米ミシガン州の市議会議員に、不正投票の疑いがかけられている。路上に設置された投票箱に大量の投票用紙を投函し、不正に票を水増しした可能性がある。動画が公開された数日後、市議は再選を果たした。疑惑の映像が拡散されている。
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票の水増しを疑われているのは、同州ハムトラムクの市議会議員アブ・ムサ氏。地元テレビ局WDIVの映像によれば、同氏を乗せたとみられる車が、路上に設置された投票箱にピタリとつけるように停車した。
画面奥の助手席に座る男性がムサ氏とみられ、運転席の男性に大量の紙束を手渡している。運転手はその紙束を投票箱に投函。数回に分けて押し込む様子を、防犯カメラがとらえている。
さらに別の映像には、暗い時間に1台の車が投票箱のすぐそばに停車。乗っていた2人組が車から降り、投票箱の近くで不審な動きをしている。ときおり車内のライトで照らされる後部座席には、ムサ氏と思われる人物が乗っていた。
映像は8月初旬に公開された。2023年、詐欺投票で起訴されたハムトラムク市議会議員2人の公判の翌日だった。同年の調査では、不審なほど筆跡が似た不在者投票の用紙が大量の束で投票されていることが発覚している。
ムサ氏も調査対象に含まれていたが、起訴には至らなかった。そんななか、今回の映像で疑惑が再燃。同氏には市内の居住実態がないという別の疑いも浮上し、当局が現在調査を進めている。

SNSでは、「到底許されない行為」「選挙の公正性は重要だ。不正行為はきちんと調査されるべき」「彼はどこから大量の投票用紙を手に入れたのか?」「こうなるなら、もう郵便投票はやめたほうがいい」など、さまざまな声が上がっている。
地元テレビ局WXYZ-TVに出演した、オークランド郡選挙管理官のリサ・ブラウン氏によれば、同州では複数の投票用紙を代理で投じることは認められているものの、その対象は投票者の世帯の構成員、または近親者までに限られているという。
ムサ氏は映像が公開された数日後の8月5日、1129票を獲得し、11人を破って再選していた。同氏はコメントを出していない。