので、話は前作にけっこう似ているし、大スターを真ん中に据えて脇はベテランと若手有望株の役者の演技で固めるという作りも同じである。しかしながら『トッ
ジェームズ・ガン監督『スーパーマン』を見てきた。 www.youtube.com いきなりクラーク・ケントことスーパーマン(デイヴィッド・コレンスウェット)が、ボラヴィアによるジャルハンプル侵略に介入したという理由で「ボラヴィアのハンマー」なる相手にボコボコにされるところから始まる。スーパーマンは勝手に国際紛争に介入したということで批判されており、スーパーマンを追い落とすことに執着しているレックス・ルーサー(ニコラス・ホルト)はこの動きを加速させてスーパーマンを失脚させる工作に全力を注いでいる。中傷やら非難やらでにっちもさっちもいかない状況に陥るスーパーマンだが… オリジンの話とか細かい説明は全部カットして、現代の文脈に即してスーパーマンが暮らしていたらどうなるかということをけっこうリアルに描くほうに全振りした作品である。この描写がえらくちゃんとしており、敵であるルーサーはいたるところにカ
李相日監督『国宝』を見た。 www.youtube.com お話は1960年代の長崎で始まる。任侠の親分の跡取り息子として生まれた喜久雄(吉沢亮)は抗争で親を殺され、いろいろあって上方歌舞伎の人気役者花井半二郎(渡辺謙)に引き取られる。喜久雄は花井の息子である俊介(横浜流星)とともに厳しい訓練を受け、女方として注目されるようになる。血筋のない喜久雄に歌舞伎界は冷たいが、一方で半二郎は喜久雄を高く評価しており… 映画としては大変面白く、また歌舞伎の舞台をちゃんと撮っているので見ていて全く飽きるようなところはない映画である。細かいお稽古の様子とか、早着替え場面などをふだん見えない角度から撮ってくれるところなど、舞台好きとしては(歌舞伎には詳しくなくても)おう、こんなことやってるのか…と単純に技術的に面白いと思えるところがたくさんある。吉沢亮と横浜流星はどちらもとても美しい動きで本当に千両役者み
ライアン・クーグラー新作『罪人たち』を見た。 www.youtube.com 舞台は1932年のミシシッピ州クラークスデイルである。シカゴでギャングの一員として儲けて故郷に帰ってきた双子のスモークとスタック(マイケル・B・ジョーダン)は、地元の黒人向けにブルースを聴かせる酒場を作ることにする。音楽家であるデルタ・スリム(デルロイ・リンド)やいとこのサミー(マイルズ・カートン)など、さまざまなスタッフを集めて開店準備をするが… いろんなジャンル要素をこれでもかと詰め込んだ映画で、途中まではミュージカル…なのだが、中盤くらいからは吸血鬼ホラーになり、さらに終盤はまたもうひとつヤマ場があり…というふしぎな作品である。アメリカ南部における黒人の経験を多層的に描いているのだが、エピローグ部分以外は基本的に1日間の話なのに非常に描写がぶ厚くて歴史の重みを感じさせる。黒人のみならず南部に住んでいる中国系
白老町のウポポイに行ってきた。 国立アイヌ民族博物館に行ったが、けっこう広い施設である。 展示室はこんな感じ。 ラッコの皮だそうな。 船。 アイヌの伝統楽器トンコリを電子楽器に。 家の模型。 熊送りの熊だそうな。 お祭りのお供え。 外には家の再現が。 けっこう霧がかかっている。 お金のかかった施設で楽しいところなのだが、「共生」だからなのか、わりとアイヌ差別に関する展示は控えめで、植民地支配が結果としてこの施設につながっているということがわりとぼかされているというか、焦点として扱われていないように思った。とくに最初のほうで上映されていた、ヨーロッパやアメリカの各地の博物館に収蔵されているアイヌの文物に関する短編映画は、いかにドイツなどの博物館がアイヌの文物を欲しがっていたかというような話はあるのだが、なんでか…という話になるとアイヌの文物が優れた芸術的価値を持っているから、というのに全てが
コラリー・ファルジャ監督The Substanceを見た。 www.youtube.co 元オスカー女優だが、今は役もなく、テレビのエアロビクス番組に出ているエリザベス・スパークル(デミ・ムーア)は50歳になったとたん、年をとりすぎだとして番組を解雇されてしまう。捨て鉢になったエリザベスは、ふとしたことから知ったSubstanceなる薬物を試してみる。この薬物を摂取するとより若く美しいバージョンの自分ができるのだが、必ず7日でもとの自分に戻らねばならず、その後は7日ごとに若い自分と今の自分で交代することになる。エリザベスは若く美しいバージョンの自分を作り、スー(マーガレット・クアリー)と名乗ってエアロビクス番組のオーディションを受け、成功するが… 発想じたいは『ドリアン・グレイの肖像』に近くて、若さと美しさへの執着という古典的なテーマを扱っているのだが、とにかく処理のしかたが新しいし独創的
実写版の『白雪姫』を見てきた。アニメ版をかなり変更してリメイクした作品である。 www.youtube.com とある王国で吹雪の日に跡継ぎのお姫さまが生まれ、白雪姫(スノーホワイト)と名付けられた。白雪姫(レイチェル・ゼグラー)は賢く愛らしい王女に成長するが、母が亡くなり、王は突然現れた謎の美女(ガル・ガドット)と再婚する。女王となった継母は王を追い出して国の実権を掌握し、白雪姫を虐待するが… いろいろ問題のある翻案である。レイチェル演じる白雪姫が可愛いし歌のうまさは鉄板だし、面白いところも多少はあり、若い女性がポジティブに人生を切り開く様子を明るく描いていて子ども向けの映画としてとくにものすごくひどいというわけではないと思うのだが、正直なところ、最近Netflixとかアマゾンプライムなんかでよく配信されている「パッとしないけど休みの日に見るならまあいいか」みたいなヒロインものファンタジ
ダブリン国際映画祭でセイディ・フロスト監督のドキュメンタリー『ツイッギー』を見てきた。 www.youtube.com ワーキングクラスの娘だった気取らない少女ツイッギーが60年代のロンドンで新しい女性美を体現するモデルとして登場し、一世を風靡して時代のアイコンとなるが、その後も舞台やテレビ、モデル業などで着実にキャリアを積み重ね、今もいろいろな世代の女性に訴えるオシャレなモデルとして地位を確立している…ということをいろいろなインタビュー(本人や親しい家族、イギリスのファッション界の人たちからダスティン・ホフマンみたいなアメリカ映画界の業界人まで、かなりいろんな人の話をとっている)や写真を使って見せる作品である。言ってみれば労働者階級の女性のサクセスストーリーみたいなドキュメンタリーである。いくつかつらいこともあったという話は出てくるのだが、全体的にはツイッギーを自分の力で道を切り開いたシ
I'm ギンツ・ジルバロディス監督『Flow』を試写で見た。 www.youtube.com 主人公はネコで、大洪水に見舞われた世界を舞台に、船に乗ったりしながらさまざまな他の動物たちと出会い、冒険する様子を描いている。人間は出てこないし、セリフは全く無い。洪水は気候変動のせいなのかな…とも思うのだが、生態系などはあまり現実に即していない感じで、カピバラとヘビクイワシ(?)とワオキツネザルとネコとイヌがヨーロッパ風の気候の地域に住んでいる。風景についても巨大な猫の像が森の近くにあったり、野外劇場の跡地みたいなのがあったりしてシュールである。オープンソースソフトウェアのBlenderで作ったそうで、ヴィジュアルが非常に独特である。 セリフはないのだが、孤独な動物だったはずのネコが泳ぎを上達させて魚をとるようになったり、木登りの技術を使って生き残ったり、仲間を作って助け合うようになったり、キ
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』を見てきた。 www.youtube.com スティーヴの衣鉢を継いでキャプテン・アメリカとなったサム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)は、新大統領となったロス(ハリソン・フォード)の祝賀会に一番弟子で2代目ファルコンとなるホアキン・トレス(ダニー・ラミレス)と、大先輩であるアイザイア・ブラッドリー(カール・ランブリー)を連れて出席する。そこで突然ロス暗殺未遂が発生し、なんとアイザイアが銃撃に加わってしまった。アイザイアが暗殺にかかわるわけがないと思ったサムは捜査を開始するが… なんだかいろいろアラがあるのはよくわかるのだが、おそらく意図していないところで妙なリアリティがあり、個人的にはきわめて感動してしまった(というか映画館で人目をはばからず変なところでボロ泣きしてしまった)作品である。CGに安っぽいところがあるし、アクションの編集な
ガイ・ナッティヴ、ザーラ・アミール監督『TATAMI』を見た。 www.youtube.com ジョージアのトビリシで開催中の女子世界柔道選手権に出場したイランの有力選手レイラ(アリエンヌ・マンディ)は、イスラエルの選手との対戦を避けて棄権するようイラン柔道協会から圧力をかけられる。監督のマルヤム(ザーラ・アミール、監督が出演)も脅迫を受け、レイラにも脅迫が及ぶ。何かがおかしいと思った選手権スタッフたちはイランのチームに注意しはじめるが… 実際に2019年に日本で行われた柔道選手権で起こったことにヒントを得ているそうで、イランの選手が政府から棄権するよう圧力をかけられたそうである。モノクロの力のある映像で、緊張感のあるスポーツスリラーだ。キャストやスタッフのうち、イラン人は全員亡命者になっているそうで、キャストはイラン以外の国籍も持っている中東系も起用しており、『聖なるイチジクの種』同様、
アイスランドペニス博物館に行ってきた。ここはさまざまな動物のペニスの研究・教育に関するけっこう真面目な博物館で、コレクションは主にペニスの科学標本、ペニスに関係するアート作品や文化的な遺物からなっている。科学やアートに関するものとはいえ、本日のエントリはペニスの画像だらけなので閲覧注意である(ひょっとしたらはてなブログに削除されるかな…)。ただしこの博物館じたいは教育的な機関なのでそんなに過激な展示はなく、保護者や教員の付き添いがあれば子どもでも見られるそうだ。 入り口。 入るといきなりこれがある。ちなみにバイアグラ関係の展示は中にもあった。 中はこんな感じで、さまざまな動物のペニスの標本が所狭しと展示されている。それぞれの動物の生殖行動に関する説明もついており、かなり教育的だ。 ネコとかクジラとかのペニスとヒトのペニスの標本が全く同じノリで展示されている。それぞれの展示に動物ごとの配偶行
突然思い立ってアイスランドに行ってきた。レイキャヴィーク郊外のケプラヴィーク空港に到着し、まずは空港近くのヴァイキングワールド博物館というところを訪問。 メインの展示はこの船。2000年にヴァイキングの時代を模した形態でアメリカまで航海した Íslendingur号である。 乗組員のみなさん 記念撮影 他にもいろいろ展示がある。 角かぶとはインチキという話では… チェスもできるようだ。 なお、この日は吹雪で外はこんな感じで、バス停までえらい遠く、遭難しかけた。
ジェームズ・マンゴールド監督の新作『名もなき者/A Complete Unknown』を見てきた。ボブ・ディランのミュージシャンバイオピックである。 www.youtube.com 1961年、若きボブ・ディラン(ティモシー・シャラメ)がニューヨークに出てくるところから始まる。ボブは憧れのウディ・ガスリー(スクート・マクネリー)の病床をお見舞いし、これまた尊敬していたピート・シーガー(エドワード・ノートン)にも引き立ててもらって、フォークシンガーとしてたちまち頭角をあらわす。ボブはシルヴィ(エル・ファニング)と付き合う一方、ジョーン・バエズ(モニカ・バルバロ)にも惹かれる。大スターになったボブは音楽的に新しいことを試したいと思うようになるが… 一見したところ王道のミュージシャンバイオピックなのだが、ディランのクリエイティヴィティの転換点となる1965年のニューポート・フォーク・フェスティバ
ジェシー・アイゼンバーグ監督作『リアル・ペイン~心の旅~』を見た。 www.youtube.com 同い年のいとこ同士であるユダヤ系のデイヴィッド(ジェシー・アイゼンバーグ)とベンジー(キーラン・カルキン)は、亡くなったおばあちゃんの遺志でポーランドでのホロコーストヘリテージツアーに参加することになる。妻子がいてそこそこ仕事でも成功しているデイヴィッドはシャイでもの静かで神経質だが、ベンジーはとても社交スキルが高くてチャーミングである一方、むら気で不安定なところがあり、正反対の性格のふたりである。ツアーの間、ベンジーは他のツアー客と仲良くなるが、一方で何度か感情を爆発させてデイヴィッドに非常に居心地悪い思いをさせる。 抑えた演出と脚本で丁寧に主人公二人の心情を描きつつ、コミカルで笑えるところもたくさんあり、大変よくできた作品である。視点人物はデイヴィッドなのだが、ベンジーの社交スキルの高さ
『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』を試写で見た。 www.youtube.com 舞台は1970年代のニューヨークである。若きドナルド・トランプ(セバスチャン・スタン)は野心はあるがなかなかいろいろなことをうまくこなせない青年実業家である。黒人住民に対する差別でトランプ家の不動産事業が法的にまずいことになり、トランプは有名だが手段を選ばないことで有名な弁護士ロイ・コーン(ジェレミー・ストロング)に頼る。トランプはコーンから非情な手段を学び、どんどん出世していくが… 内容だけ書くと『ウルフ・オブ・ウォールストリート』とかに近そうなのだが、ヴィジュアルや雰囲気が全然違う…というか、あのへんの映画にあるハイテンションな感じがまったくない。大部分は手持ちカメラで撮影している上、色彩などに全然華やかなところがなく、始終けっこうテンションが低くて不安定な映像が続く。パーティなんかの場面にも
エレナ・ナヴェリア監督『ブラックバード、ブラックベリー、私は私。』を試写で見た。 www.youtube.com ヒロインはジョージアの田舎町で何でも売っている日用品店を営んでいる48歳のエテロ(エカ・チャブレイシュビリ)である。あまり幸せな家庭環境で育ったわけではないエテロはひとりで店を切り盛りして暮らしていたが、ブラックベリー摘みをしていた時に大きな事故にあってしまう。とりあえずはなんとか無事に生還したエテロだが、これをきっかけに人生を考え直し、初めて男性と関係を持ち、恋愛も体験することになる。 いつ死ぬかわからないんだから人生を楽しまねば…と思ってこれまでの暮らしを変える中年女性の話である。若くもないし綺麗でもないエテロが、別に綺麗にもならず、若々しくもならず、マイペースで自分らしいままセックスや恋愛を体験する様子をオフビートなユーモアをまじえて描いている。セックスや恋愛を体験したか
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『Commentarius Saevus』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く