精巧に作られたジオラマの街中に突如として黒い球体が出現!?
まるでSFのような写真がXに投稿されて話題です。

さまざまな分野で使う立体模型を手掛ける大阪府大阪市の会社「西日本模型」の公式Xアカウント(@NishiNihonMokei)が、8月18日にXを更新。
「ピンポン球に超低反射塗料を塗って、ジオラマに置いてみたり」とコメントが添えられた2枚の写真に、13万件を超える“いいね”などの注目が集まりました。
SF風味の写真に多くの作品を連想する声!
どこか異質な雰囲気を持つ写真に、
💬「AKIRAすぎる」
💬「SCP-280-JP “縮小する時空間異常”に見えなくもない」
💬「スマブラXの亜空間……七夕の国のディメンジョンボール……あるいは」
など、さまざまな作品名を連想する声が……。また、ほかにも
💬「ただ半球の黒いピンポン玉を置いただけなのに、SFの世界に一変しますね」
💬「すごく、SFの導入だなぁ。好き」
と不思議な世界に魅了される声が寄せられました。
BuzzFeed Japan編集部では、ジオラマを制作した「西日本模型」の担当者にお話を伺いました!
――どういった経緯で、超低反射塗料を使用したピンポン玉をジオラマに置いて撮影しようと思いついたのでしょうか。
「今回の投稿は、以前作ったジオラマを何か面白く再活用できないかと考えていました」
「大好きな劇場用アニメ『AKIRA』のワンシーンのような超常現象を再現できるのではないかと、さらにいかに単純にできるか考えてみた結果です」
――実際に撮影された写真の感想について、教えてください。
「黒色無双という超低反射塗料は想像以上に真っ黒で、写真のように日なたで撮影しても暗黒、まるで空間に穴が開いたような不気味な異質さが撮れて満足しています」
――今回使われたジオラマはどういったものなのでしょうか。
「このジオラマは、私個人がSF映画『DISTRICT 9』(編注:邦題は『第9地区』)に登場する巨大宇宙船(模型寸法直径約300mm)を制作した際、その地上ベースとして制作したものです」
――壮大なジオラマを作るのにあたって、苦労した点や工夫したポイントなどありましたら教えてください。
「GoogleMapを下絵にCADで道路や線路等の線を一本ずつなぞってデータ化し、レーザー加工機でアクリル板に彫刻、切削して制作した物です。設計から制作、塗装まで全て私一人で制作しています」
「実物で長さ約4mの乗用車が模型では0.5mmとなり、アクリル製の車を20色以上に塗り分け、約6,000台を接着しています」
――多くのアニメや漫画、ゲーム作品を連想する声が反響として届きましたが、印象的だったものはありますか。
「前述の通り、私はAKIRAをイメージしていたのですが、多くの方に非常に幅広いものを想起させたようで、全く私が気づかなかったものもあり、コメントを見ていてとても楽しかったです」
「一つ一つのコメントに返信することはできなかったのですが、知らなかった事象は丹念に調べて『なるほど…』と唸っておりました」
――最後に「西日本模型」の会社について、建築・産業模型製作業に携わる気持ちを教えていただけますか?
「弊社が携わる建築・産業模型製作業は、一般には広く知られてはいませんが、実は非常に魅力的な仕事です」
「ただ実際にこの仕事に携わり、SNSで発信していると、『こんな面白そうな仕事があるとは知らなかった』『もっと早く知っていれば人生が変わっていたかもしれない』といった声をよくいただきます」
「私自身もプラモデル制作が大好きですので、その気持ちはよく分かります。だからこそ、今回のポストや弊社が日常的に発信している内容を通じて、一人でも多くの方に『建築・産業模型』という職種の存在や、その仕事の面白さ・価値を知っていただければと考えています」
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お聞きした内容を全部は載せきれないのですが、ジオラマの制作には「街のジオラマに1年、巨大宇宙船に1年」と長い期間がかかったのだとか。
今回のジオラマは5年前に完成したものですが、ほかのジオラマと合わせて西日本模型のショールームに展示されているとのこと。営業時間内であれば、誰でも自由に見学できるそうです。