南米ペルーで、寝静まった住宅にダイナマイトが投げ込まれた。爆発を防ごうと、ある行動をとった愛犬に、称賛が集まっている。

事件は8月24日午前1時ごろ(現地時間)、首都リマ郊外にあるワラルに住むジャーナリスト、カルロス・アルベルト・メシアス・サラテ氏の自宅で起きた。
防犯カメラの映像には、何者かがサラテ氏の自宅に近づき、中庭にダイナマイトを投げ入れる様子が映っている。
飼い犬のマンチスは異変を察知。階段を上り下りして「ワンワン」と激しく吠え続けている。落ちた爆薬に近づき、火を消そうとする様子も確認できる。
米NBCニュースの取材に応じたサラテ氏は、「マンチスがダイナマイトを噛んで、噛んで、噛み続けた」と話す。マンチスは、火がついた導火線を口にくわえたという。そのおかげで10人の家族とほか3匹の犬の命は救われた。
しかし代償として、マンチスは声帯を損傷し、吠えることができなくなってしまった。現在、治療にあたっており、TikTokには動物病院に通うマンチスの姿が公開されている。
NBCによると、ペルー当局は本件に関連して、容疑者の身柄を確保した。
動機は明らかになっていないものの、サラテ氏は自身の調査報道に関連するとみている。
同氏が勤める現地メディアCentral de Noticiasは、「この襲撃は単なる事件ではなく、報道の自由と公共の安全に対する重大な侵害である」と声明を発表している。
SNSでは、飼い主の命を救ったマンチスに対し「真のヒーローだ。もし爆発していたら、飼い主も巻き込まれていた」「なんて素敵な愛犬。喉が早くよくなりますように」「導火線を抜くことを知っていたのがすごい……。信じられない」など、さまざまな反応が寄せられている。