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delete-all.hatenablog.com
僕は給食会社の営業部長。当社に納品されている業務用のお米の価格が、先月からキロ800円前後へ値上がりした。それまでは平均400円弱だったので、ほぼ二倍。黒目が消えるかと思った。収益の悪化が予想され、各部署が対応に追われている。「ブランド米」表記でアピールしていた顧客に対しては、夜間にひっそりと「ブレンド米」に変えてしまおうという声が上がっているくらいだ(詐欺)。昨年から今年の春と違うのは、お米自体があること。米不足で需要と供給のバランスが崩れて価格が急騰したという説明はなんだったのか。 当社では、お米がもっとも取扱量の多い食材だ。昨年から続く値上げに対しては、顧客と交渉を進めて、契約を見直して、春から夏にかけての食単価アップという形でカバーしてきた。だが、それ以降の大幅な米の価格の値上げに対して顧客が応じてくれるかは流動的だ。理解のある顧客であれば応じてくれそうだが、今春に続いての二度目の
僕は給食会社の営業部長だ。新規事業の立ち上げなどで、一時的に、他部署の人間を預かって仕事をすることもある。中小企業なので、営業の仕事だけではすまないのだ。今は、営業の業務と並行して、某保養所案件を任されている。そうしたなかで、同僚のスパイ行為に気づいてしまった。 某企業の保養所の管理業務を受託している。スパイ疑惑のある人物は、その保養所を所有している某企業の元担当者のオッサンで、定年退職時に先方から請われて雇用されている。典型的ななんとか下りだ。ポジションは前職の経験とコネを活かしたマネージャー(得意先との折衝と保養所全般のマネジメントを行う)。本名を暴露したいところだが、アーニャ(仮)と呼ぶことにする。 『SPY×FAMILY』Season 3 Vol.1 完全初回数量限定版 [Blu-ray] 江口拓也 Amazon アーニャを通じて、その某企業から、別の保養所の管理業務を紹介された。
僕は給食会社の営業部長だ。某市役所の担当者から電話があった。休業中の市役所食堂についての問い合わせだ。すでに何回か電話で対応したことのある案件だ。これまでは条件が悪く収益が見込めない、と理由を挙げて断っている。今回の問い合わせは、条件を見直したので再度検討してくれないか、というもの。なお、先行して話を持ちかけた2社からはいい返事をもらえなかったそうである。そんなことを最初に言われたら身構えてしまう。身構えていれば死神は来ないものだ。 前回の条件は、市役所内の食堂/営業時間は平日ランチタイム/実績1日平均100食50席/厨房機器と食器什器備品と高熱費は業者負担。もちろん各消耗品も/施設使用料(テナント料)を売上に応じた額を支払う/市役所食堂なので価格は上限750~800円に抑えてほしい/であった。これらの条件で試算したら赤字不可避なので断ったのだ。→関連エントリーお役所プロデュースの採算度外
先週末から体調を崩して休んでいる。営業部長なので完全休養できない。仕事は最低限に抑えている。メール対応と現在営業部で抱えている案件のチェックだけだ。具体的には企画書のチェック。企画書は某食堂コンペの一次審査に提出するものだ。〆切は来週。 ウチの会社は、僕が管理職になれることからわかるように、中小企業であり、営業部の人員もギリギリ。かけられる労力やコストには限界がある。それでも大手を含めた競合他社と戦って新規開発は進めなければならない。厳しい。このような状況を改善する目的でいくつかやり方を変えている。なかでも大きな変更はこれまでお付き合いしてきたデザイナーさんとの仕事のやり方だ。ざっくりいえば、断ったのだ。そしてその仕事を生成AIに任せたのだ。 その第一弾が今回の食堂コンペの企画書。だから体調が悪くても目を通さなければならなかった。企画書には「どのような食堂にするか」わかりやすく提示するため
「夏は股間がかゆくなる」とは某有名股間薬のコマーシャル内で叫ばれているフレーズである。僕の沽券に関わることなのでいわせていただくが、股間がかゆいのは夏季にかぎらないのである。年中。オールシーズンである。筆舌に尽くしがたい股間のかゆみを放置していれば人類は滅亡したかもしれない。しかし、すでに人類の叡智は股間のかゆみを克服している。そのひとつがデリケアエムズである。デリケアエムズには感謝している。デリケアエムズがなかったら、僕の人生は終わっていただろう。自宅でポロンと出してポリポリポリ、往来でスマートにポロンと出してポリポリポリポリ、会社でプレゼン資料とともにポロンと出してポリポリポリ、一日の3分の1くらいの時間はポリリズムで消耗していたのは確実である。また、公衆の面前ポロンによりポリポリポリの前段階でポリスに通報されていた可能性もある。逮捕拘留起訴されていればラスカルに会うこともかなわなかっ
僕は給食会社の営業部長。先日、会社上層部から呼ばれて「現場スタッフ不足をスキマバイトの活用で解決できないか検討してくれ」と言われた。「また思い付きか…」と流していたら「細菌検査(検便)をクリアすれば」とか「秘密保持契約を結べば」などと専門的実務的なことを言い出した。彼らは本気だ。彼らなりに会社のことを考えていた。僕は、「ウチの会社上層部はアホ」という認識が成長しすぎて、まったく仕事をしていないという幻想を心の中に作っていた。この点は反省。すまん。とはいっても、会社上層部には創造性が欠如しているので、スキマバイトを推している業者の営業からの入れ知恵だろう。 給食業界は、人材確保に苦戦している。現場スタッフは社員からパートスタッフまで余裕がない。求人広告を見るかぎりでは、どの給食会社も苦戦しているようだ。特に、休みなく、朝昼夕3食提供している福祉施設(老人ホーム)や病院は、勤務時間が、早朝だっ
僕は給食会社の営業部長。先日、定期的に訪問していた老人ホーム(特別養護老人ホーム)の担当者から電話があった。相談したいことがあるらしい。相談というのは良い話か、超悪い話かのいずれかである。ささやかな幸せを求めるチルチルミチルな僕にとってはいずれも望まないものだ。面倒な話でなければいいのに…と神仏に祈った。 で、面談。担当者は「現在契約している給食会社から撤退の申し入れがあった」と僕に告げた。11月末で契約解除、12月から給食事業を受託してくれる給食会社を探して、付き合いのある給食営業マンに声をかけているらしい。僕はその第一弾だった。担当者は、開設以来20年も今の業者にお願いしたのに突然の契約解除なんて酷いよ、と嘆いた。 確認すると、突然でも、酷くもなかった。当該ホームは、 現業者からの値上げ申請をはじめとした申し入れを却下していた。現業者との契約期間を引き延ばす交渉をしたのかたずねると、嫌
僕は給食会社の営業部長だ。唐突だが病院は給食会社の営業対象だ。病院の給食というと、患者給食のイメージが強いが、病院内のレストランと売店(コンビニ)も営業対象である。そして、病院の売店(コンビニ)は、給食以外の業種、たとえばコンビニチェーンの法人担当営業も狙っている。 病院内レストランの選定コンペでは、レストランと売店(コンビニ)を合わせての運営が条件になることが多い。コンビニチェーンは、病院レストランの運営ノウハウを持っていないため、ウチのような給食会社に協力を求めてくることがある。売店(コンビニ)部分の商品とノウハウを提供し、運営を給食会社に任せるという形だ。給食会社からみれば、コンビニチェーンのノウハウと知名度を利用して運営ができる。協力するメリットはあるのだ。 先日、大手コンビニチェーンの法人担当営業がやってきた。隣県(S県)にある某病院内レストラン案件を紹介された。仕様を確認すると
給食会社の営業部長。中小企業なので人手が足りないときは営業以外の業務をヘルプすることもある。代理なので、専門スタッフには及ばないが、自分なりに最善を尽くしている。これは「ベストを尽くす」の意味ではない。無難にこなす、後から問題にならないよう、言動には気をつける、という意味だ。本業以外の業務で失点したくない。というのもヘルプでプラスを作っても会社上層部から「君の本業ではないから」と評価されない一方、しくじってマイナスを作ったときはしっかりマイナス評価されるからである。そんなクソ仕様なのでミスをしないように慎重に当たっている。 先週金曜日の昼過ぎ、電話がかかってきた。かけてきたのは昨年10月に僕が立ち上げた現場のパートスタッフKさん。当時、人手不足のため当該現場の立ち上げの責任者を僕は代理でまかされていたのだ。Kさんは僕が採用したパートさんだった。今年の4月にその現場は本来の担当者に引き継いだ
僕は給食会社の営業部長だ。電話があった。「お盆休み明けに申し訳ないですけれど」という前置きから始まったそれは、某市役所の担当者からの問い合わせであった。内容は某市役所内にある食堂についてだ。春先に市役所食堂運営業者選定へのエントリーを打診されたのを思い出した。それまで市役所食堂を営業していた個人業者のおじさんが廃業することになったのだ。条件が悪かったので断った。平日ランチタイム3時間で平均100食あったが、その食数では利益が出ないといって辞退したのだった。あれから数か月。市役所食堂をとりまく状況が変わったのだろうか。 「ズバリ聞きます。食数が何食あれば当食堂の運営はできますか」担当者はたずねた。「食数が少ない」という理由で辞退したのを覚えていたのだろうね、食数に着目して質問してきた。実は食数の少なさ=売上不足を理由にしたけれども、その他の条件も良くなかったのだ。触れなかったのは面倒だったか
いじめたことも、いじめられたこともない。小学生の頃の僕は、自称天才の聡明な子供だったので「いじめはよくない」とわかっていた。頭が悪い人間のやることだと認識していた。頭が悪い人間と一緒にされたくなかったので、いじめには関わらないようにしていた。さいわい、僕のクラスではいじめはなかったけれども、隣のクラスの女の子二人が周囲から無視されているのは知っていた。理由は今でもよくわからない。「クサい」と言われていたけれど、それが事実かどうかは今となっては知る由もない。いずれにせよ、自分のクラスのことではなかったので僕には関係のないことだった。 盆休みで実家に立ち寄ったあと、小学校までの道を歩いてみた。40年ぶりだ。缶蹴りやドロケーで友達と遊んで歩いた通学路は、何の変哲もない退屈な道に変わっていた。道は変わっていない。僕が変わってしまったのだ。歩いているとき、小学校の夏休み中に確か2回だったと思うけど、
一年を通じて食中毒事故が起きている。個人経営の飲食店やチェーン店だけでなく給食でも起きている。とくに学校給食は公共性が高いためニュースになることも多い。給食会社が食中毒を起こした場合、保健所からの処分や、市場からの信頼を失い、事業展開が難しくなるはず……だが、給食会社は順調に事業を継続している。その裏事情を給食営業マン目線で説明したい。 食中毒事故は、給食事業において重大なトラブルのひとつだ。食中毒事故が発生すると、まず顧客に被害が出て、その後、保健所が入り被害の大きさと原因を考慮して処分(営業禁止/停止)を受けることもある。マスコミに取り上げられる。その結果、社会的信頼と顧客の信頼を失う。また衛生管理体制の見直しが必要になることもある。これが一般的に考えられる給食会社が受ける食中毒の影響だろう。 給食営業マン目線で見る。自社で食中毒事故が起きたら、まず新規営業開発に影響が出る。信用を失う
先日お知らせしたとおりこのブログの「給食営業マン」を書籍化、2025年9月18日に「給食営業マン サバイバル戦記 カスハラ地獄、失注連鎖、米の仕入も赤信号」というタイトルで発売することになりました。関連エントリ→ delete-all.hatenablog.com しかし、書籍化だけでは給食を取り巻く環境は変わらない。まだまだ認知されていないマイナーな業界だ。そこで、今回の書籍化を機に、給食業界の問題や理不尽さを世の中に知ってもらい、少しでも給食を良くしたい!という目的のもとに担当編集W氏と相談してクラファンを立ち上げました。リンク→ 一口2200円というドンキもびっくりな価格設定でリターンは「完成した書籍1冊」と「書籍へのお名前掲載」になります。詳細→ 【お名前掲載+書籍】 あなたのお名前を、書籍『給食営業マン サバイバル日記』巻末の「スペシャルサンクス」ページに掲載させていただきます。
参院選が終わった。今回も、無事、就職氷河期世代は見捨てられそうだ。おめでとうございます。わかっていたから驚きはない。また僕自身は氷河期世代に属するが、うまく渡り歩いてきた方だと自負しているので、政治や国から忘れられたところでダメージは無い。51歳。サラリーマン生活を完走できる地点まで辿り着いた。今後は、氷河期世代の仲間たちの頭をモグラ叩きの要領でポカポカ叩いて地中へ押し返して立場を守りつつ、他の世代に対してはこれまで以上に無慈悲な攻撃を仕掛けて逃げ切りをはかりたい。僕は他の世代に勝ちたい。世代という括りを断ちたい。そうやって生きてきた。 それでも今回は「氷河期世代が希望を持てるかもしれない」という淡い期待があった。これまでになかったものだ。なぜなら、選挙前の争点の末席に「氷河期世代支援」が置かれていて、各政党とも「誰も取りこぼさない/置いていかない」と言っていて、選挙前から氷河期世代支援が
新刊が出ます。このブログの人気コーナー(?)給食営業マンシリーズが本になります。家の光協会からで発売日は9月18日。タイトルは「給食営業マン サバイバル戦記」、サブタイトルは「カスハラ地獄、失注連鎖、米の仕入れも赤信号」です。価格は税込1650円 電書もでます。詳しくは公式サイトをどうぞ→書籍 | 家の光協会 (※表紙。ミッションインポッシブルっぽいイメージを担当編集にリクエストしたら「なろう系」っぽくになりました。これはこれでいい) 【凝縮されたサラリーマンの悲哀。それは、氷河期世代の給食営業マンが歩んだ、30年の戦場。社員食堂、病院、老人ホーム、保育園、映画館――社会のあらゆる場面で「給食会社」は静かに稼働している。しかし、その裏側には、理不尽すぎる値上げ交渉、親子でカスハラをするクライアント、土壇場でひっくり返る入札、会社の上層部と現場との板挟み……まさに「報われなさ」と「やめられな
僕は神奈川県の海と山に挟まれた小さな街で暮らしている。僕が通っていた小学校では、「おどうぐばこ」と呼ばれるロッカーに入れて使う大きな箱を各自持たされていた。夏休み前にはそれを持って帰る。苦行だった。「おどうぐばこ」に、机の引き出しとその中身、絵具やピアニカといった道具を全部入れるのでめちゃくちゃ重いのだ。小学2年の夏休み前。もう40年以上昔(1981年)になるが、僕は同級生で仲の良い栄ちゃんと一学期最後の日、クソ重い「おどうぐばこ」を持って一緒に帰った。とても暑い日だった。太陽の光が強すぎて太陽がどこにあるかもわからないくらいだ。木や建物の影を選んで僕らは歩いた。「おどうぐばこ」を運んでいると重さで手がパンパンになってしまうから休む必要があった。夏休みに入るからという理由で、いつもとは違う道で帰ることになった。 小さな神社で休憩をした。神社は階段の上にあった。信心も賽銭もないので入口の鳥居
若い頃、職場の先輩から「仕事中に政治の話は絶対にするな」と教えられた。その教えを今まで守ってきた。「支持するものがちがっているという理由で契約を取れなかったらバカみたいだろ」と先輩は言った。他の先輩も同じようなこと言っていたし、仕事中に深く政治の話をしたことがないので、そういうものだとこれまで思っていた。それが僕にとっての当たり前だったというだけのことだ。もし、営業マンが職場や取引先で積極的に政治について語り合っていれば、大きなうねりになって政治を動かしたかもしれないと思うこともある。しかし、「あなたの顔とあなたが紹介する商品はいいが、スポーツ平和党を支持しているあなたを窓口にしている企業とは契約できない」といわれて契約が取れなければ生活に支障が出る。背に腹は代えられないのだ。 だから、2025年7月22日午前中。先ほど隣の部署の同僚たちから「日本人ファースト」という現在きわめてナーバスか
約30年間、営業職として働いてきた。よくぞここまでやってこられたと思う。営業職に就いた当初は、「この仕事を続けられるのはせいぜい半年くらいが限界じゃないか」と絶望していたからだ。あの頃を思い出すと、煙草の香りのする真夏の喫茶店でごちそうになったコーヒーゼリーの味が鮮やかによみがえる。 平成8年(1996年)、大学を卒業した僕は東京で営業マンになった。営業部は、30代後半以上の個性豊かなオッサンばかりが在籍していた。20代後半から30代前半の人材が欠けていたのは、仕事がキツくて離脱者が相次いだからだと後で知った。研修で「電話の応対」や「名刺交換のルール」は教わったけれど、案件の見つけ方、商談の進め方、といった営業の仕事は誰も教えてくれなかった。今ならネットや動画で調べられるが、そういうものはまだなかった。ネットに接続できない携帯電話がようやく普及しはじめた、そういう時代だ。 夏になった。僕は
週末、米を納めてもらっている業者の担当者さんに30分ほど一方的に愚痴られた。愚痴の内容は、「小泉大臣やどの政党の政治家は、米の価格を下げると言っているけど、生産コストが上がっているのに、前と同じレベルまで下げられるはずがない。利益を削れというのか。わかっていない」というもの。この業者担当者さんも生産者、卸売り経由で米を仕入れている立場なので、利益を減らすしかやりようがないと言うのである。 当該業者からは業務用米(ブレンド米)を買っている。当該業者も卸から米を買っている。その時点で油や肥料やその他諸々のコストがかかって仕入れ価格が上がっており、さらに精米やブレンドといった工程が入るため、値上げするしかないという状況だそうだ。 今回の米騒動は、見方をかえれば、米の価格ベースを上げるいい機会になったかもしれない。もちろん価格の急激な上昇は影響が大きいけれども、ゆるやかに価格が上がっていくのは自然
もともと墓じまいをするつもりだった。時期は会社を定年退職をして毎日サンデー状態になり暇を持て余してから、とぼんやり考えていた。しかし予定を早めたいと考えている。母親の僕への態度がその原因だ。 先週、母親から「体調はどうですか?」というメールが届いた。僕の体調を気づかうメールをよこして誘い出し、3万くれーつって金の無心をするのが母の手である。もうダマされない。僕にも学習機能は搭載されている。僕は「特に問題はない」と返信して放置した。通常であればジャパンマネーの獲得という目的のために僕が誘いに乗るまで母は執拗にメールを飛ばしてくるのだが、今回は、まったく反応がなかった。一週間経過。酷暑が続いている。自宅で倒れているのではないか。腐乱しているかもしれない。心配になった。心配したのは母の状態ではなく、近くに住んでいるのに母をゾンビにした無慈悲な長男と責められる我が身、世間体であった。母さん、無事で
参議院選挙が近い。どの政治団体の政治家も多少の差異はあっても「次の世代に負の遺産を残さない」的なことを仰っている。僕はそれを聞くたびに「僕ら(就職)氷河期世代のことを指しているよね」と思う。被害妄想が強すぎるのか、あるいは、意識過剰かもしれない。しかし、ここ最近、これまで見捨てられてきた氷河期世代を手のひらクルクルーで、氷河期世代支援の重要性が唱えられており、それは言いかえれば、氷河期世代が社会のお荷物というか、負債であることの裏返しだ。それがやたら目立ち、かつ、わざとらしいからムカつくのだ。 僕は氷河期世代だ。バブル期の恩恵を受けることはなく、バブルの残光すら浴びることはなかった。いざ社会に出るときは、就職状況は「風雲たけし城」や「SASUKE」のトラップ級の厳しさ。100社エントリーシートを手書き(!)して、最終選考まで進めたのは数社。無理ゲーだった。同じ世代は、やむをえず、しかたなく
「私が見た未来」というベストセラー本によると、2025年7月5日に日本で何かが起こるらしい。そのため、感受性の高い人があたふたしたり、日本への観光客が減っていたりして、影響が出ている。予言の夏、緊張の夏である。これまでいくつかの予言を生き抜いた僕からは「注意力が散漫になっているので交通事故に気をつけましょう」くらいしか言えない。予言や予言を信じる人をバカにしてはいない。なぜなら、僕は予言を信じ、予言で人生を軌道修正してここまでやってきた人間だからだ。 1991年の7月、高校3年生の僕はノストラダムスの大予言を信じるボンクラだった。ノストラダムスの大予言は1999年8月に恐怖の大王が空から落ちてきて人類が滅亡するという物騒な内容で、当時の米ソ冷戦世界情勢から核戦争を意味しているとか、未知の天体が地球に激突するとか言われていた。僕が通っていたのは大学進学率を信奉する地方の公立進学校だった。6月
こんな記事があった。求む、バブル崩壊で教員を断念した40~50歳代…文科省が「就職氷河期世代」の積極採用通知へ(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース読んでもらえばわかるが、今さら何言ってんだ感がひどい。最近、就職氷河期世代支援が話題になることが多いのは、40代から50代になった氷河期世代が、社会が背負えないレベルの重荷になることが判明したからだ。公による支援策の多くは就業支援だ。はっきりいって手遅れ。15年遅い。僕は「体力と気力の衰え著しいアラフィフをブラック環境の職場に放り込むつもりなのか、雑に使うなー」と冷ややかに見ている。冷ややかなのは、本気でやっているようには見えなかったからだ。「氷河期世代見捨ててません!」というポーズに見えたからだ。それに、政治や行政は手を打っている、それに乗るかどうかはあなた次第!といういつもの自己責任に持ち込むやり方には耐性が出来てしまった。 今回
雨の夜、「はてな村」という星座を思い出す - シロクマの屑籠 シロクマさんの「はてな村」についての懐古記事を、ほぼ同じ世代でほぼ同じ時代をインターネットで過ごした者として興味深く読んだ。僕は25年くらいインターネット上に文章をアップしているけれども、「はてな」も含めてインターネットのコミュニティに属したことがないと認識している。現在でも、キャラクターを認識できるアカウントは数えるほどしかない。付き合いのあるアカウントも少ない。そんな中途半端な立ち位置にある僕でも、ネットの片隅に存在していたコミュニティーがなくなりつつある状況はすこし寂しい。「写真でしか知らない、遠い国の森林に生息するとある生物が滅亡に向かっている」というニュースを聞いたときの感覚に近い。直接関係ないし何かしようと思わないけれど、なくなると寂しい、みたいな感じだ。ブログやブックマークのような古いネットのサービス(コミュニティ
小泉農相 備蓄米売り渡し 外食 中食 給食事業者にも対象拡大へ | NHK | コメ 小泉大臣が随意契約の政府備蓄米の給食事業者への売り渡しを表明した。それを受けて僕が働いている給食会社でも緊急対策会議が開催された。直近の状況。業務米は依然として値上がり傾向が続いているが、値上がり幅は小さくなっている。取扱量について、米業者さんからは「新規の取扱量は約束できない」といわれていたが、改善され、取扱量のリミットは解除された。米不足はかなり解消されている。 そういう状況を踏まえて政府備蓄米の導入について検討した。給食で使用する業務用米でもっとも重要視されるのは「相応量の安定的な供給」だ。小売り向けは一回きりの販売でも許されるが給食はそうはいかない。「相応の量」を「いつから」「いつまで」が取扱いできるのか明確でないと使いようがない。その点で政府備蓄米を導入するのは不安だ。「精米工程」「保管場所の確
先日、沖縄県石垣市の市議がSNSに投稿した「具材なし豚汁」給食が炎上、謝罪撤回になる騒動があった。問題になったのは石垣市内の小学校で提供された給食をとらえた一枚の画像だ。リンク先参照。 news.yahoo.co.jp この文章は給食会社の営業部長の立場から、「画像の謎」と「学校給食の炎上しやすい特性」について考察したものだ。 問題の画像は、市議が今月13日正午に学校を訪れ、許可を得たうえで撮影された当日の給食だ。その内容が貧相だったこと、「牛乳がない」など完全な配膳がなされた状態でないという指摘、指摘に対する「配膳途中」の画像を投稿したという市議の言い訳などから大炎上したのである。献立の内容は「ライス、きのこ入り豚汁、いわしのおかか煮、牛乳」。リンク先の記事の画像では、豚汁には具材が入っていない(ように見える)、イワシは何もかかっていない、牛乳がない状態。こんな給食ある?と首をかしげるよ
実家の紫陽花を眺めるのが好きだ。毎年微妙に色が違うので楽しい。そろそろ咲きはじめている頃だが、まだ、見ていない。実家で暮らす母とプチ断絶状態にあるからだ。何かあれば駆けつけられる距離にいるが日常的に接触をしない今のやり方が、ベターだと僕は考えている。理由については前に書いたとおりだ。子供が親の面倒を見るのが当たり前という彼女の考え方が気に入らなかったというのもあるが、顔を合わせるたびに金を求められるのがストレスになっていたからだ。 1ヶ月前、母からメールが送られてきた。題名はなく、文面は「元気ですか?」だけ。珍しい。通常、僕の体調や仕事を気にかけるフリすら見せず、「(金額)を貸してください。至急」と目的のみを告げてくる母が「元気ですか?」である。無視を決め込もうとしたけど無視できなかった。どうしても気になってしまった。その日は父の命日だったからだ。父の命日に、これまで僕の体調など心配したこ
Q.政府備蓄米は食材高騰にあえぐ「給食」を救えるか。A.救えない。僕は給食会社の営業部長だ。最近、食材原価高騰を受けての価格アップ交渉の席で顧客から「政府備蓄米を使って何とかならない?」と言われる。どうにもならない。なぜなら、政府備蓄米は給食へ回ってこないからだ。政府備蓄米は小売向けであり、外食へは向けられていないと大臣が明言している。 《仲良しのブタくんの米屋に備蓄米を買いにいった給食クマくんの図》 念のために取引している米業者さんに政府備蓄米の取り扱いを確認した。「なし」だった。「品質がよろしくないお米をお客さんに提供できない」というプロ意識からだと思ったら違った。なぜなら、給食会社が扱うような業務用米は、相応の量の米を安定して継続的に供給する必要があるからだ。そのため、競売であれ随契であれ、いつ入ってくるのか見通しが立たない政府備蓄米は取り扱えないのだ。スーパーや小売店で販売されてい
唐揚げ1個の給食、SNSで「寂しい」相次ぐ 市「2個分あるので」(朝日新聞) - Yahoo!ニュース www.asahi.com 福岡市内の小学校で提供された「唐揚げ一個の給食」がネットで話題になった。この福岡市学校給食の件は民間委託やコストダウンが原因ではない。なぜなら、福岡市学校給食において民間委託業者が請け負っている業務は調理業務であり、騒動の発端となった給食内容に直結する献立作成、食材発注納品は公益財団法人福岡市学校給食公社の業務だからだ。公益財団法人 福岡市学校給食公社 今回の事態は、給食の予算(食材予算)に原因がある。学校給食に係る食材費では一食当たりの単価が決められ、予想年間総食数を乗じた額が年間予算になる。この予算額は年度途中に変更されない。物価高騰や社会情勢の変化に対応できない。例えば昨今の米価格のように価格が倍になっても決められた食単価の枠内で「なんとかする」しかない
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