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女子バスケの試合前に"異例の光景"。選手たちが着ていたTシャツに注目集まる

    女子バスケの試合前に"異例の光景"。選手たちが着ていたTシャツに注目集まる

    7月19日に行われた全米女子プロバスケ(WNBA)のオールスターゲームで、ウォーミングアップ中に選手たちが着用したTシャツが話題を呼んでいます。

    7月19日(現地時間)に行われた全米女子プロバスケットボール協会(WNBA)のオールスターゲームで、選手たちのウォーミングアップが話題を呼んでいます。

    Both teams wearing shirts that read “Pay Us What You Owe Us” #WNBA pic.twitter.com/LB4LBAbPNr

    — Aliyah Funschelle (@AliyahFun) July 20, 2025
    @AliyahFun / Via Twitter: @AliyahFun

    インディアナ・フィーバーに所属するケイトリン・クラーク選手、ミネソタ・リンクスに所属するナフィーサ・コリアー選手率いる両チームの選手たちが、試合前のコートに登場。

    「Pay Us What You Owe Us(=私たちに正当な報酬を)」と書かれたTシャツを着て、ウォーミングアップに臨みました。

    コリアー選手は、AP通信に「WNBAが得ている収益は、私たちが届けるエンターテインメントを通じて得られるものです。それなのに、選手に渡るのは全収益のうちほんの数パーセントに過ぎません」と語ります。

    7月17日、米女子プロバスケ選手会(WNBPA)は、WNBAと労働協約に関する団体交渉を行いましたが、合意に至りませんでした。Tシャツでの抗議はそれを受けたものとみられています。

    コリアー選手は翌18日、失望をあらわにしました。

    「彼らが提示した内容は私たちの要求とはまったく異なり、議論の範疇にもありませんでした」

    男子 vs 女子バスケの年俸には明らかな違いが…

    米誌スポーツ・イラストレイテッドによると「WNBAの年俸は最低で6万6000ドル(約960万円)から最高でも25万ドル(約3650万円)」。

    一方、米男子プロバスケ(NBA)における2024-2025シーズンの年俸の平均は約1190万ドル(約17億3800万円)。最低基準でも約120万ドル(約1億7500万円)で、男女の年俸には確かに差があります。

    しかし、報酬の均等化以上に問題なのは、選手たちが受け取るリーグ収益の比率に、男女間で格差があることです。

    NBAや、米プロアメフトリーグ(NFL)でプレーする男子選手には、リーグ収益の約50%が支払われています。

    一方、WNBAの選手たちが受け取る金額は、リーグの収益のうち約9.3%に過ぎません。

    WNBAはかつて赤字が続いていたものの、2025年には新たな放映権を獲得。それにより、数億ドル規模の収益が見込まれており、黒字化する可能性も報じられています。

    英紙ガーディアンのボー・デュア氏は「重要なのは、最終的な収益の中に何が含まれているのか不明瞭なこと」だと指摘。「利益がないから給与を払えない」という主張の裏にある不透明な会計構造を問題視しています。

    「リーグへの再投資なのか、施設の整備費なのか明らかではないが、選手たちに分配されていないことは確かです」

    「不適切な会計処理により赤字を主張するチームもあり、これはWNBAに限った話ではありません」

    「NBAですら、8年前にはリーグの半数近いチームが単体では利益を出していなかったとESPNが報じています」

    そのため、多くのWNBA選手がリーグ収益における選手への分配率を引き上げることを目指しています。

    選手会の副会長を務めるニューヨーク・リバティ所属のブレアナ・ステュアート選手は、「これだけの収益があり、新たな放映権を結んだというなら、選手たちにもそれを還元してほしい」と主張しました。

    今回オールスターゲームを率いたクラーク選手は、「私たちはもっと報酬を受け取るべきだし、リーグが成長し続ける中で、そうなることを期待している」「それこそが、私たちが交渉の場で最も重視していること」と報道陣の前で語りました。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:岡崎駿佑