2025年1月、米サウスウエスト航空のパイロットが、酒気帯び操縦の疑いで起訴された事件で、地元警察がアルコール検査を行う映像を新たに公開した。複数の現地メディアが報じている。
映像は今年1月15日、ジョージア州サバンナ/ヒルトンヘッド国際空港で撮影された。イリノイ州シカゴ行きの離陸前の機内から、操縦士のデビッド・オルソップ被告(53)が降りてくる。
米ABCテレビによれば、被告が酒で酔っているように見えると、空港の保安職員から通報があったという。乗客はすでに機内への搭乗を済ませたあとだった。
2人の警官に「最後に飲酒したのはいつか?」「何杯飲んだのか?」と質問され、「昨夜です」「ビール数杯です」と回答を濁す被告。再度尋ねられ「10時間前です」「3杯くらいです」と言い直す様子が映っている。
警官が、その場で抜き打ちのアルコール検査を要求すると、被告は「その必要はない」と拒否。「アルコールのにおいがする」と警官が問い詰めると、被告は口に含んでいたニコチンパウチを吐き出し、これがにおいの原因だと主張していた。
その後、検査に同意した被告。動くペンを目だけで追う検査では、頭まで動いてしまい、その場で1直線に歩く検査ではふらつきが認められた。「被告の目は充血し、涙目で、顔は赤らめていた」と警官が報告書に記したとも、米NBCテレビは報じている。

詳細な検査をするため、警官が血液検査を要求したが、被告はこれを拒否。空港の外に連行された。英インデペンデント紙によれば、被告は同日、酒気帯び操縦の容疑で逮捕、起訴された。なお航空会社は声明で、被告を解雇したと発表した。
一方で、被告の弁護人デビッド・チャイケン氏は、被告が酔っていた証拠はないと反論。映像を分析した専門家の言葉を借り、「逮捕に至った検査は適切な方法ではなく、手順を遵守していなかった」と主張した。
SNSには、「安全第一ですね」「アルコール検知器で測れば飲酒しているかどうかすぐにわかったはず」「じゃあなぜ彼は客観性のある血液検査を拒否したのか」「空港の職員が声を上げてくれてよかった」など、さまざまな声が上がっている。