大切に扱い続ければ、物も思いに応えてくれるのかも……。
20年以上使い続けて、ついに壊れてしまったシャープペンの投稿が話題です。

小説家の「辻堂ゆめ」さん(@YumeTsujido)が7月26日にXに投稿した、ある文房具の写真と、それにまつわる家族のエピソードが、21万を超える”いいね”を集める話題となっています。
辻堂さんが「30歳の弟から、『ついに壊れた』と突然写真が送られてきた」というコメントとともに投稿した写真には、使い古されたシャープペンが写っています。クリップは折れ、先端のグリップ部分もコーティングが剥がれ、かなり年季を感じる見た目です。
このシャープペンについて、辻堂さんは「これは…? と思ったら、『お姉ちゃんから小3のときに誕生日プレゼントにもらったシャーペン』とのこと。なんと……!」と明かしています。なんと弟さんは、辻堂さんからもらったシャーペンを20年以上も使い続けていたのです……!
ちなみにこちらのシャーペンは「PILOTのSPARKという製品」とのことですが、残念ながら現在では廃盤となった商品のよう。
辻堂さんの投稿にPILOTの公式アカウントも「小学生の頃から長い間使われていたとのこと、心が温まります」などと反応して長年の利用に感謝を表明。辻堂さんも公式からの反応に驚きながら以下のように返答しています。
「なんとPILOT公式さんからコメントが……!」
「こちらこそ、弟の学生生活(やその後)を長い間支えてくださりありがとうございました!」
「壊れてしまったのは残念ですが、とてもいい思い出になりました」
シャープペンに込められた思いに共感の声!
辻堂さんの元ポストを見た人からは
💬「かなり大切に使ってきたのでしょうね」
💬「このタイプ懐かしい!」
💬「凄すぎる、エモい…泣ける」
💬「小3ってシャープペンシルにめちゃくちゃ憧れるお年頃。お姉ちゃんに貰って嬉しかったんだろうな〜」
💬「大事にしてくれてたのめちゃくちゃ嬉しいですね、これ!」
など長年のあいだ大切に扱われてきたことを察し、共感する声が寄せられました。
BuzzFeed Japan編集部は、辻堂ゆめさんにお話を聞きました!
――弟さんにシャーペンを贈った当時の経緯を教えてください。
「弟が言うには、『振って出るシャーペンが当時流行っていたのに、親がなかなか買ってくれなかったところ、お姉ちゃんが誕生日に買ってくれた。嬉しかった誕プレランキング上位に入る品だった』とのことです」
「同じ子どもの立場だからこそ、弟が心の底からシャーペンを欲しがっていることが分かり、プレゼントすることを決めたのだと思います」
「300円ほどと、小学生のお財布にも優しい商品でもありました。この出来事をきっかけに、きょうだい間での誕生日プレゼント交換が習慣化しました」
――写真をXに投稿しようと思った理由と、弟さんが長年シャーペンを使い続けていたことを知った時の感想を教えてください。
「とにかく嬉しかったからです。一緒に住んでいた学生時代に、弟がこのシャーペンを愛用していた記憶はもちろんあったのですが、そこからさらに10年以上も現役で使ってくれていたとは感動もひとしおでした」
「しかも壊れたことを律儀に報告してくれるなんて、と」
――写真と同じ種類のシャープペンシルを、ご自身でも使われたことはあるのでしょうか。
「まったく同じ商品は持っていませんでした。ただ、姉の私も、振ると芯が出るタイプのシャーペンは愛用していました」
――弟さんとは普段からよくやり取りされているのでしょうか。きょうだい仲を感じるエピソードなどもあれば伺いたいです
「弟は大学入学と同時に一人暮らしを始めたので、それ以降は離れて暮らしています」
「今はそれぞれ家庭があり、時たま配偶者や子どもを交えて交流しています」
「といっても、1年ほど前に弟夫婦が私の家の近くに引っ越してきたので、今は徒歩5分の距離に住んでいます」
「『通勤にも実家に遊びにいくのにも便利ないい場所だよ』と自分の住んでいる地域をおすすめしたのですが、姉の助言を素直に受け止めてくれるなんていい弟だなぁ、と改めて思いました」
「もう1人弟がいるのですが、きょうだい3人のライングループや、両親を入れた5人のグループもあり、よく皆が近況を投稿しますね」
・・・・・
長年愛用し続けたシャープペンは壊れてしまっても、お互いの心の深いところには思い出として残っているようです。
小説家として活躍している辻堂ゆめさん。7月29日に『君といた日の続き』(新潮文庫)の文庫版が、8月8日に『今日未明』(徳間書店)が、発売されるとのことです。