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ブラックフライデー
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メカニカルキーボードの歴史そのものであり、長年にわたり業界の「ゴールドスタンダード」として君臨してきたドイツの老舗、Cherry SE(以下、Cherry)が、創業以来最大の危機に直面している。 2025年11月、同社は歴史的な転換点を迎えた。ドイツ国内でのスイッチ生産の完全終了、そして主力事業の一つである「周辺機器部門(ゲーミングおよびオフィス)」または「デジタルヘルス部門」の売却検討という、事実上の解体にも近い再編策を発表したのだ。 財務的緊急事態:数字が語る「危機の深刻度」 事態が公になったのは、2025年11月20日に開催された臨時株主総会でのことだ。CEOのOliver Kaltner氏、CFOのJurjen Jongma氏ら経営陣が株主に対して行った説明は、あまりにも衝撃的な内容であった。 巨額の赤字と資本の毀損 資料によると、Cherryの2025年1月から9月までの純損失は
暗黒物質の正体、ついに捕捉か?東大・戸谷教授が報告:天の川銀河ハローに輝く「20geVの謎の光」が示す物理学の転換点 1930年代、Fritz Zwickyが「かみのけ座銀河団」の観測からその存在を予言して以来、約1世紀にわたり物理学者を悩ませ続けてきた宇宙最大の謎、「暗黒物質(ダークマター)」。宇宙の全質量の約85%を占めながら、光も出さず、反射もしないこの「見えざる幽霊」の正体が、ついに白日の下にさらされるかもしれない。 東京大学大学院理学系研究科の戸谷友則教授による最新の研究は、我々の住む天の川銀河を取り巻く「ハロー」領域から、既知の天体物理現象では説明のつかない奇妙なガンマ線放射を発見したと報告した。NASAのフェルミガンマ線宇宙望遠鏡が15年間にわたり蓄積したデータを解析した結果浮かび上がったのは、20ギガ電子ボルト(geV)という特異なエネルギーピークを持つ、ぼんやりとした光の
gemini 3 ProとgPT-5は物理学研究タスクの実行に難儀している:新ベンチ「CritPt」で露呈した限界と真の可能性 生成AIの進化は止まることを知らない。gPT-4の登場以降、我々はAIがコーディングを行い、詩を書き、司法試験に合格する様を目撃してきた。しかし、人類の知性の最前線である「科学的発見」の領域において、最新のAIモデルは本当に通用するのだろうか? 2025年11月、世界中の物理学者たちが突きつけた現実は、冷徹かつ極めて興味深いものだった。 新たなベンチマークテスト「CritPt」を用いた検証により、googleの最新鋭モデル「gemini 3 Pro」やOpenAIの「gPT-5」であっても、博士課程初期レベルの物理学研究タスクにおいては、その正答率がわずか10%前後にとどまることが明らかになったのだ。 「CritPt」:AIの“暗記”を許さない、物理学者たちの挑戦
「デジタル時代のタバコ産業」なのか:Metaが封印した極秘研究「Project Mercury」と、法廷で暴かれた不都合な真実 2025年11月24日、米国の学区や州司法長官らがソーシャルメディア企業を相手取って起こした集団訴訟において、未編集の裁判資料が公開され、Meta(旧Facebook)が長年にわたり隠蔽してきたとされる衝撃的な事実が白日の下にさらされ、大きな波紋を呼んでいる。 その中心にあるのは、「Project Mercury(プロジェクト・マーキュリー)」と呼ばれる極秘の内部研究の存在と、そこから得られた「SNS断ちがメンタルヘルスを改善する」という不都合なデータの隠蔽疑惑である。資料には、従業員が自社を「タバコ産業」になぞらえ、健康被害を知りながら隠蔽する体質を危惧する生々しい記録も残されていたのだ。 Project Mercury:葬り去られた「1週間の真実」 今回公開さ
中国広東省の地下700メートル。そこに建設された人類史上最大の「幽霊粒子」捕獲装置が、物理学の教科書を書き換える準備を整えた。 中国科学院高エネルギー物理学研究所(IHEP)が主導する国際プロジェクト「江門地下ニュートリノ観測所(JUNO: Jiangmen Underground Neutrino Observatory)」は、2025年8月の稼働開始からわずか2カ月足らずで、過去半世紀にわたる世界のニュートリノ研究が積み上げてきた精度を単独で塗り替えるという驚異的な成果を発表したのだ。 これは宇宙を構成する物質の起源や、物理学の標準模型を超える「新しい物理」への扉を開く、極めて重要なマイルストーンと言えるだろう。 59日間が50年を凌駕する:前例なき「超精密測定」の実態 2025年11月19日、JUNOのコラボレーションチームが発表した初期結果は、世界の物理学コミュニティに衝撃を与えた
「核融合は、常に『30年後の技術』であり続ける」——。夢の技術である核融合の実現に関しては、この冷笑的なジョークを幾度となく耳にしてきた。しかし、シアトルに拠点を置くスタートアップ、Zap Energyが発表した最新の成果は、この古いジョークを過去の遺物に変える可能性を秘めているかもしれない。 2025年11月、同社は最新鋭の核融合実験装置「FuZE-3」において、1.6ギガパスカル(gPa)という驚異的なプラズマ圧力を達成した。これは地球の深部、マントル下層や外核付近の圧力にも匹敵する極限状態だ。 なぜこれが重要なのか? それは、彼らが何十億ドルもかかる巨大な磁場コイルや、サッカー場サイズのレーザー施設を使わずに、この成果を上げたからだ。彼らが使ったのは、わずか4メートル弱のコンパクトな装置と、「Zピンチ」と呼ばれる、かつては「制御不能」と烙印を押された古い物理現象である。 本稿では、Z
Microsoft Windows責任者の「エージェント型OS」発言が引き起こしたユーザーの猛反発:開発者配慮を強調する釈明の全貌と、MicrosoftのAI戦略が直面するジレンマ MicrosoftのWindows責任者であるPavan Davuluri氏が、X(旧Twitter)上で「Windowsはエージェント型OSへと進化する」と宣言した投稿が、ユーザーと開発者から猛烈な反発を呼んでいる。この発言は、Microsoft Igniteイベントを目前に控えたタイミングでなされ、OSの未来像としてAI主導の「エージェント型」進化を強調したものだ。一方で、Davuluri氏は追っての投稿で「開発者のことを深く気にかけている」と釈明し、フィードバックの受容をアピールしている。しかし、この対応は一部で「言葉だけ」との批判を招き、MicrosoftのAI偏重戦略が、長期ユーザー離れを加速させる可
AIはもはや、私たちの日常風景の一部となった。大規模言語モデルが人間のように対話し、画像生成AIが創造性を刺激する。しかし、その華々しい進化の裏側で、現代文明は巨大な課題に直面している。それは、AIを動かすために必要な、天文学的な量の計算能力と、それに伴う莫大なエネルギー消費だ。このままAIが進化を続ければ、計算能力と電力供給は限界に達するのではないか?そんな懸念が広がる中、フィンランドのアールト大学から、この「計算の壁」を打ち破る可能性を秘めた、まさに革命的な研究成果が報告された。電子の代わりに「光」そのものを使ってAIの頭脳を動かす、新技術の誕生だ。 加速するAIと「計算の壁」という現実 今日のAI、特に深層学習(ディープラーニング)を支えているのは、gPU(graphics Processing Unit)と呼ばれる半導体チップだ。もともとはコンピュータグラフィックスを描画するために
量子コンピュータという言葉が、SFの世界から現実の科学ニュースへと移り住んで久しい。しかし、その計り知れない潜在能力とは裏腹に、実用化への道には常に一つの巨大な壁が立ちはだかってきた。それが「量子誤り訂正」だ。この難攻不落の要塞を、ハーバード大学主導の研究チームがついに攻略する道筋を示した。科学誌『Nature』に発表されたこの研究は、448個の原子量子ビットを用いて、エラー率をある「臨界点」以下に抑え込むことに成功。これは、大規模で実用的な量子コンピュータの実現という、科学者たちが数十年にわたり追い求めてきた夢が、今や手の届くところまで来ていることを力強く宣言するものだ。 量子計算の夢を阻んできた「エラー」という巨大な壁 なぜこの成果がそれほどまでに重要なのか。それを理解するには、まず量子コンピュータが抱える「約束」と「現実の課題」の両面を知る必要がある。 量子コンピュータの約束、それは
AI開発企業Anthropicは、中国の国家支援を受けるハッカーグループが同社のAIモデル「Claude」を悪用し、大規模なサイバースパイ活動を試みていたことを検出し、遮断したと発表した。この攻撃は、AIを単なる補助ツールとしてではなく、攻撃の大部分を自律的に実行する「エージェント」として利用した世界初の文書化された事例とされ、サイバーセキュリティの脅威が新たな段階に入ったことを示唆している。 AIが「ハッカー」になった日:Anthropicが明かした衝撃の実態 2025年9月中旬、Anthropicの脅威インテリジェンスチームは、同社のコーディング支援AI「Claude Code」の利用において不審な活動を検知した。その後の10日間にわたる調査の結果、これが中国の国家支援を背景に持つと見られる脅威アクターによる、高度に洗練されたサイバースパイ活動であることが判明した。 Anthropic
Microsoft、Xboxプラットフォームのオープン化に向け20年来の壁を破壊:「Steam化」を目指す野望と開発者にもたらす真の革命 Microsoftが、Xboxプラットフォームの根幹を揺るがす歴史的な一歩を踏み出した。2025年11月13日、同社はこれまで厳格な管理下に置かれてきた「Xbox game Publishing guide(Xboxゲームパブリッシングガイド)」を、事前承認やアカウント登録なしに、全世界の誰にでもアクセスできるように完全公開したのだ。さらに、この情報に付随していたNDA(秘密保持契約)の制限も撤廃。これは、20年以上にわたって維持されてきた、コンソールプラットフォームの「閉じた庭(Walled garden)」という鉄則を、自ら打ち破るに等しい決断だ。 何が変わったのか? Xboxゲーム開発の「聖域」が全開放 今回の発表の核心は、「完全な透明性の確保」と
Valve 「Steam Machine」と同等スペックの自作PCは一体いくらで組めるか?構成と価格を検証 Valveは、携帯ゲーミングPC市場に大きな衝撃を与えたSteam Deckの成功を受け、次なる一手としてデスクトップ型ゲーミングPC「Steam Machine」を正式に発表した。2026年春の発売が予定されるこのデバイスは、コンソールゲーム機の手軽さとPCゲームの広大なライブラリを融合させる野心的な試みである。しかし、その内部構造は本質的にAMDのセミカスタムAPUを搭載したコンパクトなPCであり、自作PC経験者にとって、その性能と価格のバランスが最大の関心事となるだろう。本稿では、公開されたスペックを基にSteam Machineと同等の性能を持つPCを日本国内で自作した場合の構成とコストを見てみたい。 Steam Machineの心臓部、セミカスタムAPUの正体 Steam
大規模言語モデル(LLM)は客観的で公平な判断を下すはずだ。私たちはそう信じていないだろうか?しかし、スイス・チューリッヒ大学の研究者らが学術誌『Science Advances』に発表した最新の研究が、その常識を根底から覆す、衝撃的な事実を明らかにした。情報源を隠されたAIは驚くほど一貫した評価を下す一方で、ひとたび文章の著者が「中国人」であると告げられると、その評価は劇的に、そして一貫してネガティブに歪むのだ。この傾向は、中国で開発されたはずのAIでさえも例外ではなかった。 これは単なる技術的な瑕疵ではない。AIが社会の意思決定に深く浸透しつつある今、私たちの未来を左右しかねない深刻な問題を突きつけるものだ。 「公平な審判」の仮面が剥がれた日:19万2000回の評価が暴いた真実 今回の研究は、単なる印象論ではない。チューリッヒ大学のFederico germani博士とgiovanni
Wikipedia、AI企業に「無償の搾取」停止を要求:無断スクレイピングに終止符、有料API利用とクレジット表記を求める 生成AIが生成するその「知識」は、一体どこから来ているのか? インターネットユーザーの誰もが一度は考えたであろうこの問いに、Web最大の知識源であるWikipediaが、静かだが極めて重い回答を突きつけた。 Wikimedia Foundationは2025年11月10日、公式ブログを通じて、AI開発企業に対しWikipediaコンテンツの利用に関する新たな方針を表明した。 その核心は、これまで事実上野放しとなっていたAIによる無許可のデータ収集(スクレイピング)を停止し、公式に提供される有料の「Wikimedia Enterprise」プラットフォームを利用すること、そしてAIの生成物においてWikipediaからの引用であることを明確に示す「属性表示」を徹底するこ
長年、SFの世界の産物だった粒子ビーム兵器(荷電粒子砲)が、にわかに現実の脅威として輪郭を現し始めている。中国の研究チームが発表した一つの技術論文が、宇宙におけるパワーバランスを根底から揺るがす可能性を秘めているのだ。 DFH Satellite Co., Ltd.のシニアエンジニア、蘇振華(Su Zhenhua)氏が率いる研究グループは、衛星に搭載可能な新型の高出力電力システムのプロトタイプ開発に成功したと発表した。このシステムは、地上試験において2.6メガワット(MW)という膨大なパルス電力を、わずか0.63マイクロ秒(100万分の0.63秒)という驚異的な同期精度で供給できることを証明した。 この成果は、これまで粒子ビーム兵器実用化の最大の障壁とされてきた「高出力」と「高精度」のジレンマを打ち破るものであり、宇宙空間における軍事活動の様相を一変させるだけでなく、レーザー通信や深宇宙探
エネルギーの未来をめぐる議論が白熱する中、原子力が抱える根源的な課題「メルトダウン」のリスクそのものを過去のものにするかもしれない、革新的な技術が実用化への大きな一歩を踏み出した。米国の原子力企業X-energyは2025年11月、同社が開発した先進核燃料「TRISO-X」の性能を実証するための、極めて重要な照射試験をアイダホ国立研究所(INL)で開始したと発表した。13ヶ月に及ぶこの過酷な試練は、次世代原子炉の商業展開に向けた最終関門とも言えるものであり、その成否は世界のエネルギー地図を塗り替える可能性を秘めたものだ。 原子力安全神話再び?「溶けない燃料」TRISO-Xの衝撃 (Credit: X-energy) 原子力発電が常に抱えてきた最大の懸念は、炉心溶融、すなわちメルトダウンのリスクであった。スリーマイル島、チェルノブイリ、そして福島第一原発。これらの事故は、一度制御不能に陥った
大規模言語モデル(LLM)によるコード生成は、ソフトウェア開発の風景を一変させた。しかしその裏で、多くの開発者はある種の「雰囲気(vibe)」に頼ったコーディングの危うさを感じ始めている。MITの研究チームが、この課題に正面から向き合う新しいソフトウェア構造パターンを提案した。それは「概念(concepts)」と「同期(synchronizations)」という2つの要素を核とし、人間とAI双方にとって「可読性の高い(legible)」ソフトウェアを実現しようという野心的な試みだ。 AIが暴いたソフトウェア開発の「不都合な真実」 現代のソフトウェアは、その内部構造が極めて複雑化している。一つの機能、例えばSNSアプリの「シェア」ボタンを実装するだけでも、そのロジックは投稿、通知、ユーザー認証など、コードベースの複数の場所に散らばってしまう。MITコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL
2025年10月に配信されたWindows Updateが、一部のPCで深刻な問題を引き起こしている。Windows 11の最新バージョンである25H2や24H2、さらに一部のWindows 10ユーザーが、アップデート後にPCを起動すると、突如としてBitLockerの回復キー入力を求める青い画面に遭遇する事例が多発しているのだ。これは、システムの構成変更などがない限り表示されるはずのない画面であり、多くのユーザーを混乱に陥れている。Microsoftもこの問題を公式に認めており、主にIntel製CPUを搭載したPCが影響を受けるとみられている。 突然の「青い画面」、BitLocker回復キー要求問題の概要 今回の問題は、2025年10月14日以降にリリースされた累積更新プログラムを適用した後に発生する。具体的には、以下のバージョンが影響を受けると公式に発表されている。 Windows
宇宙は加速しながら膨張を続けている。これは、21世紀の宇宙論を象徴する、もはや揺るぎない「常識」のはずだった。しかし今、その大前提が根底から覆される可能性が浮上している。韓国の研究チームが発表した一つの論文が、ダークエネルギーの謎、そして宇宙の究極の運命に関する我々の理解を書き換える、「メジャーなパラダイムシフト」の引き金を引こうとしているのだ。 宇宙の“ものさし”は狂っていた?ノーベル賞研究の根幹を揺るがす発見 我々の宇宙観を劇的に変えた2011年のノーベル物理学賞。その受賞理由は「遠方の超新星の観測を通じた、宇宙の加速膨張の発見」であった。宇宙の距離を測るための信頼できる“ものさし”として「Ia(いちエー)型超新星」を用いることで、遠い銀河ほど我々から速く遠ざかっていること、そしてその速度が時間とともに増していることを突き止めたのだ。 この加速膨張を説明するために導入されたのが、謎のエ
量子コンピューティングの世界で歴史的な一歩が刻まれた。米英に拠点を置くQuantinuumが2025年11月5日に発表した新型量子コンピュータ「Helios」が、物理学最大の難問の一つである「高温超伝導」のメカニズム解明に繋がる、前例のない規模のシミュレーションに成功したのだ。 古典コンピュータでは到底不可能とされてきた領域の計算を成し遂げ、超伝導現象の鍵となる「ペアリング相関」を初めて量子コンピュータ上で直接測定したこの成果は、単なる計算速度の競争から、量子コンピュータが科学の未解決問題に挑む「発見のツール」へと本格的に進化し始めたことを告げる物となるかもしれない。 加速する開発競争と、異彩を放つ「Helios」の登場 量子コンピュータ開発は今、googleやIBMが牽引する「超伝導方式」と、QuantinuumやIonQなどが採用する「イオントラップ方式」という二大潮流を中心に、熾烈な
中国が、次世代の原子力発電技術と目される「トリウム溶融塩炉」において、核燃料であるトリウムから核分裂性のウラン233への転換に世界で初めて成功したことが報じられた。この技術的快挙は、エネルギー安全保障、地球温暖化対策、そして未来の地政学にまで影響を及ぼしかねない、まさにゲームチェンジャーとなりうる出来事と言える。 なぜ、この成功がそれほどまでに重要なのか。トリウム溶融塩炉とは、従来の原子炉と何が根本的に違うのか。そして、米国をはじめとする西側諸国がかつて断念したこの技術を、中国はいかにして実現させたのかを見てみたい。 ゴビ砂漠での歴史的快挙、世界が注目する「トリウム転換」 2025年11月1日、中国科学院(CAS)の上海応用物理研究所(SINAP)は、甘粛省武威市の砂漠地帯に建設された実験用トリウム溶融塩炉(TMSR-LF1)が、歴史的なマイルストーンに到達したと発表した。 炉内に投入され
プリンストン大、「1ミリ秒の壁」を破る超伝導量子ビットの開発に成功:googleチップへの採用で1,000倍の性能向上期待も 量子コンピュータが秘める無限の可能性。その輝かしい未来を語る声が高まる一方で、その実現を阻んできた分厚い壁が存在する。情報の基本単位である「量子ビット」のあまりにも儚いその命だ。しかし、2025年11月、その壁に大きな風穴を開ける歴史的な成果が、米プリンストン大学の研究チームによってもたらされた。彼らが開発した新型の超伝導量子ビットは、業界標準の実に15倍にも達する驚異的な寿命を達成したのだ。これは、量子コンピューティングが理論の領域を飛び出し、実用的なツールへと進化する転換点となるかもしれない。 計算が終わる前に情報が消える世界:量子コンピューティングを阻む「コヒーレンスの壁」 現代のコンピュータが「0」か「1」のどちらかで情報を扱うのに対し、量子コンピュータは「
「見えない壁」を築くOpenAIのAIブラウザ「Atlas」:訴訟相手を避け、競合へ誘導する巧妙な迂回戦略の全貌 OpenAIが発表したAIブラウザ「Atlas」。それは、単にWebサイトを閲覧するためのツールではない。ユーザーに代わって情報収集やオンラインショッピングといった複雑なタスクを自律的に実行する「エージェント」を搭載した、次世代のインターフェースである。しかし、その革新的な機能の裏で、Webのあり方そのものを問い直す深刻な問題が進行していることが、コロンビア大学ジャーナリズム・レビュー(CJR)の調査によって明らかになった。Atlasは、OpenAIと法廷で争うメディア企業のWebサイトを意図的に避け、代替情報を巧みに「再構成」してユーザーに提示しているのだ。この動きは、AIが情報のゲートキーパーとなる未来において、我々が目にするWebが、企業間の法的・戦略的な力学によって静か
中国の研究チームが、半導体製造の心臓部である「リソグラフィ」工程において、歩留まりを阻害する微細な欠陥を99%以上削減する画期的な手法を開発した。生物学の分野で利用されてきたクライオ電子線トモグラフィー(Cryo-ET)という技術を半導体プロセスに応用し、長年「ブラックボックス」とされてきた欠陥発生の根本原因を分子レベルで初めて解明したのだ。この成果は、米中技術覇権が激化する中、中国の半導体自給率向上に向けた大きな一歩となる可能性がある。 半導体製造の“ブラックボックス”に投じられた一石 北京大学のPeng Hailin教授が率い、清華大学、香港大学が協力する共同研究チームは、科学誌『Nature Communications』に、この驚くべき研究成果を発表した。研究の核心は、これまで誰も直接見ることができなかった、リソグラフィの「現像」というプロセスで液体中のフォトレジスト(感光材)分子
ChatgPTをはじめとする生成AIの登場は、私たちの「知の探求」のあり方を根底から覆した。かつて何時間もかけて文献を渉猟し、情報を取捨選択していた作業は、今やAIへの短い問いかけ一つで、数秒のうちに要約された答えとして手に入る。この劇的な効率化は、まさに革命だ。しかし、その輝かしい利便性の影で、私たちは何か本質的なものを失いつつあるのかもしれない。最新の研究が、その可能性に鋭い警鐘を鳴らしている。1万人以上を対象とした大規模な実験は、AIへの依存がもたらす「理解の浅さ」という衝撃的な実態を浮き彫りにしたのだ。これは私たちの思考様式、そして学びの本質そのものに関わる、重大な問いを突きつけている。 「効率」の代償:AIが奪う”学びの主体性” この問題を真正面から調査したのは、米ペンシルベニア大学ウォートン校のShiri Melumad氏とニューメキシコ州立大学のJin Ho Yun氏が主導す
私たちのこの現実は、高度な文明によって作られた精巧なコンピューターシミュレーションかもしれない――。映画『マトリックス』で鮮烈に描かれたこの「宇宙シミュレーション仮説」は、長年にわたり哲学者や科学者、そして私たちの知的好奇心を刺激し続けてきた。しかし、この深遠な問いに、数学と物理学が「不可能である」という、極めて決定的な答えを突きつけた。カナダ、ブリティッシュコロンビア大学(UBC)の研究チームが発表した最新の研究は、私たちの宇宙がシミュレーションではありえないことを数学的に証明したと主張し、科学界に大きな波紋を広げている。 哲学的問いから科学の俎上へ:「シミュレーション仮説」とは何か そもそも、なぜ私たちは「この世界は偽物かもしれない」という考えにこれほどまでに惹きつけられるのだろうか。その根源には、古代ギリシャの哲学者プラトンの「イデア論」にまで遡る、現実そのものへの懐疑がある。私たち
生命の設計図として知られるDNA。その情報は、アデニン(A)、シトシン(C)、チミン(T)、グアニン(g)という4種類の化学塩基の「文字列」によって書かれている——これは、現代生物学の根幹をなすセントラルドグマだ。しかし、この常識を根底から揺るがす可能性を秘めた、驚くべき発見が報告された。ノースウェスタン大学の研究チームが、DNAの塩基配列ではなく、その3次元的な「形」そのものに刻まれた、第二の言語、すなわち「幾何学的コード」の存在を明らかにしたのだ。 遺伝学の常識を覆す「第二の言語」の衝撃 20世紀の二重らせん構造の発見以来、生命科学はDNA配列の解読を中心に発展してきた。ヒトゲノム計画が完了し、全遺伝情報が明らかになったとき、多くの科学者は生命の謎のすべてが解き明かされると期待した。 しかし、現実はそう単純ではなかった。一つの大きな謎が残されたのだ。それは「なぜ、私たちの体にあるすべて
南カリフォルニア大学(USC)の研究チームが、AI(人工知能)の未来を根底から覆す可能性を秘めた技術を発表した。生物の脳が情報を処理する際の複雑な電気化学的挙動を、シリコンチップ上で物理的に再現する「人工ニューロン」の開発に成功したのだ。電子の代わりに原子(イオン)の動きで計算するこの新技術は、AIチップを桁違いに小型化・省エネ化し、真の人工汎用知能(AgI)への道を切り拓くかもしれない。 シミュレーションの壁を超えて:脳を「物理的に再現」するということ 現代のAI技術、特にその頭脳であるプロセッサは、驚異的な進化を遂げてきた。しかし、その根幹にあるのは、あくまで人間の脳の働きを「数学的に模倣(シミュレーション)」するアプローチである。膨大な数のトランジスタを使い、ニューロンの発火(スパイク)やシナプスの結合強度変化を計算によって再現しているに過ぎない。これは、鳥の飛び方を写真でコマ送りに
核融合エネルギー実用化へ歴史的マイルストーン、日本のHelical Fusionが「高温超伝導マグネット」の実証に世界初成功 日本のスタートアップ企業が、人類究極のエネルギー源と目される核融合の実用化に向け、世界を驚かせる一歩を刻んだ。株式会社Helical Fusionは2025年10月27日、商用核融合炉に不可欠な「高温超伝導(HTS)コイル」の性能試験に、世界で初めて成功したと発表した。この成功は日本独自の「ヘリカル方式」が、熾烈な国際開発競争の先頭に躍り出る可能性を秘めた、歴史的な転換点となるかもしれない。 「世界初」の快挙、その技術的内実 今回の発表の核心は、核融合炉内部の極限環境を再現した条件下で、大型の高温超伝導コイルが安定して性能を発揮したことにある。この成功がどれほど画期的なのか、その技術的な内実を具体的に見ていきたい。 核融合科学研究所にて、試験用の高温超伝導コイルを、
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