オーストラリアのタスマニア島に、“大きな暴れん坊”が出没しました。
道路で眠って交通渋滞を引き起こしたり、車止めポールをなぎ倒したりと、町は少し困った状況です。
現地の人気者、ミナミゾウアザラシのニールくん
オーストラリア南東部のタスマニア島で、今やすっかり人気者となっているのが、ミナミゾウアザラシのニールくん。2020年に同島のセーラム湾で生まれました。
タスマニア州政府によると、ミナミゾウアザラシは普段、海で生活をしていますが、換毛や休息のために、1カ月ほど陸地に戻ってくることがあるそう。
同エリアでは、毎年平均12頭のミナミゾウアザラシが目撃されています。
そのなかでも特に有名なのが、ニールくん。人が暮らしているエリアで自由気ままに過ごす様子が、TikTokアカウント「Neil the Seal」で紹介されてきました。
浜辺をのんびり歩き回るだけでなく、車に寄りかかったり、ときには車道の近くでお昼寝をしたりする姿に、「赤ちゃんみたい」「見ているだけで笑顔になる」「かわいい」といった声が寄せられています。
体重1トンの暴れん坊、ときには困った行動も
おっとりとした見た目やつぶらな瞳が、とてもかわいらしいニールくん。
しかし、オーストラリア公共放送のABCニュースによると、 車の前で眠ってしまったり、なかなかの自由気ままっぷり。ときには、道路脇の車止めポールをなぎ倒す姿やカラーコーンに噛みつく姿も目撃されるなど、暴れん坊な一面もあります。
そのうえ、その体重はすでに約1トンに達しているのだとか。タスマニア州政府によると、ミナミゾウアザラシはアザラシ類の中で最も大きく、オスは最大で体長4~5メートル、体重3.5トンに達することもあると言われており、これからますます大きくなることが懸念されています。
6月24日には、タスマニア州天然資源・環境省の職員が棒や板を使ってニールくんを安全な場所に誘導しようとする様子が「Neil the Seal」に投稿されました。
誘導を試みる職員 vs ニールくん
映像では、職員が棒でニールくんをつついたり、人のいるエリアに戻らないようにボードで行く手を阻もうとしている様子が確認できます。
これに対し、ニールくんは上半身を起こして口を大きく開け、まるで威嚇しているかのような反応で抵抗します。
この様子に、SNSでは「何の意味があるの?」「かわいそう」と、ニールくんに同情するコメントが寄せられました。
また、住宅の塀の前で眠っていたニールくんを職員が誘導しようとした際には、「放っておいてあげて」「やめて」と呼びかける人の声も収められています。
同アカウントの所有者であるジェイソンさんは、ニュースサイトNine Networkの取材に対し、「多くの人が激怒している。(政府の対応に対する)不満もかなり聞く」と、怒りをあらわにしました。
かわいいだけではない、“危険”な一面
一方、同省の広報担当者は職員の対応について「安全かつ承認されている方法」だと説明。
車や歩行者が事故に遭う恐れがあるだけでなく、ニールくん自身も車にはねられる危険性があると指摘しています。
また、15年にわたりゾウアザラシを研究しているイアン・フィールド氏によると、ニールくんは人間でいえば「10代」の青年期にあたります。この時期は、将来の繁殖に向けてオス同士の争いに必要な行動を学んでおり、より注意が必要だということです。
シンガポールの ザ・ストレーツ・タイムズ紙は 、野生動物家の専門家からの警告を掲載。ニールくんに遭遇した際は20メートル以上の距離を保つよう呼びかけるものでした。


