格安ショッピングサイトの「SHEIN」で掲載されたある画像。PRのための広告画像だが、その商品よりも起用された“モデル”に注目が集まっている。
花柄のシャツに身を包み笑顔を見せるこの男は、2024年12月に起きた殺人事件のルイジ・マンジョーネ被告。
マンジョーネ被告は、アメリカの大手保険会社であるユナイテッドヘルスケアの最高経営責任者(CEO)、ブライアン・トンプソン氏を銃撃して殺害した容疑で逮捕、起訴された。
現在、ニューヨークのメトロポリタン拘置所に勾留され判決を待っている。

広告画像が問題視されてから、SHEINはサイト上から当該の画像を削除したと報じられた。
ABCニュースへの声明で同社は「問題の画像は第三者のベンダーから提供されたもので、発見後直ちに削除した」と述べている。
「サイト上のすべての出品物に対して厳格な基準を設けている」
「徹底的な調査を実施し、監視プロセスを強化するとともに、当社のポリシーに基づき当該出品者に対して適切な措置を講じる」

当該の画像はAIによって生成されたのでは、という指摘も。
画像の生成について詳細は明らかになっていないが、マンジョーネ被告が勾留中であることから本人の写真である可能性は低く、AIを使って生成されたものであるという見方が強い。
BBCがAmazon Rekognitionという顔認識ツールを使って検証を行った結果、「広告の画像とマンジョーネ本人の写真に99.9%の類似度を確認した」と報じている。
この一件に、SNSからはさまざまな意見が寄せられた。
マンジョーネ被告や事件をめぐる騒動に加え、今回の騒動が裁判に支障をきたすのではと懸念する声もある。
あるユーザーは「この時点でどうやってこの男に公平な裁判を受けさせられるんだ」とXに書き込んだ。
また、マンジョーネ被告が勾留中の身であることから「許可なく、しかも勾留中の人の肖像を使うのが、本当にそんなに面白いのか疑問だ」という声も。
さらに「早急にAIの規制法を制定すべき」という訴えに対し「フェアユース以外で、許可なしでの個人の肖像の商業利用はすでに違法だ」「SHEINの拠点はシンガポールにあり、アメリカの法律を回避している」など法律に関する議論も起こった。
「なんておかしな時代に生きているんだろう」と、複雑化する一連の出来事に対する率直な感想も見られた。
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:岡崎駿佑