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ブラックフライデー
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スウェーデンのカロリンスカ研究所(Karolinska Institutet)の研究によって、マウスの脳内に「やめたいのに続けてしまう」ような反復行動を生み出す、スイッチのように働く神経回路があることが明らかにされたと報告されました。 この回路が働き始めると、動物は実験条件下で、空腹や社会的な関わりといった生きるために重要な欲求よりも、「穴を掘る」「床を嗅ぐ」といった意味のないように見える反復行動を延々と続けてしまいます。 研究では脳のごほうびを感じる部分(側坐核)から来た信号が、嫌な感情を生み出す部分(外側手綱核)へつながることで「やめられない反復モード」が起こる様子も示されています。 一体なぜ、脳にはこのような「理不尽な行動」を生み出す回路が備わっているのでしょうか? 研究内容の詳細は2025年11月21日に『Science Advances』にて発表されました。 目次 なぜ私たちは意
これまで世界中の専門家でさえ、その“生きている姿”を見たことがないとされていた幻の鯨がいます。 その名は「イチョウハクジラ(Mesoplodon ginkgodens)」です。 彼らの存在を暗に示すのは座礁した死体と、深海から響く正体不明のエコロケーション音だけでした。 しかし最近、米オレゴン州立大学(OSU)は、メキシコ・バハカリフォルニア沖での大規模調査で、ついにイチョウハクジラの生存個体を世界で初めて海上で確認したのです。 研究の詳細は2025年7月28日付で科学雑誌『Marine Mammal Science』に掲載されています。 目次 深海に響く「謎の声」を追って、5年にわたる探索世界初「生きた個体」の撮影・DNA採取に成功 深海に響く「謎の声」を追って、5年にわたる探索 イチョウハクジラはアカボウクジラ科 に属する体長4〜5メートルほどの小型クジラです。 しかしその生態のほぼす
生成AIは現在進行形で人間の創作活動に影響を及ぼしています。 それは、小説という分野でも同様です。 こうした変化を明らかにするため、英ケンブリッジ大学(University of Cambridge)の研究チームMinderoo Centre for Technology and Democracyは、英国の小説家と編集者や文学エージェントなどの出版業界関係者あわせて332人を対象に、生成AIが小説と出版の世界にもたらす影響を詳しく調査しました。 調査の結果、小説家の半数以上が「AIは最終的に自分たちの仕事を完全に置き換える可能性がある」と感じており、すでに収入が減ったと答えた人も少なくないことが分かりました。 この研究の詳細は、2025年11月20日に報告されています。 Half of novelists believe AI is likely to replace their wor
私たちは、友人や家族、恋人との関係が人生の幸福を大きく左右すると知っています。 そんな中、スウェーデン・ウメオ大学(Umeå University)の最新研究で、こうした人間関係の満足度を高める「性格特性」は、男女で異なることが示されたのです。 では、それぞれにどのような性格特性があると、周囲の人々とうまくやっていけるのでしょうか? 研究の詳細は2025年10月16日付で学術誌『Journal of Research in Personality』に掲載されています。
「好きな仕事を見つける」という考えと、その暗い側面「好きな仕事をしよう」という考え方が世の中に広まった理由の1つに、スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で語った有名なスピーチがあります。 ジョブズは「素晴らしい仕事をする唯一の方法は、それを愛することだ。まだそれを見つけていないなら、探すのをやめてはいけない」と語り、この言葉は多くの人々に大きな影響を与えました。 その後、学生たちは「天職探し」を求められるようになり、キャリア指導でも「好きなことを仕事にすべきだ」という考え方が繰り返し強調されました。 こうして、「好きな仕事こそ正しい」という価値観が社会全体に根付いていったのです。 しかし、研究の視点から見ると、この価値観には重要な問題があります。 マーゴリス博士が紹介する研究の中には、仕事に強い情熱を持つ人の働き方を調べたものがあります。 心理学者のバンダーソンとトンプソンは、
浜辺で拾ったボトルメッセージは109年前のものだった浜辺で拾ったボトルメッセージは109年前のものだった / Credit:Canva誰かが書いたボトルメッセージを拾ったことが切欠で冒険が始まる・・・ 子どもの頃、一度はそんな妄想をしたことがある人も多いはずです。 そうでなくとも映画や漫画の中で“未来の誰か”に思いを託すシーンを見て、ちょっとだけ真似したくなったりした人も多いはずです。 しかし実際には波と風の過酷な影響で無事発見されることは極めて稀です。 実際、歴史上ボトルメッセージが発見された例は世界的にも数えるほどしかありません。 例えば、1886年に投じられたボトルメッセージが132年後の2018年に西オーストラリアで見つかったケースが知られておりギネスによって世界最古のボトルメッセージとされています。 またオーストラリア戦争記念館が収蔵するボトルメッセージ全体はわずか3例しかなく、
疑似科学の餌食になる人はどんな性質を持っているのか?Credit:Canva「こんなの偶然なわけがない」――人は時に、単なる偶然に「見えない力」や「運命」を感じてしまうものです。 例えば、ある友人のことを考えていた瞬間にその人から電話がかかってきたり、時計を見るたびに同じ数字の並び(ゾロ目)を目にしたりすると、私たちは思わず特別な意味を勘ぐってしまいます。 日常にはこのような「奇妙な偶然」が溢れており、大半はただの偶然ですが、私たちの脳はそれを放っておかず、何かしらのメッセージを見出そうとするのです。 しかし、偶然の一致に深い意味を見出しすぎることは、時に私たちを誤った方向に導きます。 たとえばルーレットで赤が5回続くと「そろそろ黒が出るはず」と思ってしまう「ギャンブラーの誤謬(ギャンブラーの勘違い)」や、バスケでシュートが続けて入ると「今は手が温まっている」と信じてしまう「ホットハンド効
今や多くの人が仕事や勉強、日常の疑問解決にAIチャットボットを活用しています。 膨大な知識をもとに、瞬時に答えを返してくれるAIは本当に頼もしい存在です。 しかし実は「AIをよく使う人ほど、自分の力を過大評価しやすくなる」という現象があることが、フィンランド・アールト大学(Aalto University)の最新研究でわかってきました。 研究の詳細は2025年10月27日付で学術誌『Computers in Human Behavior』に掲載されています。 The more that people use AI, the more likely they are to overestimate their own abilities https://www.livescience.com/technology/artificial-intelligence/the-more-that-p
ドイツのハイデルベルク大学医学心理学研究所(Heidelberg)で行われた研究によって、「愛情」と「オキシトシン」の組み合わせが、傷の治りを早める可能性が示されました。 研究では若いカップルを対象に、愛のホルモンとして知られるオキシトシンの投与とカップル間の愛情を組み合わせた処置を実施し、傷が治るまでのスピードを比較しました。 その結果、愛情とオキシトシンが重なるときに治癒速度の向上が起こると判明。 加えてここにセックスの要素が追加されると、ストレスも低くなり、治癒速度のさらなる上昇がみられました。 果たしてこの「愛×ホルモン」の仕組みは、私たちの日常や医療にどのような変化をもたらすのでしょうか? 研究内容の詳細は2025年11月12日に「JAMA Psychiatry」にて発表されました。 Intranasal Oxytocin and Physical Intimacy for De
爆発の26時間後に捉えた超新星の形爆発の26時間後に捉えた超新星の形 / 回転、磁場、対流、燃え方のムラのような各所の違いがコア崩壊、圧縮、反発にともなって劇的に増幅され、ある方向にはちょっと強く、ある方向にはちょっと弱いという状態が出現します。これがそのまま爆発の軸となるのです/Credit:ESO/Y. Yang et al.チャンスは突然やって来ました。 2024年4月10日、地球からおよそ2200万光年(論文値では7.24±0.20 Mpc=約2360万光年)の彼方にある銀河NGC 3621で、ひとつの星が爆裂しました。 この爆発こそ、超新星SN 2024ggiです。 爆発した星は巨大な赤色超巨星で、太陽の12〜15倍の重さと500倍もの大きさをもつ“宇宙の怪物”のような存在でした。 こうした星は寿命を迎えると内側が崩れ、最後に一気に外側を吹き飛ばします。 その瞬間が、今回の観測に
ドイツのベルリン自然史博物館(MfN)を中心に行われた研究によって、ウニの体はまるごと一つの「巨大な脳」だという驚きの結果が報告されました。 研究チームが地中海に暮らすヨーロッパムラサキウニを詳しく調べたところ、本来なら頭部に集中するはずの神経や感覚に関わる遺伝子が、ウニの場合は体じゅうの表面で活発に働いていることが分かったのです。 反対に、胴体として働く遺伝子は内臓だけでひっそりと活動していました。 つまりウニの体は、「脳」のような情報処理を行う神経が体全体に広がり、胴体らしいものはほとんどない、という極端な構造をしているのです。 この状態を研究者は「全身脳(all-body brain)」と表現し、脳がないと考えられてきたウニが、実は体全体で脳のような働きをしていることを示唆しています。 またこの結果は「脳といえば頭」という私たちの常識を軽やかに飛び越え、神経系の進化に新しいヒントを与
中国の清華大学(Tsinghua University)を中心とした国際研究チームが、超新星爆発直後の「衝撃波」の姿を、なんと爆発後たった約1日という驚異的なスピードで、直接観測することに成功しました。 研究ではその様子が映像化されており、星が爆発する瞬間」は花火のような丸い形ではなく、上下の縦長をしている様子が示されています。 今回の発見は、大質量星がどのような仕組みで爆発に至るのかという天文学最大の謎を解き明かす大きな手がかりになると考えられています。 それにしても、なぜ星の最期の大爆発は、球ではなく縦長で始まったのでしょうか? 研究内容の詳細は2025年11月12日に『Science Advances』にて発表されました。
「難しい目標に挑むと、途中で挫折してしまう」「頭では分かっているのに、なかなか行動できない」 こんな経験は誰しもあるのではないでしょうか。 しかし一方で、困難な課題を前にしても、着実に前進し、最終的に目標を成し遂げてしまう人がいます。 その違いはどこにあるのでしょうか。 独トリーア大学(University of Trier)の研究チームは最近、この点を調査。 その結果、「行動志向型」という性格特性が困難な目標達成に大きく関わっていることを実証的に示しました。 研究の詳細は2025年1月18日付で学術誌『Motivation and Emotion』に掲載されています。
ベルギーのアントワープ大学(UAntwerp)を中心とした研究チームが、泥の中で電気を運ぶ不思議な細菌「ケーブルバクテリア」の導線の正体を解明したと報告しました。 この細菌は、体の内部に金属原子と有機分子が格子状につながった「金属有機構造体(MOF)」という物質を形成して極細の導線として使っていました。 驚くべきことに、この微生物が作り出した天然のナノ導線は、人工的に作られた同系統の有機導電材料より約100倍も電気を通しやすい可能性が示されています。 いったい細菌はどのようにして、これほど高度な「ナノ導線」を自然に編み出したのでしょうか? 研究内容の詳細は2025年10月11日に『bioRxiv』にて発表されました。 A hierarchical nickel organic framework confers high conductivity over long distances i
不安障害とは、日常生活において強い不安や恐怖感に襲われる精神疾患です。 生きづらい現代社会では、不安障害を持つ人は少なくありません。 そんな中、米カリフォルニア大学デービス校(UC Davis Health)の最新研究で、不安障害を抱える人の脳内では、「ある重要な栄養素」のレベルが健康な人に比べて低くなっていることが明らかになりました。 その栄養素とは「コリン」です。 これはどんな食品に含まれているのでしょうか? 研究の詳細は2025年9月5日付で科学雑誌『Molecular Psychiatry』に掲載されています。
私たちが住む世界には人間が知らない生物がまだまだ存在します。 そんな未知の生命との出会いが、今回また一つ、西オーストラリアの大地で記録されました。 オーストラリアのカーティン大学(Curtin University)の研究チームは、絶滅危惧種の野生植物を調査するなかで、かつて誰も見たことのない特徴を持つ新種のハチを発見しました。 その名も「Megachile (Hackeriapis) lucifer」です。 この蜂はメスの顔に“悪魔の角”のような突起を持っており、その独特な姿から“ルシファー”という名前が与えられたのです。 この発見は、2025年11月10日付の『Journal of Hymenoptera Research』誌に掲載されました。 Devilishly distinctive new bee species discovered in Western Australia
『眠りは徐々に訪れる』という常識を疑う『眠りは徐々に訪れる』という常識を疑う / Credit:Canva人の一生を考えたとき、睡眠は非常に長い時間を占めています。 具体的には、人生の約3分の1は寝ている計算になります。 これはつまり、私たちが80歳まで生きるとしたら、そのうち約27年間を睡眠に費やしていることになります。 しかし、これだけ長く眠りと付き合っているにもかかわらず、その入り口である「入眠」がどのように起こるのかという仕組みには、まだ多くの謎が残っています。 これまでの睡眠科学では、「人は徐々に、ゆっくりと眠りに入っていく」という考えが一般的でした。 私たちも、自分が寝るときのことを思い浮かべると、確かにそんな感覚を持っているでしょう。 目を閉じてじっとしていると意識がぼんやりし始めて、気づいたら寝ている……そんな流れです。 この「徐々に眠くなる」というイメージは、長い間科学的
スロバキア科学アカデミー(SAS)などの国際研究チームは、ヒッグス粒子がなくても質量が発生し得ることを示す新たな理論を発表しました。 研究ではWボソンとZボソンなどの素粒子の質量は外部のヒッグス場ではなく、高次元空間の幾何学的な「ねじれ」によって生み出されることが示されています。 つまり、私たちが住む空間そのものが「物質に重さを与える仕組みを内包している」のかもしれないという大胆な仮説が、理論モデルとして提示されたのです。 さらに研究では基本的な力や粒子の性質も、空間から出現する可能性について言及しています。 私たちの世界は高次元空間のねじれが投影されたものにすぎないのでしょうか? 研究内容の詳細は 2025年11月10日 に『 Nuclear Physics B 』にて発表されました。 Introduction of the G2-Ricci flow: Geometric implic
「カエルは卵からオタマジャクシになり、そして4つ足の大人になる」 カエルの一生については、多くの人がこのように思っているでしょう。 しかし地球上には、このプロセスから逸脱するカエルがいるのです。 このほど、アフリカ・タンザニアで、オタマジャクシの時期を飛ばして「いきなり小さなカエル」として誕生する新種が発見されました。 研究の詳細はデンマーク・コペンハーゲン大学(University of Copenhagen)らにより、2025年11月6日付で科学雑誌『 Vertebrate Zoology』に掲載されています。
なぜ歯のエナメル質再生は難しかったのか?なぜ歯のエナメル質再生は難しかったのか? / Creditr:ライオン歯科衛生研究所「虫歯で失った歯が元に戻ったらいいのに」──とは誰もが思うことでしょう。 虫歯治療のために歯を削られたり抜かれたりするのは誰にとってもつらいものです。 しかし、それは歯の表面を守るエナメル質が一度失われると二度と元には戻らないからに他なりません。 歯のエナメル質はまさに歯を覆う鎧(よろい)のように硬く頑丈な組織ですが、血管も細胞も含まないため骨のように自力で再生することができないのです。 このエナメル質が損なわれると様々な問題が生じます。 例えばエナメル質が酸で溶け出すと内部の象牙質が露出し、冷たい物がしみる知覚過敏の原因になります。 またエナメル質が薄くなると虫歯が進行しやすくなり、放置すると歯に穴が空いてしまいます。 実際、エナメル質の劣化や虫歯による歯の問題は世
フィンランド・ヘルシンキ大学(University of Helsinki)で行われた大規模研究により、投票に行かなかった人は、同じ期間に投票に行った人に比べて男性では亡くなるペースが1.73倍、女性でも1.63倍になることが示されました。 さらに、事故や暴力、アルコールなどによる病気以外の死因では、非投票者の亡くなる危険が約2倍(男女とも)に達し、この差は学歴による死亡差を上回っていました。 研究チームは、投票行動そのものが健康状態や社会とのつながりを映す「補助指標」になり得る可能性を指摘しています。 では、なぜ「投票する・しない」という社会的な行動が、人の寿命にまで影響しているのでしょうか? 研究内容の詳細は2025 年 11 月 4 日に『Journal of Epidemiology & Community Health』にて発表されました。 Voting is a stronge
米ビンガムトン大学(SUNY-BU)の研究チームは、液体金属とバクテリア(細菌)の芽胞(がほう)を融合させた、これまでにない“自己修復型”の導電材料を作り出すことに成功したと発表しました。 この新素材は、単なる電子回路の材料ではありません。 まるで「生きている」かのように自己修復し、環境に応じて機能を切り替える柔軟性まで備えています。 次世代のウェアラブル機器や、人体と直結する医療デバイスを大きく変える存在として期待されます。 研究の詳細は2025年10月24日付で科学雑誌『Advanced Functional Materials』に掲載されました。
オーストラリアのクリスマス島には、とても小さくて珍しいネズミが存在していました。 その名もCrocidura trichura(本記事では『クリスマス島のトガリネズミ』と呼称)。 非常に小さな哺乳類で、尖った鼻と短い脚が特徴の、島の固有種です。 そんな“幻の小動物”が、ついに2025年、国際自然保護連合(IUCN)によって絶滅種と正式に認定されました。 この絶滅は、自然消滅ではなく、人間による「外来種の持ち込み」と、その結果広がった感染症や新たな捕食者が引き金となったものでした。 Australia’s Only Shrew is Now officially Extinct, Killed by Non-native Species Introduced by Humans https://www.zmescience.com/science/news-science/christmas
「チューブ食」から「焼きたてグルメ」へ、宇宙食進化の歴史人類と宇宙食の歴史は、まさに“我慢”の連続でした。 最初に宇宙で食事をしたのは、1961年に人類初の宇宙飛行を果たした旧ソ連のユーリイ・ガガーリン。 その食事はなんと、牛肉とレバーのペーストが詰まったチューブと、デザート用のチョコレートソースだけ。 決して美味しそうとはいえないメニューです。 続くアメリカの宇宙飛行士たちも状況は同じでした。 一時はサンドウィッチを持っていく案も出ましたが、無重力環境ではパンくずや液体が機器に入り込むリスクがあるために却下。 そこで一口サイズの固形食やアルミチューブ入りの半液体食、フリーズドライの粉末食品などが主流でした。 「メニューのバリエーションがない」「味が単調」「チューブを押し出すのが面倒」など、不満は多くの宇宙飛行士から報告されていたのです。 1970年代には、アメリカの「スカイラブ」宇宙ステ
「毎日歩くことが大切」とはよく聞きますが、実は“歩き方”ひとつで将来の健康が大きく変わるかもしれません。 大阪公立大学などの研究チームが、膝や腰に負担をかけない「ソフトランディングテクニック」を高齢層向けに指導したところ、歩く際の衝撃が減り、より安全で続けやすい歩行が可能になることを示しました。 この新しい歩行法が、私たちの健康寿命を延ばすカギになるかもしれません。 研究の詳細は2025年7月22日付で学術誌『Sensors』に掲載されています。
SNSや掲示板、コメント欄。 インターネットの世界では、他人を意図的に怒らせたり、議論を荒らしたりする「ネット荒らし(トロール)」が後を絶ちません。 なぜ彼らは、他者を攻撃し、場の空気を乱すのでしょうか? 単なるストレス発散や暇つぶしでは説明できない、深い心理的な背景があるのではないか? そんな疑問のもと、米マーシャル大学(Marshall University)の研究チームが調査を実施。 その結果、自己愛的な性格(ナルシシズム)と悪意ある嫉妬心が、ネット荒らし行動につながることが明らかになりました。 研究の詳細は2025年5月26日付で学術誌『Behaviour & Information Technology』に掲載されています。
日本の埼玉県立大学(SPU)および人間総合科学大学(UHAS)の共同研究によって、高齢者ではアキレス腱が若者よりも柔らかくなっており、そのことが身体のバランスを保つ能力の低下と関連していることが明らかになりました。 研究では高齢者のアキレス腱の硬さは若者より約37%低く、静かに立っているときでもふくらはぎの筋肉がより短い長さで働きやすく、その変化の大きさが体の揺れと関連していることが示されました。 一般に「歳を取ると体は硬くなる」と言われますが、転倒リスクを高める原因がむしろ「体の一部が柔らかくなりすぎている」ことにあるというのは意外な発見です。 研究チームは筋肉を鍛える「筋トレ」だけでなく、腱の適切な硬さを保つための「腱トレ」という新しいアプローチにも着目しています。 この新しい視点は、高齢者の転倒予防にどのように役立つのでしょうか? 研究内容の詳細は2025年11月2日に『Journa
アメリカのカリフォルニア工科大学(Caltech)・ハーバード大学・Google Quantum AIの合同研究チームによって、観察という行為そのものに限界が生じ得ることを理論的に示しました。 研究では最新の量子コンピューターを用いても物事が進む時間や因果構造、さらには物質の状態(相)など、自然界の根本的な性質すらも十分に知ることが難しいことが示されています。 実際、ある種の問題については、最新の量子コンピューターでも天文学的な時間スケールが必要になり原理的に観測が不可能な「観測の壁」が立ちはだかります。 「観察すれば世界のすべてを理解できる」という私たちの直感は間違いなのでしょうか? 研究内容の詳細は2025年10月9日に『arXiv』に投稿されました。
かつて人類は「夜に2回眠る」のが普通だった現代人にとって「睡眠はまとめて1回で取る」のが常識となっていますが、それは意外にも新しい習慣です。 歴史をひもとくと、人類の多くは何千年ものあいだ、1晩の睡眠を「2回」に分けてとる分割睡眠が当たり前でした。 この分割睡眠は「ファーストスリープ(最初の睡眠)」と「セカンドスリープ(2回目の睡眠)」と呼ばれ、まず日が暮れてから数時間寝た後、夜中に一度目覚めて1時間ほど過ごし、再び朝まで眠るというパターンが一般的でした。 この「夜中の目覚め」は何も特別な現象ではありません。 ヨーロッパ、中東、アフリカ、アジアなど、さまざまな地域の歴史記録や文献に「最初の眠りの終わり」「二度目の眠り」といった表現が登場します。 たとえば、古代ギリシャのホメロスやローマ詩人ウェルギリウスも「最初の睡眠の終わりの時刻」について記しています。 では、その“真ん中の時間”に人々は
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