米アパレルブランド「アメリカン・イーグル」が、2025年秋のキャンペーンを実施。その広告キャッチコピーが物議をかもしている。
アメリカン・イーグルは、ドラマ『ユーフォリア』や『ホワイト・ロータス』のシドニー・スウィーニーを広告塔として起用。
「Sydney Sweeney has great jeans(=シドニー・スウィーニーは素晴らしいジーンズを持っている)」というキャッチコピーで、広告を展開している。
これは「 jeans(=ジーンズ)」と「genes(=遺伝子)」の発音が同じであることを利用した言葉遊び。
「Sydney Sweeney has great genes(=シドニー・スウィーニーは優れた遺伝子を持っている)」とも読めることから、キャッチコピーは物議をかもした。
広告をめぐり、アメリカン・イーグルの公式SNSには批判が相次いだ。
衣服の広告において、シドニーの身体が過度に性的に描かれている点を指摘する声も多い。
さらに問題視されたのが「great genes(=優れた遺伝子)」という表現だ。
あるユーザーは、白人で金髪・青い目のシドニーをモデルに起用し、「私は良いジーンズ(=良い遺伝子)」と繰り返し伝えるこの広告のメッセージに、不快感を示した。
💬「金髪で青い目の白人女性が『良いジーンズ(=良い遺伝子)』と何度も繰り返すなんて、今の時代には警戒すべきサインだ」
「しかも『ジーンズ(遺伝子)は親から子に受け継がれる』と説明までしてる。このCMは意図的だ」
「『そんなに深読みすることじゃない』って言われるかもしれないけど、いや、深いんだよ。だからこそメディアリテラシーが重要だ」

一方で、このキャンペーンに寄せられた批判に対して、「行き過ぎた指摘ではないか」と疑問を投げかける声もある。
💬「うまく伝わるかわからないけれど、『シドニー・スウィーニーって可愛いよね』というだけの、ダジャレが入ったジーンズの広告だと思う。それを『白人至上主義の隠れたプロパガンダ』だと思うなら、スマホを置いて休んだほうがいいよ」
アメリカのファッションブランド「カルバン・クライン」が、1980年に発表したジーンズの広告と比較する声も寄せられた。
当時、俳優ブルック・シールズが「人生の秘密は遺伝子コードの中に隠されている。遺伝子は個人の特性を決定づけ、それを次の世代に受け継ぐうえで基礎となるもの」と語っていた。
どちらの広告も横たわりながらジーンズを履くシーンから始まっており、オマージュを指摘する声もある。
公開された当時、シールズ氏はまだ15歳だったこともあり、この広告も物議をかもした。
特に問題となった「私とカルバン(のジーンズ)の間に何があるか知りたい?何もないわ」というセリフに込められた性的なニュアンスについては、シールズ氏本人が「当時はウブだった」と振り返っている。

アメリカンイーグルのプレスリリースによると、今回のキャンペーンで発売される「The Sydney Jean」を購入すると、その売り上げが家庭内暴力の被害者支援団体に寄付されるという。
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:岡崎駿佑