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ブラックフライデー
teatime365.hatenablog.com
・少しつまずくとやめてしまう ・「できない」と決めるのが早い ・挑戦する前から引いてしまう こんな姿を見ると、 親としては不安になります。 「根気がないのかな」 「努力が足りないのかな」 何度も同じ場面を見ると、 つい 「もう少し頑張ってほしい」 という気持ちが強くなることもあります。 でも、ここで立ち止まって考えたいのは、 “諦める早さ”=性格 と決めてしまっていいのか、という点です。 実はこの行動、 意志や気合いの問題ではないことが多いのです。 脳は「できた感覚」で次の行動を決めている 人の脳は、 「うまくいった」 「少し前進した」 という感覚をもとに、 次の行動を選びます。 これは大人も子どもも同じです。 ただし小学生の場合、 この成功の感覚を細かく拾う力が まだ育ち途中。 大人は、 「途中でも進んでいる」 「前よりよくなっている」 という変化を無意識に補正できますが、 子どもはそう
「ちゃんと説明したのに、どうしてできないんだろう」 ・話を聞いていないようには見えない ・うなずいている ・その場では「分かった」と言う それなのに、 いざやらせてみると手が止まり、 「分からない」と言う。 こんな場面、ありませんか。 親としては、 「聞いてなかったの?」 「さっき言ったよね?」 と、つい確認したくなります。 何度も説明していると、 だんだん 「ちゃんと聞いてほしい」 「集中してほしい」 という気持ちが強くなっていきます。 でもこの状態、 集中力ややる気の問題ではないことが多いです。 「聞く」と「できる」は、脳では別の作業 私たちはつい、 「聞いた=理解した=できる」 と考えがちです。 大人同士の会話では、 この流れが自然に成立することも多いからです。 けれど脳の中では、 ・話を聞く ・意味を理解する ・手順として頭に残す ・実際の行動に移す これらは別々の処理として行われ
「注意すると、急に黙ってしまうんです」 ・何を聞いても「……」 ・目を伏せて固まる ・話しかけても反応が薄い 叱ったあと、 こんな状態になる子はいませんか。 親としては、 「反省しているのかな」 「ちゃんと聞いているのかな」 と様子をうかがいながらも、 内心では 「どうして何も言わないんだろう」 と、戸惑ってしまいますよね。 ときには、 距離を拒まれたように感じて、 胸がチクッとすることもあるかもしれません。 でも、この反応は、 わざとでも、性格でもありません。 黙り込むのは「考えている」からではない 黙っている姿を見ると、 「自分で考えている最中なのかな」 「反省している途中なのかな」 と捉えたくなります。 けれど、脳の視点で見ると、 実際に起きているのは “思考が深まっている状態”ではありません。 このとき子どもの脳では、 【扁桃体(へんとうたい)】 が強く反応しています。 扁桃体は、
「うちの子、すぐ諦めてしまって…」 ・少し難しくなると投げ出す ・続けて練習しない ・「もう無理」「できない」が早い こんな姿を見ると、 「根気が足りないのかな」 「このままで大丈夫かな」 と、親として不安になりますよね。 とくに、 頑張ってほしい気持ちが強い親ほど、心が揺れやすいテーマです。 でも、ここで一つ、 ぜひ知っておいてほしいことがあります。 諦めやすさは「性格」ではなく「脳の仕組み」 人が「もう少しやってみよう」と思えるかどうかは、 気合いや性格ではなく、 脳の中の“報酬システム”に大きく左右されています。 その中心にあるのが、 【ドーパミン】です。 ドーパミンは、 「楽しい!」という単純な快感だけでなく、 ・できた実感を得たとき ・前より少し良くなったとき ・先が見えたとき に分泌され、 行動を“続けさせるエネルギー”になります。 逆に言うと、 ドーパミンが出にくい状況では、
「うちの子、やる気が続かなくて…」 「続けるのがとにかく苦手」 「習い事も勉強も、最初だけ頑張って終わってしまう」 子どもを見ていると、どこか物足らない。 「もっと根性があれば…」 「性格の問題なのかな…」 心のどこかで、そんな思いが頭をよぎる瞬間ってありませんか? でも、安心してください。 それは意志の弱さでも、性格の問題でもありません。 脳科学と行動科学の視点から見ると、 子どもが続かない最大の理由は―― “頑張りすぎる設計”になっていること にあります。 なぜ「頑張らせるほど」続かなくなるのか? 私たち大人もそうですが、 毎日30分やろう 完璧にやろう ちゃんと理解してから次へ進もう こうした目標は、一見正しそうに見えます。 でも、脳にとってはかなり負荷が高い状態です。 脳は本来、 エネルギーを節約したい 失敗を避けたい できない自分を守りたい という性質を持っています。 そのため、
「失敗したら、すぐ自分を責める」 「ちょっと注意されただけで、落ち込む」 「友達関係で嫌なことがあると、“自分がダメだから”と結論づけてしまう」 こんな姿を見ると、 親としては胸がぎゅっと締めつけられるような気持ちになります。 でも実はそれ、 性格の問題でも、心の弱さでもありません。 子どもが 「出来事をどう意味づけているか」 ——つまり “心の物語の作り方” による影響がとても大きいのです。 この「意味づけ」をやさしく整えていく教育アプローチを ナラティブ(Narrative)教育 と呼びます。 ナラティブとは?——子どもは「物語」で自分を理解している ナラティブとは、簡単に言えば 自分の経験を、どんな“物語”として語っているか ということ。 たとえば同じ出来事でも—— ・テストで点が取れなかった ・友達にきつい言葉を言われた ・発表でうまく話せなかった その意味づけ次第で、心の中の物語
「宿題はちゃんとやるのに、応用問題になると止まってしまう」 「自由研究や作文になると、何から始めていいかわからない」 「『何を調べたいの?』と聞くと、黙り込んでしまう」 もっと、世の中に興味を広げ、自ら学ぶ力を身に付けていってほしいと感じているお家の方の声をよく聞きます。 実は、これは 能力が足りないからでも、やる気がないからでもありません。 多くの場合、 “課題を見つける力(課題発見力)”が、まだ育ち途中なだけ なのです。 これからの時代、 「答えを早く出せる子」よりも 「何が問題なのかに気づける子」 が、確実に伸びていきます。 この記事では、 課題発見力とは何か なぜ小学生のうちに重要なのか 家庭でできる具体的な育て方 を、専門的でありながら、 今日から実践できる形でお伝えします。 課題発見力とは? 課題発見力とは、簡単に言うと、 「うまくいっていないところ」 「もっと良くできそうなと
「ちょっと注意されただけで泣いてしまう」 「友達に一言言われただけで、家に帰ってからも元気がない」 「失敗すると、なかなか立ち直れない」 そんなわが子の姿を見て、 「この子、大丈夫かな…」 「社会に出てから苦労しないかな…」 と、不安になるお家の方は少なくありません。 でも、ここで一つ大切な視点があります。 “打たれ弱さ”=ダメな性格、ではありません。 実はそれは、 ・刺激に敏感 ・感情を深く感じ取れる ・周囲の空気をよく察知できる という脳の特性の裏返しでもあるのです。 問題なのは「傷つきやすいこと」そのものではなく、 傷ついたあとに、どう回復できるか。 そこで注目されているのが、 マイクロレジリエンス(Micro-Resilience) ――「日常の中で小さく立ち直る力」です。 レジリエンスは「根性」ではなく「回復の技術」 レジリエンスという言葉を聞くと、 ・強いメンタル ・へこたれな
「毎日ちゃんとほめているのに、全然自信がついている気がしない」 「少し注意しただけで、極端に落ち込む」 「『見て!見て!』が多くて、正直しんどい…」 小学生のお家の方から、こうした声を聞くことは少なくありません。 一生懸命関わっているからこそ、 ほめているのに伸びない 承認を与えているつもりなのに、不安が強い 自己肯定感が育っている感じがしない そんな違和感を覚えると、 「私の関わり方が間違っているのかな…」と、自分を責めてしまうこともあります。 でも、安心してください。 それは親の愛情不足ではありません。 多くの場合、問題は “承認の量”ではなく、“承認の質” にあります。 この記事では、 子どもの「承認の渇き」とは何か なぜ、ほめているのに満たされないのか 自己肯定感につながる“科学的に正しい承認”とは何か をお届けします。 子どもの「承認の渇き」とは何か? 承認欲求は「悪いもの」では
「また忘れ物したの?」 「なんで言ったことをすぐにやらないの…?」 「宿題を始めるまでに時間がかかりすぎる…」 親としてイライラしたり、心配になってしまったりすること、ありませんか? それは、 「性格の問題」でも「やる気のなさ」でもないことがほとんどです。 教育心理学と脳科学では、これらのつまずきの多くに共通するのが、 実行機能(Executive Functions) と呼ばれる、“目標に向かって行動をコントロールする脳の力”です。 実行機能は、まだ発達途中の子どもにとっては負担が大きく、 年齢によって差も非常に大きい力です。 だからこそ、 家庭での小さな工夫で確実に伸ばすことができる力でもあります。 親の関わり方ひとつで、 「できない…」が「できた!」に変わる場面が増えていきます。 実行機能をつくる3つの柱 小学生がつまずきやすい“根っこ”はこれ 実行機能は主に次の3つで構成されていま
「いやだと言えず、友達のペースに巻き込まれる」 「本当はやりたくないのに、断れずに疲れて帰ってくる」 「反論したいのに、頭が真っ白になる」 小学生の相談で最も多いのが、この“自己主張が苦手”という悩みです。 ただ、はっきりお伝えしたいのは―― 言い返せない子は、弱いわけではありません。 伝え方の“練習”をしていないだけです。 実際、学校現場でも、 ・優しすぎて遠慮しすぎる子 ・衝突を避けるタイプ ・相手を気遣いすぎて声を飲み込む子 こんな「思いやり深い子」ほど、自己主張が苦手になりがちです。 でも大丈夫。 自己主張は性格ではなく、後天的な“対人スキル”です。 親が知っているだけで、子どもは確実に伸びていきます。 アサーティブとは?(小学生向けにわかりやすく) アサーティブとは、 「自分も相手も大切にしながら、気持ちと希望を上手に伝える技術」 のことです。 よくある3つのタイプで説明すると─
「授業中は理解できているのに、テストになると点が取れない…」 「家では説明できるのに、問題になると急にできなくなる」 それなのに、 テストでは毎回「あれ?」という結果。 実はこれ、学力の問題ではなく “認知のクセ(ものごとの捉え方)” が原因で起きる典型パターンです。 この認知のクセを修正すると、 子どもは 急にテストで得点できるようになります。 授業は分かるのにテストで点が取れない子の「5つの認知のクセ」 ①「わかった=できる」と思い込む(理解の錯覚) 授業中は説明を聞いて「なるほど」「できそう」と感じる。 しかしこれは “理解の感覚” であり、 “問題を再現できる力” とはまったく別物。 特に小学生は、 頭の中の“わかった気”が強く、練習量が不足しがちに。 症状例: ・ケアレスミスが多い ・解き方を説明できない ・似た問題になると手が止まる ② テストの“読み方”ができていない(設問処
「うちの子、友達とうまく関われないみたいで…」 「優しくできるのに、言葉が追いつかなくて誤解される」 「断れずに疲れてしまうタイプなんです」 ここ数年、学校現場でも家庭でも、 友達トラブルやコミュニケーションの不安の相談が急増しています。 背景には、 SNS的な“早い反応”へのプレッシャー マスク時代の影響による表情読み取りの遅れ 学級の多様化と人間関係の複雑化 コミュニケーション量の減少 など、子どもたちを取り巻く環境の変化があります。 でも、大丈夫。 ソーシャルスキルは、生まれつきの才能ではなく、あとから育つ力です。 大人が「できない原因」を責める必要はありません。 “練習次第で伸びる力”だからこそ、今サポートする価値があります。 親がSST(ソーシャルスキルトレーニング)を知っているだけで、 子どもが「人と関わることが怖くない世界」が広がります。 ソーシャルスキルとは? ソーシャルス
「うちの子、説明してもピンと来ない…」 「同じことを教えているのに、どうしてか覚えられない」 お子さんに伝えたいことが、うまく届かないっていう経験ありませんか? その“わからなさ”は、決して 能力の差 ではなく、 「脳の情報処理のクセ」 が原因かもしれません。 教育心理学や脳科学では、子どもの学び方には主に3つのスタイルがあると言われます。 視覚優位(見ると理解しやすい) 聴覚優位(聞くと理解しやすい) 体感覚優位(やってみると理解しやすい) この違いを知るだけで、 「伝え方」「教え方」「学び方」が劇的に変わります。 そして何より、 親子のストレスが一気に軽くなります。 視覚・聴覚・体感覚:それぞれの“理解の入り口”と得意・つまずきポイント ここでは、3つのタイプを “親が見てすぐわかる行動特徴”で整理します。 お子さんは、どのタイプか想像しながら読んでみてください。 ① 視覚優位(Vタイ
「宿題をやりなさいって、今日も3回言った…」 「片付けがぜんぜん進まない…」 「朝の支度、どうして毎日バタバタするんだろう?」 小学生の親なら、一度は感じたことがある悩みだと思います。 実はこれらの多くは、「習慣が続く仕組みがないこと」が原因です。 子どもは“やる気”で動くわけではありません。 大人も同じ。私たちが続けられている行動は、「続くように設計されている」ことがほとんどです。 行動科学では、 行動が続くためには4つの条件がそろっていることが重要 と考えられています。 今日は、この4つの視点を使って、 家庭の中に「スムーズに動ける仕組み」をつくる方法をお伝えします。 読み終わるころには、 「叱るより、仕組みを整えた方がラクかもしれない」 と、きっと肩の力がふっと抜けるはずです。 行動は「気合い」ではなく“設計”で決まる 行動科学の基本はとてもシンプルです。 行動=きっかけ × やりや
気づけば、子どもたちの世界は“選択”であふれています。 ・明日の服を選ぶ ・宿題をどれから始めるか ・誰と遊ぶか ・どの情報を信じるか ・習い事を続けるか AI時代の教育で最も重要と言われているのが、 自分で選び、選んだ結果に責任を持てる力=意思決定スキル。 ところが学校でも家庭でも「決める練習」はなかなか教わりません。 その結果… ・選ぶのが苦手 ・失敗が怖い ・「どっちでもいい」と言いがち ・後悔しやすい ・親の判断に依存しがち という子が増えています。 でも大丈夫。 意思決定は“才能”ではなく、家庭で確実に育てられるスキルです。 意思決定スキルとは? 心理学では、意思決定は次の3つで構成されると言われています。 選択肢をつくる力 基準を持って選ぶ力 選んだ後のプロセスを振り返る力 この3つが揃うと、子どもは「自分で決められる子」に育ちます。 逆に、どれか1つが欠けると… ・選択肢が少
「計算が遅い」「音読が続かない」「書くとミスが多い」 小学生のお家の方から、よく相談を受けます。 これらの多くは “能力不足”ではなく、“ワーキングメモリの負担” が原因です。 ワーキングメモリとは、 「頭の中で一時的に情報を保持しながら作業する力」のこと。 たとえば計算なら、 ・数を覚える ・手順を思い出す ・書く ・答えを考える …これらを全部、同時進行で行う必要があります。 もし一つひとつの作業が“自動化”されていなければ、 頭の中はすぐにパンパンになります。 そこで鍵になるのが、 「学習の自動化」=考えなくても自然にできる状態にしておくこと。 これは才能ではなく、 家庭の関わり方で確実に育てられます。 自動化がうまくいくと、 〇「計算が遅い」が改善 〇「音読がスラスラ」に変わる 〇「書き写しのミス」が激減 〇「勉強の好き・嫌い」まで変わる そんな“土台づくりの教育”の話を、ここから
最近、学校でも家庭でも 「うちの子、ちょっとしたことで落ち込む…」 「不安が強くて、初めてのことに挑戦できない」 そんな声が増えています。 実は、小学生のストレスは大人が思っている以上に多様です。 友だちとの微妙な距離感 授業のスピードについていけない不安 音読・発表など“人前”の緊張 習い事や宿題の負荷 先生や親からの期待 そして子どもはまだ、“自分の心を守る手段”を多く持っていません。 だからこそ、 ストレスと正しく付き合う力(コーピング)を 家庭で育てることが、大きな安心につながります。 これは特別な才能ではなく、 “親子の日常会話”の中で育つ力。 この記事では、教育心理学・脳科学の知見を土台にしながら、 親が家庭でできる優しい関わりを紹介します。 ストレスマネジメントとは? ストレスとは「心のコップに水がたまる状態」。 宿題が多い 明日のテストが不安 友だちとケンカした 先生に注意
まず、親であるあなたへ イライラしても大丈夫です 「また怒鳴ってしまった…」 「わかってるのに、うまく関われない…」 子育てをしていると、こんなふうに自分を責めてしまう瞬間が誰にでもあります。 でも、まず知ってほしいことがあります。 怒りは、“悪い感情”ではありません。 怒りは、人間がもともと持っている自然な反応であり、 「自分を守るため」に必要なサインでもあります。 そして、親がイライラするのは、 “あなたに問題があるから”ではなく、 脳がそう反応する仕組みだから。 つまり、あなたが悪いわけではないのです。 そう理解できると、子どもの怒りにも優しく向き合える視点が増えていきます。 怒りの正体を、脳科学でひも解く 怒りは「一次感情」と呼ばれる、もっと深い感情から生まれます。 怒りの奥にある一次感情 悲しい 不安 恥ずかしい 悔しい 孤独 期待が外れた 子どもが「キレる」とき、その奥には “
「やらされ感がすごい」「言われないと動かない」 多くの保護者が抱える、この“指示待ち問題”。 実はこれ、性格の問題ではなく 親の関わり方と環境で大きく変わる ことが、教育心理学の研究で明らかになっています。 今の子どもたちは、 タブレット学習 宿題の多様化 習い事の増加 周囲からの評価プレッシャー こうした“外からの要求”が多い環境の中で日常を過ごしています。 このような時代だからこそ、 「自分で決める」「自分で動く」 という力が、子どもの学習・非認知能力・将来のキャリアまで土台になります。 その中核にあるのが、心理学でいう 自律性サポート(Autonomy Support) です。 自律性サポートとは?(親がすべきは“干渉”ではなく“支援”) 自律性サポートとは… 「子どもが自分で選び、自分の行動に意味づけできるように、親が支える関わり方」 のこと。 反対は「コントロール型の関わり」。
「勉強しているのに点が伸びない」 「何度注意しても、同じミスを繰り返す」 「計画を立てても続かない」 多くの小学生のお家の方が抱える、この“日常の困りごと”。 実はその背景には “メタ認知(自分の考え方を客観的に見る力)” が深く関わっています。 メタ認知は、教育心理学でも “学力の土台” として特に注目されている分野です。 近年の研究では、 成績上位の子どもほどメタ認知が高い 問題解決・読解力・学習の計画性と強く関連 非認知能力(粘り強さ・自制心・自己効力感)を高める といったことが明らかになっています。 つまり、メタ認知が育つと、 「分からない」をそのままにしない子 「なぜ間違えたか」を分析できる子 「次はこうしよう」と自分で改善できる子 に成長していきます。 そして嬉しいのは、メタ認知は 家庭での関わりだけでも大きく伸ばせる ということです。 ここからは、教育心理学をもとに、 家庭で
・ちょっと注意されただけで固まる ・自分の意見を言えない ・新しいことに挑戦する前から「失敗したらどうしよう」と不安になる これらは、単なる性格ではなく、心理的安全性(Psychological Safety)と深く関係しています。 今の子どもたちは、SNSやテスト・評価の早期化、比較されやすい環境の中で育っています。 「間違えた=ダメ」という空気を日常のどこかで感じやすいのです。 だからこそ、 “家庭だけは安心して挑戦できる場所”にすることが、より重要になっています。 心理的安全性とは? 心理的安全性とは本来、 「自分の意見や失敗を表現しても、否定や批判を受けず、尊重されると信じられる状態」 を指します。 教育の文脈に落とすと、 間違えても怒られない 質問しても笑われない 意見を言っても否定されない できなくても「あなたには価値がある」と感じられる こうした状態のことです。 つまり、 「
「これからの社会はどうなるんだろう?」 「AIが仕事を奪うって聞くけど、どんな力を付けていけばよいのだろう・・・」 今の子どもたちは、私たちが子どもの頃とは全く違う世界を生きています。 10年後に存在していない職業がある 予測不能な変化が毎年起こる 情報はあふれ、誰も“正解”を持っていない AIと「共存」して生きていく必要がある だからこそ、これからの子どもに必要なのは、 「正解を知っている子」ではなく、正解がなくても動き出せる子。 そんな時代のキーワードとなるのが、今回のテーマ 「アブダクション(Abduction)=仮説思考」 です。 アブダクション(仮説思考)とは? アブダクションとは、 手に入る情報が不完全な状態でも、もっとも“ありそう”な仮説を立てて行動する思考法 のこと。 科学者が新しい理論を作るときにも使われる、非常に本質的な思考プロセスであり、 AIやデータ社会では必須のス
「ちゃんと勉強しているのに、テストでミスが減らない…」 「同じ単元ばかりやっているのに、応用問題になると手が止まる…」 小学生のお家の方から、よく届く悩みです。 実はこれ、 “勉強のやり方”が脳の仕組みに合っていない ことが大きな原因の一つ。 世界的に“最も効果が高い学習法の一つ”とされ、 教育心理学・脳科学の研究で強く支持されているのが、 インタリーブ学習(Interleaving)=「混ぜる学習」 単元をまとめて一気にやるのではなく、 複数の種類の問題を交互に混ぜて学ぶ方法です。 シンプルなのに、驚くほど効果が高い。 子どもの “理解の深さ・応用力・ミスの減り方” が大きく変わります。 インタリーブとは? ブロック学習との違い 〇 ブロック学習(これまで一般的) 割り算だけを30問 漢字だけを3ページ 英単語だけを20個 =ひとつの種類をまとめて練習するやり方 理解しやすい反面、 “そ
「すぐ気が散る」「ゲームの誘惑に勝てない」「宿題の前にぼーっとする」 多くの親が毎日感じているこの悩み。 でも、これは“怠け心”でも“甘え”でもありません。 脳科学では、 集中力=注意コントロール(Attention Control) と呼ばれ、 「脳の前頭前皮質(実行機能)」が働くことで保たれる能力だと説明されています。 つまり、 集中力が続かないのは、脳がまだ発達途中だから。 大人でもSNS通知に負ける時代。 子どもがゲームや動画の誘惑に勝てないのは、ある意味、当然の脳の反応なのです。 最初に知ってほしいのは、 集中力は“性格”ではない。“設計”で伸びるスキルである ということ。 注意コントロールとは? 注意コントロールは、 「注意を向ける/維持する/切り替える」力の総称です。 具体的には3つの能力に分かれます。 ① 選択性注意 今必要な刺激だけに注意を向ける力 → 例:授業中に先生の
子ども同士のトラブル—— 兄弟喧嘩、友達との衝突、意見がぶつかる場面。 親としては「ケンカしないで!」「仲良くしなさい!」と言いたくなりますよね。 でも実は、現代の教育と心理学によると、ケンカや衝突を“避ける”よりも、“扱えるようになる”ほうが圧倒的に重要だと言われています。 学校も、職場も、これからの社会も 「正解のない問題を、話し合いながら解決する力」が求められるからです。 そこで注目されているのが、 コンフリクト・マネジメント(衝突処理能力)。 これは、単にケンカを止める力ではなく、 ①自分の気持ちを理解し ②相手を尊重し ③解決策を一緒に作る という、人間関係の“基礎体力”ともいえる力です。 衝突は、子どもにとって「社会性が伸びる瞬間」でもあります。 今日はその育て方を、家庭で実践できるレベルにまで分解してお伝えします。 コンフリクト・マネジメントとは? コンフリクト・マネジメント
「どうせできない…」 「やっても意味ない…」 あなたのお子さんが、こんな言葉を口にすることはありませんか? 勉強、友達関係、生活習慣、運動・・・ 努力すれば伸びるはずの場面でも、 “最初の一歩”を踏み出せない子が増えています。 でも、その原因は 「自信がないから」ではありません。 子どもが挑戦できない背景にあるのは 「自己効力感(Self-efficacy)」の不足 であるということ。 これは 「自分はできるはずだ」という“行動の見通し”の感覚であり、 「自己肯定感」と混同されがちですが、まったく別物。 〇 自己肯定感…自分の存在を肯定する感覚 〇 自己効力感…自分の行動が結果につながると感じる力 学力、やる気、粘り強さ、レジリエンス、友人関係・・・ 実はどれも、自己効力感が“土台”になっています。 そして、この力は 親の関わり方で大きく育つ ことがわかっています。 では、どうすれば子ども
なぜ「勉強したはずなのに、テストで発揮できない子」が多いのか? 親なら一度は経験があると思います。 「算数ドリルはできるのに文章題になると急にできない」 「社会で習ったことが日常の会話になると、全然つながらない」 「習った知識が“その場でしか使えない”」 実はこれ、 子どもに“能力が足りない”からではありません。 原因は、 『トランスファー(Transfer)=学んだことを他の場面に応用する力』が育っていないから。 今まさに教育界で注目されているキーワードで、 探究学習 / STEAM / 非認知能力とも深くつながる「未来の学力の中心」です。 トランスファーとは? トランスファーとは、 ある場面で学んだ知識やスキルを、まったく違う場面で活かせる力。 例 掛け算を→買い物で活かせる 読解力を→友達の気持ちを考えるときに活かせる 理科の知識を→社会問題の理解に応用できる このように、 「教室の
「急に泣き出す」「スイッチが切り替わらない」「気にしすぎて動けない」 こんな子どもの姿に、毎日どう関わればいいのか悩んでいませんか? 実はこれらは性格ではなく、“感情のフレキシビリティ(柔軟性)”という脳の働きと深く関係しています。 SEL(社会情動学習)でも中核のテーマであり、世界の教育研究では 「これからの時代の必須スキル」と位置づけられている分野です。 この記事では、小学生の親が 家庭でできる実践と、 脳科学・教育心理学の最新知見を交えながら、 「切り替えられる子」「気持ちに溺れない子」の育て方を 解説します。 そもそも“感情のフレキシビリティ”って何? ひと言でいえば、 状況に合わせて、感情を調整し直す力。 怒り・不安・悲しみがゼロになるわけではありません。 大事なのは、 「感情が出ても、そこに固定されず、別の視点や行動に移れる」 という能力です。 ●この力が弱いと… 癇癪が長引く
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