菅野智之(35)今季限りでの退団も

メジャーリーグのトレード移籍期限が過ぎ、1年目からトレードが噂されていたボルティモア・オリオールズの菅野智之の残留が決まった。
まずはひと安心といったところだが、あまりうかうかしていられそうもない。
オリオールズは現在、ア・リーグ東地区最下位に沈んでいる。チーム浮上のため、菅野はトレードの“弾”になると報じられていたが、結局は回避となった。
しかし、来季も菅野がオリオールズのユニフォームに袖を通しているかは怪しい。
菅野はここまで20試合に登板して8勝5敗、防御率4.38。勝利数はチームトップタイで、QSもチームトップであり、先発の柱といえる…のだが、これは表面的な成績での話だ。
映画『マネーボール』でも描かれたように、メジャーリーグはあらゆる成績を数値化・分析した「セイバーメトリクス」が重点的に用いられ、指標が選手の評価軸となる。
あの松坂大輔も、これに基づけば一気に評価は落ちる。
松坂はメジャー2年目に18勝3敗、リーグ3位となる防御率2.90を記録。一見すると文句のない、サイ・ヤング賞すらあり得る好成績に見えるが、現地での評価は低く、連日バッシングにさらされた。
その要因として、松坂は29試合先発でたったの167.2投球回、1試合あたりの投球回数は6イニング以下。QS率は48%、1イニングあたりの投球数はリーグワースト2位と、テンポの悪い投球が目立った。松坂ほど醜悪ではないが、菅野もこの“成績以上に評価はない”ピッチャーに分類される。
実際の防御率は4点台前半だが、守備や運の要素を排除した指標である「期待防御率」(xERA)は5.81。期待被打率(XBA)も.302と3割超え、期待長打率も(xSLG)も.533だ。
近年のメジャーでは奪三振が評価されるが、奪三振率も15.2%。これらの指標はいずれも、メジャーの下位5%に入るほど悪い数字だ。
このように、菅野は見かけの成績こそ優良なイニングイーターだが、メジャーで重視される指標の面では落第点と言わざるを得ない。
チームトップの勝ち星も、松坂同様に味方の守備や援護に助けられている面が強く、1年契約であることをふまえると、来季の契約は綱渡りだ。
「シーズン中のトレードこそ回避したが、後半戦に巻き返さないと、今季限りでの退団もありえる。元から1年契約で、ただでさえクビになりやすいですし、年齢もあって来季には日本球界復帰なんてことも考えられるでしょう」(スポーツ紙MLB担当)
春先の好調を取り戻し、サムライの意地を見せてほしいものだと週刊実話WEBは報じている。
編集者:いまトピ編集部