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ChatGPT
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教員を増やして対応するのは、すでに限界に達している。解決策として、教育現場ではAI教師の導入が試みられている。教える相手がAIなら、子どもが間違えたテスト問題や、解答にかかった時間、学習履歴や得意な分野をデータで分析して、それぞれの個性に合わせた学習指導を行える。AIをかけ合わせた個別最適化学習が、これからの学びには必要だ。 教え方の上手い家庭教師や、教育コンシェルジュのように、子どもごとに学びを効率化して提供するAI機能は、アダプティブラーニング(適応型学習)と呼ばれる。これが教育現場に採り入れられることで、教師不足も学習不足も、大幅に解消されるはずだ。 アダプティブラーニングは、学ぶ力の最大化にとどまらない。成績優秀な子どもの行動特性から、高い能力を裏づける要素を分析・抽出し、他の子どもへの指導に活用するなど、教育レベル全体の底上げに役立つだろう。 AI教師は“好きなだけ学ばせてくれる
病院で処方される医薬品のうち、ドラッグストアでも買える市販薬(=「OTC医薬品」)と有効成分や効能などが似ているものを、一般に「OTC“類似薬”」と呼びますが、これらの保険適用を外そうという議論です。 身近なものでいうと、ヒルドイドなどの保湿剤やアレグラなどの抗アレルギー剤、ロキソニンなどの解熱剤、去痰剤やシップなどが挙げられます。 ところで、類似薬を“”(ダブルクォーテーション)で囲っているのは、まるで処方される医薬品のほうが“コピー”であるかのような誤解を招く呼び方に疑問があるからです。少し長くなるのでここでは割愛しますが、筆者はその実態を反映し「OTC“本家”薬」と呼んでいます(この記事では以下「OTC“本家”薬」を使います。くわしく知りたい読者は、「現役医師『国家的詐欺と言っても過言ではない』…維新との連立で高市新政権が抱えることになった"地雷"の正体」をご覧ください)。 日本維新
11月9日、「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者が、名誉毀損の疑いで兵庫県警に逮捕された。元関西テレビ記者で、神戸学院大学の鈴木洋仁准教授は「NHKをはじめとするマスメディアは、『なぜ立花孝志が求められたのか』を理解していないし、理解しようとすらしていないのではないか」という――。 立花氏の逮捕をめぐりホリエモンは… 政治団体「NHKから国民を守る党」(以下、N国党)の立花孝志党首が名誉毀損の疑いで、兵庫県警に逮捕された。兵庫県知事をめぐる内部告発に関して、竹内英明前県議(今年1月に死去)の名誉を傷つけた容疑である。 立花氏の逮捕については、さまざまなメディアで議論が続いている。 11月10日放送のテレビ朝日系列「羽鳥慎一 モーニングショー」では、コメンテーターの玉川徹氏が「政治活動の自由、表現の自由は最大限守られなければならないというのは大前提」とした上で、「その過程で、誰かを
保守回帰は本物か 10日公表されたNHKの内閣支持率も66%に上った。小渕恵三内閣以降の歴代内閣の発足時の支持率としては、小泉純一郎内閣81%、鳩山由紀夫内閣72%に次ぐ水準になっている。 第二次安倍晋三内閣の64%をも上回り、岸田文雄内閣49%、石破茂内閣44%と比べるとまさにV字回復だ。 支持構造を見てみると、石破内閣で支持が7割を切っていた自民党支持層で9割近くにまで回復し、無党派層も6割近くに増えている。 目を引くのが、10代から50代までの若い年代の支持が8割近くに上っていることだ。
性犯罪に巻き込まれないようにするには、どうすればいいのか。犯罪学が専門の立正大学の小宮信夫教授は「日本のトイレは世界で最も犯罪を誘発しやすい。それは、構造やデザイン自体に抑止力が全くないからだ。危険かどうかを判断するためには、いくつか見てほしいポイントがある」という――。 日本のトイレは“犯罪の温床”である 秋は外に出たくなる季節だ。空は高く、空気は澄み、紅葉とともに街が動き出す。家族連れは遊園地へ、観光地へ、ショッピングモールへと向かう。休日の駐車場は満車、レジには列ができ、笑い声があふれている。だが、この「人の多さ」が、子どもを最も危険に晒す。行楽地のトイレほど、親が無防備になる場所はない。 多くの親はこう考える。「商業施設だから安全」「公園は明るいから大丈夫」「人が多い場所で事件なんか起きるはずがない」。だが、「犯罪機会論」の視点から見れば、それは真逆だ。子供がたくさんいれば、それだ
NHKの朝ドラ「ばけばけ」では、小泉八雲をモデルとするヘブン(トミー・バストウ)が女中を探すようすが描かれている。八雲の妻となるセツは、どのような経緯で女中になったのか。ルポライターの昼間たかしさんが、寄宿先だった冨田旅館の夫婦の証言などから史実を読み解く――。 (※本稿は一部にネタバレを含む場合があります) 隠居屋に移ってからも、旅館の女中がお世話した NHK朝の連続テレビ小説「ばけばけ」第6週目は、ヘブン(トミー・バストウ)の女中が決まらない状況が描かれている。ガスも水道もない時代の家事は重労働、ゆえに一定以上の階級であれば女中は必須である。錦織友一(吉沢亮)は、松野トキ(髙石あかり)に依頼。トキは洋妾(ラシャメン)にされるのではないかと疑って断る。かたや遊女・なみ(さとうほなみ)は百姓の娘だからと、ヘブンのほうに断られる。ヘブンが希望しているのは教養を身につけている士族の娘だからであ
生成AIの「記事のただ乗り」をめぐって、国内外のメディアとテック企業が揉めている。デジタルハリウッド大学の占部雅一特任教授は「活字メディアにとってが従来のビジネスモデルが崩壊しかねない事態だ。米欧では対策は進むが、日本は出遅れ感が否めない」という――。 生成AIの登場でメディアにおける大変化 「もはやトラフィックはバリューではなくなる」――。 今年10月14日、世界的なセキュリティ企業Cloudflare(クラウドフレア)のCEO、マシュー・プリンス氏は、ラスベガスのコンベンションセンターでの同社のグローバルイベントにおいて、この刺激的なメッセージを発しました。これは、パブリッシャー(新聞、出版者など事業者)にとって、従来の「トラフィック(ページビュー)ベースの広告モデルが機能しなくなる」ことを意味しています。
シニア層の男女が働き続ける動機は何か。『ルポ 過労シニア 「高齢労働者」はなぜ激増したのか』(朝日新書)を出したジャーナリストの若月澪子さんは「60歳を過ぎても『子育てが終わらない』という現状を抱え、働き続けなければならないシニアが急増していた」という――。 60歳過ぎても「子育てが終わらない」 今や日本は60〜64歳の8割、65〜69歳の6割、さらに70歳以上の半数以上が働く時代となった。 日本における労働社会からの退場は、「60歳定年」という華々しい「カットアウト」から、段階を踏んでゆるやかに舞台上から姿を消す「フェードアウト」へと変貌している。令和のシニア労働者は、働き続けながらも、主役から脇役へ、脇役から端役へと静かに終わりを迎えている。 本書『ルポ 過労シニア 「高齢労働者」はなぜ激増したのか』では、令和に生きるシニア労働者が、どのような動機で働き、仕事をどのように捉え、シニア労
高市新政権の「サナエノミクス」は成功するのか。経営コンサルタントの小宮一慶さんは「高市政権が掲げる責任ある積極財政で、今後、長期金利が急上昇する可能性があり、その結果、企業や国民は辛酸を舐めることになる」という――。 外交日程を無難に乗り切り、政権支持率も8割超の高市早苗首相ですが、その経済政策には、危なっかしいところがあります。その筆頭に挙げられるのは、いわゆるサナエノミクスによって、長期金利が今後急上昇する可能性があることです。「責任ある積極財政(政府が財政支出を活発化させ、国民生活をより広範囲に支えること」を標榜していますが、さじ加減を間違うと、とんでもないことが起こる可能性があります。 金融危機の記憶 その「とんでもないこと」を説明する前に、以前、日本経済に起きた「事件」を簡単に解説します。 私はこの時期になると必ず思い出すことがあります。若い読者の皆さんは知らないと思いますが、1
日本テレビが大みそかに放送する「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで‼大みそかスペシャル」の会見に松本人志さんが登場。最近、髪を染めたことについて「白髪が増えてきた。この番組のせい」=2014年12月3日、東京都内 「ダウンタウンプラス」はエンタメの治外法権になり得るか 「ダウンタウン」の松本人志さんが、吉本興業が新たに始めた動画配信サービス「DOWNTOWN+(ダウンタウンプラス)」で芸能活動を再開した。テレビ業界は、コンプライアンス意識の高まりや、コーポレートガバナンス(企業統治)の順守を背景に、松本さんの復帰に厳しい姿勢を保っている。そこで今回は「ダウンタウンプラスは、エンタメの治外法権になり得るのか」という視点から、その成否を考えてみたい。 ダウンタウンプラスは2025年11月、松本さんによる生配信からサービスを開始した。2023年末に『週刊文春』が報じた疑惑を受けて、松本さんは文
本当に解決しようとしたら、専門職によるチームアプローチが必要です。だから、トラブルや破産にはスクールロイヤー、親の精神障がいや生活保護であれば福祉職、そういう専門家チームの横のつながりがあって初めて、子どもの生活を救うことにつながるのです。本気で解決しようとしたら、専門職のチームアプローチが不可欠、というのが私の考えでした。 DV相談員を「年収700万」で募集 学校に限らず、市民の命と暮らしを守るために、市役所には専門家の働きを必要とする現場が数多くあります。だからこそ常識的な待遇をもってしかるべき部署にしかるべき専門職を配置すべきなのです。 例えば、DV(ドメスティック・バイオレンス)問題の相談員。2024年5月に可決・成立した共同親権がいずれ施行されますが、この制度によって加害者との接触が絶てなくなるではないかといったDV被害者の不安は大きく、今後は支援体制のさらなる拡充が急がれます。
世間から批判された“弁護士職員” 市役所の仕事は実に多岐にわたります。そして、職員が見るべきは市民の顔と書きましたが、その市民の中にも実にさまざまな人たちがいます。中には、残念ながらクレーマーのような人たちがいるのも事実です。 何をクレーマーとすべきかの線引きは非常に難しいところがあるので、十把一絡じっぱひとからげには言えませんが、時として対応にエネルギーと時間を費やしてしまうことは少なくありません。明石市では、こうした対応に大きな役割を果たしたのが、専門職採用された弁護士たちでした。 明石市長に就任した1年目、私はまず弁護士を5人採用しました。当時、基礎自治体としては最多の採用人数でしたから、地元メディアなどには“弁護士出身の市長が、弁護士業界に媚こびを売っている”、“忖度そんたくしている”、というような叩かれ方をしたものです。 4年後の市長選挙において対立候補者が、「現市長の泉房穂が採
両親が離婚したらタラちゃんはどうなるのか 夫婦が離婚する時に第一に考えなければならないのが子どもの存在である。離婚すると子どもの戸籍はどうなるのか? では、サザエ・マスオ夫妻が何らかの事情で離婚したと仮定しよう(マスオの性格上、DVや不倫に及ぶことは考えにくいが)。 離婚すればサザエは元の戸籍、すなわち父親の磯野波平を筆頭とする戸籍に復籍することになる。それにより彼女はフグ田姓から磯野姓に戻る。かくしてサザエはフグ田の戸籍から抜けるわけだが、もともと実家の磯野家で暮らしているので、サザエの生活の場は変わらない。磯野家を去るのはマスオの方であろう。 タラちゃんはサザエが引き取ると思われるが、その際、タラちゃんの戸籍や姓はどうなるのか。 答えは「親が離婚しても子どもの戸籍も姓も変動がない」ということである。戸籍は「氏」すなわち「家」を構成原理としているので、子はいったん一つの戸籍に収まり、一つ
我が国のアニメ産業と言えば、ユーザー支払ベースで3兆3465億円の市場規模(23年;推計、日本動画協会「アニメ産業レポート2024」)に達し、うち約半分の1兆7222億円を海外市場が占めています。あんまり知られてないんですが、実は販売契約におけるアメリカなど北米地域は一割程度で、半分以上は中国や東南アジアの皆さんなんですよね。知ってた? で、輸出金額という意味では実にデカいこともあって、調子に乗った政府は2024年にコンテンツ産業を基幹産業と位置づけ、自動車に次ぐ輸出産業としての期待を寄せています。いやいやいやいやちょっと待てよ。物事には段取りとか順番というものが……なんか自民党知的財産戦略調査会から「アニメ・漫画産業への支援4倍に 政府に1000億円規模を要望」(時事通信、2025年11月6日)とか出ちゃってるし。当然のことながら、アニメ産業のこの華々しい数字の裏側には、深刻な構造的問題
ハロウィンやアニメ、ゲームでお馴染みの魔女は、実はいまも実在する。ルーマニア在住の言語学者で、『呪文の言語学』(作品社)を書いた角悠介さんは「彼女らが使う魔術は、例えるなら『おばあちゃんの知恵袋』に近い」という。知られざる実態をライターの市岡ひかりさんが聞いた――。(前編/全2回) いまもヨーロッパに生息する魔女の実態 頭にトンガリ帽子をかぶった黒い服の女性が、ほうきにまたがり空を飛びまわる――。 それが我々のイメージする典型的な魔女の姿だろう。ハロウィンが近づき、お店のディスプレイなどでそんな“魔女”を目にする機会も増えてきた。 「魔法使いサリー」や「魔女の宅急便」、「ハリー・ポッター」など……。魔女は昔から童話やアニメ、ゲームなど頻繁に登場し、少年少女の憧れの的だった。かく言う筆者も、幼稚園時代「東映魔女っ子シリーズ」の人気アニメ「ひみつのアッコちゃん」に夢中になり、コンパクトをのぞき
日本文化は世界でどのように見られているのか。ルーマニア在住の言語学者で、『呪文の言語学』(作品社)を書いた角悠介さんは「数年前から日本の国力の衰えをひしひしと感じる」という。常識から外れた言語学者の数奇な人生と、彼の眼から見た日本文化の惨状をライターの市岡ひかりさんが聞いた――。(後編/全2回) 超マイナー言語の研究に命を懸ける日本人の正体 東欧・ルーマニア。2000年代以降経済発展を遂げ、都市化が進みつつ伝統文化も大切に残されている。そんな美しい街並みから外れ、現地のルーマニア人すら立ち寄らない異臭漂うゴミ集積場に、一人の日本人男性の姿があった。彼の目当ては、そこに住むロマたちだ。 ロマとは、かつてはジプシーと呼ばれ、ヨーロッパなど各地を放浪し、歌や踊り、占いなどを得意とする少数民族である。時折ゴミをならすブルドーザーに子どもがつぶされて命を落とすこともあるその場所に、ロマたちの集落があ
Q 母子家庭で育ち、大学進学時に借りた奨学金を毎月数万円ずつ返済し続けています。出産を機に会社を辞め、いまはライターを仕事に。同世代のバリキャリで華やかな子たちと比べると地味な人生ですが、質素な暮らしには慣れているし、ポジティブな母親の影響なのか自分が不幸だとは思わない。でも、結局、人生の幸不幸は“親ガチャ”で決まるの? (30代 ライター 女性Dさん) 【Dさん】会社員時代は周りの上昇志向が高すぎてついていけなかった。いまは子育ての合間にフリーライターの仕事をしていて、収入は減ったけれど、自分らしく生きられるようになった気がする。でも、やっぱり“親ガチャ”ってあるのかな? 【AI】「親ガチャ」というのは、親の学歴や経済状況、養育環境などによって子どもの人生が大きく左右されるから、生まれるまで当たりか外れかわからないという意味の言葉じゃ。キミはどっちだと思っているのかね? 【Dさん】母子家
明治の民法が定めた「家族」の定義 今日の法律において「家族」の定義を定めたものはない。だが、1898年に施行された、いわゆる明治民法にはそれが明文化されていた。 明治民法の第732条には「戸主こしゅノ親族ニシテ其その家ニ在あル者及ビ其配偶者ハ之これヲ家族トス」(太字筆者、以下同)と規定された。 文言からまずいえることは、戸主の親族あるいは配偶者でない者、たとえば使用人や書生などは「家族」ではないということである。 問題はここでいう「家」の意味である。それは「家屋」のことなのか? 否である。明治民法起草委員の一人であった富井政章とみいまさあきらは端的に「家ハ戸籍ノコトヲ云いフ」(1895年10月16日法典調査会)と説明していた。 つまり、明治民法の条文中に出てくる「家」という文言はそのまま「戸籍」と読み替えられる。早い話、家とは戸籍、戸籍とは家なのである。よって、戸主と同じ戸籍に載っている者
「愛子天皇待望論」の背景には何があるのか。皇室史に詳しい宗教学者の島田裕巳さんは「愛子内親王が多くの国民から愛されるのは、一人っ子であることが大きく影響しているのではないか」という――。 天皇家の“一人っ子”である愛子内親王 愛子内親王は一人っ子である。 最近は、一般の家庭でも一人っ子は増えている。2021年の調査では、結婚後15~19年が経過した夫婦の子どものうち、19.7%が一人っ子という結果が出ている。この調査とは、厚生労働省が設置した国立社会保障・人口問題研究所によるものである。 同じ調査だが、2002年には8.0%だった。ということは、およそ20年で一人っ子は倍増したことになる。 私は1953年、昭和28年の生まれである。当時、学校の同級生で一人っ子というのは珍しかった。一人っ子の割合は1990年代に入ってから徐々に増えている。これからも増えていくであろう。 そこには、何より晩婚
50年間、ドライバーとしてモータースポーツに関わってきたモータージャーナリストの清水和夫さんへのインタビューは、大量生産・大量販売にひた走る自動車産業のあり方にも話が及んだ。電動化・知能化の進展が自動車産業の進化を促すチャンスになるかもしれない。 ――世界を見渡すとヨーロッパではEVの販売の伸びはスローダウンし、ある意味で踊り場に来ていると思うのですが、どう見ていますか? 【清水】僕が見る限りスローダウンとは思えません。ただ2020年以降、EV販売は行き過ぎの状態でした。そのため事業の足元が危うくなったので、もう1回しっかり事業を見直し、足元を固めているという状況に陥ったのでしょう。 今のお客さんは全員がEVを求めているわけではないので、HEVもつくろうとしていますが、EVの本格的な普及期がいずれやってくるでしょう。 「EV導入にブレーキがかかっているとは思えない」 ――トヨタ自動車の豊田
日本では電気自動車(EV)はまだまだ少数派だ。本当にEVは普及するのか。50年間、ドライバーとしてモータースポーツに関わってきたモータージャーナリストの清水和夫さんは、かつてEVに懐疑的だったが、いまでは「EV推し」に転向したという。経済ジャーナリストの安井孝之さんが理由を聞いた――。 ガソリン車がいい、と思っていたけど…… ――EVに対する評価が随分変わったようですね。 【清水】もう50年ぐらいずっとエンジン車でモータースポーツやってきたので、自分の血管には、ガソリンが流れている、と思っていたほどです。電気なんか流さないって、言っていたのですが、うん、流してもいい電気が出てきたかな、と思っています。 ――過去はBEV(バッテリーEV)嫌いでしたね。変わったのですか。 【清水】充電で30分もかかるし、冬になったら充電がしにくい。いい加減な車をつくりやがって! と思っていましたが、今は違いま
秋の京都は例年、観光客で大混雑する。名所を回る市営バスは超満員となり、遅れやバスを見送ったりする事態が頻発する。京都市交通局はどんな対策をしているのか。フリーライターの宮武和多哉さんが、現地を取材した――。 京都に「乗れないバス」がある 1日34万人が利用する「京都市交通局」の路線バス(以下:京都市営バス)で、「乗れない」「時間通りに来ない」「乗れても混雑で疲れる」といった声が相次いでいる。年々利用の増加が続き、ついに年間1000万人を突破したという、京都の「インバウンド観光客」(訪日客)増加によって、もともとの混雑に拍車がかかっているようだ。 京都ではさらに、秋の紅葉シーズンには清水寺・三十三間堂などに観光客が殺到する。「インバウンド激増+紅葉」でラッシュがピークに達しようとする今、市内の路線に乗車したうえで、京都市営バスの担当者に「混雑の原因」や「空いたバスで紅葉を見に行くウラ技」を伺
かつてお笑いで頂点に立ち、天才と呼ばれたダウンタウンの松本人志さん。コラムニストの藤井セイラさんは「松本氏は週刊誌報道からの休業後、11月1日に動画配信サービスで復帰したが、その発言は休業前と比べても全くアップデートされていなかった」という――。 有料チャンネルでひっそりと復帰 2025年11月1日、ダウンタウンの松本人志がひっそりと復帰した。といっても、『週刊文春』で複数の女性への性行為強要疑惑が報道されたことについて、いまだに明快な説明をせず、「事実無根」とも証明できていない彼には、おそらくスポンサーがつかず、テレビには出られないのだろう。そこで彼は、吉本興業に「復帰舞台」を用意させた。それが月額1100円の動画配信サービス「DOWNTOWN+」(ダウンタウンプラス)だ。 ファンの中には「あの疑惑」について彼の口から説明が聞けるのではないか、そうすれば松ちゃんをふたたび応援できるかもし
「いかに厳しい会社か」を語る面接官 「最近の若い営業は根性がない。すぐに辞めてしまう」 都内のマーケティング会社で営業部長を務めるK氏(42歳)は、憤慨しながらそう語りました。彼の会社では、毎年15名の営業職を採用する計画を立てていますが、入社1年以内の離職率が50%を超えています。 「面接では『御社で成長したい』と言っていたのに、少し厳しく指導すると『パワハラだ』と言い出す。ゆとり世代は本当に困る」とも言っていました。 そこで私はK氏に聞きました。「面接では、どんなことを聞いていますか?」 「当然、営業経験と実績です。あとは、うちの厳しい環境に耐えられるかどうか。プレッシャーに強いか、数字に執着できるか。営業は結果がすべてですから」 「候補者からの質問には、どう答えていますか?」 「キャリアの可能性とか昇給率など、そんな質問ばかりです。『まずは結果を出してから言え』と思いますけどね」 さ
高市新政権の支持率が8割を超える高率となった。その一方、就任直後の外交の様子を見て、日本史上初の女性首相に対する批判や揶揄の声も多かった。ジャーナリスト池田和加さんは「『(高市首相はトランプ大統領の)現地妻』『芸者外交』『パンパン』『キャバ嬢』といった強い表現があふれた。性的ステレオタイプによる批判をする日本人の心理には刷り込まれたものがある」という――。 高市新政権の支持率が8割を超える高率となったウラで… 高市早苗氏が日本初の女性首相となった歴史的転換点において注目を集めたのは、彼女の経済政策でも安全保障戦略でもなかった。リベラル派のジャーナリスト、研究者、そしてフェミニストたちが論じたのは、トランプ大統領との「接し方」だった。 共産党の池内さゆり氏による「(高市首相はトランプ大統領の)現地妻」というXへの投稿が物議を醸した。SNS空間には「芸者外交」「パンパン」「キャバ嬢」といった言
それは高市政権誕生に大きく貢献した日本維新の会肝いりの「OTC類似薬の保険給付見直し論」です。すでに賛否両論さまざまな議論が噴出してきていますが、もしこれが2026年度から実施された場合、私たちの暮らしにどのような異変と混乱が生じるのでしょうか。今回は、このテーマを取り上げたいと思います。 そもそも「OTC類似薬」とは何でしょうか? これを理解するためには、まず「OTCとは何か?」という話から整理しておく必要があります。 OTCとはOver The Counterの略で、医師の処方箋なしで薬局にて購入できる医薬品のことを指しますが、今回の議論で関係するのはこれらのうち「スイッチOTC」と呼ばれるものです。 これはもともと医療機関で医師の処方箋がないと入手できない医薬品であったものが、安全性や有効性が長期的に確認されたことをもって、医療機関でなくとも街場のドラッグストアで購入できる医薬品にス
参政党が大躍進した2025年 2025年夏の参院選では、2022年に初めて議席を獲得したポピュリズム政党が国民民主党に続いて大躍進することとなった。参政党だ。 参院選直前から世論調査で支持が急上昇し、人気沸騰ぶりが大きなトピックになっていた。共同通信社が2025年7月5・6日両日に行った参院選の支持動向に関するトレンド調査(第2回)で、比例代表の投票先が参政党8.1パーセント(1週間前と比べて2.3ポイント増加)となり、立憲民主党と国民民主党を抑えて野党のトップに躍り出たからだ。 選挙結果を見ると、選挙区で7議席、比例代表で7議席の合わせて14議席となった。予算を伴わない法案提出に必要な11議席以上を獲得したことになる。代表の神谷は各メディアに引っ張りだこになった。 参政党は、地方議員たちによる超党派の政策提言・実現のための団体である「龍馬プロジェクト」の中心人物だった神谷が発起人となり、
なぜ「やる気がない」ように見えるのか 大人数でワイワイと過ごすことが好きだという人。 大人数は苦手だという人。 カフェなど、少し雑音がある環境の方が集中できるという人。 自室にこもった方が集中できるという人。 人は誰しも得意なこと、苦手なこと、好きなこと、嫌いなことがあります。 これが、その人らしさであり、その人の「特性」でもあります。 じつはこのような「その人らしさ(特性)」と、仕事場など周りの「環境」が合っていないことがあります。 その場合、周囲から「やる気がない」と“誤解”を受けてしまうのです。 この“誤解”の正体に迫ってみたいと思います。 あるとき、高井ナオキさん(20代男性)が、私の運営する就労移行支援事業所へ転職の相談に来ました。 ナオキさんは、幼いころから人付き合いが苦手。周囲から「変わっている人」だと見られていました。本人も周りの人とは“何か違う”と感じていたため、深く人と
武田信玄の跡を継いだ武田勝頼はどんな武将だったのか。歴史評論家の香原斗志さんは「長篠合戦で織田信長、徳川家康の連合軍に大敗したことで、武将としての評価は低いとされている。だが、それ以後の行動を見ると意外な一面が見えてくる」という――。 長篠合戦の勝敗を分けたのは「鉄砲の三段撃ち」ではない 武田勝頼というと、父信玄が築いたものを無にした「愚将」というイメージをいだく人が多い。とくに長篠合戦で織田信長、徳川家康の連合軍に大敗したことと、その後、伝統ある武田家を滅亡させたことで、そう見なされやすいようだ。しかし、大敗も滅亡も、運命のいたずらを含めてさまざまな要因が複雑にからまった結果であり、勝頼に対しては、信玄に負けずとも劣らない才覚があったという評価もある。 たしかに、天正3年(1575)5月21日に行われた長篠合戦では、勝頼は徳川方に「首二千余り打ち取り申し候」(『大須賀記』)といわれるほど
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