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(湯之上 隆:技術経営コンサルタント、微細加工研究所所長) 中国がEUVの試作機を開発 ロイターは2025年12月18日、中国がEUV(Extreme Ultraviolet:極端紫外線)による露光装置の試作機を開発したと報じた(「中国の半導体版『マンハッタン計画』、最先端チップ製造へ試作機完成」)。この開発の中心には、ファーウェイの存在があるとみられている。現在、EUV露光装置の量産機を出荷しているメーカーは、オランダのASMLのみである。 同記事によれば、ファーウェイは古い世代のEUV露光装置を入手し、それをリバースエンジニアリング(製品を分解し、構造や製造方法を解析する手法)することで、独自のEUV試作機を製造したという。その過程では、元ASMLの技術者を高年俸で雇用していたとも伝えられている。 7nm以降の先端ロジック半導体の製造には、現在ではEUV露光装置の適用が不可欠となってい
JBpressのYouTube公式チャンネル「INNOCHAN」で動画を配信しています。ぜひチャンネル登録をお願いします! 西アフリカのベナンでは1月11日の国会議員選挙を間近に控え、2025年12月には軍の一部兵士によるクーデター未遂事件が起きました。ベナンを含むアフリカ諸国の民主主義の行方に注目が集まるなか、かつて日本でタレントとして知られ、駐日ベナン大使も務めたゾマホン・ルフィン氏が、母国ベナンで国会議員を目指し選挙戦に挑んでいます。 そんなゾマホン氏は、母国の状況を語るうちにヒートアップ。往年の『ここがヘンだよ日本人』の番組さながらに、「いまの日本はバカだよ!」と叫びます。日本愛にあふれるゾマホン氏が日本の現状に警鐘を鳴らす背景には、何があるのか。中国ルポライターの安田峰俊氏が聞きました。全2回でお届けします。 ※JBpressのYouTube番組「安田峰俊のディープアジア観測局」
[ロンドン発]米ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官は1月6日「ドナルド・トランプ大統領はデンマーク自治領グリーンランド獲得が米国の国家安全保障上の優先事項で北極圏における敵対勢力を抑止するために不可欠と周知させてきた」との見解を声明で強調した。 米大統領次席補佐官「グリーンランドを巡り米国と軍事的に戦おうとする者などいない」 「大統領とそのチームはこの重要な外交政策の目標を追求するためにさまざまな選択肢を議論しており、当然ながら最高司令官(大統領)の裁量で利用できる米軍の活用は常に選択肢の一つだ」。米ABCニュースが6日、声明の内容を伝えた。 スティーブン・ミラー米大統領次席補佐官も米CNNとのインタビュー(1月6日)で「米国はグリーンランドを自国の一部とすべきだ。軍事作戦という文脈で考えたり話したりする必要もない。グリーンランドの未来を巡って米国と軍事的に戦おうとする者などいな
イラン・イスラム共和国(通称イラン)は今、1979年の建国以来、最も過酷な試練の刻(とき)を迎えている。 2025年12月28日、テヘランのグランドバザール(大規模市場)で一斉に店舗のシャッターが降りた日から、わずか10日間で、抗議の火の手はイラン全土31州の内27州285カ所以上へと燃え広がった。犠牲者もすでに36人、逮捕者は2076人に及ぶという(数字はイランの人権活動NGOのHRANAより引用)。今回のイラン市民による抗議活動は、2022年の「マフサ・アミニ抗議活動」を質量ともに凌駕し、1979年にイラン・イスラム革命によって王政を廃しイスラム共和国体制を樹立して以来、イランは現体制の存続そのものを問う歴史的岐路に直面している。 奇しくも昨年(2025年)末からのイランの抗議活動の活発化は、米国のベネズエラのマドゥロ政権への攻撃とほぼ同時期に発生した。
中華2026年第1号という年初一発目の公告がこれかよ、という話なのですが、要するに軍事転用可能な物資は日本には売りませんよ、という宣言です。半導体製造に必要なレアアース、ドローン部品、航法システムや、燃料電池・EVやセンサーを使う半導体チップとボードといったものが念頭にあると見られています。 ただ、すでに中国から実質的に禁輸対象となり日本企業が直接輸入不可の重要物資も複数ある中、改めて今回「公式に輸出制限しまっせ」と言われているものもありますから非常に微妙なところではあります。 2025年12月、顕微鏡や検査系薬品など一部高額商品をコンテナで日本に輸出しようとしたところ、中国税関から止められる事例が起きました。また、中国にある日系製造業の工場向けに日本から輸出した基板製造用のプラスチック製品が中国税関でハネられ、騒ぎになるという事例もあります。 光学用レンズは普通の制御用センサーに必要な部
クリミアにたった1機だけ配備されているこの特殊な戦闘機を撃破したことは、今後のウクライナ戦争を見る上で重大な意味を含んでいる。 ウクライナが被っている弾道ミサイルによる被害を、防空兵器以外の手段で減少できる可能性が出てきたからだ。 また、これまで実施してきたクリミアの防空網の破壊と合わせて、クリミアをさらに孤立させ、ロシアがクリミアを作戦基地として使えなくなってきたことを証明した事案でもある。 今回、ウクライナが最も破壊したかったこの戦闘機を、ミサイルを搭載して離陸する直前のタイミングで破壊できたことの意味は大きい。 その実現には、クリミアのロシア空軍の動きがウクライナに丸見えになっている必要があり、SBUが特殊なサポートを受けた結果と考えられる。 そこで、今回はSBUが各手段・能力を活用して行い成功させた特殊な作戦について考察する。 弾道ミサイルを発射するミグ31戦闘機の破壊 SBUが運
[ロンドン発]ドナルド・トランプ米大統領は1月3日、自ら立ち上げたSNS、トゥルース・ソーシャルに「米国はベネズエラとその指導者ニコラス・マドゥロ大統領に対し成功裏に大規模な攻撃を行った。同大統領は夫人とともに拘束され、国外へ移送された」と投稿した。 「幸運と神の加護を」と作戦開始を命令 ダン・ケイン米統合参謀本部議長によると、マドゥロ氏とシリア・フローレス夫人の身柄を拘束する「アブソリュート・リゾルブ作戦」は数カ月に及ぶ緻密な計画とリハーサルのもと実行された。米情報機関がマドゥロ氏の食事・服装・ペット・移動パターンをつかみ、監視した。 1月2日夜、トランプ氏が「幸運と神の加護を」と作戦開始を命令。ベネズエラの防空網を無効化し、特殊部隊のヘリコプターが海上約30メートルの高さで飛行し、マドゥロ氏の居住施設に到達。夫妻を拘束した。米陸海軍20カ所の基地から150機以上の航空機が参加した。 突
(小林 啓倫:経営コンサルタント) そろそろ休もうと思ってベッドに入ったが、ふとスマホを開いてYouTubeのショート動画をスワイプし始める。その大半がくだらない内容なのに、気づけば30分、1時間が過ぎている。すぐ寝ようと思っていたのに、なぜこんなに時間を使ってしまったのだろう──。そんな経験に心当たりはないだろうか。 実はこうした行動は、あなたの意志の弱さではなく、緻密に設計された仕組みと「企業努力」の結果かもしれない。 動画編集ツールを提供する米Kapwing社が2025年11月に発表したレポートは、私たちが日常的に消費している動画コンテンツの実態を明らかにしている。そこに浮かび上がったのは、低品質なAI生成動画が、ビジネスとしてプラットフォームを席巻している現実だ。 YouTubeのショート動画コーナーに流れてくる動画は、ランダムに決められているわけではない。公式の解説によれば、視聴
約40年ぶりの抜本的な見直しとなるはずだった労働基準法の改正が、当初目標の2026年から先送りされる見通しとなりました。厚生労働省での議論は「14日以上の連続勤務禁止」など労働者の負荷を減らすことなどを軸に進んでいましたが、2025年10月に就任した高市早苗首相がこれまでの方向性とは逆に「労働時間規制の緩和」を検討するように指示したためです。“労働者の憲法”とも呼ばれる労働基準法の改正をめぐって何が起きているのでしょうか。やさしく解説します。 (フロントラインプレス) 「労働者の憲法」労働基準法とは 敗戦直後の1947年に施行された労働基準法は、日本国憲法の第25条(生存権)、第28条(労働3権の保障)などを具体化した法律です。閉鎖的・封建的で劣悪だった戦前の労働環境や労使関係を一掃し、国際労働機関(ILO)などが定める国際的な労働条件を参考にして連合国軍総司令部(GHQ)のリードで制定さ
(数多 久遠:小説家・軍事評論家、元幹部自衛官) 立憲民主党・岡田克也議員の議会における、台湾有事に関する誘導質問に端を発して、中国が対日姿勢を硬化させています。質問から1カ月を経過した現在でも、中国は強硬姿勢を緩めることなく、台湾有事はホットな話題であり続けています。 結果、普段は防衛やミリタリーに興味を持たない方の中にも、不安を感じている方が多いようです。 今回、JBpressの編集者より、そうした人たちに向けて、 ・自衛隊の戦力は中国やロシアと比べて勝っているのか? 劣っているのか? ・世界の中でどれくらいの位置につけているのか? ・足りている戦力は何か? 足りていない戦力は何か? といった内容で解説を書いてほしいと依頼を受けました。 この依頼を見て、私は危機感を抱きました。それは、編集者が提示してきたテーマ自体が中国の術中に嵌まっている証左だからです。 最近のテレビやSNSなどでは
[ロンドン発]米科学雑誌「サイエンス」(12月18日付)に「大規模な知的な意味論的ビジョン生成のための全光合成チップ」と題した論文が掲載された。光チップは最新の電子チップに比べ100倍以上も優れているとされ、衝撃はディープシーク・ショックを上回る可能性がある。 速度、エネルギー効率ともエヌビディア製GPUの100倍以上 中国の上海交通大学、清華大学チームの共同研究だ。香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(12月23日付)は画像や動画生成で米半導体大手エヌビディアの最高峰GPUを速度とエネルギー効率の両面で100倍以上も上回る性能を持つ「光演算チップ」を構築したと報じた。 「この技術が中国にとり特に重要なのは米国の輸出規制によりエヌビディアの最先端チップの入手が制限されているからだ。光チップは従来の電子チップが必要とするような超微細な3ナノメートルや5ナノメートルの製造プロセスを必
2025年11月、アップルが約10年ぶりにスマートフォン市場の首位を奪還する見通しとなった。市場が成熟する中で、企業は製品の価値をどう伝えるかが改めて問われている。その象徴的な例の1つが、1998年に発売されたiMacのテレビCMだ。詳細なスペック説明を排し、コピーを「Think different」という一言だけに絞った背景には何があったのか。 『戦略書としての老子』(原田勉著/東洋経済新報社)から一部を抜粋・再編集。老子が説くシンプル化の重要性を手掛かりに、ジョブズの“本質だけを残す”思考法について考察する。 シンプルなアイデアから出発する 老子の「小さくやさしいことに手を付ける」というのは、「シンプルなアイデアから出発すべきである」と解釈することもできる。 ただし、同社の最初のシンプルなアイデアである「冒険」は成功しなかった。アイデアがシンプルであり、直観的であったとしても、当然なが
12月20日夜、米サンフランシスコで大規模な停電が発生しました。市内の広い範囲で信号機が停止し、街の交通インフラそのものが一時的に機能不全に陥りました。 このとき、最も注目を集めたのが自動運転車の挙動です。 結論から言えば、今回の出来事は自動運転の失敗ではなく、都市インフラとAIの設計思想のズレを露呈させた出来事でした。 特に影響を受けたのが、サンフランシスコでロボタクシーを運行しているウェイモ(Waymo)です。 信号機が消えた交差点で、同社の車両が次々と停止し、結果として渋滞を引き起こしました。 ウェイモは安全確保を理由に、配車サービスを一時停止する判断を下したのです。この判断は一見すると弱腰に見えるかもしれません。 しかし経営の視点で見ると、ここには極めて一貫した安全設計の思想があります。 今回の停電は、自動運転が社会インフラの一部として動き始めたからこそ起きた問題だと言えるでしょう
(山本一郎:財団法人情報法制研究所 上席研究員・事務局次長) 首相官邸の安全保障担当幹部による核保有発言が、思った以上の騒動に発展しています。この年の瀬に何を面倒くさい事態を引き起こしてるんだよと言いたくなるところですが、やっちまったものはしょうがないので対処しようとしています。 中国には主に英語圏で本件が「利用」され、日本批判のナラティブの具になってしまったのは残念なことです。他方で論点が拡散し、近視眼的になってしまい、どうしても「オフレコ破りの是非」「核保有論そのものの是非」「発言者の資質」が入り乱れて議論されてしまいがちです。本稿ではこの問題に補助線を引き、整理を試みます。 先に結論を書くとコレです。 ・議員が国会で核武装の是非を議論したり、国民が自由に政策について論じたりするのは構わない。 ・しかし、政府中枢にいる人は「個人的に」であっても、また「オフレコ」であっても核武装を是認す
米国のトランプ政権が南米ベネズエラに対する軍事圧力を強めています。麻薬の密輸防止を理由に船舶を爆撃したり、海上を封鎖して石油タンカーの航行を妨げたりするなど、カリブ海の緊張が高まっています。その背景を探ると、ベネズエラだけでなく、南北アメリカ大陸を覆う「西半球」での覇権を確保しようとする米国の戦略が見えてきます。なぜ今、米国は西半球政策に力を入れるのか、やさしく解説します。 (西村卓也:フリーランス記者、フロントラインプレス) ベネズエラのマドゥロ政権打倒が狙いか 麻薬を積んでカリブ海を航行していたベネズエラの高速艇を米軍艦艇が攻撃して沈没させ、乗組員11人が死亡した――。 トランプ大統領がそう発表したのは、ことし9月2日のことです。麻薬は米国に向けて運ばれる途中で、乗組員はベネズエラのギャング組織「トレン・デ・アラグア」のメンバーだったとの説明です。米国が中南米で軍事攻撃を実行したのは1
[ロンドン発]欧州連合(EU)の首脳は凍結されたロシア資産をウクライナ支援に活用することで合意できなかったため、域内共通予算を担保に900億ユーロを融資することで一致した。首脳は「ウクライナの今後2年間の軍事的・経済的ニーズを満たすものだ」と胸を張った。 「巨大リスクをベルギー一国に背負わせないで」 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は凍結されたロシア資産2000億ユーロの活用を求めていた。凍結資産は2100億ユーロにのぼるが、そのうち2000億ユーロがベルギーにある決済機関に集中している。 資産を没収してウクライナ支援に使った場合、ロシアが報復としてベルギーを相手取り国際訴訟を起こすのは必至。ロシアの凍結資産を没収・活用することに伴う巨大リスクをベルギー一国に背負わせないでくれと、ベルギーはEUに対し損失が出た際の責任共有を求めた。 EUによると、ウクライナが今後2年を生き延
「高市総理、やっぱり答弁聞く側のせいとか責任にすべきではないと思うんですよね。高市総理のご答弁というのは非常に矛盾しておりますし、齟齬(そご)が多いということが明らかになったんだろうと思います。 高市総理の台湾有事に関しての、どう考えても存立危機事態の答弁は撤回すべきではないでしょうか」 CCTVは続いて、「広田議員の国会質問の時間中に、3回も生中継の音声が消された」と報じ、うろたえて後部座席の官僚に何かを確認するような仕草をする高市首相の映像をかぶせた。「小泉進次郎防衛相も答弁に立ったが、野党は何度も高市首相に、問題の答弁を撤回するよう迫った」。
台湾有事に関する11月7日の高市首相の答弁をきっかけに悪化してきた日中関係は、1カ月以上経っても、一向に改善の兆しがない。なぜ、中国は強硬姿勢をとり続けるのか。その答えを探るために、習近平主席の思想と行動について検討してみたい。 首相の台湾有事発言による経済的被害、ますます拡大 中国の対日抗議行動は、軍事面にも及んでいる。12月6日午後、沖縄本島南島の公海上で、中国軍機が自衛隊機に対してレーダー照射を行った。これは危険な行為であり、日本政府は中国に抗議した。 このような行為をきっかけに軍事的衝突に至るようなことがあれば、日中関係は修復不能な状況に陥ってしまう。 人的交流も阻害され、経済的な被害も拡大している。 中国政府は、国民に日本への渡航自粛を呼びかけ、留学も止めるように勧告している。そのため、日本と中国を結ぶ航空便も減便され、観光業界などへの被害も拡大している。 とくに関西地域への影響
12月17日に閉幕した臨時国会は、高市早苗新首相にとって、かなり手応えがあったに違いない。何せ政府が提出した11本の法案は、すべて通過させ、手腕を見せつけたのだから。 高市首相の臨時国会、「存立危機事態」発言は最大の「傷」 新たに連立を組んだ日本維新の会が強く求めていた衆議院の議員定数削減法案は継続審議となったものの、連立つなぎ止めには成功した。加えて、国会閉幕後の18日には、「103万円の壁」を178万円に引き上げると発表し、この公約を前面に掲げていた国民民主党をも引きつけた。 このことで、年明けの通常国会での新年度予算審議に、大いに弾みがついた。さらに、連立離脱をチラつかせる維新への牽制にもなる。 それでは高市新首相にとって、臨時国会は「満点の出来」だったかと言えば、そうとも言えない。最大の「傷」となったのが、11月7日の衆議院予算委員会で、「台湾有事と存立危機事態」について発言したこ
2025年も残すところあとわずかになりました。今年、注目されたニュースや出来事についてJBpressでよく読まれた記事をもう一度お届けします。今回は社会問題化したコメ不足・米価高騰に関する記事です。(初出:2025年5月16日)※内容は掲載当時のものです。 (作家・ジャーナリスト:青沼 陽一郎) 歴史は繰り返すのか。それとも、企業気質なのか。 流通大手イオンが米国輸入のカリフォルニア産米を店頭販売する。その一報に触れた瞬間に、そんなことが脳裏をよぎった。 またしてもイオンか……。 それから滅入りそうになりながら、日本の食料事情を変えた過去を思い出していた。 高い関税をかけても国内産米よりまだ安いという米国産米 イオンのカリフォルニア産米の販売が、今後の日本の食卓へ外国産米の開放を招くものだとしたら、中国産野菜の日本への流入を導いたのもイオンだったからだ。 コメの価格の高止まりや国産米の品薄
2025年も残すところあとわずかになりました。今年、注目されたニュースや出来事についてJBpressでよく読まれた記事をもう一度お届けします。今回は社会問題化したコメ不足・米価高騰に関する記事です。(初出:2025年2月13日)※内容は掲載当時のものです。 昨年(2024年)の秋から続く「令和のコメ騒動」について、約91万トン(2024年6月時点)の在庫がある政府の備蓄米がようやく放出される見通しとなった。当初、農水省は「新米が流通すれば価格は一定の価格水準に落ち着く」との見通しを示していたが、コメ価格は2025年1月以降も「5kg4000円台」という高値が続いていたため、政府はやむなく方針転換した。だが、こんな対症療法的な手法や補助金漬けの農政では本格的な食糧危機は乗り切れない。ジャーナリストの山田稔氏がレポートする。 >>【図】投機目的の事業者が関与?コメの流通経路と備蓄米放出の流れ
米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)が、半導体設計支援ソフト(EDA)大手の米シノプシス(Synopsys)に対し、20億ドル(約3100億円)の出資と戦略的提携の拡大を発表してから2週間余りが経過した。 12月1日に公表されたこの動きは、単なる資金提供にとどまらず、製造業やハイテク産業における設計開発のプロセスを、従来のCPU(中央演算処理装置)中心からGPU(画像処理半導体)主導の「アクセラレーテッドコンピューティング」へと転換させる狙いがある。 生成AIブームで得た潤沢な資金を「産業AI」の実装へと還流させるエヌビディアのエコシステム戦略が鮮明になっている。 「数週間」の作業を「数時間」へ 今回の提携の核心は、半導体のみならず、航空宇宙、自動車、産業機器といった幅広い分野のエンジニアリング工程における「時間」と「コスト」の圧縮だ。 現代の製品開発、特に高度なチップやシステムの設計
今年、瀬戸内海で養殖カキが大量に死んでいる。海の高温化と高塩分が原因と考えられているが、先日、漁業関係者から、カムチャツカ地震の影響もあるのではないかという話をうかがって驚いた。 2025年7月30日にカムチャツカ半島付近で大規模地震が発生した。ペトロパブロフスク・カムチャツキーでは停電が起き、千島列島・幌筵島セベロクリリスクでは津波で水産加工場が流された。 このカムチャツカ地震による潮位変化の影響が瀬戸内海にも及び、海水の状態が変わったことで今回のカキの大量へい死につながったのだとすれば、いわゆる「バタフライ効果」であり、予測不可能な事態だと言える。 函館の水産業は、イカの予想外の水揚げ、ホタテをめぐる中国との関係など、さまざまな問題に直面している。こうした中、マスノスケ(キングサーモン)の完全養殖に向けた研究開発も進んでいる。 根室の漁業関係者によると、道東の秋サケが50年来の不漁だと
今年2025年の後半、「存立危機事態」という言葉が大きな注目を集めました。高市早苗首相が国会答弁で、台湾有事が存立危機事態になり得ると答弁し、中国の激しい反発を招いたためです。高市首相は発言を撤回しておらず、日中の緊張も緩む気配はありません。では、そもそも「存立危機事態」とは、どんな状況を指すのでしょうか。意外と知らないこの言葉の意味をやさしく解説します。 (フロントラインプレス) 高市首相の発言の中身とは 台湾有事をめぐる高市首相の発言があったのは、ことし11月7日の衆院予算委員会でのことでした。質問者は、立憲民主党の岡田克也議員(元外相)。首相に就任したばかりの高市氏に対し、岡田氏は外交・安全保障の基本姿勢を問いただしていきます。そのなかで「存立危機事態」発言は飛び出しました。 重要な答弁ですから、該当部分を国会議事録から再録しましょう(なお、以下の質疑は一部の語句やQAを省略していま
JBpressで掲載した人気記事から、もう一度読みたい記事を選びました。(初出:2025年6月29日)※内容は掲載当時のものです。 男女ともに高い労働参加率を実現してきた国の事例として、「北欧モデル」は長く世界の注目を集めてきた。女性たちは男女平等が讃えられる風潮の中で、仕事も子育ても両立させてきた。だがここへきて、女性が仕事を辞めて、男性パートナーに経済的に依存するライフスタイルが注目されている。TikTokから生まれたこの現象は、スウェーデンをどのように変えようとしているのだろうか。 TikTokから生まれた「ソフトガール現象」 スウェーデンは、長らく世界が注目してきた「北欧モデル」の中心にあった。高い税負担と引き換えに、充実した社会保障や平等な教育・雇用の機会を提供するほか、育児とキャリアの両立を支援する制度を充実させ、男女ともに高い労働参加率を実現してきた。労働の尊厳と社会貢献を重
[ロンドン発]英誌エコノミストは「中国は自分たちの利害に反した国の罰し方を心得ている」(12月8日付)と題して経済的威圧手段を使う中国の巧みな「お仕置き部屋外交」について分析している。それによると、中国の外交的怒りは「保存の法則」に従っているという。 外交的に不満の対象となる国には貿易・観光・文化交流を通じて経済的圧力 「その総量は一定だが、標的が変わる。カナダや韓国が中国の『お仕置き部屋』からようやく出てきたかと思うと、日本が再びお仕置き部屋に入れられている」「ドナルド・トランプ米大統領とは異なり、中国は経済的影響力を使う『闇の魔術』に長けている」という。 11月上旬、高市早苗首相が「例えば台湾を完全に北京政府の支配下に置くためにどういう手段を使うか。戦艦を使って、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得る」と国会答弁したことをきっかけに中国は経済的威圧策を次
JBpressのYouTube公式チャンネル「INNOCHAN」で動画を配信しています。ぜひチャンネル登録をお願いします! 2024年の台湾総統選では与党・民進党が政権を維持した一方、議会では過半数を割り、国民党や民衆党との「ねじれ」が生じました。さらに今年の秋の国民党主席選では親中色の強い鄭麗文氏が当選し、台湾の対中路線や政局の行方に注目が集まっています。 2028年の総統選を前に、台湾の民意はどう変化していくのか。中国ルポライターの安田峰俊氏が、台湾出身の東洋経済記者・劉彦甫氏に話を聞きました。3回に分けてお届けします。 ※JBpressのYouTube番組「安田峰俊のディープアジア観測局」での対談内容の一部を書き起こしたものです。詳細はYouTubeでご覧ください。 (収録日:2025年12月3日) 野党党首に親中派 安田峰俊(以下、敬称略):今後の台湾の政治動向も注目されます。台湾
日本各地で、さまざまな形で公開されている鉄道廃線トンネル。今回は明治時代の煉瓦などの造形が残りながらも、今なお県道や市道として活躍する旧国鉄北陸本線のトンネル群を紹介する。 (花田 欣也:トンネルツーリズムプランナー、総務省地域力創造アドバイザー) 福井県の敦賀市を経て南越前町に至る旧国鉄北陸本線のトンネル群(旧北陸線トンネル群)は、明治当時の煉瓦などのポータル(坑門)の造形がほぼ残る計13本ものトンネルが県道、市道に転用され、今なお“現役”で地域のインフラとして活用されている。 明治期の鉄道廃線トンネル群がエリア内に道路転用され、これほど保存状況が良く多数現存する例は、全国でここだけだろう。 トンネル建設の時代が重なる碓氷峠のトンネル群が“東の横綱”ならば、旧北陸線トンネル群は、その数だけでなく、国登録有形文化財にも指定された近代土木遺産としての価値から、“西の横綱”と呼ぶにふさわしい。
(小泉秀人:一橋大学イノベーション研究センター専任講師) 2025年11月28日、ガソリン暫定税率廃止が参議院でほぼ全会一致で可決された。ガソリン税を下げれば、ドライバーの負担は減る。この主張は一見すると理にかなっているように見える。 しかし、経済学的なデータは、この直感が誤りであることを示している。ドライバーの負担、特に都市部のドライバーの負担は今よりも上がることが予想され、実質的な出費は増える。理由は、「事故の外部性」というものにある。 どういうことか、詳細を見ていこう。 運転の隠れたコスト、「事故の外部性」 経済学では、ある人の行動が他者に意図せず損害や利益を与えることを「外部性」と呼ぶ。 損害であれば「負の外部性」、利益であれば「正の外部性」と呼ぶ。例えば、企業が人の健康を害することを目的としていなくても、工場の排煙で周辺住民の健康を害してしまうのは典型例である。だが、実は自動車の
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