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少し前のbooks&appsで、桃野泰徳さんが「娯楽も遊びも休息も、仕事の一部」という記事を書いてらしたのを覚えているだろうか。 私はよく覚えている。なぜなら働いていくうえでとても重要な考えだと思うからだ。 機械にメンテナンスが必要なのと同じく、人間には娯楽や遊びや休息が、つまり桃野さんの記事でいう「戦力回復」のフェーズが必要になる。それを怠っていれば仕事能力は次第に低下し、ときには健康を損ねてしまうかもしれない。 だからマトモな組織や指揮官は「戦力回復」に十分な注意を払い、メンバーの福利厚生に努める。2004~2006年の陸上自衛隊イラク派遣に際し、厚生センターが現地に設営されたのもそのためだと桃野さんは書いてらっしゃる。 牟田口廉也のインパール作戦 ところが戦史を振り返ると、その「戦力回復」に注意を払っていないリーダーや指揮官が案外いたりする。太平洋戦争における旧日本軍は全体的にそうだ
「グエー死んだンゴ」ニキ 少しまえに「グエー死んだンゴ」ニキが話題になった。末期がんで闘病を続けていた人が亡くなったあと、Xに予約投稿であろう「グエー死んだンゴ」という一文がポストされたのだ。 それに対して、ネット民たちは「成仏してクレメンス」と応えた。自分の本当の死をネットスラングにしてみせる姿は、まさしくインターネットの人だった。 話はそれだけでは終わらなかった。新聞の訃報欄で事実が確認され、亡くなった人がまだ22歳の大学生であったこと、希少がんであったことなどがわかったのだ。 だれかのポストをきっかけに、「香典」として国立がん研究センターなど、がん対策の研究機関などに寄付が相次いだ。 そこには、なにかインターネットのよいところが現れているようにも見えた。 誹謗中傷や分断煽り、儲け主義がはびこる中で、ひさびさに見たヌクモリティだ、泣き笑いのある話だ。AIにはできないことだ。人の死は人に
つい先日、Amazonがリストラを始めたと報道があった。 Amazon、約1万4000人の削減を発表 AI時代に対応すべく組織再編で 米Amazonは10月28日(現地時間)、約1万4000人の従業員を削減すると発表した。この削減は、同社のコーポレート部門全体に影響を与える見込みだ。その内容は従業員に向けて共有したメッセージの中で詳細が明らかにされており、組織全体にわたる組織変更の一環として行われる。(ITmedia) 別に驚くには当たらない。 最近では、企業は黒字でもリストラを敢行する。 もちろん、米国企業だけではなく、世界各国で同様の動きがあり、日本企業も例外ではない。 例えば明治、ブリジストン、パナソニック、第一生命、三菱電機…… 少し調べただけでも、本当に多くの企業が、社員を希望退職という名の解雇をしている。 まあ本当のところ、大手企業には「いてもいなくても良い人」が大量に存在して
先日、高市総理を映すニュース動画を観ていて、とても驚くことがあった。 総理就任後、外交デビューとなるASEAN首脳会議に向かう時のこと。 政府専用機に乗り込む高市氏は、タラップを昇ったところで足を止め、敬礼で出迎える航空自衛官に答礼を返した。地上のカメラに向かって手を振るよりも前にだ。 さらに機内で待ち受ける、おそらく接遇役であろう空曹(現場の中核となる自衛官)の女性、接遇の責任者であろう空将補にも頭を下げ、機内に消えていった。 「何だそんなの、人として当たり前じゃないか」 そう思われるだろうか。その通りであり、こんなことは人として当たり前のことだ。 自衛隊の最高指揮官として、軍人から敬礼を受けたなら指揮官は答礼を返す。当然のことである。 しかし実は政府専用機に乗り込む時、平成・令和の総理の多く、おそらくほぼ全員が、敬礼で待ち受ける航空自衛官を一瞥もせず機内に入るのが普通だった。 唯一、故
今更ながら映画の国宝をみた。 序盤は正直退屈だったが、中盤以降は予想を超える展開がどんどん続いていき、目が釘付けになってしまった。 この映画で最も印象的だったのが、人間国宝である万菊さんだ。彼のセリフは、一つ一つが実に重い。 例えば最初の登場シーンで主人公・喜久雄に言うセリフが凄い。 「喜久雄さんでしたっけ?ちょっと」 「ほんと、きれいなお顔だこと」 「でも、あれですよ、役者になるんだったら、そのお顔は邪魔も邪魔。いつか、そのお顔に自分が食われちまいますからね」 である。 最初にこのセリフを聞いた時には、あまりにも何をいいたいのかがサッパリわからず、当惑した。 「顔に自分が食われる?いったい何を言ってるんだ?」と、ずっと引っかかりを覚えていた。 しかし最後のシーンで、主人公の顔が実に深みを増し、インタビューでは言葉は少ないものの、顔で明らかに言葉以上のものを語るシーンをみてから、やっと「あ
今日はまず、以下の文章を読んでみていただきたい。 (高市)首相は会談で、両国が今年、国交正常化60周年の節目を迎えたことを踏まえ、「日韓関係を未来志向で安定的に発展させていくことが両国にとって有益だ」と述べた。「今の戦略環境のもと、日韓や日米韓の連携の重要性は一層増している」とも強調し、「シャトル外交」の活用に意欲を示した。 一方、李氏も「日韓両国はいつにも増して未来志向の協力を強化していかなければならない」と語った。 これは、10月30日のyahooニュースに記載されていた、日韓首脳会談のやりとりを報じたものだ。上掲引用文には、どんなことが書いてあるだろうか? もし、この文章を読んで「日本と韓国は仲良くなった」と読みとった人がいたら、「それは違うんじゃないの?」と私なら指摘したくなる。 確かに両首脳はこれからの日韓関係についてポジティブな発言をしているし、日韓関係の重要性にも言及している
皆さん、「タスクが遅れている時」の対処法って、いくつくらいお持ちですか? この記事で書きたいのは、大体以下のようなことです。 ・昔、「タスク遅れ解決のための手札をどれだけ持っているかがマネージャーの価値」と教わりました ・タスク遅れは必ず発生するものですし、必ず対処しなくてはいけません ・タスク遅れの解決方法は色々ありますが、ざっくり分類すると「人的リソースでなんとかする」「調整でなんとかする」「プロセスをなんとかする」の三つになります ・ただし、タスク遅れに対してどんな手を打てるかは組織次第、状況次第で変わります ・「タスク遅れ解決のための手札」をなるべく増やすように、普段から立ち回りを意識するのが良いような気がします よろしくお願いします。 さて、書きたいことは最初に全部書いてしまったので、後はざっくばらんにいきましょう。 前から何度か書いていますが、しんざきはシステム開発の会社で管理
これまでのあらすじ 軽い血便が一回あって、「40歳半ばになるのに一回も胃カメラも大腸内視鏡もやったことないな」というお気楽な気持ちで検査。結果、大腸にやや大きめのポリープが一個あり、生検検査送りになったところ、「癌疑い」の結果。すぐに市大病院送りに。 中年の異常な執念、あるいは私は如何にして大腸内視鏡検査を受けるようになったか お気軽に大腸内視鏡検査受けたら癌疑いの診断が出た話 希少がんがほぼ確定して地獄のなかにいる 市大病院であれこれの検査をしたところ、NET(神経内分泌腫瘍)ではないかということになった。 ほぼ、そうなった。NETは「希少がん」(国立がん研究センター希少がんセンターではそう分類している。「人口10万人あたり6例未満」らしい)の一つで、希少ながんだ。 希少だからといって即悪性度が強いわけではない。とはいえ、ふつうのがんと同じように悪性度が低い場合もあれば、高い場合もある。
「無知の知」という言葉がある。 古代ギリシャの哲学者、ソクラテスの言葉と言われているが、「自分が知らないことについては、そのまま、知らないと思っている」という意味だ。 「あの人よりも私の方が知恵があるなあ。たしかに私もあの人もたぶん善美の事柄については何ひとつ知らない。だけど、あの人が知らないのに自分は何か知っていると思っているのに対して、私は自分が知らないのをそのとおりに知らないと思っているんだから。どうやら、自分が知らないことを知らないと思っているというほんの小さな点で、私はあの人よりも知恵があるらしい」 ソクラテスの弁明 叢書ムーセイオン これは、人間にかかわる洞察の中で、最も普遍的、かつ本質的なものの一つだろう。 この対局にあるのが「私だけがわかっている」「私に反対する人間はみんなバカ」「私は間違わない」という主張である。 そしてこれは、愚か者の象徴ともいうべき発言だ。 実際、仕事
私のウォッチャーライフも、そろそろ終わりが近いのかもしれない。 少し前に、元人気ブロガーの立花岳志さんが、生活保護を受けるに至るまでの経緯を語ったインタビュー記事が東洋経済オンラインに掲載され、話題になっていた。 「年収5500万円から生活保護へ」元人気ブロガーが”どん底”で見た景色 2011年3月、立花さんは会社を辞め、プロブロガーとして独立した。 わずか1年で『ノマドワーカーという生き方』を刊行し、独立から7年で年収は5500万円。赤いアルファロメオ、六本木の144平米の自宅、鎌倉を含む4拠点の多拠点生活――成功の速度は速かった。 「好きなことで生きていく」「ブログで飯を食う」。そんな時代の象徴のような人物が、社会のセーフティーネットに助けを求めることになった。 そのニュースに、驚きを覚えた人が多かったようだ。 元プロブロガーと言えばイケハヤくらいしか思いつかないので、私は立花さんにつ
今日は、オフラインでは何人かにお話したことがあったけれども文章化するチャンスが無かったことを、オンラインの読者の方にも伝えたくなったのでまとめてみます。 アイデンティティには他者が必要。しかし趣味は例外たりえる いわゆる「何者かになりたい」問題などもそうですが、現代社会を生きる私たちは自分にふさわしいと思えるアイデンティティを求めがちです。 なぜなら、そうした自分自身を規定してくれる構成要素がなければ、たちまち心理的カオナシになってしまうからです。 では、心理的カオナシである私達にふさわしいカオとは? そのカオのパーツに相当するのがアイデンティティです。 アイデンティティの主な構成要素は、私の仕事・私の家族・私の友達といった自分に関わりがあり、かつ、自分自身を他人とをアイデンティファイしてくれる諸々になるでしょう。 前近代社会では、そうしたアイデンティティの大半は生まれながらのものによって
希少がんらしいです 「たいしたことないだろう」と思いながら、お気楽に大腸内視鏡検査を受けたら、がん疑いの結果が出た。 お気軽に大腸内視鏡検査受けたら癌疑いの診断が出た話 上の記事は、市大病院に行くことになった、というところで終わっている。 つづきを書きたい。 なお、最初に断っておくが、おれは自分のがん(今回の記事から「癌」ではなく、より広い範囲を示す「がん」という言葉を使う)についていろいろと調べたが、そのソースへのリンクは貼らない。 用語などについても自分の言葉でいちいち説明することはできるだけしない。 あくまで自分は一患者の素人であり、下手に書いて誤解が広がるのはよくない。いや、おおいに誤解しているのに違いないし、間違った思い込みを書くのだから、あえてリンク先を巻き込むようなことはしたくない。 あくまで、がんに巻き込まれた一人の患者の気持ちを書く。それ以上の情報は、自分で検索して、調べ
先月末、私は幕張メッセで開催された東京ゲームショウを見てきました。この文章は、そこで見てきたゲームショウやゲーム産業を舞台裏から支えている諸活動についてのものです。 豪華絢爛! 東京ゲームショウ2025 その前に、一人のゲームプレイヤーとしての私が見た東京ゲームショウの景色も少し紹介します。 「遊びきれない、無限の遊び場」をテーマにした東京ゲームショウ2025は、47の国と地域から1136の企業・団体が参加する一大イベント。プレスリリースによれば、今年は26万人超が訪れたといいます。コンピュータゲーム(以下ゲーム)が好きで40年以上遊び続けてきた私としては、いつかは訪れてみたいイベントのひとつでした。 ついに東京ゲームショウの会場に着いたぞ! 驚いたのは、人、人、人、人、の大洪水だったこと。体感人口密度は文学フリマよりずっと上、コミックマーケットとそんなに変わらない程度ではないでしょうか。
この記事で書きたいことは、以下のようなことです。 ・今年の劇場版ドラえもん、「のび太の絵世界物語」が大変面白く、素晴らしい一作でした ・私が劇場版ドラえもんに期待することの95%くらいは網羅されていました ・ひみつ道具のチョイスといい、伏線の埋め方と回収の仕方といい、さりげない科学や歴史の知識といい、「ザ・劇場版ドラえもん」という感じでした ・制作者さんのドラえもんへの熱量と解像度の高さがうかがえます ・あとヒロインのクレアが、恐らくドラえもんの全シリーズを見渡しても非常に稀少である「老人語を使う幼女」、いわゆるのじゃロリのキャラで極めてかわいいです ・唯一、本当に唯一残念な点は悪役の描写と行動の浅さ ・全体的に見れば極めてハイレベルな映画ドラえもんだったので皆さん観てください 以上です。よろしくお願いいたします。 さて、書きたいことは最初に全部書いてしまったので、あとはざっくばらんにいき
チョコレートプラネット松尾の炎上 少し前にお笑い芸人チョコレートプラネットの松尾の発言が炎上した。 ネット上の誹謗中傷を批判する文脈で、 「芸能人とかアスリートとか以外、SNSをやるなって」 「素人がなに発信してんだ」 と言ってのけたのだ。しかも、ネットの動画配信で。 これに対してかなり批判が巻き起こった。 「芸能人とかアスリート」以外を「素人」とする価値観。あるいはSNSという場についての理解のなさ。 決して、受け取り手の誤解が多かったとか、切り抜きで情報が独り歩きしたというわけでもない。おこるべくしておきた炎上だったと思う。 もちろん、反応の中には誹謗中傷にあたるような言葉を使う人もいたかもしれない。それはそうだろうが、しかし、多くの人の表明した不快感は、真っ当な不快感の範疇であったように見えた。 結果、チョコレートプラネットは謝罪動画を配信した。謝罪のなかでも「誤解」、「切り取り」と
ひねくれ者のせいか、私は昔から、ドキュメンタリー映画やそれ系の物語が、全く好きになれない。 例えば、人気バラエティ『月曜から夜ふかし』でおなじみのフェフ姉さん。 自堕落だった彼女が心を入れ替え、キックボクサーを目指し過酷な練習を重ね、プロテストのリングに上がるお話だ。 必然的に視聴者は、彼女が対戦相手をKOし見事プロデビューを果たして欲しいと願う。 少なくとも、そう誘導する構成になっている。 だがこれは、どう考えてもアンフェアだ。 フェフ姉さんに勝って欲しいと願うことは、すなわち対戦相手の負けを願うことを意味する。 しかし対戦相手にだってフェフ姉さんと同様に、人生やキックボクシングに賭ける熱い想いがあるだろう。 デビューへの想いやこれまでの努力などの情報が偏る中、一方的なドキュメンタリーに感情移入し相手選手の負けや悲しみを願うことなど、できるわけがない。 その延長なのだろうか。 最近の高校
この記事で書きたいことは、大体以下のようなことです。 ・娘が、「黒板をノートにまとめるのは無駄」という動画を見て「これホント?」と聞いてきました ・「板書にも色んなやり方があるし、向き不向きもメリットデメリットもあるけれど、極論で否定してる動画は鵜呑みにしない方がいいと思う」と答えました ・書き写すことだけが目的化したノートは不効率かも知れませんが、「視覚で受け取ったものを手で書き写す」だけでも一定の効果はあります ・もちろん、板書のやり方によってはより効率的に学習に活かすことができます ・ただし、人によって向き不向きが大きいところなので、色んなやり方を自分で試行錯誤して、自分なりのセオリーを確立していくべきです ・勉強法に限らず、セオリーや常識を否定して「〇〇はやっても無駄」「××してはいけない」と極論で否定して「気付き」を誘導する言説は受けやすく、作られやすいです ・どんな動画も疑って
どの企業にも、必ず何名かは「人格に問題のあるビジネスパーソン」が存在していた。 人格に問題があるのなら、干されたり、追い出されたりするのだろう、と想像する方もいるだろうが、実はそうでもない。 彼らは様々な理由で存在を許されており、例えば、 ・経営陣である ・カネを稼げる ・上には従順である ・解雇規制の観点から追い出せない といった理由から、企業の中に生息している。 とはいえ、弊害も大きく、他の社員はいい迷惑をしており、 「そういう連中と共存するにはどうしたらよいのか」 という悩みを日々抱えながら、働くことになる。 プロジェクトに入ってくる「問題児」 当然、コンサルティング会社も、プロジェクトに配置されているこのような人物を問題視していた。 というのも、「人格に問題がある人」が一人入ってくるだけでも、会議を妨害されたり、スケジュールに遅れが生じたり、他のメンバーの作業に支障が出るからだ。
承前。(中年の異常な執念、あるいは私は如何にして大腸内視鏡検査を受けるようになったか) おれは2か月前に、「こんど大腸内視鏡検査を受けるよー!」という記事を書いた。「―!」というくらいにお気軽な雰囲気だ。 検査そのものや、検査前の食事制限について興味津々という感じ。ぜったいに大きな病気にかかっていないという気持ちで書いているのが自分でもわかる。それが、どうなったのか? 食事制限4日間 木曜日からの4日間の食事制限。きちんとカレンダーに書き込んでおいた。 なにを食べていいのか、食べてはいけないのか。医者でもらった案内以外にも、ネットでいろいろ読んでみた。 いろいろなクリニックが、それぞれに情報発信をしている。情報量は多い。基本的には消化に良いものを食べろ。ただし、食物繊維は禁忌だ。野菜はダメだ。 いろいろ考えて、おれが選んだのは冷凍うどん、コンビニのサラダチキン、たまご、豆腐。これである。
AI時代のライティング活用と言えば…、なんつって、そんなカッコイイこと言ってみてぇな。 「ユキさん、AI使ってますか?」 と聞かれて、 「ええ、もちろん使ってますよ。毎日使い倒してます。GeminiもCopilotも使いますけど、メインはChatGPTですね」 「へぇ。どんな使い方をしているんですか?」 「そうですね。企画のアイデア出しや記事の下書き、コードの自動生成に──」 なんつって、そんなカッコイイこと言ってみてぇよ。 私は現在、会社勤めをしていて、日々の業務にはAIを使っている。使い倒している。特にChatGPTにはめちゃくちゃ依存している。使えないと業務が回らないので課金している。 主に何をするために使っているかというと ──私はChatGPTを、社長の言葉を翻訳させるために使っている。 のである。なぜなら、社長からメールで飛んでくる指示文は、日本語なのに意味が分からないからだ。
このところお金のことばかり考えている もうすぐ50代に入っていくというのに、「不惑」どころかお金のことばかり考えている。 まず子育てにまだまだお金がかかる。 大きくなってきたらマシになるのかと思っていたら、当たり前だが、むしろもっとかかるようになってきた。 子どもが小さいときにはお金と時間の両方がかかり、大きくなるとそれに加えてさらにお金が必要になる。 仕事については、お金のことしか考えていない。 どれだけ良い仕事をしようが、どれだけ画期的な取り組みをしようが、結局いくら儲かるのかという話にしかならない。 今年中にいくら儲かるのか、来年にはどうなるのか、3年後はどうなっているのか。 そんなことばかり考えている。 飲み会に行っても、若い人も年寄りも、お金の話ばかりだ。 NISAやらiDeCoやら不動産投資やら、ずっとお金の話ばかりで盛り上がっている。 お金に興味のない人生だった ずいぶん恵ま
もう随分と以前のことだが、友人の自衛官と飲んでいる時にこんな質問をしたことがある。 「今度の指揮官、本当に優秀な方だそうですね。きっと幕僚長(自衛隊制服組トップ)まで昇るんでしょうね」 すると相手は二人して、微妙な顔をする。 「確かに優秀な方なんですけど…。頭が良すぎて何言ってんのかよくわからないんですよね」 「優秀すぎて、なんというか…」 言葉を選んでいるが、好意的な意味で言っているわけではないことは明らかだ。 “優秀”“頭が良い”という言葉を、ネガティブな意味で使っている。 (将来、トップに昇るかもしれない優秀な人だと、やはり突き抜けすぎているのだろうか…) 当時はそんなふうに解釈したのだが、違った。 それからずいぶん経った後年、驚くような事件とともに、この時の違和感の本当の意味を理解することになる。 「言われた通りにやりました」 話は変わるが、自衛隊で4万人近い大組織のトップを務めた
今日はロールプレイングゲーム『真・女神転生』について書く。 なぜなら、この作品は1990年代を懐かしむのに適しているのはもちろん、2025年の日本社会や世界情勢を連想しながらプレイするにも、約30年の時代の流れに思いを馳せるにも向いていると感じられたからだ。 はじめに:『真・女神転生』とは 『真・女神転生』は国産ロールプレイングゲームとしては名前の通ったほうだと思う。 本作品は1992年10月にスーパーファミコン版として発売された。 世界じゅうの悪魔や神々を仲魔にしていくゲームシステムを確立したファミコン版『女神転生』や、核戦争後の世界で銃をぶっぱなす『女神転生2』も名作だったが、三作目として発売された『真・女神転生』は、スーパーファミコンらしいグラフィックと凝ったマルチエンディングシステムを備えた新作として登場した。 悪魔や神々を仲間にするアイデアは、ビックリマンチョコの時代からあったか
おれは以前「手取り19万円の栄光の終わりに」という記事を書いた。 親会社的なところから我が社が見捨てられたときのことを書いた。もう、手取り19万円の栄光の日々は終わったのだ、と。 その後、どうなったのか。なんと、同じ会社がまだ続いている。上の記事が2024年の5月なので、それから一年以上は続いている。 その理由の一つには、親会社的な会社が、うちがこしらえた損失である2,000万円くらいを放棄してくれたところにある。これが要求されていたら、そんな金はないので会社は倒産、社長も自己破産していたことだろう。情けをかけてくれたのか、親会社的な会社の社長(上場会社の創業社長)が自らの見る目のなさを認めたのかわからない。 ちなみに、関係が切れたあとも、何ヶ月かその社長は月に一度わが社を訪れ、経営相談をしてくれた。よくわからない関係だ。 しかし、金銭の援助は切れた。いつ潰れてもおかしくない状態だ。それで
この記事で書きたいことは、大体以下のようなことです。 ・長女から、「私が「○○面白い」って話をするとすぐ「それつまんなかった」と被せてくる友達がいてちょっと苦手」という話を聞きました ・人の「面白い」を否定することでマウントをとりたがる人、というのはどこにでもいます ・人の「面白い」「好き」を否定するのは敵を作りやすい論法だから気をつけないとな、と思いました ・ただし、ある作品に「つまらない」という感想を持つことは自由ですし、そこを起点に楽しい議論が盛り上がることもあるので、「つまらない」自体を否定して欲しくもありません ・楽しくて建設的な議論とマウント合戦の線引きはなかなか難しいポイントです ・「議論」と「マウント」の線引きをどこにおくか、あるいはコンテンツの楽しみ方について、子どもたちともちょっとずつ話していきたいなーと思いました 以上です。よろしくお願いします。 さて、書きたいことは
AIの能力向上がいいペースで進んでいる。 ChatGPTが出たのは、2022年11月。 まだ3年も経っていないが、当時の動作と、現在の動作では比較にならないほど、現在のモデルは優れている。 何せ2023年当時は、簡単な『なぞなぞ』にも、正解ができなかったくらいだ。 『頭の文字をとると、池に落ちてしまう野菜は?』 という、小学生向けのなぞなぞにも正解することができなかったChatGPT。 混乱している様子がちょっとかわいいのだが、仕事では使えない。 でも今のGPT-5は、いとも簡単に解いて見せる。 おそらく通常の推論では、すでに多くの人間に勝つだろう。 もちろん、すでに多くの仕事にAIが適用されるようになっている。 役員会における発言の分析、データによる業績予想、操業の最適化、個人の性格特性からの行動予測、心理操作、情報発信。 仕事のあらゆる部分でAIの適用が試みられている。 このままいくと
もう何年も前の話だ。 『クソ、貧乏だー』『仕事する』『仕事する』『仕事する』『お金をもらう』『借金を返す』『金を貯める』『生活が安定する』『周りを助ける』『みんな幸せ』という、妙に勢いのある、動画をネットで見た。 見たことのある人も多いと思うが、妙に残る。 見てない人はぜひ、見てほしい。 これは、『お酒をやめよう』というタイの啓発CMだという。 タイで放映されていた断酒を啓発するCM。2000年代前半に放映されていたらしい。 貧困のストレスを飲酒で解消していた男性が一念発起し断酒。農業に勤しみ金を稼ぎ、借金を返済。その後教育を受け、生活が安定すると家族関係も修復し、幸せな家庭生活を送るようになる。更には人々に教育する立場となり社会の向上に貢献……というサクセスストーリーを通じて断酒することの重要性を説いている。 2015年と2019年頃に極東の島国で再発見され、30秒のCMの中でこのストー
今年の8月はずっと寝てばかりいた。 8月にはお盆の帰省や先祖のお墓参りもある。それらはやってのけたけど、実家ではひたすら横になっていた。私は昼夜を問わず眠り続けた。身体が眠り続けることを許容してくれている、いや、求めているらしく、昼間にどれだけ寝ようとも夜になれば眠りが訪れ、朝もかなり遅い時間まで眠りが持続した。 「人間は寝貯めできない」とはよく言われる。けれども今年の私はあまりにも仕事を積み上げ過ぎ、あまりにも働きすぎていた。 ある土曜の昼、ゴロッと横になって自分が疲れ切っていること、今は迷わず休むべき時であることに気付いた。9月に入っても本調子とは言えないが、疲労に気づけたことも、底抜けに休めたのも私にとって幸運だった。休む、というのは簡単なことのようで、しばしば簡単ではない。 休めない背景はいろいろある 「自分自身を休ませる」ことには、人によって相当な向き不向きがあるように思う。『ド
「みんな平等に緩やかに貧しくなっていけばいい」 一昔前のことだが、社会学者・フェミニストとして知られる上野千鶴子氏のそんなインタビュー記事が大炎上した。 要旨、日本の人口減少は避けられないので、衰退を受け入れ皆が貧乏になればいいというようなお話だ。 その当否はともかくとして、日本、とりわけ団塊の世代やその前後の人たちは特に、こういった発想をする人が多いと言えば、言い過ぎだろうか。 「誰かだけが楽をしたり、幸せになることが許せない」という思想だ。 結果、足を引っ張り合って皆が不幸になり、貧しくなっていく。 警察官が制服姿でコンビニに行くのは許せない。 バスの運転手が勤務中にお茶を飲むとはけしからん。 自分には1mmも関係ないそんなことで腹を立て、「楽をする」ことを許さず無意味な苦行を強いて生産性や効率を阻害する。 結果、皆で不幸になり、貧乏になっていく。 「おい、先輩もまだ働いてるのに、自分
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