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ブラックフライデー
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突飛な展開が賛否を呼ぶが、独自の世界観は魅力的? 映画『果てしなきスカーレット』感想レビュー 映画『果てしなきスカーレット』は、王女スカーレット(芦田愛菜)が父の処刑によって国を失い、その復讐に挑むも失敗し、気づけば「死者の国」と呼ばれる異界へ迷い込むところから始まる物語である。この世界では、力を持たない者は「虚無」となり消滅するという厳しい掟が存在し、彼女の生存そのものが試されていく。 さらに、スカーレットを追い詰める宿敵クローディアス(役所広司)の影が迫り、ストーリーは緊張感を増していく。 一方で、現代日本に生きる看護師である聖(ひじり)(岡田将生)は思いがけない事故をきっかけに異界へ飛ばされ、スカーレットと運命的に出会う。異なる世界から来た二人が死者の国を旅することで、物語はファンタジーとドラマが交差する独自の展開を見せていく。 荒涼とした異界 正直なところ、予告動画を観た段階で一抹
人間とAIの恋愛を描いた近未来SF?今あらためて観ると見えてくる“時代の変化”。 映画『her/世界でひとつの彼女』感想レビュー 近未来ロサンゼルスを舞台にした映画『her/世界でひとつの彼女』は、ジョアキン・フェニックス演じるセオドア・トゥオンブリーが主人公である。彼は他人の手紙を代筆する仕事をしているが、離婚の痛手をいまだ引きずり、孤独が静かに積もり続ける日々を過ごしていた。そんな彼の前に、スパイク・ジョーンズ監督が描く世界観を象徴する“AI_OS”が現れる。声を担当するのはスカーレット・ヨハンソン。このAI〈サマンサ〉との対話は、セオドアの生活を少しずつ変え、やがて深い関係へと進んでいく。 デジタル情報の中枢を象徴するAIイメージ 本作はなんか昔、公開当時に観たかった映画だった気がする。しかし劇場で観るタイミングを逃し、そのまま年月が過ぎてしまった。アマゾンを覗いていると、たまたま本
仮想世界〈U〉が導く、新しい出会いと再生の物語 映画『竜とそばかすの姫』感想レビュー|細田守監督が描く“現実と仮想”の青春譚 高知で父と二人暮らしをする高校生・すず(CV:中村佳穂)は、幼い頃に母を事故で失って以来、人前で歌うことができなくなり、心を閉ざして生きてきた。学校では目立たない存在であり、家でも感情を抑え込むように過ごす毎日であった。 そんなすずの世界を変えたのが、全世界のユーザーが参加する巨大仮想空間〈U〉である。現実の姿に縛られないこの空間では、参加者の潜在的な特性を元に生成された容姿で活動することができる。すずはそこで「ベル(Belle)」という別人格として生まれ変わり、歌声を取り戻す。肉体の制約から解き放たれたベルの歌は瞬く間に注目を集め、すずの閉ざされた心にも変化が生まれていくのである。 情報が走り抜ける仮想空間 2025年11月21日に金曜ロードショーで放送予定という
ヤン・ズーシャンが眩しい!中国版『怪しい彼女』こと映画『20歳よ、もう一度』レビュー 中国映画『20歳よ、もう一度』感想・あらすじ・見どころ 中国版『怪しい彼女』――映画『20歳よ、もう一度』は、人生を20歳からもう一度やり直す奇跡を描いたヒューマンドラマである。70歳の沈夢君(グイ・ヤーレイ)は家族に疎まれ、静かな生活を送っていた。そんなある日、街角の写真館で不思議な体験をし、なんと20歳の姿に若返ってしまう。若き日の彼女“孟テレサ”(ヤン・ズーシャン)として再び人生を歩みだしたテレサは、かつて夢見た歌手への道に挑戦し、孫(チェン・ボーリン)との交流を通じて、忘れかけていた情熱を取り戻していく。 横浜中華街の入口の門に書かれている"中華街" 『怪しい彼女』シリーズ4作目は、ついに四千年の歴史を持つ中国へ。邦題は『20歳よ、もう一度』。私のメインのサブスクはAmazonプライムなのだが、こ
若き日のおばあちゃんは美女だった。 映画『ベトナムの怪しい彼女』感想レビュー|ミウ・レ主演、奇想天外な若返りストーリー ベトナム映画『ベトナムの怪しい彼女』(原題:Em Là Bà Nội Của Anh)は、韓国発の大ヒット映画作品『수상한 그녀(ミス・グランニー)』をリメイクした感動コメディ。主演はベトナムの人気女優ミウ・レ。年老いた女性が突然二十歳の姿に若返るという奇想天外な物語を、ユーモアと涙で描き出している。 .本家の韓国版『怪しい彼女』はコチラ ▼. www.kfilm.biz .中国版はコチラ. www.ikakimchi.biz 主人公バ・ダイ(ハ・ホアイ・トゥーアン)は、頑固でお節介な性格が災いし、家族からも疎まれている孤独なおばあちゃんである。そんな彼女が偶然入った写真館で不思議な体験をし、若き日の姿――タン・ガー(ミウ・レ)として生まれ変わる。若返った彼女は、かつて諦
“育てる愛”と“手放す愛”──母として生き抜く花の物語 映画『おおかみこどもの雨と雪』感想・考察レビュー【ネタバレあり】 細田守監督によるアニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』(声の出演:宮﨑あおい/大沢たかお/役所広司)は、母としての強さと孤独、そして“子どもを手放す覚悟”を描いたファンタジー×ヒューマンドラマである。 大学生の花は、正体を隠して生きる“おおかみおとこ”と出会い、恋に落ち、雪と雨という二人の子を授かる。しかし突然の別れにより、花はたった一人で“人でもオオカミでもある子どもたち”を育てていくことに。 都会での暮らしに限界を悟った花は、子どもたちを守るために田舎の山奥の古民家へ移住する。そしてそこにあるのは、涙や叫びではなく、静かで必死な母の闘いだ。山村での自給自足、周囲の目を気にしながらの子育て、そして“人として生きるのか、オオカミとして生きるのか”という子どもたちの選択──
中年男性が、一人の女性との出会いで人生を動かし始める物語 映画『好きにならずにいられない(Virgin Mountain)』感想レビュー アイスランド映画『好きにならずにいられない』(原題:Fúsi/英題:Virgin Mountain)は、北欧映画らしい静かな映像美と、一人の男の生き方を描いたヒューマンドラマである。主人公フーシ(グンナル・ヨンソン)は43歳で独身。アイスランドの空港で荷物係として働き、母親と暮らしながら戦車模型・ミニチュア制作に没頭する日々を送っている。 そんな繰り返しの人生に訪れた転機が、母親の彼氏の勧めで参加したダンス教室。そこでフーシはシェヴン(イルムル・クリスチャンスドッティル)という女性と出会う。心に痛みを抱えた彼女との出会いは、フーシの「毎日の同じ日々」を少しずつ動かし始める。 物憂げなぽっちゃり男性 ■ 高評価映画に疲れた末に、この作品へ 直近に視聴した二
映画レビュー100本到達のご挨拶とおすすめ作品の紹介 映画レビューを書き続けてきた当ブログ『のんびり映画帳』も、ついに100記事に到達することができました。これも一重に、読んでくださる皆様のおかげです。 そこで今回は100本の映画レビューの節目として、これまで観て、書いてきた映画レビュー100本の中から、私が「本当に観て良かった」「今でも心に残っている」と思える10本を厳選して紹介いたします。ランキングではなく、自分の記憶と感情に強く残った映画ベスト10です。 ジャンルはバラバラですが、どの作品にも“心に残る何か”があり、皆さまの映画ライフの参考にしていただければ幸いです。なお、私が映画を視聴しているサブスクリプションサービスはAmazonプライムビデオ(Prime Video)のみであるため、紹介作品もAmazonで視聴できるものが中心となります。ご了承ください。 それでは、映画レビュー
ホテルでのそれぞれの非日常を描く 映画『ホテルローヤル』感想レビュー【ネタバレなし】 映画『ホテルローヤル』は、北海道の片隅に佇む古びた宿泊施設を舞台に、そこに関わる人々の人生が静かに交していくヒューマンドラマである。波瑠が主人公・田中雅代を演じ、父・田中大吉役に安田顕、母・田中るり子役に夏川結衣。さらに松山ケンイチ、伊藤沙莉、岡山天音など豪華キャストが集結。監督は武正晴、原作は桜木紫乃の同名小説(第149回直木賞受賞作)である。 ホテルのベッドに並んだ枕 Amazonプライムビデオの「人気急上昇」に上がっていたため、つい視聴を始めてしまったが、正直に申し上げれば失敗だった。案外「人気急上昇」はあてにならない。以前『忌怪島』もランキングに入っていたが、内容は惨憺たるもので、あの映画を私は途中退席した。 アレは酷かった。 本作も同じく、結構な期待外れだった。薄い人間ドラマ、笑えないユーモア、
シンプルなストーリー、それでいて視聴者をじらすのが上手い 映画『ラブ・メンテナンス(英:Maintenance Required)』感想レビュー【Amazonオリジナル映画】 映画『ラブ・メンテナンス(英:Maintenance Required)』は、父親の自動車整備工場を守る女性カーメカニック、チャーリー(マデライン・ペッチ)が主人公の物語。彼女の前に現れたのは、大手自動車チェーンの新店を率いるボー(ジェイコブ・スキピオ)――実は二人は、ネットでは互いに匿名で打ち明け合う相手同士でもある。 Amazon MGM Studiosが製作し、Amazon Prime Videoで独占配信中の本作は、仕事としての誇りとリアル/オンラインの恋が交錯する瞬間を、軽快なテンポで描いたラブストーリーである。 赤いクラシックカー ネットでのチャット相手が、実はリアルで知っている人だった、というありがちな
歴史上の偉人が織りなす痛快な社会風刺劇! 映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』感想レビュー 映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』は、新型コロナ・パンデミックに揺れる現代日本を舞台に、AIで蘇った歴史上の偉人たちが「最強内閣」を組織するという奇想天外・奇妙奇天烈な破天荒ストーリーである。 総理・徳川家康を演じるのは野村萬斎。官房長官の坂本龍馬に赤楚衛二、経済産業大臣の織田信長にGACKT、財務大臣の豊臣秀吉に竹中直人と、実力派俳優による豪華キャストが勢ぞろいする。新人記者・西村理沙(浜辺美波)は、この“夢の内閣”の裏に隠された真実を追う――。 「鳴くまで待とう」の徳川家康 本作を視聴したのは、ちょうど女性初の高市内閣総理大臣が誕生した歴史的な日であった。なかなかどうして、コメディ調でありながら、現代社会を鋭く風刺する社会派エンタメ映画として仕上がっており、政治のあり方を改めて考え
自由と孤独、そのあいだを軽やかに歩く物語 映画『チャチャ』感想レビュー|伊藤万理華主演 × 酒井麻衣監督が描く“野良猫のような自由” 映画『チャチャ』(2024年/監督:酒井麻衣/主演:伊藤万理華)は、自由と孤独をテーマにした邦画である。人の視線を気にせず、思うままに生きること。それは簡単なようでいて、誰にでもできることではない。本作はそんな”自由”を真正面から生きる女性「チャチャ」の姿を通して、私たちが抱える不自由さや孤独、そして他者との距離の取り方を問いかける作品である。 チャチャチャを踊る男女 視聴しながら私が思っていたことは、「あ、これはレビューが難しいタイプのヤツだ」というものだ。序盤は「考えるな、感じろな」のトーンでストーリーは展開してく。ところが、私が抱いていた作品の印象は中盤以降で一変する。自由奔放な女の子の恋愛模様を描いてく映画だと思っていたら、予想外の展開の連続に、私は
さらにスタイリッシュに!前作を超えるクオリティ! 映画『M3GAN/ミーガン 2.0』(2025)感想レビュー【ネタバレなし】 あの“AI人形”が帰ってきた──『M3GAN/ミーガン 2.0』(2025年公開)。前作『M3GAN/ミーガン』で世界中を驚かせた“愛玩人形型AI”が、予想を超えるスケールで再び登場する。ブラムハウス・プロダクションズが手がける本作は、ホラー要素を排し、SFとアクションを融合させた、アップグレード版AIスタイリッシュアクションが注目どころだ。 今回の物語は、“守る存在”から“守りたいからこそ戦う存在”へと進化したM3GANと、その開発者ジェマ(アリソン・ウィリアムズ)、そして彼女と行動をともにする少女ケイディ(ヴァイオレット・マッグロウ)の関係を軸に展開していく。 テクノロジーと人間の境界を問うテーマはそのままに、よりダイナミックなアクションと心理的緊張感を備えた
残酷なのにスタイリッシュ!近未来SFサスペンスの傑作! 映画『ミーガン』感想レビュー 生活の隅々までテクノロジーが入り込む現代。もしも子どもの心を癒し、完璧に守ってくれる“友達”が人工知能によって作られるとしたら――。映画『M3GAN/ミーガン』(2023年)は、そんな理想的なドラえもんが恐怖へと転じる瞬間を描いたSFスリラーである。AI人形ミーガンの「守る」という純粋な使命が、次第に人間社会の倫理を踏み越えていく。その過程は、美しくもぞっとするような現代の寓話として、視聴者の背筋を冷たく撫でていくのだ。 本作『ミーガン』は、ブラムハウス・プロダクションズ製作の近未来ホラー×サスペンス映画であり、公開当時からSNSを中心に話題を呼んだらしい。AIが人間の倫理を超えるというテーマを、スタイリッシュな映像と皮肉を交えて描き切っている。 AI人形ロボット 興奮冷めやらぬ!兎にも角にもこのレビュー
悪魔的寓話を背景に描いた密室オカルトサスペンス! 映画『デビル』感想レビュー|シャマラン原案の密室サスペンス・ホラー 映画『デビル(Devil)』は、M・ナイト・シャマラン原案による密室サスペンス・ホラーである。舞台はフィラデルフィアの高層ビル。いつも通りの朝が始まるが、エレベーターに乗り合わせた5人の男女が、思いもよらぬ恐怖に巻き込まれていく。停電とともに密室となったその空間では、次第に不気味な出来事が起こり、乗客たちの間に疑念と恐怖が広がっていく。 監視室から事態を見守る刑事ボーデン(クリス・メッシーナ)は、外部から彼らを救おうとするが、やがて出来事が単なる事故ではなく、「悪魔」そのものの仕業であることを知る。製作と原案をシャマランが担当し、監督はジョン・エリック・ドゥードル。密閉空間で展開する緊張感と、罪をめぐる寓話的テーマが際立つ作品である。 ボクはデビルだぞぉ 今回レビューするの
二転三転する本格サスペンスミステリー!息もつかせぬ120分! 映画『夏目アラタの結婚』感想レビュー|柳楽優弥×黒島結菜が挑む心理戦 児童相談所の職員・夏目アラタ(柳楽優弥)は、日々、虐待や家庭崩壊と向き合いながら子どもたちを支援している。かつては問題児として知られた男だったが、今は過去を悔い改め、社会の片隅で懸命に生きる一人の公務員だ。 そんなアラタのもとに、ある日、一人の少年が現れる。彼は世間を震撼させた連続バラバラ殺人事件――通称「品川ピエロ事件」の被害者遺児であった。少年の願いは、殺された父親の“首”を見つけてほしいというもの。 事件の犯人として逮捕されたのは、死刑囚・品川真珠(黒島結菜)。冷徹で謎めいた笑みを浮かべる彼女は、何を考えているのかまるで読めない異様な存在である。アラタは少年のために真珠との面会を試みるが、そこでのやり取りは常軌を逸していた。 彼女に翻弄されながらも、真実
ホラー?コメディ?ミステリー?詰め込み過ぎた要素が渋滞して観る人を選ぶ映画 映画『あの人が消えた』感想レビュー 日常のすぐそばで、人が“ふっと”消えてしまう――。 映画『あの人が消えた』(2024年9月20日公開/監督・脚本:水野格)は、静かな不安と違和感がじわじわと広がっていく“先読み不可能”のミステリードラマである。 主演は高橋文哉が務め、彼が演じる配達員・丸子は、失踪の噂が絶えないマンションを訪れるうちに、住人たちの不可思議な言動に巻き込まれていく。共演には北香那、坂井真紀、袴田吉彦、菊地凛子、中村倫也、染谷将太、田中圭らが顔をそろえ、それぞれの視点から“消える人々”をめぐる謎と人間模様が描かれていく。 派手な演出には頼らず、伏線と人物描写でじんわりとした緊張を積み上げる作りが序盤、特徴的には見える。観る者の先入観を揺さぶる仕掛けが随所に仕込まれている点は、評価はできるが――。 部屋
両親を亡くした少女の成長と、他者との違いの中で生きる大人の心の揺れを丁寧に描いたドラマ作 映画『違国日記』感想レビュー|ガッキー(新垣結衣)が演じる不器用な大人の静かな成長物語 映画『違国日記』(2024年公開)は、槙生と朝という対照的な二人を中心に据えたヒューマンドラマである。主人公の高代槙生を新垣結衣が演じ、葬儀の場で孤立した姪・田汲朝をオーディション出身の早瀬憩が務める。槙生を見守る友人・醍醐奈々には夏帆、槙生の過去に関わる笠町信吾には瀬戸康史が配され、朝の周囲には小宮山莉渚らが彩りを添える。静かな日常の描写を通じて、人と人との距離がどう縮まり、またどう拡がっていくのかを繊細に見せる映画である。 レビューを書くにあたって調べていたら、本作はヤマシタトモコによる日本の漫画作品を原作とするらしい。2026年からアニメ放送も開始されるという『違国日記』。PVを観てみたら実写映画の印象と全然
安定のアクション×コメディは健在!シリーズ未経験でも楽しめる 映画『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』感想レビュー ゆるい空気と鋭いアクションのギャップで人気を集めてきた映画『ベイビーわるきゅーれ』シリーズ。そんな二人組が帰ってきた本作『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』では、少し大人になったちさと(髙石あかり)とまひろ(伊澤彩織)が、新しい土地でちょっとした“お仕事”に挑む姿が描かれる。 今回の舞台は九州・宮崎県。のんびりとした風景の中で、二人らしいテンポの良いやり取りや、少し不器用だけど温かい関係性が描かれており、シリーズの魅力がさらに深まっているのが特徴的だ。アクションのキレと笑いのバランスも健在で、前作を知らなくても楽しめる一本となっている。 『女性ヒットマンイメージ』 髙石あかり、伊澤彩織の最強コンビが帰ってきたシリーズ第三弾『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』。アクション
一語一語に緊張が走るの心理ドラマ 映画『リアリティ』感想レビュー|実話をもとにしたFBI取り調べの82分 密室の静けさほど、真実を暴く空間はない。映画『リアリティ』は、ひとつの部屋と数人の会話だけで緊張感を漂わせる異色の実録劇である。主人公リアリティ・ウィナー(シドニー・スウィーニー)は、国家機密情報漏洩という重い罪に問われた若い女性であり、本作はその取り調べの一部始終を、実際のFBI音声記録をもとに再現している。 派手な演出や編集は一切なく、あるのは人間の声、呼吸、そして沈黙だけ。それにもかかわらず、画面からは圧倒的な緊張と不安が滲み出る。観る者は次第に、彼女が「何をしたのか」ではなく、「なぜそうせざるを得なかったのか」という問いへ引きずり込まれていく。 取り調べ 淡々としたノンフィクションの、ワンシーン・シチュエーション映画。82分の上映時間ので繰り広げられるのは、ほとんどがリアリティ
アニメとは違った良さはあるが期待値が高すぎた作品 劇場用実写映画『秒速5センチメートル』感想レビュー 実写映画『秒速5センチメートル』(2025年公開、監督:奥山由之)は、2007年公開の新海誠のアニメ作品を原作に、リアルな街並みと実在感のある人物で再構築した挑戦作である(主演:松村北斗、高畑充希ほか)。 桜の花びらが舞い、春の風が頬を撫でる――そんな情景を思い出すとき、私たちはいつも「触れられなかったあの想い」を蘇らせるのかもしれない。劇場用実写映画『秒速5センチメートル』は、かつてアニメーションとして多くの人に深い印象を刻んだ物語を、リアルな風景と実在する人物で再構築した挑戦作品である。 .アニメ『秒速5センチメートル』はコチラ ▼. www.ikakimchi.biz この映画には、離れた距離、すれ違う心、そして時間の流れが紡ぐ切なさを、スクリーンの中に静かに呼び込んでいく。本作を観
呪縛からの自立を描く抽象的映画? 映画『愛されなくても別に』感想レビュー|南沙良×井樫彩監督が描く「不幸」と「愛」の哲学 映画『愛されなくても別に』は、井樫彩監督による青春群像ドラマであり、南沙良・馬場ふみか・本田望結がそれぞれ「親の呪縛」と向き合う姿を通して、「愛されること」「不幸」「自立」という普遍的なテーマを描き出す作品である。 夜明け前、重たい沈黙とともに生まれる小さな声── 今日も早朝から、彼女は目覚め、家事をこなし、バイトへと足を運ぶ。 その日常には、遊びも余裕もない。親からの言葉に縛られ、人との関係にも距離を置いてきた。 そんな彼女の、どこか諦めにも似た生き方。 だが、同じ場所で働く “噂される存在” との出会いが、その閉じた世界を少しずつ揺さぶり始める――。 『鎖につながれた女性』 ……むっっっっっず!この映画、レビューを書くのがむずいヤツだ。哲学的なストーリー、抽象的な描
リアリティのなさで感動作に成りきれなかった青春ドラマ 映画『おいしくて泣くとき』感想レビュー|子ども食堂をテーマにした青春ヒューマンドラマ 映画『おいしくて泣くとき』は、食と記憶、そして人と人とのつながりを静かに描いたヒューマンドラマである。何気ない食卓の時間や、ふとした一皿の味が呼び覚ますのは、誰もが心の奥に抱えている“あの頃の気持ち”。過去の痛みと向き合いながらも、あの日の約束をずっと胸にしまって――そんな優しさと切なさが、静かに胸を打つ作品である。 とは書いたものの、再生開始後30分を過ぎる頃から「失敗したかも」と思い始めた。X(旧Twitter)で本作の紹介ポストが流れてきたのをきっかけに視聴を始めたが、思っていた印象とは違った。Amazonプライムビデオの新着として配信され、Amazonにはまだレビューが付いておらず、それでもYahoo!映画では評価4.0超えという高評価。だから
陰湿でおぞましい本格ホラー。曖昧さがさらに恐怖を深める。 映画『あのコはだぁれ?』感想レビュー 夏休みの終わりも近い、静かな学校を舞台にした本格ホラー映画『あのコはだぁれ?』。居ないはずの“誰か”が確かにそこに──そんな不穏な空気の中で、教師と生徒たちが体験する恐怖と記憶の物語である。一見すると学園怪談のような印象を受けるが、ストーリーが進むにつれて「音」と「存在」をめぐるテーマが浮かび上がってくる。 近年のガチなホラー映画は、かつてのジャパニーズホラーのような完成度を持つ作品は少なくなったと私は感じる。Amazonプライムビデオで「ホラー」とさらり検索した程度だが、評価★4以上の日本映画はなかなか見つからない(洋画や韓国映画では稀にある)。私がレビューした中で『きさらぎ駅』や映画『見える子ちゃん』はそれなりに評価されているが、それでも前者は★3で、しかもガチなホラーとはいえないし、後者は
クライマックスは「あっ」と驚くコメディ・ホラー! 映画『見える子ちゃん』実写化感想レビュー ホラーとコメディの境界線を行き来する異色作であり意欲作『見える子ちゃん』が、ついに実写映画化を果たした。日常に突如現れる“見えてはいけないもの”と、必死に平静を装おうとする女子高生・四谷みこ(原菜乃華)の姿を描く本作は、恐怖と笑いが同居する独特の緊張感が大きな魅力である。アニメ版や原作漫画で人気を集めた世界観が、実写映画ではどのように表現されたのか――その仕上がりをレビューする。 私はアニメ版『見える子ちゃん』を視聴済み。映画の予告動画を観た際、アニメ版『見える子ちゃん』で四谷みこ役を演じた声優・雨宮天がナレーションを担当していることにすぐ気付いた。ファンにとっては細やかな演出だが、もうその時点で映画スタッフの、原作やアニメへのリスペクトが感じ取れる。近年の漫画やアニメからの実写映画化は目を見張るも
超高所恐怖のサバイバルアクション! 映画『FALL/フォール』感想レビュー【あらすじ・見どころ解説】 高いところに立つだけで足が震えるという人は少なくないだろう。映画『FALL/フォール』は、その高所の恐怖を画面いっぱいに増幅させ、視聴者を“いつ落ちてもおかしくない”という張り詰めた緊張感へと引きずり込む。地上600メートルの電波塔に取り残されるというシンプルな設定ながら、超リアルな映像表現と心理描写によって、従来のサバイバルアクションを超えた没入体験を与えてくれる作品である。 私は普段、高い所はそれほど苦手ではないが、それでも本作を観ている最中はさすがに足がすくんだ。やはり人間にとって「高所の恐怖」は生存本能に直結しているのだと痛感させられる。調べによると、高所恐怖症とは単なる「高いところが怖い」ということではないらしい。 高所恐怖症とは? 「高所恐怖症」とは単に高い場所が怖いということ
現実ではあり得ない破天荒さが痛快な青春ドラマ 映画『響 -HIBIKI-』〜小説家になる方法〜 感想レビュー【あらすじ・原作・実写】 柳本光晴の人気漫画「響 〜小説家になる方法〜」を実写化した映画『響 -HIBIKI-』は、2018年に劇場公開された青春サイコドラマである。常識や周囲の空気に流されず、ただ純粋に「本物の文学」を求める少女・鮎喰響(平手友梨奈)の姿を描く本作は、公開当時から賛否を呼びつつも強烈な印象を残したらしい。文学という静かな世界に、暴風のように現れた彼女の存在感は、視聴者の心をかき乱しながらも鮮烈な印象を与える。 自宅で何を観ようかと映画作品を物色していたら、Amazonプライムビデオの見放題が終了間近と表示されていたので思わず再生してみたものの……。うっすら記憶がある。なんか観たことあるぞコレ。主人公・響の行動があまりに突飛すぎて、ついて行けずに序盤で視聴するのをやめ
無責任が自己感傷に浸る物語 映画『366日』感想レビュー 映画『366日』は、上京した男女の恋と悲劇のすれ違いを描きながら、「一年よりも一日長い時間」が象徴するように、かけがえのない瞬間を積み上げていく物語である。置いてきた日々と向き合い、今後の人生をどう生きるかという問いを投げかけ、視聴者に「もしあの時…」という記憶を呼び起こさせる作品である。 とはいうものの、本作を視聴した私の感想は高評価とは程遠い。Amazonレビューでは★4.3(視聴時点)という好意的な評価が目立つが、私はこれから酷評を述べる。う~ん……。いや、書きますよ?視聴したからにはレビューは書きますけれども。 酷評はするが、しかしだからと言ってこれは本作を気に入った人を否定する意図ではなく、単純に、私には合わなかったというだけである。人には合う合わないがあるから、それは汲み取っていただきたい。だからもう一度、申し上げておく
拗らせた陰キャ大学生の復讐劇 映画『青くて痛くて脆い』感想レビュー|吉沢亮主演の青春群像劇 大学のキャンパスライフを舞台にした青春映画は数多いが、映画『青くて痛くて脆い』はその中でも特別に異彩を放つ作品である。理想を追い求めながらも現実に押し潰されていく若者の姿を、鮮烈でありながら苦い余韻を残すタッチで描き出している。青春の眩しさと痛みが同居するこの物語は、視聴者に「理想の青春」とは何なのかを見せつけてくる。 エンドロールでかの国宝吉沢亮の名前が出てきたときは驚嘆した。「まさか彼だったのか」。先日、実写化映画『ババンババンバンバンパイア』を視聴ばかりだが、まったく気が付かなかった。そもそも私は視聴前に誰が出演しているとかあまり確認しない質だが、公開年が違うとはいえ、役柄によって本当にイメージが変わるものである。俳優の持つ変幻自在な表現力を、実感させられる瞬間であった。 www.ikakim
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